ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

行こ。ほら行こうって。

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『『キィイイン…』』

《あむあむあむ…『ゴクン。』
うんもう大丈夫。悪夢となってた恐い人達の夢はボクが食べてあげたし、恐い人の顔を思い出そうとしても霞が掛かって思い出せない様にしてあげたよ。》

「…ぇ…あ、ホント…!思い出そうとしても思い出せない…!
あぁ…ありがとうございます!
眠ろうとしたり、小さな物音を聞いただけで当時の事を思い出してしまって困っていたのです、本当に、本当にありがとうございます!(とある母親)」

「毛玉さんとおねぇちゃん、ありがとー!(その子供)」

「はーい。(ミダレ)」


ミダレとイスクリードは、【勇者】軍の荒くれ共に追い掛けられ、辛くも逃げ延びた後、恐怖で体が震えていた母子の所に居た。

目を閉じれば当時の事を思い出して眠る事も出来ず、木々の音を聞いただけで逃げている時の事がフラッシュバックしてしまうと言う。

そこでイスクリードの能力で母子を眠らせつつ夢に介入し、ミダレが夢の中で悪夢の原因となっていた野盗を蹴散らし、イスクリードが捕食する事で完全にとはいかないものの恐慌状態には陥らない様にはしてあげた。

他人の夢に入るのは2度目になるが、ノアの夢に介入した経験が生きた様で、比較的短時間で悪夢を取り払う事が出来たのであった。





「品質レベル8の熱冷ましが6本、品質レベル9の化膿止めが8本、同レベルの毒消しが10本。
各々品質レベル補正を考慮して…
大体この位の値段になります。(ミリア)」

「ふむふむ…品質レベルも申し分無い、確かに適正価格だ。
よし、それでは『血の牙』印の薬品類買い取らせて頂くよ。(兵士)」

「商談成立ですね。(ミリア)」ムフー。

「お疲れ様ですミリアちゃん。(ヴァンディット)」


ミダレから少し離れた所では、足りていない薬品類を買い取って貰う為、兵士とヴァンディット間に商人見習いのミリアが介入して取引を行っていた。

通常個人間での売買は禁止されている(法外な値段の売買が行えてしまうから。)為ギルドが間に入るモノだが、ギルドに登録されている商人見習いのミリアが介入する事で面倒な手続きを省き、個人間での売買が可能になるのだった。





「ふむ…ではアルバラストから1時間程進んだ街道付近から出現し出すのですね?」

「日中は街道にはあまり出ず、森や山道等の薄暗い場所に出現しやすいわ。
夜になったら至る所に出現するから円陣を組んで牛歩で進むしか無かったわ。(ライリ)」

「なる程ね。」

「【鬼神】殿、ゾンビや悪霊等のアンデット系モンスターは、生者が近くに居ると分かると寄ってくる性質があります。(隊員1)」

「ただ闇雲に斬り伏せたり迂回したりすると、いつの間にか囲まれている、なんて事もままあります。
更に適切な処理を施さねばまた新たなアンデットモンスターを産み出してしまう事もあり得ますが、【鬼神】殿は聖水や光属性魔法等を備えているのですか?(隊員2)」

「まぁ似た様なモノは得ているのでご心配無く。」


目的地であるヴァリエンテ領を含む西側方面に、ゾンビや悪霊等のアンデット系モンスターが出没すると聞いたノアは、旧イグレージャ・オシデンタルに派遣されていた王都の隊員達のリーダーであるライリに話を窺っていた。

彼等はアルバラストまで戻る途中に幾度か遭遇したらしく、細かな情報をノアに提供していた。

その際の反応から、ノアはアンデット系モンスターに対する対抗手段を持ち合わせていると感じたライリは、ダメ元でイグレージャ・オシデンタル近郊までの道中を同行出来ないか聞いてみる事に。

ノアとしては歩む道程は同じだった為、これを了承した。
隊員達は先程物資の補充を済ませていた為直ぐにでも出立出来るが、ノアの仲間達が治療や手伝いに向かっている事を考慮して一先ず出立を1時間後に設定した。

と、そんな様な事を話していると丁度良いタイミングで


「一先ず治療の方は済みましたぞ。(クリストフ)」

「兵士方への薬品の買付、滞り無く終わりましたわ。(ヴァンディット)」
「バッチシです。(ミリア)」

「こっちの方も終わったっちゃよ。(ミダレ)」
《少人数だったのが幸いしたね。》

「資材搬入の手伝い終わったよー。(ラインハード)」

「お、皆丁度良い所に。
訳あって王都の方達が同行する事になった。
初めましての人も居るだろうから紹介するね。」


買付が終わったヴァンディット達、治療が済んだミダレやクリストフ、街のお手伝いに行っていたラインハード等がノアの下に戻ってきた。


「こちらの方は王都のライリさん。
騎士とは違って王都周辺に足を運ぶ別動隊みたいな感じ。
彼女とは、この街に初めて来る前からの付き合いで、色々と手助けしてくれた人だよ。」

「ライリです。
今回は占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルで【魔王】の動向と生存者の捜索が目的で派遣されました。
少しの間ですが同行させて頂きます。(ライリ)」


ノアから軽く紹介され、同行の目的を簡単に説明したライリは、一行に深々と頭を下げていた。


「ヴァンディットさんとは、ヒュドラ戦の後に入れ違いになってしまったのですよね。(ライリ)」

「そうでわね。
こうして面と向かうのは初めてですわね。(ヴァンディット)」

「ぬ?ノア殿はヒュドラと戦われたのですか?(クリストフ)」
「え!?ヒュドラって、あのヒュドラ!?(ミダレ)」

「えぇ、私は空から見たのですが、当時から凄まじかったのよ。
そりゃこの街の″観光名所″にもなるな~って思ったわ。(ライリ)」

「「「「観光名所?」」」」

「ちょ、待…」


ヴァンディットとミリア以外この街に訪れるのは初めてである為、アルバラストにある″アレ″を知っている者は居らず、皆興味津々であった。





~アルバラストの冒険者ギルド・銅像前~


「ほほぅ、ほぅほぅ…
立派な銅像ではありませんかノア殿。
雄々しい立ち姿で大軍とヒュドラに立ち向かわれたのですな!(クリストフ)」

「ねぇもう良いでしょ…?
只でさえ目立つ銅像なのに、もっと目立つクリストフが居たら余計目立っちゃうよ…」

「はわわ…銅像になるって凄い事っちゃよね…
ノア君ってやっぱり凄いっちゃね…(ミダレ)」

「本人には許可取ってないんだけどね…」

「作り手の問題かしら…?
よく見るとノア君にあまり似てない…(ラインハード)」

「コラコラコラコラ、アルバさんに聞こえちゃうかも知れない(勿論聞こえている)からシーしましょうね!」

「うわぁ、カッコいいです~(ミリア)」

「ほらミリアちゃん、もう直ぐで出立するから準備しまし

「準備は万端なのでもう少し見てます。(ミリア)」

「あらやだ出来る子。」


自分の銅像を見られるのが恥ずかしいノアは何とか皆を引き剥がそうとするが、結局出立時間まで貼り付いており、しっかりマジマジと鑑賞されるのであった。
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