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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~
閑話:【魔王】に関する出来事 その13
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~南獄大陸・縦穴~
「…ハッ…!
ここは何処…くそっ…そうだ、【魔王】を名乗る奴に拐われて…あ、あああ…」
『ガギガギガギ…』(『女鏖蟻・テンタクルイーリス』の鳴き声)
先日、【魔王】アクロスによってなす術もなく捕らえられた【勇者】軍の1人の女性が目を覚ます。
以前目覚めた時は魔力枯渇状態であった為、意識も朦朧としていたが、現在は魔力も十分で体調的には問題無い。
だが自身が磔にされている縦穴の壁面はちょっとやそっと力を込めた位ではビクともせず脱出は難しい。
例え抜け出せたとしても、遥か頭上には巨大なモンスター『女鏖蟻・テンタクルイーリス』が目を光らせている為、その姿を見た女性は絶望と嗚咽混じりの悲鳴を上げた。
『ガギガギガギ…』
「チッ、クショウ…高い所から見下しやがって糞虫がぁ…!
相手は高々デカいだけの″虫″!
私の業火で焼き付くして『キィイイン…』」
感情が読み取れない鳴き声を上げながら見下ろす『女鏖蟻・テンタクルイーリス』に苛立ちを見せた女性は、焼き殺してやろうとばかりに自身の魔力を練って炎魔法を放とうとした。
が
【馬鹿が。】
『『『ドグンッ!』』』(胎動)
「ぅべぇっ…!?」
体内の魔力を練った瞬間、自身の腹部全体が蠢く様な感覚が発生。それと共に練っていた魔力が消失し、強烈な脱力感が襲う。
女性はそれまで気にも留めていなかった自身の腹部に注視してみると、そこには恐ろしい光景が広がっていた。
『『『ボゴボゴボゴッ!』』』(体内で″何か″が蠢く)
『ァァ…あぁ…』『ぇへぇへぇへ!』(蠢く″何か″の鳴き声)
「いやぁああああっ!『『ミチミチミチッ!』』痛い痛いい″だい″ぃ″ぃ″ぃ″っ!」
【そりゃ″魔力を流して『出産』を早めた″んだから痛いに決まっている。
急に高濃度の魔力が流し込まれたから″中の子″は元気一杯だぞ。】
自身の数倍も膨れ上がった腹部の薄皮一枚下に、薄黒く″絶対に人間ではない何か″が蠢いていた。
しかも今正に腹を破って産まれてこようとしている。
「あああああ『ブシュッ!』ああっ!ぃやあ『ドシュッ!』あああああ『ブスッ!』ああっ!!!!」
【自然分娩なら″幾分マシ″に″苗床″として機能したものの…
まぁ2/3は無事なだけまだ良いか。】
女性の悲鳴と同調するかの様に、腹部からは″中″に居る″何か″の触腕が断続的に突き出し、外に飛び出そうとしていた。
【″産まれ落ちた者″は回収し、俺の所に連れてこい。
死んだ苗床は…まぁ好きにしろ。】
『『『ガギギ!(兵隊蟻)』』』
アクロスは女性の行く末を見る事無く兵隊蟻に指示を出してその場を後にした。
「死″ぃ″い″『ザクザクッ!』死″に″ぃ″だぐなぁっ『『バヂュンッ!』』
『『ヴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オオ″ ッ!』』
縦穴全体に響き渡りそうな絶叫を上げながら抵抗する女性であったが、その絶叫を掻き消さんばかりの咆哮を上げながら腹部を突き破る″何か″。
これと同じ出来事が今日だけで数十件発生。
元【勇者】軍は【魔王】と『女鏖蟻・テンタクルイーリス』によって人知れず立派に苗床として天寿を全うするのであった。
~『南獄大陸』から5キロメル離れた場所にあるドワーフの国『フェレイロ』・海岸~
ザフッ!(着地)
「むぉっ!?ま、【魔王】いつの間に!?」
「遂に攻めて来よったか!」
「者共!出会え!出会えぃ!」
【待った待った、俺はこの間の″返事″を聞きに来ただけだ。】
「「「む!?」」」
【″【勇者】軍をどうにかする。
その代わり私と貴国との関係を前向きに考えてくれ″。
的な事をこの間ドワーフ国国王のシトルベって方に伝えたハズだが。】
ドワーフ国の【諜報】達の前に忽然と現れた【魔王】アクロス。
数日前に地下で交わした話を進めようとやって来た様子。
ドワーフ国からしても目の上のたん瘤であった【勇者】軍を″処理″する代わりに、友好関係を築きたいというもの。
と
「…国王シトルベ様より話は窺っておる。
秘密の通路を通り王城へと向かう。着いてくるが良い。」
【お?国交を結べるのか…?】
前回前々回同様、門前払いを食らうものと思われたが、唐突な王城への誘いに【魔王】アクロスは驚きを隠せなかった。
「逸るで無いぞ?
