995 / 1,117
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~
檄
しおりを挟む
「おおっ!建造場所が決まったか!(ルルイエ)」
「えぇ、これ以上先は魔素の濃度が濃くなり、より強力なモンスターが跋扈しやすい環境であるとレドリック殿が申しておりました。(兵士1)」
「それにここは地盤が固く、川や森に近い。
街の建造に掛かる時間が大幅に短縮出来るモノと思われます。(兵士2)」
タッタッタ…
「ルルイエ様、アルフレッド・レイド伯爵様の奴隷商館からジョー殿が戻られました。
『元冒険者』の『軽犯罪奴隷』200人・『各種生産・技術職奴隷』各50人・″直近で『軽犯罪奴隷』となった者達″352人の商談は無事終えられたとの事です。(兵士3)」
「おお、何とも都合が良い。
街の規模を決める上で人数を把握したかった所だ。
誰ぞ目録をくれるか!(ルルイエ)」
街の建造場所が決まったのと同時に、奴隷を購入しに向かっていたジョー達が戻ってきた。
ちなみに奴隷達は、現在【魔王】占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルを迂回する為、ヴァリエンテ領に到着するには約2日程掛かるとの事。
「一瞬家族会議ー。
ノアちゃん″木材確保20~30″、レド″簡易防壁建設″、私″食糧調達″ね。(アミスティア)」
「おぅ。(レドリック)」
「はーい。」
「「「「「え?(兵士達)」」」」」
街の建造場所が決まり、奴隷の確保も決まった所でアミスティアから声が上がり、一瞬家族会議が開催された。
奴隷到着までに数日あると言うのに、早速行動を開始するつもりのノア一家に驚く兵士達。
するとその中から代表して一般兵に混じって訓練中のカルルが問い掛ける。
「あ、あの皆さん?
本日は一先ずこの土地の調査と街(前哨基地)建造場所の決定、奴隷の確保が済んだので1度街に戻って今後の動きをどうするか…(カルル)」
「え?まさか2日後にここにやって来る人達を迎えてから色々と行動を起こすつもり?
″アンタ達大氾濫を前に悠長にしてられると思ってんの?″(アミスティア)」
「1から全部任せるより、ある程度の下地が出来上がってる方が効率良いだろ?
それとお前達、今日からここに来る者に″奴隷″って言うなよ?
元はと言えば志願兵を集められなかったヴァリエンテ領の尻拭いの為に″この策″を立てたんだからな?
そこは履き違えるなよ?(レドリック)」
「寧ろ色々と情報が出揃った今だからこそ行動を開始する時でしょ?″大氾濫舐めてんの?″」
何処と無く″本日はここまで!″と言った雰囲気を醸し出していた兵士達に檄を飛ばすかの様に言葉強目に言う3人。
「な…は…?(カルル)」
「昼と夜とでは状況に変化が出るかも知れない。魔素の量、モンスターの強さ、出現個体の変化…様々ある。それを確認しないまま街へ戻る?
そんなんで大氾濫を迎えるのか?
ここにやって来る者達に街(前哨基地)を作らせ、暮らせと言えるか?」
「街に戻りたい奴は戻ると良い、″大氾濫をその程度″としか考えてないとの事だろうからな。(レドリック)」
「悪いけどルルイエさん、貴方の領には貴方の領のやり方があるでしょうけど、息子が身銭を切ってまで貴方が構想していた計画を推し進めたのだから私達も″ある程度″口を出させて貰うわよ?(アミスティア)」
「あぁ勿論だ。
だからこそ前回の大氾濫でも、勝つ事が出来たのだからな。(ルルイエ)」
ノアが身銭を切ってまでルルイエ伯爵が構想していた街(前哨基地)の建造を推し進めた事で、一家の意見を通し易くなった事が嬉しい誤算であった。
これを領の公金で進めた場合、通る意見は限定的なモノとなり、ヴァリエンテ領のやり方で大氾濫当日を迎える事となっていただろう。
「今回は俺達が居るから良いが、次の氾濫ではここに建設されるであろう街の者と兵士達でどうにかしないとならん。
そんな場所に″温い考えの奴″は要らん、さっさと戻ってくれて構わん。(レドリック)」
~夕方~
ガシュッ!『『ズズンッ!』』(大木が斬り倒される。)
『『ガギッ!』』『『ミシミシミシッ!』』ブンッ!(断ち斬った大木を掴んで放り投げる。)
「ねぇ!これ父さんがやった方が早くない!?」
ズズズ…(放り投げられた大木を″チャージ″。)
