ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

チラチラ…(゜゜

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ガガァン…ゴガァン…


~クリストフが展開した陣・バックラッシュルーム(えのき茸ver)前~ 


「…え、何この巨大えのき茸の群生地は…
この間来た時にはこんな物生えてなか

『にゅ。』(巨大えのき茸の中からクリストフ。)

「ライリ殿、これは簡易的なセーフティエリアですぞ。(クリストフ)」

「ひょわっ!?(ライリ)」


ノアがベルドラッド救出に向かって暫し。
ライリ率いる王都の者達が遅れて到着。
そこには人の背丈を有に超える巨大えのき茸が群生していた。

これはベルドラッドの治療を行う為にクリストフが用意した『バックラッシュルーム(えのき茸ver)』と言うセーフティエリアで、えのき茸1本1本が反発性があり、例え『黒い刃』が飛んできても少しの間耐える事が出来ると言う。


「そ、それでベルドラッドさんは!?(ライリ)」

「落ち着いて下されライリ殿、今ヴァンディット嬢の方で治療を行っており、先程無事に終了しました。
ただ、かなり失血してしまった様なので意識の回復と移動はまだ暫く掛かるでしょう。(クリストフ)」

「「「おお…!」」」

「良かった…(ライリ)」


『『『ガギィンッ!』』』『『ガガンッ!』』(遠くから響く戦闘音。)


「そ、そうだ!
ベルドラッドさんを襲ったのは一体何者だったのですか!?
まさか【魔王】ですか!?(ライリ)」

「落ち着いて下されライリ殿、私も最初そう思ったのですがどうやら違う様です。
いまいち会話が噛み合わない老齢の男性と、その者に付き従う様に傍に居る『黒い何か』が襲った張本人の様です。(クリストフ)」

「会話が噛み合わない老齢の男性…?
もしかしてゲッシュバルドの事ですか!?(ライリ)」

『『ガサガサ…』』(えのき茸を掻き分けて外を見る。)

「ほら、彼処に居るのがその老齢の男性で、その周囲を縦横無尽に駆け巡っているのが『黒い何か』でありますぞ。(クリストフ)」





『『『ゴッ!』』』(襲い来る幾本もの『黒い刃』。)

ゾリンッ!ゾリンッ!(削り取られる地面。)

「そこじゃい!あの…ひだ…右!
上からの…な、薙ぎ払えっ!!薙ぎ払うんじゃっ!(ゲッシュバルド)」


断続的に続く破壊音と舞い続ける瓦礫の数々。
その中でゲッシュバルドの拙い指示が飛び続け、その度に『黒い刃』が無理矢理軌道修正し、ノアの周囲に幾何学模様が描かれる。


ギャンッ!『ザッ!』ザウッ!(大振りに斬り付ける『黒い刃』。)

スッ…スッ…ヒュンッ!(『黒い刃』を最小限の動きで避け続けるノア。)

ゴリィンッ!『バシャッ!』(断ち斬られる『黒い刃』、その後『黒い液体』に戻る。)

「追え!追うのじゃ″息子″よ!
先程からどうした!ガキ1人に掠りもしなくなったではないか!(ゲッシュバルド)」


『黒い刃』の嵐の中を、血が滴る左腕を胸より高い位置に上げたノアが最小限の動きで回避し続ける。

先程から回避し続けるノアに、ゲッシュバルドからは更に抽象的な指示が飛ぶ。

それに対してノアは


『『ピキピキ…ジュクジュク…』』(折れた腕や血管の回復。)

(『主、取り敢えず血管は修復完了したが、骨は後2、3分って所だ。
だが全快って訳じゃねぇ、無理はすんなよ?』)

(分かった。
こういう時″力の制御″のお陰で″自動回復″出来るってのは心強いね。)


『黒い液体』に対しての攻撃を殆ど止め、9割方回避に専念したノアは回復を優先していた。
へし折られた左腕は″力の制御″により殆ど回復し、出血は止まり骨の接合ももう直ぐとなっていた。


ガガガガガッ!

「見ろ!ガキは逃げる事しか出来ん!
さっさと仕留めるんじゃ!(ゲッシュバルド)」


(『あの爺さん素人だな。
俺らが″逃げている″様にしか見えてないらしい。』)

(まぁ逃げてはいるけど、全部″回避されている″って事に気付かないモノかねぇ…
でもまぁそのお陰でジックリ観察出来てるのだけど…
それにしてもなぁ…)

(『あぁ、どうするかねぇ…』)


恐ろしく硬い『黒い液体』と、高速で攻撃し続ける『黒い刃』は確かに脅威と言えるが、『荒鬼神ノ化身という武器と、それを自在に扱える技術と力。両親との訓練で″超速″を見極められる目』を持ったノアには、それらの攻撃ではもう後れを取る事は無かった。

最初の不意打ち気味な攻撃で仕留められなかった時点で『黒い液体』側に勝機は無いに等しい。

とは言え、ノア側は回復しつつあるものの、反撃に出る事に躊躇いを持っていた。

何故なら



~旧イグレージャ・オシデンタルに立つ巨大な巣上~


【……。】ジーッ。



(『【魔王】アクロス』がああやってこちらを監視している以上迂闊に攻撃出来やしねぇ…』)

(下手すれば【魔王】から報復措置を受けるかもだし、かといってこのまま回避し続けるのもなぁ…
最悪【魔王】の所までこの『黒い何か』を引っ張って擦り付けようか?)

(『…そうだな、だがあくまで″最悪″な。』)


現在【魔王】の占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルには、【魔王】配下の兵隊蟻の巨大な巣が立っている。

その巣上には、いつの間にか【魔王】アクロスが佇んでおり、無言の表情でノア達の戦闘を観ていた。

それによってノアは『黒い液体』に対して攻勢を仕掛ける事が出来ず、回避に専念し続けるしか無いのだ。

本来ならグリードや荒鬼神ノ化身の能力等の反撃手段があるのだか、それらを使う事は出来ない。

下手すれば街1つを一撃で消滅させる事が可能な報復が待っているのだから。


なので″最悪″は『黒い液体』を【魔王】の所まで引っ張り、″化物には化物をぶつける作戦″で行こうと画策していた。


ズガガガガガッ!

「ほぅれ!逃げる事しか出来んかガキが!
さっきまでの威勢はどうした!(ゲッシュバルド)」

(正直イライラしてきた。さっきの作戦で行こうよ。)

(『そだな。』)


手はあるのに、ゲッシュバルドから煽られ続けてイライラ気味のノアと鬼神は、先程立てた作戦を実行するつもりの様だ。




【″停止″。】

「カッカッカッくぁあ、kkk…a…k………(ゲッシュバルド)」

『『『ギュゥウウウウ……』』』(『黒い刃』が超減速。)


(『…お?』)

(…まさか、″暦″さん…?
…な訳無いか、状況的に考えて…)


突如ノアの周囲の時間の流れが非常にゆっくりとなり、時を司る″暦″の登場を彷彿とさせる。

だが″暦″の時と違い、周囲の時間の流れが完全に止まる事無く、非常にゆっくりとだが時間が流れている様ではあった。

すると、困惑気味なノアの下に


ザッザッ…

【獣人国以来だな少年よ。
何故この地に居るかとか″アレ″との関係はどうだとか聞きたい事はあるが一先ず置いておこう。
″何故本気を出さん。私と戦った時の様に立ち回れば良いだろう?″】
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