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取り敢えず南へ編
街を散策。
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~『アルゴダ』工房区画~
『『『メェ~…』』』(遠くから羊の鳴き声。)
『『チクチクチクチクチク…』』(採取した綿からごみや大きな汚れを取る。)
『『ジャブジャブッ!』』(綿の洗浄。)
『『カラカラカラ…』』(糸車で綿を糸に。)
「…凄い数の職人達ですね…」
「綿花や羊毛の採集から糸の大量生産には多くの人手が要りますのでね。
他にも服飾系【適正】持ちの方々が数多く集まって、日々レベルを上げに努めていますよ。(衛兵5)」
「へー。」
毒に侵されて一時避難&治療に専念し、完治して戻ってきたシトラとその父親ファマスとの久々の対面に水を差すのはどうかと感じたノアは、その場をミコトと衛兵達に任せて街を散策する事に。
一応案内役として衛兵を1人付けてくれた。
他の街同様に民家や宿場、屋台等が建ち並んでいたのだが、ざっと見回しただげでも分かる位工房の多さに驚かされた。
街の奥の方から羊の鳴き声が聞こえてくる辺り、採毛から糸作製、各種服飾の生産をこの街で行っている様だ。
街の中を散策する間、まるで環境音の様に糸車が回り、糸を紡いでいる音が何処からともなく聞こえてくる。
それが決して耳障りでは無く、何とも心地好いのだ。
「『アルゴダ』と言えば綿花・羊毛の一大産地。商人見習い(メルカドール)としては一度訪れてみたかったのですよ。(ミリア)」
「わ、あのお店で売ってる服可愛いっちゃね。
しかも結構お手軽な値段…ふむむむ…(ミダレ)」
「この仄かに漂う薬品の匂いは…染め物でしょうか…見学出来たら行ってみたいですね。(ヴァンディット)」
「うわー、作務衣とかツナギも作ってるんだ。
機械いじりするとなると汚れが心配だから幾つか買おうかなー。(ラインハード)」
影の中に居た女性陣達も外に出て来て一緒に街を散策。各々興味のある物や服飾がある様で、目を輝かせて散策していた。
その間にノアは、付き添いの衛兵に幾つか質問してみた。
「そう言えばミコトさんってこの街の人なのですか?
シトラさんの護衛みたいですが、雰囲気がえらく違うなぁ、と…」
「ミコト殿は3年程前に近くの牧草地で全身血塗れで倒れていましてな。
治療を施して何処の者か問うたのですが、聞いた事の無い言語で話し、何を聞いても理解が出来ずに途方に暮れたものです。
暫くこの街に置きつつ、何処の国の者か【密偵】や【諜報】に調べさせましたが、結局何もかもが分からずじまいでした。(衛兵5)」
「それなのに護衛を?」
「当初は間者ではないか、記憶喪失や記憶の混濁ではないかと疑いを掛けたモノですが、幾度か【鑑定】を行い、何の隠し立ても無く、記憶喪失の類いでも無い上に、行くあても無かった様なのでファマス殿の元で預かる事となったのです。
感情の起伏が少ないですが、腕が相当立ち、同性という事も相まって直ぐに打ち解けていらっしゃいましたよ。(衛兵5)」
「ほぅ…」
(『流れ者だったんだな。』)
衛兵からザックリとしたミコトの経緯を聞き思案するノア。
言葉が通じず、行くあても無い身元不明な者を預かってくれたファマスにある種の忠義と言うものがあったのだろう。
今思えば治療費を稼ぎにノアを襲ってきた当時のミコトには、絶対に成さねばならんとでも言いたげな覚悟の様なモノが発されていた様に思う。
「逆に聞きたいのですが、【鬼神】殿はミコト殿と大変仲が良いとお聞きしました。
一体どういった関係なのですか?(衛兵5)」
『あぁ、治療費目的で僕の殺害依頼を受けて僕を殺しに来たんですよ。』
(…とは言えないな…)
感情の起伏が少なく、機嫌が良いのか悪いのかが常時分かり辛いミコトとの接し方に困っていた様子の衛兵は、どうやって仲良くなったのか、ヒントを探ろうとしていた様だ。
本当の事は言えないので、「色々あった」と、漠然とした返答しか出来なかったのであった。
トコトコトコ…メェ~!(区画の奥の方から羊が1頭走ってくる。)
「衛兵さーん!その『コトコト』を止めてー!(毛刈り職人)」
