ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

閑話:【魔王】に関する出来事 その11

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~半日後・旧イグレージャ・オシデンタル~


『『『『『ゴォオオオオオオオッ!』』』』』


旧イグレージャ・オシデンタルには現在巨大なクレーターが出来、クレーターの中心には、僅かに聖堂であると分かる残骸が残っているだけで、【勇者】の父ゲッシュバルドが住んでいた豪華な館や【聖女】ミミシラの生家であった聖堂は跡形も無く吹っ飛んでいた。

その後に火災が発生し、当たりは炎に包まれ地獄の様相を呈していた。

そこに


バサッ!『『バサバサッ!』』バサァッ!(ワイバーン達の羽ばたき)

「…酷い光景だ…一体何が…(『王都』ベルドラッド)」

「…大穴が…?爆発?巨大モンスター…?
と、兎に角生存者を…生存者を…(『王都』ライリ)」


王都で遠方派兵用に飼っているワイバーンに乗ったベルドラッドとライリ他隊員総勢50人を連れ、空からやって来た。

そして陸路では


ズザザッ!

「一体何があったというのだ!
ここに来るまでの道全てが破壊やうねりで通行が出来なかったぞ!(『獣人国・『影狼』』)」

「瞬間的に大きな圧力が掛かりこの場は元より周辺に甚大な被害が出た様だ…
こんな規模の破壊活動は星が落ちた(彗星)か、一部の竜種じゃないと難しいぞ…(『アルバラスト領主』アルバ)」


獣人国の【諜報】員数十名と、アルバラスト領主のアルバが共に来訪。
双方かなりの距離を僅か半日で走破し、疲労困憊のハズだが、目の前の光景に思わず立ち尽くしていた。

生存者の捜索をしようにも、旧イグレージャ・オシデンタル全域が破壊し尽くされ、火の海と化しており、ちょっとやそっとの消火では焼け石に水状態であった。

なので陸路でここまでやって来た者達は手も足も出せず、空路でやって来た王都の者達に頼らざるを得なかった。




【漸く来たか。″加速″。】

『『『バシュゥウウウウッ…』』』(街の直上、高高度から地表に向けて超高速接近。)

パパンッ!パァンッ!(音速の壁突破)



「ベルドラッドさん!上から何かが高速接近してきます!物凄い速さで

『『『ボヒュッ!』』』

「ぅおぁあっ!?」
「ぅわぁっ!?」

ギュルルルッ!?
ギャゥッ!
ギュォオッ!?

「姿勢制御に専念!墜落するなよ!(ベルドラッド)」


街の上空で滞空していた『王都』隊員の直ぐ近くを超高速落下してきた【魔王】が通過。
その際に発生した衝撃波に煽られてワイバーン達が姿勢を崩すも、何とか墜落者は居なかった。



『『『ゴォオオオオッ!』』』

【″停止″。】ビタッ!

『『『バヒュッ!』』』(地上スレスレで急停止し、更に衝撃波が発生。)

『『『ドバァアアアッ!』』』(それによって火の海と化していた街の一部の火災を吹き飛ばす。)

「「「「「「うぉおおおおっ!?」」」」」」


超高速と共に落下してきた【魔王】が地上の陸路班の直ぐ近くに接近。
衝撃波と共に熱風が彼等を襲うが、火の海が掻き消され、彼等の前に【魔王】が姿を現した。


【待ち草臥れたぞ、君達は何処の国の所属…
おお、君達は獣人国の者だな。確か…【諜報】の『影狼』だったか…。
上で飛竜に乗っている連中の所属を教えてくれんか?】

「な、何故我等の正体を…」
「ど、何処から現れた!?」
「これは貴様がやったのか!?」


地上に降り立った【魔王】は直ぐに陸路班と接触する。
だがやはりと言うべきか事態を把握出来ない獣人国の【諜報】達『影狼』は【魔王】からの質問を無視して情報を探る。




【答えろ。】ズズズ…

「「「うっ…!?」」」


【魔王】から突如強烈な殺気が漏れ、その場に居た全員が当てられて萎縮するも


「…アンタの言う通りこの者達は獣人国。
上に居るのは王都の者達だ。私はこの街から東に位置する街の領主だ。
情報は晒した。だからその殺気を抑えて欲しいのと、アンタの事を教えてくれんか…?(アルバ)」


ノア以上の殺気を感じたアルバは、変に情報を隠そうとせずに素直に話す。


【ふ、良い心掛けだ。
良いだろう、私は【魔王】アクロス。
この街を破壊したのは、私が発した忠告を無視し、【勇者】軍なる輩共を差し向けた為、報復措置を取らせて貰った。
ちなみに【勇者】軍はこちらで有効活用させて貰うぞ。】

「「「「「なっ!?」」」」」


【魔王】が名乗りを上げると当然の事ながらその場に居た全員が固まった。
現在大陸の南端に位置する南獄大陸に居るハズの【魔王】がこの場に居るのだから当然の事である。


「こ、ここから南獄大陸までどれ程離れていると思っている!?
そんな事不可能…

【先程の高速移動術を使用すれば訳無い。
どうでも良い事を長々話すつもりは無い、端的に話すからしかと聞け。】


少しでも情報を聞き出したかったが、【魔王】はそんな事をさせるつもりは無く、彼等に用件を伝えたいが為だけにここに留まっていた様だ。


【あれだけ邪魔立てするなと言っていたのに半月も経たずに【勇者】軍を結成して差し向けてきおった。
まぁ″何て事無かった″が、二度三度と続けられたら堪ったモノでは無い。
次に同じ様に邪魔立てした場合、その街のみならず、周辺にある″ダンジョンも破壊し、強制的に氾濫を起こしてやろう″。
これは本気だ、必ず実行する故しかと各国に発信しておけ。】

「「「「「「………っ…」」」」」」


端的に、だが強烈なメッセージを淡々と告げる【魔王】アクロス。
街1つを容易に破壊するだけで無く、その上で近郊又は所有のダンジョンも一緒に破壊し、境界を越えて地上に溢れさせると言う。

地上に出れ ば消滅するモンスターも居るには居るが、微々たるモノである。
イグレージャ・オシデンタルにはダンジョンが無いものの、例えあった場合の事を考えたら恐ろしい事になるのは明白であった。


【ではな、私は南獄大陸に戻る。
先程の事を宜しくたの

「ま、待て…
アンタが【魔王】であるなら何か″目的″があって出現したハズだ!
【魔王】…アクロス!貴様は一体何を成すつもりだ!?(アルバ)」


勿論の事であるが、アルバは【魔王】がこの世界に来た経緯を知らない。
アルバの中では、【魔王】の目的を知れば今後の動向を探る事も可能な為、是非とも知りたい所ではあるが


【目的はあった。その為に犠牲になった者が数多く居る。
だが失われた。幾千、幾万もの時間を掛けたとて取り戻す事は出来ない。
だから失った目的を″この世界で″果たす。
幾千万、幾億もの″悲願″を″この世界で″!
でなければ私は″終われない″し、″始める″事も出来ない。
そもそも俺は望んで″この世界″に来た訳では無い。それだけは確実だ。】

「??…?(アルバ)」


『違う世界から来た』等とは露にも思わず困惑するアルバを他所に、【魔王】アクロスはその後″停止″と一言だけ告げた後に忽然と姿を消すのであった。
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