ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

【勇者】軍の被害者

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~ちょっとして~


「そ、そこの人達!
た、食べ物を置いていきなさい!」

「ノ、ノアさん、野盗みたいです!(ミリア)」

「う~ん?」


少し歩いていると、木陰から20代位の女性が走り出てきて道を塞ぎ、小さなナイフを手にノア達を恫喝してきた。

思わずミリアは驚いて声を上げるが、ノアは少し困った表情をしていた。 


「なぁクリストフ…『チョイチョイ…』」

「はい、畏まり。(クリストフ)」ノソノソ…

「ひっ!?そ、そこの白いの!
何処へ行くの!?そっちには何も…あぁ…っ…」

ダッ!


ノアはクリストフを呼び、木陰の方を指差してそちらに向かう様に指示を出す。

クリストフも既に気付いていたのか、言い終える前にノソノソと木陰の方向に向かっていった。

すると女性は露骨に狼狽し、ナイフを捨てて木陰に向かって駆けて行った。


「わぁあああっ!?」
「怖いぃい!お母さーん!」

「こ…(クリストフ)」ズドーン…
↑直近での最大ダメージを受けるクリストフ


クリストフが歩いて行った木陰から、小さな男の子と女の子が飛び出して女性の下へと駆けて行った。


「こ、この子達は何でも無いの!
今のは私個人が独断でやった事で…!」

「あの、取り敢えず落ち着いて下さい…
それと誰かクリストフを解凍してきてくれますか?」

「こ…(固まるクリストフ)」





『『モグモグ、ハグハグ…』』(ケバブを頬張る。)

「おいひぃ…『モグモグ。』」
「ありがとうお兄ちゃん!」

「いやいや。」

「こ…ゎ…(半解凍のクリストフ)」


あの後子供達を落ち着かせ、ヴァンディットによる検査を受けて貰ったが、脱水症状と空腹程度であった為、手持ちの食事を与えつつ事情を聞く事にした。

女性は簡素なサンダルを履いていたが、底が剥がれ掛かり、足の裏は傷だらけであった為手当てをする事にした。


「落ち着きましたか?」

「…はい…
野盗の真似事をやって斬り殺されても仕方無いと言うのに、施しまでして頂いて何度感謝しても足りません…
私達親子は、ここより山を3つ越えた村からやって来ました…」

「山を3つ…通りで足が傷だらけのハズだよ。(ラインハード)」

「…既にお察しの事かと思いますが、私達は″【勇者】軍に村を襲われ″命からがら逃げ延びて来た者にございます…
他にも数組逃げ出した者も居ましたが、散り散りになってしまって無事かどうかすら…」

「…そうですか…
…ラインハードさん、″ひとっ飛び″してこちらの親子方をアルゴダに連れていく事は出来ますか…?」

「もち。(ラインハード)」

「え?」


村から逃げ、命からがらこの地までやって来たは良いものの、食糧や金銭等を持ち合わせている訳も無く、子供が腹を空かせた為に行った事だと言う。

状況証拠から見ても彼女の言っている事は間違いないだろう。
なのでここから1番近い街であるアルゴダへと連れて行って貰う事にした。





ゴォオオオオオオオオオッ!

「「わきゃーっ!!」」
「わ、わわわ、わ…」

「しっかり掴まっててね!
割と直ぐに着くハズだから。(ラインハード)」


魔装鉄甲を装着したラインハードが3人を抱えて飛翔。一直線でアルゴダを目指す。

子供達ははしゃいでいるが、女性は目を点にして狼狽えるばかり。




ゴォオオオオオッ!

「わー!」

「あ、あれ?ミーナ、手に何持ってるの?」

「キノコのおじさんが持たせてくれたの!」

「街に着いたらお店の人に売ると良いんだって!お母さんの助けになるから、って!」

「あ、あの白い人(?)が…?
あ、あの、貴女もそうだけど、あなた達って一体何者なのですか…?」

「私達は『きじん』ってクランのメンバー。
さっきの男の子がクランのリーダーで、【鬼神】のノア君って言うの。(ラインハード)」

「きじ…えっ!?【鬼神】のノアって、【勇者】軍を蹴散らしたって言う…あの!?」

「そうだよ。
…あっ、アルゴダが見えてきた。
それじゃあさっきノア君が言ってたと思うけど、野盗紛いの行いは見逃すから、街の兵士さんにも黙ってるのよ?(ラインハード)」

「え、でも…」

「ノア君が良いって言ってるのだから良いの。
言った所でこの子達には貴女が必要なの。
それをしっかり考えてね?(ラインハード)」

「は…はぃ…ありが…ぅ…」


この物語の最初期に、クロラがパーティだったバッツガッツに唆されてノアにモンスターを押し付けた一件があったが、被害者であるノアが不問とする考えであれば罪に問われないのである。(バッツガッツは許してないが。)

なので今回も同様に、子供達の母親である彼女がノアに対して野盗紛いの行いをしでかしたのだが、ノア自身が不問としているので罪に問われないし、問うつもりも毛頭無いのであった。


「…『神様』、彼の者を引き合わせて頂き感謝します…」





~現世では無い何処かの場所~ 


『『『サラサラサラ…』』』

『おや、この″器″は…
そうか、彼の少年はまた見ず知らずの者を助けた様だな。″器″に″神功″が溜まっておる。』


何処とも言えない一面真っ白な場所。
そこには女性とも男性とも、子供にも年寄りにも聞こえる人物が立っていた。

″人物″と言ったが、人間なのか獣人なのか鬼人なのか海洋種なのかは全く分からない。

何せその人物は常に光輝いており、薄らと輪郭が出ている事しか分からないからだ。


『だが溜まるばかりで使うことは事は無い。
存在を知らず、死した後に使用する者も居るが、我らの存在を知り、相対しても尚使おうとせんとは…中々に稀有な者じゃな。』


その人物は目の前に置かれた大きな砂時計の様な物体をマジマジと見詰め、砂金の如き煌めきが流れ落ちるのをただただ眺めていた。


『これだけあれば人並みの寿命を獲得出来ると言うに…
…やはり″こちら″で行くのだな、少年よ。
辛い物語となるぞ…』チラッ。


何やら意味深な言葉を呟いた後、ふと視線を下へと移すとそこには幾人もの神々が卓に座り頭を抱えていた。





「状況が悪過ぎる!(暦)」

「見りゃ分かるわ!
史上初だぞ!【勇者】と接触しないルートなんてなぁっ!(戦神アースレイター)」

「幾らなんでもマズイでしょこの世界…
異世界の【魔王】に異世界の【勇者】…
その上【勇者】と【聖女】が同タイミングで″転化″するなんて今まで無かったわよ…?(純潔の神ミスリナ)」

「暦…お前時間の神だろ…?
こうなる事を予見出来なかったのか…?(掟の神ミステ)」

「私だって万能じゃないんですよ、主神じゃないんですから…
立場上介入も出来ませんし、予見出来たとてどうする事も出来ませんよ…
アースレイターやミスリナの方で介入出来なかったのですか…?(暦)」

「″神功″がどちらも溜まってないから接触すら出来なかったのよ…(純潔の神ミスリナ)」

「…″終り″だ…この世界…(戦神アースレイター)」
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