「え?『コトコト』?」
「お、元気な『コトコト』だ。そーら、来い来い!『ヒョイッ!』あっ!(衛兵5)」
散策を続けていた区画の奥からモッコモコの体毛を蓄えた羊と、専用のハサミを手に羊を追う毛刈り職人の姿があった。
どうやら毛を刈ろうとして逃げ出したらしく、衛兵は手を広げて通せんぼしつつ捕まえようとするが逃げられてしまった。
でも
ヒョイ。
メメ、メェ~…ジタバタ…
「わ。ふっかふかだ。可愛いなぁ。
『コトコト』って名前なんですか?」
そんな羊を事も無げに拾い上げるノア。
羊は短く鳴き声を上げた後にピンと脚を伸ばして硬直するのだった。
『コトコト』と呼ばれた羊は毛刈り前だったからか非常に体毛が多くふかふかで、ノアが抱き上げたものの、お尻がギリギリ地面に触れる程の大きさであった。
「おお、流石【鬼神】殿。
すばしっこい『コトコト』を事も無げに…
『コトコト』と言うのはこの羊の種の総称で、この個体から良質な″綿花″が採れるのですよ。(衛兵5)」
「へー、そうなんですね。」
(『ん?』)
「…え?この子、羊ですよね?」
「そうですね。(衛兵5)」
「羊なのに″綿花″が採れるのですか?」
「『コトコト』と言う種の羊からは″綿花″が採れますぞ。『プツッ。』ほらこの通り。(衛兵5)」
何度聞いても″羊から綿花が採れる″らしく、衛兵が『コトコト』から体毛を抜いた所その手には確かに″殻付きの綿花″が握られていた。
『コトコト』…アルゴダ近郊の牧草地に生息する羊の一種。羊毛では無く″綿花″を蓄えている。
見た目的には違いが分からないが、他には『ウルウル(羊毛)』・『リネックス(亜麻)』と言う種の羊もいる。
メェ~。トコトコトコ…
「すいませーん、ありがとうございました。(毛刈り職人)」
″羊から綿花″という状況に未だに実感が湧かないが、一先ず捕まえた『コトコト』を毛刈り職人へと返す。
それと入れ替わりに数名の衛兵がやって来た。
「散策中申し訳ございません、ファマス殿から話があるとの事で参りました。(衛兵4)」
「もし宜しければ屋敷の方にいらして欲しいのですが…(衛兵8)」
「分かりました。
みなさーん、一度散策は中断してシトラさんの所に向かいましょう。」
「「「「はーい!」」」」
短いですが、今回はこの辺で。
『『『メェ~…』』』(遠くから羊の鳴き声。)
『『チクチクチクチクチク…』』(採取した綿からごみや大きな汚れを取る。)
『『ジャブジャブッ!』』(綿の洗浄。)
『『カラカラカラ…』』(糸車で綿を糸に。)
「…凄い数の職人達ですね…」
「綿花や羊毛の採集から糸の大量生産には多くの人手が要りますのでね。
他にも服飾系【適正】持ちの方々が数多く集まって、日々レベルを上げに努めていますよ。(衛兵5)」
「へー。」
毒に侵されて一時避難&治療に専念し、完治して戻ってきたシトラとその父親ファマスとの久々の対面に水を差すのはどうかと感じたノアは、その場をミコトと衛兵達に任せて街を散策する事に。
一応案内役として衛兵を1人付けてくれた。
他の街同様に民家や宿場、屋台等が建ち並んでいたのだが、ざっと見回しただげでも分かる位工房の多さに驚かされた。
街の奥の方から羊の鳴き声が聞こえてくる辺り、採毛から糸作製、各種服飾の生産をこの街で行っている様だ。
街の中を散策する間、まるで環境音の様に糸車が回り、糸を紡いでいる音が何処からともなく聞こえてくる。
それが決して耳障りでは無く、何とも心地好いのだ。
「『アルゴダ』と言えば綿花・羊毛の一大産地。商人見習い(メルカドール)としては一度訪れてみたかったのですよ。(ミリア)」
「わ、あのお店で売ってる服可愛いっちゃね。
しかも結構お手軽な値段…ふむむむ…(ミダレ)」
「この仄かに漂う薬品の匂いは…染め物でしょうか…見学出来たら行ってみたいですね。(ヴァンディット)」
「うわー、作務衣とかツナギも作ってるんだ。
機械いじりするとなると汚れが心配だから幾つか買おうかなー。(ラインハード)」
影の中に居た女性陣達も外に出て来て一緒に街を散策。各々興味のある物や服飾がある様で、目を輝かせて散策していた。
その間にノアは、付き添いの衛兵に幾つか質問してみた。
「そう言えばミコトさんってこの街の人なのですか?
