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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~
対『竜征趙』・2回戦:敗戦
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「【召喚獣:三刀】『龍神邪火』!
コイツらを焼き尽くせ!1匹も逃がすんじゃねぇぞっ!」
『『『『ガカァアッ!』』』』(強烈な光と熱波が発生)
『『『『ジュバァアアアアアッ!』』』』(焼滅する分類不明竜種混成節足昆虫モンスター群)
〔ゴォオオオオオオッ!
託されたからには果たしてみせましょうぞその命を!〕ボフフッ!
ノアの叫びと共に『龍神邪火』が召喚され、そこを中心として全てを焼き尽くす熱波が発生。
『竜征趙』が召喚し、ノアを潰すべく迫っていた分類不明竜種混成節足昆虫モンスター群は熱波が到達した傍から瞬く間に蒸発。
その熱波は『竜征趙』をも飲み込んでいった。
『『『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』』』
『『『『ジリジリジリジリジリ…』』』』(『龍神邪火』の炎が襲う)
…グルルル。
〔…!此奴…〕ボフッ!
「!どうした『龍
『『ビュオッ!』』『『バチィイインッ!』』
っ!?!!…ガァッ!?」
〔主ど…『『ボフッ!』』(『龍神邪火』の業火消失)
まるで太陽を思わせる、白熱の光と熱波が荒れ狂う地獄の業火の中を、『竜征趙』は身悶えも、悲鳴も上げずに漂っていた。
その姿を見た『龍神邪火』は『竜征趙』の状態に気付き苦虫を噛み潰した様な声を上げた直後、地獄の業火を払うかの様な尻尾の一振りが『龍神邪火』の身体を貫き、その背後に居たノアをも弾き飛ばしたのであった。
『『『『ボファッ…』』』』(『龍神邪火』霧散)
「うっ!…くっ…ォラァッ!」ブンッ!
バシュンッ!(転移)
シュバッ!(『竜征趙』に向かって転移)
『竜征趙』の強烈な尻尾の一撃は、『龍神邪火』が纏っていた業火を霧散させる程の突風を発生させたが、何とかノアは体勢を立て直し、荒鬼神ノ化身をぶん投げて『竜征趙』を目指す。
が
『『グラッ…』』(急激な意識の混濁と脱力感)
「っ…!?しまっ…″魔力切れ″…か…!」
(『バカバカ転移しまくったツケがこんな所で回ってきたか…!』)
転移直後、視界が二重三重に、意識が混濁し、全身を脱力感が襲う。
典型的な″魔力切れ″、ノア自身が保有している魔力どころか、余剰魔力を蓄えていた指輪の魔力すらも枯渇していた。
消費魔力自体少量であり、日頃から魔力を切らす事等無かった為、頭からすっかり抜け落ちていた。
「っ…!」
『『『カチャリ…』』』(″上級マナポーション″の小瓶出現)
すかさず腰のアイテムボックスから″上級マナポーション″の小瓶3本を取り出し、補給に掛かる。
これはヴァンディット製の特別品である。
だが
『『『ボゴゴッ!』』』(沸騰)
「っ!」
(『!』)
『『『ボファッ!』』』(突沸)
『龍神邪火』は霧散し、姿は無くなったものの熱は直ぐには下がっておらず、周囲の温度は未だ数百度。
ヴァンディット製″上級マナポーション″は瞬時に沸騰し、蒸気となってこれも霧散してしまったのだった。
とは言え
『『『キュゥウウン…』』』(僅かに魔力を回復)
「くっ、回復出来ないよりかはマシ…と考えよう…」
(『だな。』)
蒸気となったものの、上級マナポーションのミストを体に浴びた事で幾分は魔力が回復し、持ち堪える事が出来た。
だが状況は最悪である。
切り札と考えていた『龍神邪火』は既に『竜征趙』には効かず、制空権を奪う事も出来ず、数度転移を行えるだけの魔力しか残っていない。
(…腹を…括ろう…
『鬼神』、策を説明する。)
(『あいよ。』)
グルルル…。
『『バヂヂッ!』』『『『バヂバヂィッ!』』』(『竜征趙』の全身に紫電が走る)
「【一神同体】発動!『鬼神』!″俺をぶん投げろ″!」
『『『ズズズ…』』』(『鬼神』ノアと分離)
『そぅ、らっ!』
ボッ!(ノア投擲)
『竜征趙』が再び雷撃発射準備に入るまさにその瞬間、ノアは【一神同体】を発動して『鬼神』と分離。
即座にノアの防具を掴んでぶん投げ、真っ直ぐ『竜征趙』を目指す。
グ…『『『バギュゥウウウンッ!』』』
虚を突かれた『竜征趙』は思わず雷撃を放つも、狙いはバッチリノアに向いていた。
だが
『『『バヂュィンッ!』』』『『ギュィインッ!』』(雷撃迎撃&吸収)
「オォオオオオオオオオオッ!」
突き進みながらも荒鬼神ノ化身を掲げたノアは、雷撃を迎撃しつつ尚も直進。
グォオ…『『バヂバヂィッ…』』
『『ゴッ!』』『『『ドカァアンッ!』』』(超高速の荒鬼神ノ化身、『竜征趙』に直撃)
ゴァアッ!?
