ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

ベッドメイキング

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『サンダ・ライト』…雷属性の精霊の集合体。
雷属性の鉱石が採れる地域や、雷多発地帯には上位存在が居たりする。
アルゴダの場合、毛刈り待ちの各種羊達が多く居る為、大量に発生した静電気に引き寄せられて度々出現する。

静電気を供給する羊達に攻撃する事は無いが、『サンダ・ライト』が複数体存在すると集合して合体する事があり、周囲に影響を及ぼしてしまう為駆除したり、羊達の毛を定期的に刈る等の措置を取らねばならない。



チョンチョン…(割れた『サンダ・ライト』の核(魔石)に触れる。)

「おー、何これ淡く紫色に光ってる…
まるで中で紫電が走ってるみたいなのに全然ビリビリ来ない。」

「それは『サンダ・ライトの属性石』という。
モンスターの体内から採取出来る魔石と違い、精霊自らが作り出した属性魔石だ。
普通は弓や魔法等の遠距離攻撃で破壊するので木っ端微塵になったりして紛失する場合が殆どだが…
まさかぶった斬るとは…(【拳士】バーナード)」

「形が残ってるのなら回収した方が良いわよ。
雷属性に関する製品や薬品を作る際の触媒なんかに重宝されるわ…
出現数の割に入手率が低いからね。(【園芸】シルファー) 」


例えば<雷耐性>のある服を作成しようとした場合、『サンダ・ライトの雷属性石』を糸車や職人の手に装着する装具等に仕込んでいくと、製作が進むにつれて『サンダ・ライトの雷属性石』から雷属性が混じった魔力が製作物に移る為、自然と<雷耐性>が付与されるのだという。


「ほぅほぅ、ならばジャンジャン倒してドンドン集めましょうか。」

「いや、まぁ無いに越した事はないんだが…(【拳士】バーナード)」

「お、あっちにも10体位居ますよ。
行きましょう。」

「あ、待った!10体も居ると仲間同士集合してだね…
待って!聞いてって!(【拳士】バーナード)」

(…て言うか何で″雷″を避けられるのよ…殆ど予兆無いのよ…
【鬼神】って噂では聞いてたけどホントに凄いのね…(【園芸】シルファー))


依頼の付き添いで着いてきた【拳士】と【園芸】の2人は、たった一戦見ただけで常人とは違う存在だというのを垣間見たのだった。





~高級宿『羊の数え歌』の大部屋~


『『『ボフン。』』』(ふっかふかのベッドに飛び込む。)

「おおおおおおお!(ヴァンディット)」
「ふぉおおおおお!(ラインハード)」
「むもももも。(ベッドに埋もれるミリア)」


ファマスの妻フィラが用意してくれた街一番の高級宿『羊の数え歌』。
外観は何処にでもある宿であったが内装が違かった。

室内全面に敷かれたふっかふかのカーペット、座れば体にピッタリフィットするソファ、そして現在肌触り、寝心地、快眠を促す香りが抜群なベッドを女性陣が絶賛堪能中であった。

だがそんな中、ミダレとイスクリードは打ち合わせを行っていた。


《それじゃあおさらいだよ主人。
人の夢の中での主導権は基本的にボクと主人にある。》

「うん。(ミダレ)」

《けどそれは″正気を保てていれば″という前提の下だけどね。
相手の夢の中で″恐怖″したり″悲観″したり、感情が″負″の方向に行った瞬間、夢の主導権は当人に移って強烈な違和感を感じ、一気に覚醒してしまう。
夢を介して精気を得る夢魔としては致命的とも言えるね。》

「正気を保つコツは何か無いの?(ミダレ)」

《夢の中では何だって出来る。
夢を操作したり、物を出現させる事だって出来る。謂わば″神″と言える存在にだってなれる。
それを意識して余裕を保つしかないね。》

「そ、そっかぁ…(ミダレ)」


ノアの夢の中にあるトラウマを解消する為には、夢の中で″正気″を保ち続けなければならない。

どちらかと言えば引っ込み思案なミダレは″正気″を保ち続けられるかが心配の様だが、イスクリードはそこまで心配していない様子。


《大丈夫だよ主人。
その為にボクが居る訳だし、この前の″お風呂でのグイグイさ″、″性欲が勝っていつもの引っ込み思案が何処へやら″な気概があれば、まぁ夢の中でも大丈夫でしょう。》

「あ、あああああっ!イスクリード!それ皆の前で話さんといてぇ!(ミダレ)」

「「「んぇ?(夢心地な3人)」」」


カステロでのノアとミダレのプレ…お風呂での一件は他の女性陣には話していない。
ヴァンディットとラインハードはそこはかと無く理解を示してくれそうな気もするが、ミリアには早過ぎる。

なので当時のプレ…一件はノアとミダレ双方の話し合いの結果封印と言う事になった。





~牧草地~


『『パシュンッ!』』(落雷。)
『パシュンッ!』(落雷。)
『『『パシュンッ!』』』(落雷。)

キキンッ!キンッ!キンッ!(サンダ・ライトの核を切断。)

『『『シュパァッ!』』』


「うぉお…10体のサンダ・ライトからの落雷を悉く避けながら討伐まで数分で済ますなんて…(【拳士】バーナード)」

「でもヤバいんじゃない…?
今日サンダ・ライトの出現数が多いから『サンダ・ハウンド』が…(【園芸】シルファー)」


『『『『『バシィイイイインッ!』』』』』(5本の落雷。)

『『『『『バチバチバチバチッ!』』』』』

『『『『『グォオオオオオオッ!!』』』』』


「う、うわぁっ!噂をしてたらやって来

『ヒュンッ!』(【園芸】シルファーの隣を高速で何かが通過。)

ザバッ!ギャンッ!?
グォオオ『ズバッ!』ギャゥウッ!
ゾンッ!キャンッ!?


サンダ・ライトを討伐中のノア達の近くに何故か落雷が発生。
星空が見える程の夜空なのだが、そんな事を気にする間も無く紫電で形作られた半透明な猟犬『サンダ・ハウンド』が5頭出現した。

どうやらサンダ・ライトが多く発生するとそれに付随して現れるらしく、この街に長い事暮らしている【園芸】のシルファーは事前に予想立てていた。

慌てふためくシルファーであったが、荒鬼神ノ化身を手に高速で駆け出していたノアにより『サンダ・ハウンド』が次々に斬られていき魔力を吸収された為、半透明な体を維持する事が出来ずに凄い勢いで数を減らしていった。



『サンダ・ハウンド』…『サンダ・ライトの属性石』を求めてやって来る、これまた属性石を核として体を構成した実体の無いモンスター。

『サンダ・ライトの属性石』が目当てである為、牧草地に生息している羊には目もくれないが、常に体外に紫電を走らせている為、被害が出る前に駆除しなければならない。

姿形が猟犬に似ている事から『ハウンド』と名が付けられている。
討伐により得られる素材『握り拳大の属性石』である。



「よぅし、一丁上がりぃ。」

「「凄ぇー。」」


あっという間に『サンダ・ハウンド』を討伐したノアは、肩に荒鬼神ノ化身を担ぎ、素材を回収するのであった。
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