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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~
討伐報告
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ズダンッ!(着地)
『『『ドチャッ!』』』(鎧王富嶽蟲の脊髄&脳)
『おぅ、終わったぜ主よ。』
「あぁ助かった。」
《お疲れ様です。》
鎧王富嶽蟲の脊髄を引っこ抜いた『鬼神』がノアとグリードの前に降り立つ。
『『『(無音)』』』
辺りは静寂に包まれ、早朝と似た状況となっていた。
但し巨大な繭の周囲には第6波のモンスターの大半が残っており、無数の砲撃を放つ砲放宝蜂は倒した数の10倍は残存し、ノアですら『鬼神』に頼った鎧王富嶽蟲はまだ1体残っている。
巨大な繭はまだまだ余力を残しているのか、それとも尽きたのかはこの段階では分からなかった。
とはいえ明らかに分かっているのは、
『鎧王富嶽蟲が討伐された瞬間、モンスター群は侵攻を止め、繭の周囲に留まった。』
という事である。
これはあくまで予想でしかないが、鎧王富嶽蟲は此度の大氾濫にとって最高戦力の1つだったのではないか。
その戦力の1体が屠られた事で攻めの姿勢を貫いていたが、転じて守り(若しくは警戒)に入ったのではないか。
と、そう予想立てするに至ったのである。
『ん?』
「どしたの『鬼神』?」
『あれ?主には聞こえないのか?″この声″。』
「″声″?いや、聞こえないけど…」
『じゃあ戻って聞いてみてくれ、リンリンなって堪ったモンじゃあ無い。』
「え?あ、うん。」
『『『ズモモ…』』』(『鬼神』in)
ふと『鬼神』が声を上げる。
何かの″声″が聞こえたらしく、ノアには聞こえていないらしい。
そこでこの″声″をノアも聞いてみろと提案し、ノアもそれを了承。【一神同体】を解除してノアの中に『鬼神』が戻っていった。
すると
〝鎧王富嶽蟲の単騎討伐を確認。
超特殊勝利条件:『霊峰討破』を達成致しました。
これにより最上位種『害鏖峰嶽蟲(ガイオウフガクムシ)』の召喚権を獲得。〟
(…何これ?)
(『どうやらさっきの堅い虫モンスターは″鎧王富嶽蟲″っつー奴だったらしい。
んで主の力の根源である俺が奴を単騎で討伐したもんだから、最上位種の召喚権を獲得した、っつー事だな。』)
(大氾濫って状況でなきゃ盛り上がったんだけどなー…)
(『全くだ。』)
『鬼神』が聞いた″声″の正体は鎧王富嶽蟲の討伐アナウンスと最上位種への挑戦権と取れる報せであった。
やはりと言うべきか、鎧王富嶽蟲は何処かのダンジョンではラスボス的ポジションだった様で、討伐の際には討伐者に専用の報せが届く様だ。
″単騎討伐″と言っているにも関わらず、『鬼神』のみならずノアにも聞こえているのは、『鬼神』がノアの力の一部と捉えられたからであろう。
とはいえ今は大氾濫の真っ最中である為、こんなアナウンスが届いても1ミリも嬉しい事は無く、それは『鬼神』も同様であった。
《…主様、何か聞こえたのですか?》
「うん…このデカいダンゴムシ…鎧王富嶽蟲ってモンスターらしいんだけど、それの討伐報告だったよ。
多分何処かではボスを張ってる存在なんだと思うよ。」
《でしょうね、私ですら手こずりましたし…》
″声″の正体をグリードに伝え、鎧王富嶽蟲の感想等を語っていると
『『ィイイイイイインッ!』』(飛来するエルとアール)
『『『ドッスドッスドッスドッス!』』』(一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団)
『『『バッサバッサ…』』』(ハーピー族数人)
街の方から有志の者達が続々とやって来た。
