ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

比較的安全圏で『テイム』

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アルフレッド・レイド奴隷商館…創業80年となる古参の奴隷商。
行き届いた教育により質の良い奴隷を数多く輩出している為旧スパルティアがヒュマノ聖王国と名を変えて以降実質的に業界内1位の座に着いている。

アルフレッド・レイド伯爵が治めている領地一帯に奴隷の収容施設が建ち並び、【適正】別や罪の重さに応じて細かく区分けされている。

主人であるアルフレッド・レイド伯爵は、ノアとは獣人国編で1度顔を合わせている。



~アルフレッド・レイド奴隷商館・中庭~


『『『『ざわざわ…(300人程の喧騒)』』』』

「お父さん!(奴隷2の娘)」
「あなた!(奴隷2の妻)」

「っ…!シエル!ハンナ!
…あっ、ふ、2人共そっちに戻りなさい!
懲罰房に入れられてしまうぞ!(奴隷2)」


「確かに懲罰房はありますが、その程度で入れる事はしませんよ。
他に家族の者が居る場合は集まって貰っても構いません!
今からする話は大変重要なモノです、皆でよく考えてから行くか残るか決めて下さい!(アルフレッド)」


奴隷商館主人アルフレッド・レイド伯爵の指示を受けて中庭に出て来た男性奴隷達は、反対側の棟で同じく奴隷としてこの商館に居る女性奴隷達の列を見付ける。

その中には、最近一緒に商館に送られた妻子が居り、周りの目も気にせず父親に駆け寄っていった。

普通商館主人の指示無く勝手に行動すると注意されるのだが、周りに居る商館の職員は愚か、主人と言えるアルフレッド・レイド伯爵は注意する所か促していた。

すると中庭には数十のグループが出来上がり、落ち着いた所でアルフレッド・レイド伯爵から次に発せられる声に耳を傾ける事に。

その時になってアルフレッド・レイド伯爵の隣を見てみると、服装を整えた商人然とした男性と、その後ろに剣を携えて待機する姉妹の姿があった。


「アルフレッド殿、この方達全員『ゴニョゴニョ…』(ジョー)」
「えぇそうです。皆先日【勇者】軍に『ゴニョゴニョ…』(アルフレッド)」


男性棟、女性棟から直近奴隷となってこの商館へとやって来た者達全員が出切ったのを確認したジョーは、声を張り上げて本題を話し始めた。


「皆さん、お集まり頂き感謝します!
私は【商人】のジョーと言い、今回はある者の代理としてここに参りました!
そのある者からここに居る皆さんを一括で買取りたいとの要望が御座いました!(ジョー)」


「え…?一括?
…という事は家族と一緒に…という事ですか?(他の奴隷)」


「そういう事です。(ジョー)」


「「「「お、おおおお!」」」」


奴隷落ちし、下手をすれば家族と今生の別れとなってしまう事が回避出来、喜びを露にする一同だが


「落ち着いて下さい。
これから皆さんに向かって貰う″場所″が少し問題なのです。(ジョー)」


「え…?
そ、その″場所″と言うのは…?(他の奴隷)」


「ヴァリエンテ領の西方、手付かずの名も無き広大な大地。
その地で定期的に発生する″大氾濫″を迎撃出来る様、新たに前哨基地兼街を新たに興します。
皆さん以外にも『軽犯罪』を犯した『元冒険者』・『各種生産・技術職奴隷』も合わせて購入しました。
そこで皆さんには″奴隷では無く開拓民として″一定期間暮らして欲しいのです。(ジョー)」


「ヴァリエンテ領西方の広大な大地と言ったら、あの…(奴隷2)」
「「「だ、″大氾濫″…」」」
「「「″開拓民″…」」」


″大氾濫″、″開拓民″という言葉を聞いて喜色満面だった表情を暗くする奴隷一同。

″大氾濫″は言わずもがな、″開拓民″とは一般的に重労働で、心身共に磨り減らす為『重犯罪奴隷』が向かわされる仕事と言われている。

故にそれを聞かされた奴隷達は肩を落としていると言う訳である。

するとその中の奴隷の1人が


「… あの、つまりその″ある者″と言うのは、ヴァリエンテ領領主ヴァリエンテ・ルルイエ伯爵様であると言う事ですか…?(奴隷2)」


「いえ、″今回の大氾濫に際し最前線で戦われる強者″になります。(ジョー)」


「「「「「え?」」」」」

「そ、その方と言うのは…?(奴隷2)」


「二つ名で言ってもピンと来ないでしょうから分かり易く言いますね。
『フリアダビア奪還の立役者』、野盗200人殺し改め『【勇者】軍500人潰し』のノアと言う冒険者です。(ジョー)」










~2日後・名も無き広大な大地~


ドドッ!ドドッ!(大地を駆ける馬の脚音。)

ヒュゥウン~♪(心地好い風切りの音色。)

「どぅどぅ。
おー、ユウさんが『テイム』した『メロディア・ジプシーバナー』はお利口ですね。
僕が体重移動させただけで直ぐに方向を変えてくれますよ。」

のっそのっそ…(『のっそりタヌキ』の足音。)

「とは言え、そんなにあっさり乗りこなすノア君は流石と言うべきかな。
こっちの『のっそりタヌキ』は安定感がスゴくて僕には丁度良いよ。(悠)」

キュー、キュー!(『のっそりタヌキ』の鳴き声。)

「10分に1回は木の実をねだって来るのが難点だけどね。(悠)」


現在ノア達は、名も無き広大な大地とヴァリエンテ領とを隔てる門扉から約300メル程離れた場所に居る。

これは実際に土地に赴き、棲息するモンスターの危険度や植生や地形の確認を行い、街(前哨基地)を建てるにあたっての調査である。

クランのメンバー達は門扉の近くにアミスティアと共に待機し、レドリックとノア、悠やルルイエ伯爵達はそこから少し進んだ所を調査していた。

ちなみにノアは【万能】である悠が『テイム』した『メロディア・ジプシーバナー』と言う馬のモンスターに乗り、悠は同じく『テイム』した『のっそりタヌキ』と言う大きなタヌキの頭の上に乗っていた。



『メロディア・ジプシーバナー』…賢い馬のモンスターで、大きさ的には普通の馬と同じ体躯。
毛並みは美しく純白で、これは毛の1本1本が空洞である為。

これにより走行時に風を受ける事で毛並みが靡き、奏でる音色によって馬上の者や周囲の者達に支援魔法を掛ける事が可能。


『のっそりタヌキ』…体長3~5メル程の大きなタヌキ。木の実や昆虫等を好む。
まともに戦えば中級冒険者パーティでなければ討伐は難しい。



「『メロディア・ジプシーバナー』と『のっそりタヌキ』は温厚だから、手懐けて街に配備すれば良い移動手段と戦力として使えるだろう。
この調子でお願いします、僕はルルイエさんの所に行ってきます。」

「了解。(悠)」



現実にも『ジプシーバナー』って言う馬居ますけど、カッコいいんですよね。
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