2射目の雷撃を放とうとした『竜征趙』の胸の辺りに荒鬼神ノ化身が超高速で衝突。
それは『竜征趙』の体躯が大きく揺らぎ、雷撃の発射を中断する程であった。
これは『鬼神』が放ったモノで、ノアでは出せない程の膂力だからこそ成せる芸当である。
バシュッ!(転移)
『ッラァッ!』
ズバァアアアアッ!(胸の辺りを斬り開く)
ゴァアアアアアッ!
胸の辺りに突き刺した荒鬼神ノ化身に転移してきたのは『鬼神』で、そのまま柄を力一杯押し下げて『竜征趙』の胸を大きく斬り開いた。
堪らず『竜征趙』は咆哮の様な悲鳴を上げた。
『『『ギギギギギギッ!』』』(拳を握る『鬼神』)
『シッ!』ボッ!
グルルルルルアァッ!!『『バッサァッ!』』
胸を斬り開いた直後、荒鬼神ノ化身を手離した『鬼神』は拳を握り、胸の辺りに向かって繰り出す。
だが寸での所で翼を羽ばたかせた『竜征趙』は僅かに後退、『鬼神』の拳を回避した事になる。
だが
シュバッ!(転移)
グ…
「合わせろ『鬼神』っ!」
ガッ『『バガァアアアンッ!』』
グォオオオオオッ!?
手離した荒鬼神ノ化身、つまりは『鬼神』の拳の先に、全身を【鬼鎧殻】で覆ったノアが転移、その手にはもう1本の荒鬼神ノ化身が握られていた。
振り抜かれる寸前の『鬼神』の拳はノアの足裏を捉え、恐るべき威力を伴って『竜征趙』の胸に叩き込まれたのであった。
『『『ギュィイイイイイイイイインッ!』』』(魔力吸収)
「ぐ、おぉおおおおおおおおおおっ!」
ガァアアアアアアアアアアアアッ!
自身が1本の槍となって叩き込まれた先には『竜征趙』の核でもあり、攻勢の源と言える巨大な魔石があり、ノアが手にしていた荒鬼神ノ化身が深々と突き刺さり、それを通じて凄まじい勢いで魔石の魔力を吸収していた。
ダラン…(あり得ない形に曲がる右足)
「よ…くやった、『鬼神』…
このままコイツの魔力を吸い尽くす…
足が思う様に動かせないから手を貸してくれ!」
『俺がぶん殴ったんだからそりゃそうだろうよ!全く!主の策は毎度の事ながら無茶が過ぎるぜ!』
『『『ズズズ…』』』(【一神同体】解除)
現在『竜征趙』の核である魔石に取り付き、強制的に魔力を吸い上げ続けているノアの右足は、【鬼鎧殻】を装着しているにも関わらず大きくひしゃげ、ダラリと垂れ下がっていた。
元々【鬼鎧殻】は『鬼神』の力の一端である為、流石の『鬼神』の力には敵わないのだろう。
『鬼神』は主であるノアに愚痴を言いつつ、ノアの体に戻り破壊した体の修復に専念する。
『『『ズズズ…』』』(赤黒い腕を生成)
ガッ!『『ガッ!』』ガシッ!
「離さねぇぞ!死ぬまで吸い尽くしてやるぜ!」
ゴァアアアアアッ!
ノアは全身から赤黒いオーラを立ち昇らせつつ腕を生成し、『竜征趙』の身体を掴んでしがみつく。
逆に『竜征趙』はノアを引き剥がそうと必死の抵抗を見せる。
『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』(ノアの周囲に光球発生)
『『『『『『『ビゴォッ!』』』』』』』(レーザー状の雷撃発射)
『『『『ゴガガガガガガガッ!』』』』
「ぐ…おぉおおおおおおおおおおっ…!
【鬼鎧殻】の上からでもかなりの衝撃が届いてきやがる…!」
(『主!【鬼鎧殻】を展開している以上魔力は消費し続けている!
持って数分って所だが奴の魔力はどうだ!?』)
「凄い勢いで吸収しているが、底が尽きる気がしない…!
数分所か数時間必要な気がするぜ!」
『竜征趙』の核である巨魔石に荒鬼神ノ化身を突き刺してまだ間も無いが、既に『龍神邪火』を再召喚するには十分の魔力を吸収している。
にも関わらず巨魔石に変化は見られず、吸収量も依然として変わりない。
だがノア自身に残された魔力量は残り僅で、【鬼鎧殻】を解除して事にあたりたい所ではあるが、『竜征趙』の雷撃が断続的に放たれている為解除も難しい。
と
『『『『キィイインッ!』』』』(荒鬼神ノ化身が発光)
「っ!何だ!?」
(『荒鬼神ノ化身に最大まで魔力が充填された合図の様だ!』)
魔石に突き刺していた荒鬼神ノ化身、腰に差していた他の荒鬼神ノ化身合わせて4本が殆んど同時に発光。
どうやら剣に蓄積させられるだけの魔力量に到達したらしい。
「なる程な!
ならばこのまま『龍神邪火』を召喚して…」ピタッ
と、ノアが策を講じようとした所で動きを止めた。
(良いのか…?
さっき『龍神邪火』を召喚してもダメージを与えられなかったのに…?
もしかしたら『龍神邪火』から攻撃を受ける度に強化されていってるんじゃないのか…?
同じ手はもう通じないんじゃないか…?
このままコイツに取り付いてた方が効果的なんじゃないか…?)
先程と同じ策で挑もうとしたノアの脳裏に、思わずさっきの光景が甦る。
『龍神邪火』を召喚して容赦無く焼いた。
勝った!今度こそ焼き尽くしてやった!これで何もかもが終わる。
そう思っていた矢先、全くの無傷な『竜征趙』から尻尾の叩き付けを食らった光景がフラッシュバックした。
そしたら、手が止まってしまった。
「………。」
(『おい!主!』)
「え?」
~ステータス異常:″『魔力切れ』″~
『『『ガクンッ!』』』(強烈な目眩、脱力感)
『『バツンッ!』』(【鬼鎧殻】強制解除)
『『『バヂィインッ!』』』ッブッ!?」
ノアが数瞬思考を停止していた時だった。
恐れていた事が現実となった。
ノアは完全に″魔力切れ″を起こし、それに伴う状態異常を併発。【鬼鎧殻】が強制的に解除。
直後、断続的に放たれていた雷撃がノアに直撃し、『竜征趙』と距離が離れてしまったのだった。
ズッ…(巨魔石に突き刺さっていた荒鬼神ノ化身が抜け落ちる)
(戻…)スカッ…
『竜征趙』の核とも言える巨魔石から剣が抜け、慌てて転移して戻ろうとしたノアだが、いつもの様に転移はせず、空振る感覚のみでそれ以外何も起こらなかった。
『『『シュゥウウ…』』』
「ガフッ!『ぎ、ぎじ…』もご…れ…(『き、鬼神…』戻…れ…)」
(『…駄目だ。
戻れる事は出来るが、今の強制解除で主は深手を負ったし、戻れたとしても魔力切れで気絶寸前の状態ではリスクの方がデカい。
ここは一時退却して体勢を整えようや。』)
魔力切れによって【鬼鎧殻】が強制解除された影響で『竜征趙』の雷撃が左鎖骨辺りに命中。
左肩~左頬付近から白煙が立つ程焼け爛れ、話す事すら儘ならない状態であった。
なので『鬼神』は中から外に出ようとはせず、身体回復を最優先事項としたのだった。
「…ごべ…、おぁじ手が通じぁいんじゃぁいあって考え、ら手あ止ま…
(…ごめん…、同じ手が通じないんじゃないかって考えたら手が止ま…)」
(『まぁ″アレ″は今まで必殺技みたいなモンだったからな、気にすんな。』)
「…かっ…ゲフッ!……」(気絶)
息を吸うのですら辛い状態だが、『鬼神』に対して謝罪するノア。
『鬼神』は気にするなと返答した直後、ノアは魔力切れの影響で気絶してしまった。
ゴォオオオオオオオオオッ!!