というよりも事態が一時的に沈静化した為様子を見に来た、という方が正しいだろう。
ババッ!シュゥンッ!『『ガションッ!』』(エルとアール着陸)
[皆様、大丈夫ですか!?(エル)]
「あ、うん、一先ず落ち着いた所。」
[命令の通り御両親は街の方へお連れ致して現在治療中です。(アール)]
「あぁ、ありがとう。」
[お母様が″後でお話ね?″と仰ってました。(エル)]
「よし、ここで野営を開こうか。」
(『おい。』)
街に両親を連れていってくれたエルとアールが先に到着し、その後ハーピー族、ダッカード率いる一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団が到着という流れであった。
〔えっと、これは一体…?(ハーピー1)〕
「多分だけどそこのデカいの(鎧王富嶽蟲)を倒した事で一時的に警戒モードになってるんだと思う。」
《それよりも先程の大爆発で街や他の者達は大丈夫でしたか?》
ガシャガシャ…
「教会関係者のお陰で被害は少ない。
とはいえ巨人(パラサイトバーサークタイタン)の酸でやられた冒険者や戦闘職が30、土石弾なんかにやられて重軽傷を負った者が100人以上居る。(ダッカード)」
「現在吸血鬼の嬢ちゃんや教会関係者、キノコの兄ちゃんが治療中だ。」
〔ハーピー族にも流れ弾食らった者がかなり居る。こちらも同様に治療中です。〕
「ハーピー族は空を飛んでる分被弾が多かったのですね…」
退避した冒険者や戦闘職、有志の者達や街の様子を簡単にではあるが伝えられる。
「それで?こっちは膠着状態って所か?(ダッカード)」
「恐らくね。
とはいえ予想でしかないからここで陣を張って…」
[それらは私共で行い、ノア様は1度街に戻られては如何でしょう?(エル)]
[ルルイエ伯爵が今回の大氾濫に関する報告があるとの事です。(アール)]
「ルルイエさんが?…分かった、1度街に戻るよ。
皆さん気を付けて下さいね?」
「「「「「了解。(一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の皆さん)」」」」」
「この装備のお陰で俺達にダメージは無いからな、任せてくれ。(ダッカード)」
ノアはこの場に陣を張るつもりであったが、エルとアールから一度街に戻る様促される。
ノアの下へ戻る際、ルルイエ伯爵から言伝を受けた事も背中を押す。
《それでは私はこの辺で警戒にあたっておきましょう。何かありましたら直ぐに<念話>でお伝え致しますので。》
「あぁ、そうして貰えると助かるよ。」
この場にエルとアール、一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団、ハーピー族数人そしてグリードが残り、虫系モンスター同様警戒にあたる事になり、ノアは一度街に戻る事にした。
ザッザッザ…
「っ、ゴフッ!」
パタタ…(吐血)
「お、おい【鬼神】君、大丈夫か?(冒険者1)」
「あー…お気になさらず。
これは恐らくさっき蜂の集中砲火を食らったからでしょう。」
「いやまぁよく考えれば、アレを食らって吐血だけで済んでるって事に驚きだよ…(冒険者2)」
「俺らよりも万倍戦ってんだから、街で暫し休んでてくれ。(戦闘職1)」
「気遣いどうも。」
何て事無いタイミングで咳き込んだノアは、僅かに吐血する。
先程の蜂との戦闘でダメージを受けたから、と思っている様だが、実はもっと根深い部分で異変は始まっていた。
その事が判明するのはもう少し後の事になる。
~街(前哨基地)~
『『『ザワザワザワ…』』』
『『『リィイイン…』』』(浄化の振鈴の音色)
「井戸水の<浄化>完了しました!(教会関係者1)」
「それではそちらの桶は奥に運んでくれ!
