ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
996 / 1,124
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

続々と

しおりを挟む
~2日後・昼近く~ 

『『『ジーワ、ジーワ。』』』(ムンムンゼミの声。)

「「「暑ぃ~…(???達)」」」


北部からヴァリエンテ領へと続く街道を3人の健康的な体付きの女性が茹だる暑さに耐えながら歩いていた。

その中の1人が徐に地図を取り出して何処かの場所を確認し出した。


『『ガサガサ…』』

「確かもうそろそろよね、ミダレが言ってた街って…
そもそもあの娘何で西端の街に居るのかしら。
ちょっと前まで南にある『テスタ』に行ってたハズでしょ…?(????)」

「まさかもう旦那を見付けてその街で暮らしてるとか…?(???)」

「いやー、それはどうかしら…(???)」

「いや、でもあり得るわよ…?
あの娘″誘惑香″の制御が一番苦手だったからその辺の男に″致し、致され″

「はい、この話止めー!
友達を使って勝手な妄想をするのは止めましょーね~!(???)」


3人はミダレとは知り合い、と言うよりか友達の様で、辺境の地とも言えるヴァリエンテ領に居る事に首を傾げ、あらぬ妄想をするのだが、あながち間違いでは無かった。





『『『ガラガラガラ…』』』(遠くから荷馬車の音。)

「あ、あそこじゃない?ヴァリエンテ領って。(サキュバスのミダラ)」

「みたいね。
″新しく街を新設するから『娼館ギルド所属』の皆に協力して欲しい″なんてミダレから突然連絡が来たんだもの、ビックリしちゃったわ。(サキュバスのラハラメ)」

「最近精気にありつけなかったから、私としては嬉しい限りだけどね~。(サキュバスのアマエ)」


街道を歩く健康的な体付きの女性3人は『娼館ギルドに所属』しているサキュバス族で、ミダレから新設される街での″性処理″を依頼されている。

彼女達はサキュバス族である為、人族の様な方法で″性処理″をする必要があまり無く、対象の体に触れて精気を吸収するだけで済むので、比較的安全な職であると言える。

しかも彼女達は『公的娼館ギルドに所属』しているギルドの一員である為、ギルド側から提示されている禁止行為を行えば重い罪を科せられる事になるのだ。





『『『ゴトゴトゴト…』』』(荷馬車が次々とヴァリエンテ領内へ。)

「すいませーん!(ラハラメ)」

「む…?
あ、もしや『公的娼館ギルド』から派遣されたサキュバスの方々ですか?(兵士1)」

「「「はーい、そうでーす。」」」

「ギルド所属の印章です。登録証と一緒に確認お願いします。(ラハラメ)」

「ご丁寧にどうも。(兵士1)」


領内へと入る為、兵士に身分証と『娼館ギルド』の登録証を手渡す一行。
その横では20人程が乗れる荷馬車が次々と列を成して通過していく。


「あれが″開拓民兼新しい街の住人″達なのね。
かなりの人数よ、500人位は居るんじゃないかしら。(ミダラ)」
「血気盛んそうお客さん達ばかりじゃない。(ラハラメ)」
「久し振りにお腹一杯になりそうだね~。(アマエ)」


サキュバス族からしてみれば、年齢や身分。美醜はあまり関係無く、精気が良いかどうかが判断基準となるらしく、馬車の荷台に乗せられてやって来た者達を見て久し振りの精気に目を輝かせていた。

と、そこに


「あーっ!ラハラメちゃん、ミダラちゃんにアマエちゃん!来てくれたっちゃね!(ミダレ)」

「あらミダレじゃん、久し振り~。(アマエ)」
「呼ばれたから来たんだよ~!(ラハラメ)」
「その口調久し振り~、やっほーミダレ~。(ミダラ)」

「「「…って、あれ!?」」」


門の陰からひょっこりとミダレと使い魔のイスクリードが姿を現す。
3人とは久し振りの再会なのかニコニコとした笑顔でブンブンと手を振って歓迎するミダレだが、それとは対称的に3人はミダレの変化に驚いていた。


「ミ、ミダレちゃ…あ、頭に″角″…!?(ラハラメ)」
「背中に″翼″が…!?(ミダラ)」
「″尻尾″と…もしかしてそこのずんぐりむっくりはミダレちゃんの″使い魔″!?(アマエ)」 

《ずんぐりむっくりじゃないよ、イスクリードって呼んで!》


ノアと手違いで契約を結んでしまったミダレは、その日を境に頭からは″角″が。
腰の辺りには″翼″が。
そしてお尻の付け根辺りから小さな″尻尾″が生え、如何にもサキュバスといった特徴が表れていった。

そしてずんぐりむっくりとした使い魔のイスクリードが常に周囲を漂っており、3人の知るミダレから明らかに変化していたのだった。


「…って事は…!
″淫紋″!″淫紋″があるハズよミダレちゃん!
見せてみなさい!(ミダラ)」

「ヤ、ヤーァッ!
こ、こんな人の目が多い所ではイヤやって!(ミダレ)」


何かに感付いたミダラが徐に襲い掛かり、服を捲ろうとする。
門の前に立つ兵士は目のやり場に困っているのか、止める事無く目を背けていた。


「ほ、ほら!ここで話すのもあれっちゃけん、中入って話そうっちゃ!(ミダレ)」アセアセ…

「そうね、久し振りの再会なのに、こんな往来でミダレを剥き身にする訳にもいかないしね…(ラハラメ)」

「その代わり、全部説明して貰うわよミダレちゅわん?(ミダラ)」

「″致した″のか″致された″のか教えろー。(アマエ)」


ミダレははだけた衣服を直しつつ街へと誘導。
このままでは根掘り葉掘り聞かれつつ″淫紋″探しで剥かれてしまうので必死であった。





~ヴァリエンテ領内~


『『『ガヤガヤガヤ!』』』

「5番馬車から14馬車の者達は速やかに降りてくれ!後続が控えているからな!(兵士2)」

「生産・技術職の皆さんは【適正】毎に整列してくれ!(兵士3)」

「点呼が取れた所から順に建造場所に向かう!
速やかに行動されたし!(兵士4)」

「子供連れはゆっくりとで構わない!持病がある者等は近くの兵士に言ってくれ!(カルル)」


領内へ入ると、開拓民(元奴隷達)を乗せた荷馬車から続々と人々が降りてきては体を解して長旅の疲れを軽く癒していた。

街の中心にある広場には『元冒険者』と『生産・技術職の軽犯罪奴隷』、そして『【勇者】軍が原因で奴隷落ちしてしまった者達』の3グループが展開して各々点呼を取っていた。


表向き彼等は″開拓民・大氾濫に対する有志″として来ている。
謂わばここは彼等にとって死地とも言える。

しかも今から街を建造し、大氾濫が発生するまでの僅かな時間でそれに耐えられるだけの設備を整えなければならない。
常人で無くても考えたくない案件である。

にも関わらずこの場に集まっている者達の表情は比較的明るい。

ただ単に大氾濫を楽観視しているのかも知れないが、彼等がこの地に来るのを自らの意思で決定したのは、この地に『【勇者】軍500人潰し』が居る事であった。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...