あくまで王城へと向かうというだけで友好関係を築けるかどうかは話は別じゃ。」
「世相を鑑みてお主との付き合い方をどうするかはシトルベ様が決める。
さ、行くぞ。」
(【世相、ねぇ…】)
今現在、【魔王】に対する世相は東西で二分されていた。
単純に【勇者】軍により直接的な被害を受けたかどうかで決まってくるのだが、被害をモロに受けた地域や国からは、半ば英雄視している所もあり、被害を受けていない東側諸国(獣人国を除く)からは排除・早期に討伐せよ、等の声が上がっている。
だが声高々に言いつつも、東側諸国は何処も挙兵しようとはしない。
皆イグレージャ・オシデンタルの二の舞にはなりたくないからである。
古来より絶対悪として忌避されている【魔王】ではあるが、言い付けさえ守れば力を振るわない絶対悪と、数百億規模の被害を出し続けた【勇者】軍とでは世相がどっちに傾くかは想像に難くない。
この状況で【魔王】討伐に向けて挙兵しようものなら批判の集中砲火を食らう事は確実と言えるだろう。
(【…まぁ友好関係を築ける事は無いだろうが、少なくとも国交については一歩前進と見てまず間違い無いだろう…】)
【諜報】達に促された【魔王】アクロスは、この日ドワーフ国国王シトルベの待つ王城で謁見する事となる。
シトルベは後に世間に向けて【魔王】とは″中立″の位置を取る事にした。
つまりは【魔王】に対して事を荒立てる事はしないと誓った事になる。
友好関係とは程遠く思えるかもしれないが、これによって交流の機会が増える事になるので、【魔王】アクロスとしては満足の行く結果になった事だけは確かである。
~旧イグレージャ・オシデンタル・【勇者】アークの生家跡地~
『『ガラガラ…』』『ガシャッ…』『『ガゴゴ…』』(瓦礫を掘り進める音)
「お、おーいっ!また生存者を見付けたぞっ!(王都の隊員)」
「おおっ!でかした!
こっちに人を集めろ!急げ!(ベルドラッド)」
「「「「「おおおっ!」」」」」
同時刻旧イグレージャ・オシデンタルでは瓦礫の山と化した旧市街地を、王都から派遣された隊員達が休まずに生存者の捜索が進められていた。
「対象は老齢の男性!衰弱しているが息はあるぞ!(王都の隊員)」
この日別の場所で冒険者数名の発見に加え、此度の男性の発見に現場は湧く事になったのだが
「う…ぅ…(ゲッシュバルド)」
「…ハッ…!
ここは何処…くそっ…そうだ、【魔王】を名乗る奴に拐われて…あ、あああ…」
『ガギガギガギ…』(『女鏖蟻・テンタクルイーリス』の鳴き声)
先日、【魔王】アクロスによってなす術もなく捕らえられた【勇者】軍の1人の女性が目を覚ます。
以前目覚めた時は魔力枯渇状態であった為、意識も朦朧としていたが、現在は魔力も十分で体調的には問題無い。
だが自身が磔にされている縦穴の壁面はちょっとやそっと力を込めた位ではビクともせず脱出は難しい。
例え抜け出せたとしても、遥か頭上には巨大なモンスター『女鏖蟻・テンタクルイーリス』が目を光らせている為、その姿を見た女性は絶望と嗚咽混じりの悲鳴を上げた。
『ガギガギガギ…』
「チッ、クショウ…高い所から見下しやがって糞虫がぁ…!
相手は高々デカいだけの″虫″!
