ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~

大博打

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侵蝕竜(またの名を寝食竜)…一生の殆どを寝て過ごす、作中に名前のみ数度登場している竜種。
食うか寝る以外殆ど行動しない為、蓄えられた魔力は『魔力杭』として背鰭や結晶として体に蓄積されている。

それだけなら無害と言えるのだが、侵蝕竜(またの名を寝食竜)の恐ろしい点は″『魔力杭』を用いて周辺の環境を作り変える事が可能″な事である。

砂漠のど真ん中にオアシスを作り出す事も、真冬の極寒の世界に真夏の環境を作り出す事が出来る。

それだけ莫大な量の魔力を蓄えた『魔力杭』を持っており、作中のオードゥス編では女鏖蜂や鎧蜂、フリアダビア編では魔素強化された蜥蜴モンスター、王都編では熱帯地域のモンスターダンジョン出現等の事象を引き起こしている。



〈いつだったか、私が治める天空大陸・第3諸島に2体の年老いた侵蝕竜が訪れた事があります。
1体は北へ、もう1体は各地を巡るとかで一時の休憩目的で来島したのを覚えています。
ですがその内の1体は再会を果たしましたが、もう1体と会う事は今日に至るまで御座いませんでした。〉

「…ではその再会出来なかったと言う1体の『侵蝕竜』があの巨大な繭の辺りで息絶え、その莫大な量の魔力を糧に夥しい量の虫を産み出していると…?(ルルイエ)」

〈…確証はありませんが、この地で過去に起こった大氾濫の10倍以上の規模となると、『侵蝕竜』が絡んでいないとおかしいでしょう…〉

「ふむ…(ルルイエ)」


あまりに突飛な話である為、ステラの話を聞いたルルイエも中々飲み込めずにいる。


「まぁその『侵蝕竜』が影響しているかどうかの判断は後にしましょう。
例えステラさんの話が本当で『侵蝕竜』とか言う竜の亡骸が巨大な繭の周辺にあったとしても除去する手立ては無いし、膠着状態の所に下手に接近して再び発狂湧きをされては堪ったモノでは無いですからね。」

「あ、あぁ…(ルルイエ)」

〈そうですね…〉


原因の調査など後でやろうと思えばいくらでもやれるだろう。

だがその前に今をどうにかしなければ後の事等考えられないので、現状の把握に努めて貰いたい所である。

気を取り直した一同はまず始めに街の被害状況について教えてくれた。

街自体に大きな被害は無かったが、鎧王富嶽蟲が起こした大激震の影響で街の各所に作られた井戸が幾つか潰されたらしく、それによって酸を浴びた十数人の冒険者や戦闘職の治療に影響が出ていると言う。

具体的な怪我人の数は定かではないが、冒険者や戦闘職の有志からは約50人、雨の様に降り注いだ土石弾でハーピー族70人位が被害を受けたとの事。
死者が出なかったのはせめてもの救いである。

また大激震によって住人、特に子供達が大慌てとなり大混乱が発生しそうになったが、ミダレやその友達のサキュバス達が睡眠魔法を駆使して大人しくさせ、事無きを得たとか。


(なる程、通りで子供達が比較的ケロッとしていた訳か。皆には感謝しないとな。)


街に到着した直後、大人達に混じって子供達が率先して怪我人の手当てに回っていたり、手伝いに奔走しているのが散見された。
あの大激震を体験して良く動けるものだと感心したが、そういった事があったのなら納得である。


「ノア殿報告致します。
観測班の鑑定によって大氾濫開始から第6波までを経た、魔力の損耗率は4割程であると思われます。(兵士1)」

「4割…ですか…
つまり今日襲ってきた波をもう1回放っても、まだ少し余力を残す事になるのですか…」

「えぇ…(兵士1)」


次に待機していた兵士からの報告が上がった。

一時的に沈静化した巨大な繭を鑑定した観測班からの情報に寄れば、保有している魔力の総量は開始前と比較して4割減に留まっていると言う。

過去にこの地で大氾濫を経験した者達が既に10倍以上の規模と言っている今回の大氾濫がまだ折り返しにすら差し掛かっていない事を知り、周囲に居た者は消沈し掛かっていた。