まだそっちの者は酸に侵されている!(教会関係者2)」
「うぅう…(冒険者3)」
「痛ぇ…(冒険者4)」
「もう少しで<浄化>水が来ます、もう少しの辛抱ですぞ。(クリストフ)」
〔あぅ…痛た…(チャチャ)〕
「耐えて下さい…この石の破片が抜ければ…
よし、頑張りましたね。もう大丈夫ですよ。(ヴァンディット)」
「吸血鬼のお姉ちゃん、僕簡単な回復魔法なら使えるから、ハーピーのお姉ちゃんの治療はやっておくよ。(子供)」
「お願いします。(ヴァンディット)」
街の中では怪我人の治療がそこかしこで行われていた。
教会関係者やヴァンディット等の治療に長けた者から、この地に集まった住人の子供達まで、動ける者は全員が参加して対処にあたっていた。
グジュ…グジ…(眼窩の血を拭う音)
「…良かった、抉れたのは義眼の方だけの様だ。
首の方は簡単な縫合が必要だが直ぐに良くなる。(レドリック)」
「こっちの傷も内臓には達してないから回復は早いわ。
…外が静かになったと言う事はさっきのダンゴムシ(?)は倒したのかしら…(アミスティア)」
「あぁ、それでどうやら一時的にこっちに戻ってきた様だ。
奥の通りを見てみな。(レドリック)」
街の中全てが野戦病院となる中、長屋の一画で血を拭い簡単に治療を施すレドリックとアミスティアの姿が。
幸い2人共傷の方は浅く、少しすれば戦線復帰も容易であった。
そんな2人の視線の先に、最前線から戻ってきていたノアの姿を門の付近で視認。
直ぐに息子の下に駆け寄って行こうと思ったが、門の辺りでノアの到着を待っていた者が居た。
トコトコトコ…ピョン!
〈坊や!お帰りなのだわさ!〉
「あ、ステラさん。」
「大氾濫が始まってからずっと心配していたぞ。どうやら無事な様で安心した。(カルル)」
「カルルさんも待ってたんですね。」
喧騒の中を縫う様に猫妖精(ケット・シー)のステラと、この街(前哨基地)の新領主であるルルイエ伯爵の息子カルルがやって来た。
「取り敢えず、って所ですがね。
最前線はグリードや有志の方に任せて戻って来ました。
何でもルルイエ伯爵が伝えたい事があるとか…?」
「そうなんだ。
ここでは何だから場所を移そう。(カルル)」
野戦病院と化している街の中で話していては治療の邪魔となってしまう為、2人と1匹は防壁の上に向かう事にした。
~防壁上~
「おお!【鬼神】殿良くぞ御無事で!(兵士1)」
「皆!道を空けろ!(兵士2)」
「【鬼神】殿の御戻りだ!(兵士3)」
「ルルイエ様!此方です!(兵士4)」
「む、おお!ノア殿良くぞ戻ってくれた!(ルルイエ)」
防壁上にやって来ると、開けた場所には何故か古い書物や分厚い文献等が広げられ、ルルイエ伯爵や年配の兵士達が眉をひそめて考え事をしていた。
だがそこにノアがやって来ると、パァッと明るい顔をして出迎えてくれた。
「何か伝えたい事があるとか…」
「あぁ、そうなのだ。
大氾濫が始まってから既に気付いていると思うが、今回の大氾濫は″規模″がおかしいのだ。(ルルイエ)」
「え?そうなんですか?」
ルルイエ伯爵とノアが再会して早々まず始めに伝えたのが、今回の大氾濫は″規模″がおかしいとの事であった。
だが過去にあった大氾濫の規模の事など知らないノアは素頓狂な顔をして逆に聞き返していたのだった。
なのでルルイエ伯爵に聞いてみると、第1波の段階で10年前に起こった大氾濫の規模に相当する数のモンスターが出現しているのだとか。
それ故街では混乱が発生し、後方に控えるヴァリエンテ領でも非常事態だとの事で王都に援軍の要請を掛けているのだとか。
「過去の大氾濫の記録と照らし合わせてみたがやはり今回の規模はおかし過ぎる。
巨大な繭が持つ魔力の量も桁違いだ、10年そこらで溜まる様な魔力の量とは思えん!(ルルイエ)」
