ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

良い趣味してるお嬢さん

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~通りにある屋台群~


「ガハハハッ!
ジャンジャン酒ば持って来ぃ!今日は竣工祝いじゃ!夜通しじゃど!(バド)」

「ハッハー!何じゃ他の者はもうぶっ潰れたか、たかだか6時間位じゃぞ!(ルド)」


恐ろしい速度で保養施設を再建させたドワーフ達は、手伝ってくれた職人達と昼過ぎからひたすらに飲み続けていた。

だが、誰もドワーフ達に付いていける者が居らず、ぶっ潰れた者達が周囲に転がっていた。

そんなドワーフ達から少し離れた所では、ノアとクランメンバー、シトラとミコト(変装中)、ドワーフのロイが集まっていた。





「さて、明日ここを発って『アルゴダ』へ向かうとしよう。
道中間者が待ち構えているかも知れないから2人には基本的に影の中に潜んでて貰う。」

「りょ…は、はい。(シトラ役のミコト)」

「了。(ミコト役のシトラ)」

「皆さん(ドワーフ3人組)は気にせず南下してて下さい。
恐らく2日位で用事が済むと思うので。」

「ほぅ、この嬢ちゃん達を届けんのか。
しかし街に届けてはい終わり、となるのか?(ロイ)」


飲み始めてから6時間経っているにも関わらず、呂律が回らない所か酔う事も無く、ロイはノアからの話を聞いていた。

シトラとミコトの事情を耳に入れていたロイが懸念していたのは、2人を届けた後の事である。


「坊は犯人の目星は付いてるんじゃろうが、嬢ちゃん達の故郷『アルゴダ』側はまだ知らんのじゃろ?
それに捕らえた間者を帰しちまったが、良いのか?今頃証拠隠滅に走っとるハズじゃぞ?(ロイ)」

「まぁ普通はそう思うよね。
大丈夫、″彼″ならやってくれるさ。」

「ふぅむ、何ぞ考えがある訳か…
よっし、分かった2人に伝えておこう。
こっちは暫し酒盛りで忙しいから、早くて2日って所じゃ、達者での。(ロイ)」


策がある様子のノアに安堵したのか、ロイは酒盛り継続中のドワーフ2人の下へと戻っていった。





「さて、僕達は食事を済ませたら明日に備えて寝ましょう。」

「「はい…(ヴァンディットとミリア)」」
「うん…(ラインハード)」

「ん?どうしたの3人共?」


伝える事を伝えたノアは、食事を再開し明日に備える様に促す。
だが、周りの反応が何か芳しく無い。

何故なら


「何か2人共、距離近くなってない?(ラインハード)」

「え?」
「え?(ミダレ)」

「悪い事じゃないのですけど、いつものノアさんなら何かしら反応してますのに…(ミリア)」

「何か急に仲が縮まった感じですわね。(ヴァンディット)」


テラス席に座るノアとミダレは、椅子と椅子とがくっ付き、お互いの肩が触れ、ミダレからの吐息が掛かる程の距離まで近付いていた。

以前までのノアなら恥ずかしがったりして無意識に距離を離していただろうが、先程まで距離感がバグったプレイ紛いな出来事があった為、これ位なら気にならなくなっていた。


「あ、う、うん!
ほら、僕が中々寝付けないから相談とかしてたら段々とね…」

「そ、そう…相談を聞いてたら程良く打ち解けた…みたいな…そんな感じっちゃ。(ミダレ)」


周りから指摘されてしどろもどろになる両名。
歯切れの悪い、取って付けた様な理由で何とか誤魔化しに掛かる。

何せ″2人共に殆ど裸で、泡まみれで抱き合った″等と言ったらどう思われるか、分かったものではない。


「「「ふーん…」」」


一同腑に落ちていないものの、このまま話が流れてくれればノアとして助かるのだが


「【鬼神】、何故、彼女と、匂い、同じ?(ミコト)」

「えっ!?」スンスン…

「……(汗だくのミダレ)」

『『『ガタタッ!』』』(3人、無言の動揺。)


ミコトが特大の爆弾を放ってきた。
ヴァンディット達がどうも腑に落ちていなかったのはこれが原因であった。

3人が動揺している辺り気付いてはいたが敢えて指摘しなかった様子。
そこにしれっとミコトがブチ込んできた形である。

他人の匂いには気付くけど、自分の匂いって気付きにくいよね。


「それに、帰ってきてから、ミダレ、目付き変わった。
何かこう、【鬼神】を、オス

「止しなさいミコト!(シトラ)」

「お?」


ミコトが更なる爆弾をブチ込んできそうになった所でシトラが止めに入ってきた。


「余計な詮索は不粋ですよミコト。
ましてや2人は恋仲なのですから引っ掻き回す様な事は控えるのが礼儀と言うものです。(シトラ)」

「はい…ごめん。(ミコト)」

「おぉ…」


シトラはミコトの主人的ポジションに居る為か、ミコトは言い付けに従って大人しくなってくれた。

のだが


「こういうのは少ない情報から感じ取って、見て楽しむものなのですよ?(シトラ)」

「なる程。(ミコト)」

「あれ?」

(『何か風向き変わったな。』)


落ち着いた口調でミコトを諌めていたシトラだが、どうやら楽しみ方の方向性が違っていた様だ。


「2人から香る石鹸の芳しい芳香、男性が使うにしては華やか過ぎます、恐らく彼女(ミダレ)が使用していた物でしょう。
それに彼女さんが【鬼神】さんを見る目、確かにミコトの言う様に″男″では無く″雄″を見る目です。
彼女さんの濡れた瞳がそう物語っています。(シトラ)」

「あ、えへへ…(ミダレ)」

「ミダレさん?「バレちゃったか~」みたいな反応やめて?」

(『正解って言ってる様なモノだしな。』)


冷や汗を流しつつシトラの説明を聞いていたミダレは、照れ笑いを浮かべる。


「それにミコト?
あなた、その口振りですと、【鬼神】さんが彼女と″致した″と捉えられる事が出来ますが…?(シトラ)」

「いや、そこまでは…(ミコト)」

「あの、ちょっと…?」

「″致してる″に決まってるでしょう!
【鬼神】さんを舐めないで下さいな!(シトラ)」

「ごめんなさい。(ミコト)」

「おいおいおい!待て待て待て!
シトラちゃんは何目線で言ってるの!?」


″致してる″について深く言及するつもりは無いが、どうやらシトラの脳内では、何かしらのストーリーが出来上がっている様子。


「【鬼神】さんは、見た目で言えば新人冒険者と変わらない15才の男の子でしょうが、【鬼神】の二つ名を持つ歴とした剛の者!
私達の考える非日常は彼にとっての日常なのです!そんな日々に晒される彼はそりゃあ″溜まるモノ″も″溜まって″ますでしょう!
種族一倍精を欲するサキュバスの可愛い彼女さんにぶっ放さない訳が無い!
彼は私達の目を盗み!雄の本能に従い孕孕ドッキドッキのプ「シトラちゃん落ち着いて!ここ通り!人一杯居るから声抑えて!
てか何想像してるか分からないけど僕は何もやってないって!」


ひたすらにヒートアップするシトラを全力で抑えるノア。
テーブル内で収まるだけならまだしも、周囲にまで伝播されては堪ったものでは無い。


ケロッ。

「あ、やはり手は出してないのですね。
解釈通りで助かります。(シトラ)」

「何の話!?」

(『良い趣味してんな、この嬢ちゃん。』)


次回街出ます。
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