私の業火で焼き付くして『キィイイン…』」
感情が読み取れない鳴き声を上げながら見下ろす『女鏖蟻・テンタクルイーリス』に苛立ちを見せた女性は、焼き殺してやろうとばかりに自身の魔力を練って炎魔法を放とうとした。
が
【馬鹿が。】
『『『ドグンッ!』』』(胎動)
「ぅべぇっ…!?」
体内の魔力を練った瞬間、自身の腹部全体が蠢く様な感覚が発生。それと共に練っていた魔力が消失し、強烈な脱力感が襲う。
女性はそれまで気にも留めていなかった自身の腹部に注視してみると、そこには恐ろしい光景が広がっていた。
『『『ボゴボゴボゴッ!』』』(体内で″何か″が蠢く)
『ァァ…あぁ…』『ぇへぇへぇへ!』(蠢く″何か″の鳴き声)
「いやぁああああっ!『『ミチミチミチッ!』』痛い痛いい″だい″ぃ″ぃ″ぃ″っ!」
【そりゃ″魔力を流して『出産』を早めた″んだから痛いに決まっている。
急に高濃度の魔力が流し込まれたから″中の子″は元気一杯だぞ。】
自身の数倍も膨れ上がった腹部の薄皮一枚下に、薄黒く″絶対に人間ではない何か″が蠢いていた。
しかも今正に腹を破って産まれてこようとしている。
「あああああ『ブシュッ!』ああっ!ぃやあ『ドシュッ!』あああああ『ブスッ!』ああっ!!!!」
【自然分娩なら″幾分マシ″に″苗床″として機能したものの…
まぁ2/3は無事なだけまだ良いか。】
女性の悲鳴と同調するかの様に、腹部からは″中″に居る″何か″の触腕が断続的に突き出し、外に飛び出そうとしていた。
【″産まれ落ちた者″は回収し、俺の所に連れてこい。
死んだ苗床は…まぁ好きにしろ。】
『『『ガギギ!(兵隊蟻)』』』
アクロスは女性の行く末を見る事無く兵隊蟻に指示を出してその場を後にした。
「死″ぃ″い″『ザクザクッ!』死″に″ぃ″だぐなぁっ『『バヂュンッ!』』
『『ヴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オオ″ ッ!』』
縦穴全体に響き渡りそうな絶叫を上げながら抵抗する女性であったが、その絶叫を掻き消さんばかりの咆哮を上げながら腹部を突き破る″何か″。
これと同じ出来事が今日だけで数十件発生。
元【勇者】軍は【魔王】と『女鏖蟻・テンタクルイーリス』によって人知れず立派に苗床として天寿を全うするのであった。
~『南獄大陸』から5キロメル離れた場所にあるドワーフの国『フェレイロ』・海岸~
ザフッ!(着地)
「むぉっ!?ま、【魔王】いつの間に!?」
「遂に攻めて来よったか!」
「者共!出会え!出会えぃ!」
【待った待った、俺はこの間の″返事″を聞きに来ただけだ。】
「「「む!?」」」
【″【勇者】軍をどうにかする。
その代わり私と貴国との関係を前向きに考えてくれ″。
的な事をこの間ドワーフ国国王のシトルベって方に伝えたハズだが。】
ドワーフ国の【諜報】達の前に忽然と現れた【魔王】アクロス。
数日前に地下で交わした話を進めようとやって来た様子。
ドワーフ国からしても目の上のたん瘤であった【勇者】軍を″処理″する代わりに、友好関係を築きたいというもの。
と
「…国王シトルベ様より話は窺っておる。
秘密の通路を通り王城へと向かう。着いてくるが良い。」
【お?国交を結べるのか…?】
前回前々回同様、門前払いを食らうものと思われたが、唐突な王城への誘いに【魔王】アクロスは驚きを隠せなかった。
「逸るで無いぞ?
あくまで王城へと向かうというだけで友好関係を築けるかどうかは話は別じゃ。」
「世相を鑑みてお主との付き合い方をどうするかはシトルベ様が決める。
さ、行くぞ。」
(【世相、ねぇ…】)
今現在、【魔王】に対する世相は東西で二分されていた。
単純に【勇者】軍により直接的な被害を受けたかどうかで決まってくるのだが、被害をモロに受けた地域や国からは、半ば英雄視している所もあり、被害を受けていない東側諸国(獣人国を除く)からは排除・早期に討伐せよ、等の声が上がっている。
だが声高々に言いつつも、東側諸国は何処も挙兵しようとはしない。
皆イグレージャ・オシデンタルの二の舞にはなりたくないからである。
古来より絶対悪として忌避されている【魔王】ではあるが、言い付けさえ守れば力を振るわない絶対悪と、数百億規模の被害を出し続けた【勇者】軍とでは世相がどっちに傾くかは想像に難くない。
この状況で【魔王】討伐に向けて挙兵しようものなら批判の集中砲火を食らう事は確実と言えるだろう。
(【…まぁ友好関係を築ける事は無いだろうが、少なくとも国交については一歩前進と見てまず間違い無いだろう…】)
【諜報】達に促された【魔王】アクロスは、この日ドワーフ国国王シトルベの待つ王城で謁見する事となる。
シトルベは後に世間に向けて【魔王】とは″中立″の位置を取る事にした。
つまりは【魔王】に対して事を荒立てる事はしないと誓った事になる。
友好関係とは程遠く思えるかもしれないが、これによって交流の機会が増える事になるので、【魔王】アクロスとしては満足の行く結果になった事だけは確かである。
~旧イグレージャ・オシデンタル・【勇者】アークの生家跡地~
『『ガラガラ…』』『ガシャッ…』『『ガゴゴ…』』(瓦礫を掘り進める音)
「お、おーいっ!また生存者を見付けたぞっ!(王都の隊員)」
「おおっ!でかした!
こっちに人を集めろ!急げ!(ベルドラッド)」
「「「「「おおおっ!」」」」」
同時刻旧イグレージャ・オシデンタルでは瓦礫の山と化した旧市街地を、王都から派遣された隊員達が休まずに生存者の捜索が進められていた。
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