ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

【適正】消滅、そして

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″な、何と!ミミシラが【聖女】!?″

″い、いけない事なのお父様…?″

″そんな事無いよミミシラ。
【聖女】と言えば【勇者】と共に悪を討ち倒すとても大切な存在だ。
近所のアーク君が【勇者】で私の娘が【聖女】とは…
この上無く嬉しい事だよ。″

″アーク君と…
うん!私【聖女】としてガンバるね!″

″…それでだねミミシラ。
【聖女】という事は、女性にとって大切な、たーい切なモノを生涯守らなきゃいけないんだ。″

″大切なモノ?″

″そうそう…何と言うか…操(みさお)…って分かるかな…?″

″ううん。″

″う、うーん…
お、お母さんならちゃーんと教えてくれると思うから聞いてくると良いよ。
それを守らないと【聖女】でいられなくなるからね。″

″うん!分かった!″





″ゥッ!オウッ!
おほぉ…堪んねぇぜ【聖女】の″中″ってのは…″

″汚ぇ声上げんなアホ。
…って、おいおい【聖女】にぶちまけたらマズイんじゃねぇのか?
ほれ、【聖女】としての力を失うとかどうとか。″

(ヤメ…テ…)

″あ?そんなの迷信だろ?
俺の前に既に50人位出してたぜ?
それにこんなヤラシイ体付きしてんのに遊んでねぇ訳ねぇだろ。″

″あーあ、知らねぇぞ。
…まぁ使える穴は幾らあっても足りねぇからさっさと済ませろよ?
まだ500人位居るんだからな?″

(ヤ…テ…)



″くははっ!臭ぇ女になっちまったなぁ!
おい!水でもぶっ掛けとけ!″

″法衣がボロ雑巾みてぇだなぁ!
どうせ四六時中″処理″に回されてんだから真っ裸にしとけ!″

(……)



″いやだいやだ、あんなんなっても抱く奴ぁ居るもんなんだな。
俺はもうゴメンだぜ。″

″アイツらは全員病気持ちだったからずっと待たされてたんだと。
何でも【聖女】は病気の類に罹んねぇらしいからな、今あそこはやりたい放題になってるぜ。″

″ほーん…そういや、ヤられまくった【聖女】って【聖女】でいられるのか?″

″知らね。″

(   )





″【この者達はここに残しておけば、ドワーフ国側がどうにかするだろう。
運が良ければ親元に帰れるだろうさ。】″

(…ダ…レ…カミ…サ…)

【       】





「…【勇者】の方はどうだった…?」

「相変わらずだ…無理も無いが…
一応、2人の事は話してきた、いつまでも黙っている訳にはいかないからのぅ。
…【聖…彼女の方はどうじゃ?(ドワーフ国の兵士)」

「こちらも変わらず…
部屋の角で踞って、寝ても覚めても声にならない声を上げて泣き通しの毎日よ…」


【勇者】アークの部屋から帰還したドワーフ国の兵士と、【  】ミミシラを担当している女性ドワーフが廊下で出会す。

お互い声に疲れの色が窺える。


「…正直気が滅入るのぅ…
せめて双方どちらかに動きがあれ

「ぃ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″っ!(【  】ミミシラ)」

「な、何じゃ!?彼女の部屋からじゃ!(ドワーフ国の兵士)」

バァンッ!(部屋の扉を蹴破る。)

「ちょ、何が…っ!?貴女!止めなさい!
あなた(兵士)!回復職を呼んできて!
彼女が錯乱して目をくり抜いてるのっ!」

「ぃっ!?
わ、分かった!おいっ!誰ぞ来てくれぃっ!
回復職だ!急げ!(兵士)」


女性ドワーフは悲鳴を聞き即座に部屋の扉を蹴破る。
室内ではどういう状況であったか知る由も無いが凄惨な事態が発生していたのは確かであろう。

兵士は直ぐに廊下に飛び出して救援を呼び掛けに向かう。


グヂッ!グヂュッ!

「あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″っ!
見だくナイ!聞ぎだぐない!もう嫌だぁ″っ!(【  】ミミシラ)」

「落ち、落ち着いて!それ以上やったら失明だけでは済まないのよ!」

ブチブチブチッ!

「あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″っ!(【  】ミミシラ)」

「っの…!『スリープ』っ!」

『『『シュゥウウウウッ!』』』

「あ″あ″っ…っ…(【  】ミミシラ)」

ドサッ!


声を掛け、体を押さえ付けても凶行を止めないミミシラに、女性ドワーフは咄嗟に睡眠魔法を掛ける事で何とか動きを止めさせる事に成功。


「っよし…『鑑定』っ!」キュィイイ…!


~女性ドワーフ視点~

『ジョ)】ミミシラ
状態:錯乱・重傷・出血多量・感染症多』

~~


「…やっぱり錯乱状態だったのね…
【薬師】に言って、精神を強くする薬を…
…あれ?」


女性ドワーフは『鑑定』持ちであり、眠りについた【  】ミミシラの状態を直ぐ様確認する。

直ぐに部屋に突入したのが幸いし、ミミシラの状態は『重傷』で済んだ。

取り敢えず一安心、といきたい所であったが、女性ドワーフは妙な″違和感″を覚えていた。


『『『『ドカドカドカッ!』』』』

「入るど!
彼女じゃ!眠っておる故丁重に扱え!
回復を最優先し、24時間体制で張るんじゃぞ!(ドワーフ国の兵士)」

「「「ええ!」」」


丁度そこに駆け付けてきたドワーフ達がやって来て部屋に突入。
女性ドワーフは入れ替わりに退室し、ミミシラは回復措置の後に別室へと移されるのだった。


「…彼女の【適正】の枠に″別の何か″が入っていた様な…?」


【『せい女』ジョ)】ズズズ…





~アルゴダを出て1時間程~


テクテクテクテク…

「いやぁ…それにしてもミコトさんには参ったなぁ…」

「″恩義がある。着いていく。″と言って頑なに着いて行こうとした時は焦りましたな。(クリストフ)」

「でもその後ピタリと何も言わなくなりましたよね?どうしてでしょう…?(ミリア)」

「こう…首元にシュッ!っと…」ヒュン。

「物理。(ラインハード)」

「恐ろしく速い手刀、私でなければ見逃してたね。(クリストフ)」

「何それ?」


急ぎ足でアルゴダを飛び出して北上中の一行。
来た道を戻っている訳では無いので、道程に新鮮味があって皆の足取りは軽い。

一先ずは1日程獣人国方面に進んだ後、故郷の村へと続く道に当たったら、そこからノアが全力疾走で村まで向かう事にするらしい。

当初はギルド経由で両親に手紙を送って伝えようとしたが、5日掛かると言われ「走った方が早い」と言う結論に至った。


「あの、これからノアさんの御実家に向かうとの事ですけど、ご両親って御強いのですか…?(ミリア)」

「うん、強いよ。
ランク的には上級冒険者だけど、実力的には最上級冒険者位はあるし、今回の様な″状況″の時は色々と知恵を出してくれるしね。」

「ん?″状況″って何かあるのかや?(ミダレ)」

「どうやらルルイエさんの方で思惑があって、ヴァリエンテ領と氾濫発生地帯との中間地点に前哨基地か砦を築きたいらしいんだよ。」

「なる程、緩衝材とする訳ですな。(クリストフ)」

「うん。
だけれども、元々居る兵士を分散させる訳にも行かず、志願兵を募ってはいるみたいなんだけど僻地故に集まりが悪いらしい。
その上でイグレージャ・オシデンタルの件がモロに影響して遂に志願兵が集まらなくなったみたい。」

「「「ああ…」」」

「父さんと母さんは氾濫の様に多数を相手にするのも得意だから、昔は戦線の切り込み隊長を任されて前線の拠点作成に何度か貢献したらしいから、何か良い案を出してくれると思うんだ。」


等と話しつつ北上を続ける一行。
少し歩いていると、ちょっとした騒動に巻き込まれる事になった。    
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