「そんなにですか?」
「獣人国での大氾濫を経験したノア殿なら分かってくれると思うが、巨大な繭が持つ魔力の総量は獣人国の5倍に相当するモノと思われる!(ルルイエ)」
「うへぇ…」
獣人国で発生した『滅びの森』消滅に伴う擬似的大氾濫は、廃都方面の『滅びの森』が保有する魔力が一気に消失したとも受け取られ、この地で今回発生した大氾濫はその保有魔力量の5倍に相当すると言うのだから何とも桁違いな話である。
と、そこまで話していた所で肩に乗っているケット・シーのステラが
〈…あの巨大な繭は保有している魔力の量が桁違いなのですよね…?〉
「え?あ、あぁ、そうであるな。(ルルイエ)」
〈あの巨大な繭が建つ地の調査はまだ進んでいないのですよね…?〉
「そうであるな。
位置的な問題もあるし、次なる大氾濫に備え軍備を整えたりとで進める機会は無かったな。(ルルイエ)」
〈なる程…うーん…〉
いつものステラなら語尾に『だわさ』を付けているハズなのに、今は付けるのも忘れて何やら考え込んでいる。
すると突然、近くに居たハーピー族数人に声を掛ける。
〈もし、そこのハーピー族よ。
″女王権限″で″過去10年の間に天空大陸・第3諸島『ハルモニア』に来島した全ての龍族・亜龍・竜族の記録″を洗い出しなさい。〉
〔〔〔は、はい!〕〕〕
「「「…え?″女王権限″…?」」」
〈…その話はまた後で…それよりも今回の大氾濫の原因と思われる者に心当たりがあります。〉
「「「「「え!?」」」」」
ステラは住み処である天空大陸・第3諸島『ハルモニア』に訪れた龍族・亜龍・竜族の記録を洗えとハーピー族に命令し出した。
″女王権限″と言う言葉にも驚いたが、過去に類を見ない規模の原因に心当たりがあるとの事で、そちらを優先する事となった。
そしてステラから次に告げられた″あるモンスターの名″によって桁違いの魔力量の原因が明るみになるのだった。
〈…『侵蝕竜』…
あの竜であれば桁違いの魔力量に説明が付きます…〉
『『『ドチャッ!』』』(鎧王富嶽蟲の脊髄&脳)
『おぅ、終わったぜ主よ。』
「あぁ助かった。」
《お疲れ様です。》
鎧王富嶽蟲の脊髄を引っこ抜いた『鬼神』がノアとグリードの前に降り立つ。
『『『(無音)』』』
辺りは静寂に包まれ、早朝と似た状況となっていた。
但し巨大な繭の周囲には第6波のモンスターの大半が残っており、無数の砲撃を放つ砲放宝蜂は倒した数の10倍は残存し、ノアですら『鬼神』に頼った鎧王富嶽蟲はまだ1体残っている。
巨大な繭はまだまだ余力を残しているのか、それとも尽きたのかはこの段階では分からなかった。
とはいえ明らかに分かっているのは、
『鎧王富嶽蟲が討伐された瞬間、モンスター群は侵攻を止め、繭の周囲に留まった。』
という事である。
これはあくまで予想でしかないが、鎧王富嶽蟲は此度の大氾濫にとって最高戦力の1つだったのではないか。
その戦力の1体が屠られた事で攻めの姿勢を貫いていたが、転じて守り(若しくは警戒)に入ったのではないか。
と、そう予想立てするに至ったのである。
『ん?』
「どしたの『鬼神』?」
『あれ?主には聞こえないのか?″この声″。』
「″声″?いや、聞こえないけど…」
『じゃあ戻って聞いてみてくれ、リンリンなって堪ったモンじゃあ無い。』
「え?あ、うん。」
『『『ズモモ…』』』(『鬼神』in)
ふと『鬼神』が声を上げる。
何かの″声″が聞こえたらしく、ノアには聞こえていないらしい。
そこでこの″声″をノアも聞いてみろと提案し、ノアもそれを了承。【一神同体】を解除してノアの中に『鬼神』が戻っていった。
すると
〝鎧王富嶽蟲の単騎討伐を確認。
超特殊勝利条件:『霊峰討破』を達成致しました。
これにより最上位種『害鏖峰嶽蟲(ガイオウフガクムシ)』の召喚権を獲得。〟
(…何これ?)