「知ってるだろノア。
俺は″斬る″のは苦手で″射つ″方が得意だと。
それに俺は今″山の方を見てる″。
そっちの事は頼むぞ。(レドリック)」
「あいあーい!『ザシュゥッ!』」
ノアは現在荒鬼神ノ化身を振るい、先程アミスティアから任された″木材確保″を行っていた。
その木材は近くの森林エリアからになるが、片っ端から斬っていくのでは無く疎らに斬る事を心掛けている。
そうしないと悠が『テイム』したのっそりタヌキ等のモンスターの住処が追われてしまうからだ。
その後斬り倒された大木はレドリックによって″チャージ″されるのだが、その間レドリックは何をしているかというと
「む、もう1体追加だ。
『コキュートス・アンブレラ』が数体山の麓に居る。
氷の鎧を纏った″テントウムシ″だ。
直接的に攻撃してくる事は無いが、周辺一帯を氷漬けにしてくる厄介な奴だ、特徴を言うからちゃんと書き留めておけ?(レドリック)」
「はっ!(兵士)」
「はい!(カルル)」
『『『ガサガサガサ…』』』(ガサガサと動く『カジュ・トレント』)
「「「おおお…(兵士達)」」」
「『カジュ・トレント』は樹木系モンスターの中では比較的安全で、″実を付けた状態は体に負担が掛かってる状態、謂わば身重″と言えるわ。
だから生っている実を採ってあげる事で『カジュ・トレント』は助けられたと感じて友好関係を築く事が出来るからね?(アミスティア)」
「「「は、はい!(兵士達)」」」
先程の檄が効いたのか、嫌々なのかは定かでは無いが、兵士達やカルル等はこの地に残り調査を続けていた。
レドリックからは魔素の濃い奥のエリアに棲息するモンスターの存在を。
アミスティアからは比較的安全圏に存在するモンスターの特性を聞き、ただ単に討伐するか共生するかの判断を仰いでいた。
「うんうん…(ルルイエ)」
『ザシュッ!』(大木を切断。)
「ルルイエさん、これを見越してたんじゃないですか?」
「…分かるか?
前回から10年も経てば人が変わるし思想も変わる。10年も経てば人は老いるし熱量も下がる。
こういった現場を知っている者に任せた方が良い場合もある。
…が、少し強引すぎたかな?(ルルイエ)」
「両親は気付いて乗っかってくれてると思いますよ。」
「えぇ、これ以上先は魔素の濃度が濃くなり、より強力なモンスターが跋扈しやすい環境であるとレドリック殿が申しておりました。(兵士1)」
「それにここは地盤が固く、川や森に近い。
街の建造に掛かる時間が大幅に短縮出来るモノと思われます。(兵士2)」
タッタッタ…
「ルルイエ様、アルフレッド・レイド伯爵様の奴隷商館からジョー殿が戻られました。
『元冒険者』の『軽犯罪奴隷』200人・『各種生産・技術職奴隷』各50人・″直近で『軽犯罪奴隷』となった者達″352人の商談は無事終えられたとの事です。(兵士3)」
「おお、何とも都合が良い。
街の規模を決める上で人数を把握したかった所だ。
誰ぞ目録をくれるか!(ルルイエ)」
街の建造場所が決まったのと同時に、奴隷を購入しに向かっていたジョー達が戻ってきた。
ちなみに奴隷達は、現在【魔王】占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルを迂回する為、ヴァリエンテ領に到着するには約2日程掛かるとの事。
「一瞬家族会議ー。
ノアちゃん″木材確保20~30″、レド″簡易防壁建設″、私″食糧調達″ね。(アミスティア)」
「おぅ。(レドリック)」
「はーい。」
「「「「「え?(兵士達)」」」」」
街の建造場所が決まり、奴隷の確保も決まった所でアミスティアから声が上がり、一瞬家族会議が開催された。
奴隷到着までに数日あると言うのに、早速行動を開始するつもりのノア一家に驚く兵士達。
するとその中から代表して一般兵に混じって訓練中のカルルが問い掛ける。
「あ、あの皆さん?
本日は一先ずこの土地の調査と街(前哨基地)建造場所の決定、奴隷の確保が済んだので1度街に戻って今後の動きをどうするか…(カルル)」
「え?まさか2日後にここにやって来る人達を迎えてから色々と行動を起こすつもり?
″アンタ達大氾濫を前に悠長にしてられると思ってんの?″(アミスティア)」
「1から全部任せるより、ある程度の下地が出来上がってる方が効率良いだろ?
それとお前達、今日からここに来る者に″奴隷″って言うなよ?