だが、何も嫌な報せばかりではなく、良い報せもあった。


「…実は、モンスター群の出現に関して言えば、魔力保有量の変動は微々たるモノ。
多く見積もっても全体の1割程といった所でした。(兵士2)」

「え?でも今4割って…」

「えぇ。
ですが、その後に魔力が大きく変動した箇所が″2つ″御座いました。
それが『巨蟲が現れた時』と『巨大な繭が再生』した時であります。(兵士3)」


兵士の説明によれば、アミスティアが巨大な繭に対して『断罪の剣』で大ダメージを与えた直後、怨敵を排除するかの様に発狂湧きが発生したが、砲放宝蜂、鎧王富嶽蟲以外のモンスターが出現した段階では魔力の総量に大きな変動は起きなかった。

だが砲放宝蜂、鎧王富嶽蟲が巨大な繭から出現しだした瞬間、魔力の総量が1割も変動したのだと言う。
これが1つ目。

そして2つ目が、アミスティアに与えられた繭へのダメージを修復する際、総量の2割程の魔力が減少したのだと言う。

つまり


『膨大な雑魚モンス群』<『巨蟲(砲放宝蜂・鎧王富嶽蟲)』<『繭の修復』


の順に保有している魔力を消費させる事が可能だと言う事。

手っ取り早く大氾濫を終結させる為には、押し寄せるモンスター群を撃破していくよりも、巨大な繭に直接攻撃を仕掛けた方が効率的と言える。

なので結果から言えば、発狂湧きの原因と思えたアミスティアの行動は、大氾濫終結という
目的を達成する上で、非常に効率的な行動であった事が判明したのだった。





「とはいえ、繭に直接攻撃を仕掛ければ、再び″あの″発狂湧きが発生する可能性がある。
先の発狂湧きの残存モンスターが繭の周りを跋扈しているというのだ、今後その選択は取れんな…(ルルイエ)」

〈となると、次に効率的な方法は『巨蟲(砲放宝蜂・鎧王富嶽蟲)』を狙って出現させる事ですが…〉

「…まぁ無理だね…
言っちゃなんだけど、アレ(砲放宝蜂・鎧王富嶽蟲)を出現させるかどうかは繭次第…
蜂はまだしも、″鎧王富嶽蟲″がポンポン出現されたらどうしようもないよ…」


此度の大氾濫の脅威を十二分に味わった者達からすれば、どう効率的に大氾濫を終結させる事が出来るか。
それを考えてしまうのは仕方の無い事であろう。

そんな中『鬼神』に鎧王富嶽蟲を倒して貰ったノアは、如何に効率的であろうと鎧王富嶽蟲が次々に出現されては堪ったモノではないと愚痴を溢す。




「ねぇ、ノア君?(アリッサ)」

「はい?何ですかアリッサさん。」

「その″鎧王富嶽蟲″ってもしかしてあのでっかいダンゴムシの事?(アリッサ)」

「えぇそうですよ。
さっき倒した際にモンスター名を確認したんです。」

「それなら一緒に″説明文″あったでしょ?
何処に生息してるか、とか生態とか…(アリッサ)」

「えぇ、ありましたよ。確か…」


近くで話を聞いていた王都国立大学院生のアリッサが急に話に入ってきたかと思えば、何故か鎧王富嶽蟲の事について聞いてきた。

訳も分からず、一先ずノアは言われた通り鎧王富嶽蟲の″説明文″の内容を伝える事とした。



『鎧王富嶽蟲(ガイオウフガクムシ)…体長80メル全身を鎧の様な甲殻で覆っている。
東方の小国、更には霊峰『富嶽』にのみ生息する超大型の甲殻蟲。

性格は凶暴でありながら鈍重、魔法攻撃の類いは皆無である為、然程脅威にはならない。

とはいえ、非常に全身が強固であり巨体である為、歩くだけで破壊行動に繋がるので早期の討伐が求められる。

ちなみに、一定数撃破すると最上位存在への挑戦権を獲得出来る。』



「です。」

「あぁ、思った通り。
以前大学院の授業で聞いた希少モンスターだったから確証が欲しかったの。
もしかしたら大氾濫の早期解決に役立てるかも!(アリッサ)」


ノアから鎧王富嶽蟲の説明文を聞いたアリッサは、頭の中で考えを纏めつつノアや周囲の者達に説明を開始した。


「ノア君は私の適正が【召喚】だって事は覚えてる?(アリッサ)」

「えぇ。
僕に喧嘩を吹っ掛けてきた相手の事は全員覚えてますよ。」

「そ、その節は申し訳ありませんでした…
…で、本題なのだけど、その鎧王富嶽蟲は″東方の小国、そして霊峰『富嶽』のみに生息″ってあったじゃない?
特定地域のモンスターを召喚する場合、召喚しましたはい終わり。
とはいかなくて、暫くの間その地域とリンクを繋ぐ必要がある。
でもこれって非常にコストが掛かるの。
距離的な問題だったり、特定地域って事だったり色々な要因でね。(アリッサ)」