(『どうやらさっきの堅い虫モンスターは″鎧王富嶽蟲″っつー奴だったらしい。
んで主の力の根源である俺が奴を単騎で討伐したもんだから、最上位種の召喚権を獲得した、っつー事だな。』)
(大氾濫って状況でなきゃ盛り上がったんだけどなー…)
(『全くだ。』)
『鬼神』が聞いた″声″の正体は鎧王富嶽蟲の討伐アナウンスと最上位種への挑戦権と取れる報せであった。
やはりと言うべきか、鎧王富嶽蟲は何処かのダンジョンではラスボス的ポジションだった様で、討伐の際には討伐者に専用の報せが届く様だ。
″単騎討伐″と言っているにも関わらず、『鬼神』のみならずノアにも聞こえているのは、『鬼神』がノアの力の一部と捉えられたからであろう。
とはいえ今は大氾濫の真っ最中である為、こんなアナウンスが届いても1ミリも嬉しい事は無く、それは『鬼神』も同様であった。
《…主様、何か聞こえたのですか?》
「うん…このデカいダンゴムシ…鎧王富嶽蟲ってモンスターらしいんだけど、それの討伐報告だったよ。
多分何処かではボスを張ってる存在なんだと思うよ。」
《でしょうね、私ですら手こずりましたし…》
″声″の正体をグリードに伝え、鎧王富嶽蟲の感想等を語っていると
『『ィイイイイイインッ!』』(飛来するエルとアール)
『『『ドッスドッスドッスドッス!』』』(一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団)
『『『バッサバッサ…』』』(ハーピー族数人)
街の方から有志の者達が続々とやって来た。
というよりも事態が一時的に沈静化した為様子を見に来た、という方が正しいだろう。
ババッ!シュゥンッ!『『ガションッ!』』(エルとアール着陸)
[皆様、大丈夫ですか!?(エル)]
「あ、うん、一先ず落ち着いた所。」
[命令の通り御両親は街の方へお連れ致して現在治療中です。(アール)]
「あぁ、ありがとう。」
[お母様が″後でお話ね?″と仰ってました。(エル)]
「よし、ここで野営を開こうか。」
(『おい。』)
街に両親を連れていってくれたエルとアールが先に到着し、その後ハーピー族、ダッカード率いる一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団が到着という流れであった。
〔えっと、これは一体…?(ハーピー1)〕
「多分だけどそこのデカいの(鎧王富嶽蟲)を倒した事で一時的に警戒モードになってるんだと思う。」
《それよりも先程の大爆発で街や他の者達は大丈夫でしたか?》
ガシャガシャ…
「教会関係者のお陰で被害は少ない。
とはいえ巨人(パラサイトバーサークタイタン)の酸でやられた冒険者や戦闘職が30、土石弾なんかにやられて重軽傷を負った者が100人以上居る。(ダッカード)」
「現在吸血鬼の嬢ちゃんや教会関係者、キノコの兄ちゃんが治療中だ。」
〔ハーピー族にも流れ弾食らった者がかなり居る。こちらも同様に治療中です。〕
「ハーピー族は空を飛んでる分被弾が多かったのですね…」
退避した冒険者や戦闘職、有志の者達や街の様子を簡単にではあるが伝えられる。
「それで?こっちは膠着状態って所か?(ダッカード)」
「恐らくね。
とはいえ予想でしかないからここで陣を張って…」
[それらは私共で行い、ノア様は1度街に戻られては如何でしょう?(エル)]
[ルルイエ伯爵が今回の大氾濫に関する報告があるとの事です。(アール)]
「ルルイエさんが?…分かった、1度街に戻るよ。
皆さん気を付けて下さいね?」
「「「「「了解。(一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の皆さん)」」」」」
「この装備のお陰で俺達にダメージは無いからな、任せてくれ。(ダッカード)」
ノアはこの場に陣を張るつもりであったが、エルとアールから一度街に戻る様促される。
ノアの下へ戻る際、ルルイエ伯爵から言伝を受けた事も背中を押す。
《それでは私はこの辺で警戒にあたっておきましょう。何かありましたら直ぐに<念話>でお伝え致しますので。》
「あぁ、そうして貰えると助かるよ。」
この場にエルとアール、一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の集団、ハーピー族数人そしてグリードが残り、虫系モンスター同様警戒にあたる事になり、ノアは一度街に戻る事にした。
ザッザッザ…
「っ、ゴフッ!」
パタタ…(吐血)
「お、おい【鬼神】君、大丈夫か?(冒険者1)」
「あー…お気になさらず。
これは恐らくさっき蜂の集中砲火を食らったからでしょう。」
「いやまぁよく考えれば、アレを食らって吐血だけで済んでるって事に驚きだよ…(冒険者2)」
「俺らよりも万倍戦ってんだから、街で暫し休んでてくれ。(戦闘職1)」
「気遣いどうも。」
何て事無いタイミングで咳き込んだノアは、僅かに吐血する。
先程の蜂との戦闘でダメージを受けたから、と思っている様だが、実はもっと根深い部分で異変は始まっていた。
その事が判明するのはもう少し後の事になる。
~街(前哨基地)~
『『『ザワザワザワ…』』』
『『『リィイイン…』』』(浄化の振鈴の音色)
「井戸水の<浄化>完了しました!(教会関係者1)」
「それではそちらの桶は奥に運んでくれ!
まだそっちの者は酸に侵されている!(教会関係者2)」
「うぅう…(冒険者3)」
「痛ぇ…(冒険者4)」
「もう少しで<浄化>水が来ます、もう少しの辛抱ですぞ。(クリストフ)」
〔あぅ…痛た…(チャチャ)〕
「耐えて下さい…この石の破片が抜ければ…
よし、頑張りましたね。もう大丈夫ですよ。(ヴァンディット)」
「吸血鬼のお姉ちゃん、僕簡単な回復魔法なら使えるから、ハーピーのお姉ちゃんの治療はやっておくよ。(子供)」
「お願いします。(ヴァンディット)」
街の中では怪我人の治療がそこかしこで行われていた。
教会関係者やヴァンディット等の治療に長けた者から、この地に集まった住人の子供達まで、動ける者は全員が参加して対処にあたっていた。
グジュ…グジ…(眼窩の血を拭う音)
「…良かった、抉れたのは義眼の方だけの様だ。
首の方は簡単な縫合が必要だが直ぐに良くなる。(レドリック)」
「こっちの傷も内臓には達してないから回復は早いわ。
…外が静かになったと言う事はさっきのダンゴムシ(?)は倒したのかしら…(アミスティア)」
「あぁ、それでどうやら一時的にこっちに戻ってきた様だ。
奥の通りを見てみな。(レドリック)」
街の中全てが野戦病院となる中、長屋の一画で血を拭い簡単に治療を施すレドリックとアミスティアの姿が。
幸い2人共傷の方は浅く、少しすれば戦線復帰も容易であった。
そんな2人の視線の先に、最前線から戻ってきていたノアの姿を門の付近で視認。
直ぐに息子の下に駆け寄って行こうと思ったが、門の辺りでノアの到着を待っていた者が居た。
トコトコトコ…ピョン!