元はと言えば志願兵を集められなかったヴァリエンテ領の尻拭いの為に″この策″を立てたんだからな?
そこは履き違えるなよ?(レドリック)」
「寧ろ色々と情報が出揃った今だからこそ行動を開始する時でしょ?″大氾濫舐めてんの?″」
何処と無く″本日はここまで!″と言った雰囲気を醸し出していた兵士達に檄を飛ばすかの様に言葉強目に言う3人。
「な…は…?(カルル)」
「昼と夜とでは状況に変化が出るかも知れない。魔素の量、モンスターの強さ、出現個体の変化…様々ある。それを確認しないまま街へ戻る?
そんなんで大氾濫を迎えるのか?
ここにやって来る者達に街(前哨基地)を作らせ、暮らせと言えるか?」
「街に戻りたい奴は戻ると良い、″大氾濫をその程度″としか考えてないとの事だろうからな。(レドリック)」
「悪いけどルルイエさん、貴方の領には貴方の領のやり方があるでしょうけど、息子が身銭を切ってまで貴方が構想していた計画を推し進めたのだから私達も″ある程度″口を出させて貰うわよ?(アミスティア)」
「あぁ勿論だ。
だからこそ前回の大氾濫でも、勝つ事が出来たのだからな。(ルルイエ)」
ノアが身銭を切ってまでルルイエ伯爵が構想していた街(前哨基地)の建造を推し進めた事で、一家の意見を通し易くなった事が嬉しい誤算であった。
これを領の公金で進めた場合、通る意見は限定的なモノとなり、ヴァリエンテ領のやり方で大氾濫当日を迎える事となっていただろう。
「今回は俺達が居るから良いが、次の氾濫ではここに建設されるであろう街の者と兵士達でどうにかしないとならん。
そんな場所に″温い考えの奴″は要らん、さっさと戻ってくれて構わん。(レドリック)」
~夕方~
ガシュッ!『『ズズンッ!』』(大木が斬り倒される。)
『『ガギッ!』』『『ミシミシミシッ!』』ブンッ!(断ち斬った大木を掴んで放り投げる。)
「ねぇ!これ父さんがやった方が早くない!?」
ズズズ…(放り投げられた大木を″チャージ″。)
「知ってるだろノア。
俺は″斬る″のは苦手で″射つ″方が得意だと。
それに俺は今″山の方を見てる″。
そっちの事は頼むぞ。(レドリック)」
「あいあーい!『ザシュゥッ!』」
ノアは現在荒鬼神ノ化身を振るい、先程アミスティアから任された″木材確保″を行っていた。
その木材は近くの森林エリアからになるが、片っ端から斬っていくのでは無く疎らに斬る事を心掛けている。
そうしないと悠が『テイム』したのっそりタヌキ等のモンスターの住処が追われてしまうからだ。
その後斬り倒された大木はレドリックによって″チャージ″されるのだが、その間レドリックは何をしているかというと
「む、もう1体追加だ。
『コキュートス・アンブレラ』が数体山の麓に居る。
氷の鎧を纏った″テントウムシ″だ。
直接的に攻撃してくる事は無いが、周辺一帯を氷漬けにしてくる厄介な奴だ、特徴を言うからちゃんと書き留めておけ?(レドリック)」
「はっ!(兵士)」
「はい!(カルル)」
『『『ガサガサガサ…』』』(ガサガサと動く『カジュ・トレント』)
「「「おおお…(兵士達)」」」
「『カジュ・トレント』は樹木系モンスターの中では比較的安全で、″実を付けた状態は体に負担が掛かってる状態、謂わば身重″と言えるわ。
だから生っている実を採ってあげる事で『カジュ・トレント』は助けられたと感じて友好関係を築く事が出来るからね?(アミスティア)」
「「「は、はい!(兵士達)」」」
先程の檄が効いたのか、嫌々なのかは定かでは無いが、兵士達やカルル等はこの地に残り調査を続けていた。
レドリックからは魔素の濃い奥のエリアに棲息するモンスターの存在を。
アミスティアからは比較的安全圏に存在するモンスターの特性を聞き、ただ単に討伐するか共生するかの判断を仰いでいた。
「うんうん…(ルルイエ)」
『ザシュッ!』(大木を切断。)
「ルルイエさん、これを見越してたんじゃないですか?」
「…分かるか?
前回から10年も経てば人が変わるし思想も変わる。10年も経てば人は老いるし熱量も下がる。
こういった現場を知っている者に任せた方が良い場合もある。
…が、少し強引すぎたかな?(ルルイエ)」
「両親は気付いて乗っかってくれてると思いますよ。」
35
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる