ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

今度はハーピー族

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~地上~

「いやーごめんねエルちゃん。
予備の魔石渡すの忘れちゃってたよ。(ラインハード)」

「いえ、ノア君のお陰でこうして無事に帰還する事が出来ました♪(エル)」(ぞい!のポーズ)


~間~


「う″ぇ″ぇ″え″え″え″っ″!?
滅茶苦茶自然な笑顔と仕草!そんでとても感情豊かになってるぅぅううっ!?
えぇえっ!?何でぇえっ!?(ラインハード)」


数分前まで感情の乏しかったエルが嘘の様に豹変した為、製作者のラインハード自身が思いっ切り驚いていた。


「え!?え?ノア君、もしかしていつもの様にこの子に手を掛けたんじゃ…!?(ラインハード)」

「人聞きの悪い事を大声で叫ぶんじゃない!」

(いつもの様に?(ラハラメ))
(いつもの様に…?(ミダラ))
(いつもの様に?(アマエ))


ノアに詰め寄ったラインハードは大声で人聞きの悪い事を叫び、ノアは全力で否定。
その後ろでは不安げに佇むエルがそっと控えていた。

ミダレから魔石を受け取り、それから僅か数分の出来事であった為、原因は割と直ぐ判明する事になった。





「まぁ大体予想は出来てたけど、私が最初エルに充填していた魔石は『純粋な魔力』を魔石化したもの。
片や今エルに充填されている魔石は『ミダレちゃん自身の魔力』を魔石化したものであるから、それがエルちゃんに反映された。
と考えるのが自然ね。(ラインハード)」

「…そうみたいだね…」


ラインハードが立てた予想にノアは納得の表情を見せる。

何せ、近くでノアとラインハードとのやりとりを眺めているミダレとエル、2人の待機ポーズが何処と無く似ていたからである。

するとそこに


トコトコ…

「ハーちゃん、言われた通り魔石持ってきましたよー。(ヴァンディット)」

「待ってました。(ラインハード)」


暑い日差しから体を守る為、血で形成した日傘を差しながらラインハードの下までやって来るヴァンディット。

その手には自身の余剰魔力を魔石へと変換したモノが握られており、それをラインハードへと手渡す。

丁度そのタイミングで


「ラインハード様、こちらの方は完了しました。(アール)」

「よーし、良い所に来たね!(ラインハード)」


別の井戸についても措置を講じていたランドールの片割れアールがこちらに戻って来た。


「アール、魔力残量は?(ラインハード)」

「3分18秒後に魔力充填を要します。(アール)」

「はい、あーん。(ラインハード)」

「え?『ヒョイ!』『コクン。』
魔力充填ですか『『『キュゥウウウン…』』』あら、何と上質な魔力でしょう、ラインハード様感謝致しますわ。(アール)」

「「「「おおおー。」」」」

「ぅやっほーい!
なる程ー!こうやれば機兵達に擬似的に感情を持たせる事が出来るのかー!(ラインハード)」


全くの無感情、文字通り機械的だったアールにヴァンディット産の魔石を与えると、急激にお淑やかになり、何処と無くお姉さんチックな口調と仕草をし出した。
その結果に、ラインハードはガッツポーズしていた。

その後





「「「やっほー、ノア君。」」」

「うわぉ、息ピッタリ。
三姉妹って言われても分かりませんよ。」

「そりゃ私製の魔石を充填してるからね、そっくりにもなるよ。
でもちゃんと各々個性は持ってるから、定着するまで気長に待つとするよ。(ラインハード)」

「ほぅ?」


ラインハードとそっくりな口調と仕草でノアの前に現れたエルとアールは、現在動力源をラインハードの余剰魔力を変換した魔石としている。

これでも各々個性があるらしく、エルとアールはラインハードの事を創造主(ある意味母親)として認識しており、製造時の時間差で姉・妹の関係性を無意識的に認識している。

表には出ていないが、これから2人は時間を掛けて各々の個性を作っていく事になる。

個性を獲得した機械は永い年月を掛けて徐々に数を増やし、何れ″機人族″と言う種族を作り出す迄に至る。

ある意味この瞬間がその第一歩となったのであった。





『『『ヒンヤリ…』』』(不意に冷たい風。)

ピューイ…(遠くから鳥(?)の声。)


〈だわさ?…あ!だわさだわさ!
リューさんと″チョーさん″が来たのだわさ。〉


暑さ厳しい昼下がり、不意に冷たい風が街建設地に吹いたかと思えば、突然ケット・シーのステラが独特な口調で騒ぎ始めた。

最近ではノアでは無く、専ら新領主カルルの肩の上でゴロゴロしているステラであったが、″チョーさん″なる新たな仲間の来訪に浮き足立っていた。


「む?″チョーさん″?(ルルイエ)」

「確かリューさんは昨日の亜龍の事だったが…
そういえば″チョーさん″と言う者も居たな。
″チョーさん″とはどんな方なのだ?(カルル)」

〈″チョーさん″は″チョーさん″なのだわさ。
見て貰った方が早いのだわさ。〉


そうこう言っている内に、山の方に視線をやっていると、大きな影の他に小さな影が5つ見えてきた。


「…鳥…?
いや、それにしては大きいな…(兵士1)」
「じゃあ別の龍か…?
その様な気配では無いが…(兵士2)」
「というか何か持ってないか…?
人間大の大岩か…?(兵士3)」


それが近付いてくるにつれて鳥の様にも見えるし、大きさ的には竜にも見える。

だがまた少しして全身を見てみると、明らかにそれは人間の骨格をしていたのだった。


バサッ!バサッ!

『『ドシンッ!』』(大きな塊を地面に落とす。)

〔h-ihtzknmnn、wtsh『h-p-zk』n″chrch-″、r-snkromsritkrdzttiwrtyttktn。
knnnrdkd、nkykstnn♪
(はーい人族の皆、私は『ハーピー族』の″チュルチー″、リューさんから面白い所だぞって言われてやって来たの。
こんなナリだけど、仲良くしてねん♪)〕


「ち、鳥人族…とは違うよな…?(兵士1)」
「ああ、顔は普通に人間そっくりだから鳥人族とは違う…ハズ…(兵士2)」


翼を羽ばたかせて着地した大型の何かは、両足に猛禽類を思わせる大きな鉤爪を有し、腕にも同様の鉤爪と大きな翼が備わっていた。

翼を広げれば翼長5メルにもなり、モンスターと間違えてしまうだろう。

だが、強靭な脚部の上部、羽毛に包まれた腰から胸の谷間までの胴体、あどけない少女を思わす顔は人族同様の形状であった為、この場に集まった者達は混乱していた。

皆が口々に言う″鳥人族″は、獣人族と違い完全に鳥顔である為、人間同様の頭部を持っているハズが無いのだ。


〔…t、tytt…
snnmjmjtmnidokry、hzksijnin …
(…ち、ちょっと…
そんなマジマジと見ないでおくれよ、恥ずかしいじゃないの…)〕


この場に集まった者達の視線に耐えられなくなったのか、『ハーピー族』のチュルチーは自身の体を抱いて気恥ずかしそうにしていた。
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