〈坊や!お帰りなのだわさ!〉
「あ、ステラさん。」
「大氾濫が始まってからずっと心配していたぞ。どうやら無事な様で安心した。(カルル)」
「カルルさんも待ってたんですね。」
喧騒の中を縫う様に猫妖精(ケット・シー)のステラと、この街(前哨基地)の新領主であるルルイエ伯爵の息子カルルがやって来た。
「取り敢えず、って所ですがね。
最前線はグリードや有志の方に任せて戻って来ました。
何でもルルイエ伯爵が伝えたい事があるとか…?」
「そうなんだ。
ここでは何だから場所を移そう。(カルル)」
野戦病院と化している街の中で話していては治療の邪魔となってしまう為、2人と1匹は防壁の上に向かう事にした。
~防壁上~
「おお!【鬼神】殿良くぞ御無事で!(兵士1)」
「皆!道を空けろ!(兵士2)」
「【鬼神】殿の御戻りだ!(兵士3)」
「ルルイエ様!此方です!(兵士4)」
「む、おお!ノア殿良くぞ戻ってくれた!(ルルイエ)」
防壁上にやって来ると、開けた場所には何故か古い書物や分厚い文献等が広げられ、ルルイエ伯爵や年配の兵士達が眉をひそめて考え事をしていた。
だがそこにノアがやって来ると、パァッと明るい顔をして出迎えてくれた。
「何か伝えたい事があるとか…」
「あぁ、そうなのだ。
大氾濫が始まってから既に気付いていると思うが、今回の大氾濫は″規模″がおかしいのだ。(ルルイエ)」
「え?そうなんですか?」
ルルイエ伯爵とノアが再会して早々まず始めに伝えたのが、今回の大氾濫は″規模″がおかしいとの事であった。
だが過去にあった大氾濫の規模の事など知らないノアは素頓狂な顔をして逆に聞き返していたのだった。
なのでルルイエ伯爵に聞いてみると、第1波の段階で10年前に起こった大氾濫の規模に相当する数のモンスターが出現しているのだとか。
それ故街では混乱が発生し、後方に控えるヴァリエンテ領でも非常事態だとの事で王都に援軍の要請を掛けているのだとか。
「過去の大氾濫の記録と照らし合わせてみたがやはり今回の規模はおかし過ぎる。
巨大な繭が持つ魔力の量も桁違いだ、10年そこらで溜まる様な魔力の量とは思えん!(ルルイエ)」
「そんなにですか?」
「獣人国での大氾濫を経験したノア殿なら分かってくれると思うが、巨大な繭が持つ魔力の総量は獣人国の5倍に相当するモノと思われる!(ルルイエ)」
「うへぇ…」
獣人国で発生した『滅びの森』消滅に伴う擬似的大氾濫は、廃都方面の『滅びの森』が保有する魔力が一気に消失したとも受け取られ、この地で今回発生した大氾濫はその保有魔力量の5倍に相当すると言うのだから何とも桁違いな話である。
と、そこまで話していた所で肩に乗っているケット・シーのステラが
〈…あの巨大な繭は保有している魔力の量が桁違いなのですよね…?〉
「え?あ、あぁ、そうであるな。(ルルイエ)」
〈あの巨大な繭が建つ地の調査はまだ進んでいないのですよね…?〉
「そうであるな。
位置的な問題もあるし、次なる大氾濫に備え軍備を整えたりとで進める機会は無かったな。(ルルイエ)」
〈なる程…うーん…〉
いつものステラなら語尾に『だわさ』を付けているハズなのに、今は付けるのも忘れて何やら考え込んでいる。
すると突然、近くに居たハーピー族数人に声を掛ける。
〈もし、そこのハーピー族よ。
″女王権限″で″過去10年の間に天空大陸・第3諸島『ハルモニア』に来島した全ての龍族・亜龍・竜族の記録″を洗い出しなさい。〉
〔〔〔は、はい!〕〕〕
「「「…え?″女王権限″…?」」」
〈…その話はまた後で…それよりも今回の大氾濫の原因と思われる者に心当たりがあります。〉
「「「「「え!?」」」」」
ステラは住み処である天空大陸・第3諸島『ハルモニア』に訪れた龍族・亜龍・竜族の記録を洗えとハーピー族に命令し出した。
″女王権限″と言う言葉にも驚いたが、過去に類を見ない規模の原因に心当たりがあるとの事で、そちらを優先する事となった。
そしてステラから次に告げられた″あるモンスターの名″によって桁違いの魔力量の原因が明るみになるのだった。
〈…『侵蝕竜』…
あの竜であれば桁違いの魔力量に説明が付きます…〉
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新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
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~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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