シトラさんの護衛みたいですが、雰囲気がえらく違うなぁ、と…」
「ミコト殿は3年程前に近くの牧草地で全身血塗れで倒れていましてな。
治療を施して何処の者か問うたのですが、聞いた事の無い言語で話し、何を聞いても理解が出来ずに途方に暮れたものです。
暫くこの街に置きつつ、何処の国の者か【密偵】や【諜報】に調べさせましたが、結局何もかもが分からずじまいでした。(衛兵5)」
「それなのに護衛を?」
「当初は間者ではないか、記憶喪失や記憶の混濁ではないかと疑いを掛けたモノですが、幾度か【鑑定】を行い、何の隠し立ても無く、記憶喪失の類いでも無い上に、行くあても無かった様なのでファマス殿の元で預かる事となったのです。
感情の起伏が少ないですが、腕が相当立ち、同性という事も相まって直ぐに打ち解けていらっしゃいましたよ。(衛兵5)」
「ほぅ…」
(『流れ者だったんだな。』)
衛兵からザックリとしたミコトの経緯を聞き思案するノア。
言葉が通じず、行くあても無い身元不明な者を預かってくれたファマスにある種の忠義と言うものがあったのだろう。
今思えば治療費を稼ぎにノアを襲ってきた当時のミコトには、絶対に成さねばならんとでも言いたげな覚悟の様なモノが発されていた様に思う。
「逆に聞きたいのですが、【鬼神】殿はミコト殿と大変仲が良いとお聞きしました。
一体どういった関係なのですか?(衛兵5)」
『あぁ、治療費目的で僕の殺害依頼を受けて僕を殺しに来たんですよ。』
(…とは言えないな…)
感情の起伏が少なく、機嫌が良いのか悪いのかが常時分かり辛いミコトとの接し方に困っていた様子の衛兵は、どうやって仲良くなったのか、ヒントを探ろうとしていた様だ。
本当の事は言えないので、「色々あった」と、漠然とした返答しか出来なかったのであった。
トコトコトコ…メェ~!(区画の奥の方から羊が1頭走ってくる。)
「衛兵さーん!その『コトコト』を止めてー!(毛刈り職人)」
「え?『コトコト』?」
「お、元気な『コトコト』だ。そーら、来い来い!『ヒョイッ!』あっ!(衛兵5)」
散策を続けていた区画の奥からモッコモコの体毛を蓄えた羊と、専用のハサミを手に羊を追う毛刈り職人の姿があった。
どうやら毛を刈ろうとして逃げ出したらしく、衛兵は手を広げて通せんぼしつつ捕まえようとするが逃げられてしまった。
でも
ヒョイ。
メメ、メェ~…ジタバタ…
「わ。ふっかふかだ。可愛いなぁ。
『コトコト』って名前なんですか?」
そんな羊を事も無げに拾い上げるノア。
羊は短く鳴き声を上げた後にピンと脚を伸ばして硬直するのだった。
『コトコト』と呼ばれた羊は毛刈り前だったからか非常に体毛が多くふかふかで、ノアが抱き上げたものの、お尻がギリギリ地面に触れる程の大きさであった。
「おお、流石【鬼神】殿。
すばしっこい『コトコト』を事も無げに…
『コトコト』と言うのはこの羊の種の総称で、この個体から良質な″綿花″が採れるのですよ。(衛兵5)」
「へー、そうなんですね。」
(『ん?』)
「…え?この子、羊ですよね?」
「そうですね。(衛兵5)」
「羊なのに″綿花″が採れるのですか?」
「『コトコト』と言う種の羊からは″綿花″が採れますぞ。『プツッ。』ほらこの通り。(衛兵5)」
何度聞いても″羊から綿花が採れる″らしく、衛兵が『コトコト』から体毛を抜いた所その手には確かに″殻付きの綿花″が握られていた。
『コトコト』…アルゴダ近郊の牧草地に生息する羊の一種。羊毛では無く″綿花″を蓄えている。
見た目的には違いが分からないが、他には『ウルウル(羊毛)』・『リネックス(亜麻)』と言う種の羊もいる。
メェ~。トコトコトコ…
「すいませーん、ありがとうございました。(毛刈り職人)」
″羊から綿花″という状況に未だに実感が湧かないが、一先ず捕まえた『コトコト』を毛刈り職人へと返す。
それと入れ替わりに数名の衛兵がやって来た。
「散策中申し訳ございません、ファマス殿から話があるとの事で参りました。(衛兵4)」
「もし宜しければ屋敷の方にいらして欲しいのですが…(衛兵8)」
「分かりました。
みなさーん、一度散策は中断してシトラさんの所に向かいましょう。」
「「「「はーい!」」」」
短いですが、今回はこの辺で。
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