「「「「ふむふむ。」」」」

「巨大な繭が現在沈静化しているのは、″何もしていないのに魔力だけはガンガン消費している状態″って事なの。
恐らく巨大な繭にとっては大きな誤算だったハズよ。
莫大な魔力を消費して特定地域の強個体を喚び寄せたのにあっという間に討伐されたんだもの。
あれだけ数にモノを言わせて攻めていたのに、一転して守りに入ったのがその証拠よ!(アリッサ)」


あっという間に討伐されたのは事実であるが、防衛側にとって一番痛手を与えたのも事実であろう。

とはいえ、侵攻させて再びあっという間に討伐されては巨大な繭にとって堪ったモノではないので、敢えて後退させ、控えさせているのだろう。


「つまり今の状態で直接攻撃を与えられたら、巨大な繭にとっては堪ったモノではないって事か…
アリッサさん、さっき言ってたリンクって、どの位繋がってるものなのですか?」

「うっ…!
そ、それは…分からないです…距離的な事もあるから直ぐに切れるかも知れないし、逆に半日以上繋がってるかも知れないし…(アリッサ)」


ノアはアリッサの説明にあった″特定地域とのリンク″について問う。
繋がってる間はガンガン魔力を消費しているとはいえ、時間的猶予を知らなければ攻めいって良いものか判断が付かない。

その点についてアリッサに問い質してみるも、明確な返答が出来ず、額に汗を浮かべて焦りの表情をする。


「アリッサさん、今まで仰った事が全て真実で、不確定要素であるリンクの繋がりが今もある事前提であった場合、僕は最前線で待機している有志の方々や仲間を巻き込んで『大博打』を打とうと思っているんです。
そんなあやふやな返答で納得出来ると思います?」

「あ…や…そ、そう…よね…(アリッサ)」


『大博打』とはそのままの意味で、″命を擲って″という意味である。
そんな重要な場面であやふやな情報を真に受けられるとでも?

と問うノアに、アリッサは強烈なプレッシャーを感じ、脂汗を流して閉口してしまう。

だが


「大氾濫が始まってから『大博打』の連続だ、今更1つ位増えた所で変わりゃしない。
可能性が限り無く0に近いのなら話は別だが、ここでうだうだ話しているよりか万倍良い。
まぁ『大博打』が外れたら、残り少ない命を削ってその分頑張りゃ良い。」にぃ。

「へ?(アリッサ)」


ノアは笑みを浮かべて『大博打』を打つ事を宣言。
あやふやな情報しかない『大博打』に乗る等頭のネジが外れてるとしか思えないが、ノアの戦闘スタイルはいつもそんな様なモノである。


タッタッタ!

「おお、ノア殿こちらに居りましたか。
たった今怪我人の手当てを終えた所に御座いますぞ。(クリストフ)」

「ご苦労さんだクリストフ。
丁度良い、今から最前線に戻って『大博打』を打ってくる所だ、クリストフも着いてきてくれ。」

「おお、勿論ですとも!(クリストフ)」



「ノアくーん、何かやるのー?
丁度整備終わった所だから手貸すよー。(ラインハード)」

「あ、それじゃあこれから最前線に向かうので合図を送ったら魔力弾を撃ち続けて貰えませんか?″僕に″。」

「んー??(ラインハード)」



〈ねぇねぇ坊や、私にも何か手伝える事は無いのだわさ?〉

「お、口調が戻った。
そうですね…そういえば四季龍インヴェルノさんは広範囲に被害が及ぶかも、って事で大氾濫に参加出来ないのですよね?」

〈そうなのだわさ。〉

「じゃあ…」

〈だわさだわさ?〉



~防壁の下~


「アミ、俺らも上に行こう。
ノアが『大博打』を仕掛けるつもりだ。(レドリック)」

「子供が賭け事する際は親の同伴が必須だもの、私達も付いていかないとね。(アミスティア)」

「それとな、アミ。(レドリック)」

「何?(アミスティア)」

「かなりの『大博打』の様だ、俺達は″神の恩恵″を使ってでも支えてやろう。(レドリック)」

「そうね…分かったわ。(アミスティア)」
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