『『『『バヂバヂバヂバヂバヂッ!』』』』(雷撃発射準備)
(『チッ、追撃か…正解だよチクショウめ。
仕方無い、俺が体を乗っ取って回避を…』)
自身の体から離れていったノアに対し、『竜征趙』は追撃の雷撃を放とうとしている。
それに対して『鬼神』は、ノアの体を借りて迎撃しようと画策するが、『鬼神』の目に″ある物″が目に入る。
『『『ズズズ…』』』(赤黒い腕が伸びる)
パシッ!(抜け落ちた荒鬼神ノ化身を回収)
(『そういや、奴の核から最大量の魔力を吸収したんだったよな…
なら″最後の悪足掻き″として″コイツ″を繰り出してやろうじゃねぇか。』)
徐にノアの体から赤黒いオーラを発生させ、巨魔石から抜け落ち、共に落下していた荒鬼神ノ化身を手に取る。
剣の能力で最大まで魔力を吸収した状態であった為、『鬼神』は″最後の悪足掻き″を発動する事にしたのだった。
(『出て来い″【召喚獣:四刀】『偽神闇鬼(ギシンアンキ)』″。
大層な紹介文の割に大した事なかったらぶっ殺すからな?』)
【召喚獣:四刀】『偽神闇鬼(ギシンアンキ)』…吸収した魔力で形作られた鬼神の成り損ない。故に偽神。
攻撃に全振りで、対象が死ぬか、自身の魔力が尽きるまで暴れる為、御利用は計画的に。
コイツらを焼き尽くせ!1匹も逃がすんじゃねぇぞっ!」
『『『『ガカァアッ!』』』』(強烈な光と熱波が発生)
『『『『ジュバァアアアアアッ!』』』』(焼滅する分類不明竜種混成節足昆虫モンスター群)
〔ゴォオオオオオオッ!
託されたからには果たしてみせましょうぞその命を!〕ボフフッ!
ノアの叫びと共に『龍神邪火』が召喚され、そこを中心として全てを焼き尽くす熱波が発生。
『竜征趙』が召喚し、ノアを潰すべく迫っていた分類不明竜種混成節足昆虫モンスター群は熱波が到達した傍から瞬く間に蒸発。
その熱波は『竜征趙』をも飲み込んでいった。
『『『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』』』
『『『『ジリジリジリジリジリ…』』』』(『龍神邪火』の炎が襲う)
…グルルル。
〔…!此奴…〕ボフッ!
「!どうした『龍
『『ビュオッ!』』『『バチィイインッ!』』
っ!?!!…ガァッ!?」
〔主ど…『『ボフッ!』』(『龍神邪火』の業火消失)
まるで太陽を思わせる、白熱の光と熱波が荒れ狂う地獄の業火の中を、『竜征趙』は身悶えも、悲鳴も上げずに漂っていた。
その姿を見た『龍神邪火』は『竜征趙』の状態に気付き苦虫を噛み潰した様な声を上げた直後、地獄の業火を払うかの様な尻尾の一振りが『龍神邪火』の身体を貫き、その背後に居たノアをも弾き飛ばしたのであった。
『『『『ボファッ…』』』』(『龍神邪火』霧散)
「うっ!…くっ…ォラァッ!」ブンッ!
バシュンッ!(転移)
シュバッ!(『竜征趙』に向かって転移)
『竜征趙』の強烈な尻尾の一撃は、『龍神邪火』が纏っていた業火を霧散させる程の突風を発生させたが、何とかノアは体勢を立て直し、荒鬼神ノ化身をぶん投げて『竜征趙』を目指す。
が
『『グラッ…』』(急激な意識の混濁と脱力感)
「っ…!?しまっ…″魔力切れ″…か…!」
(『バカバカ転移しまくったツケがこんな所で回ってきたか…!』)
転移直後、視界が二重三重に、意識が混濁し、全身を脱力感が襲う。
典型的な″魔力切れ″、ノア自身が保有している魔力どころか、余剰魔力を蓄えていた指輪の魔力すらも枯渇していた。
消費魔力自体少量であり、日頃から魔力を切らす事等無かった為、頭からすっかり抜け落ちていた。
「っ…!」
『『『カチャリ…』』』(″上級マナポーション″の小瓶出現)
すかさず腰のアイテムボックスから″上級マナポーション″の小瓶3本を取り出し、補給に掛かる。
これはヴァンディット製の特別品である。
だが
『『『ボゴゴッ!』』』(沸騰)
「っ!」
(『!』)
『『『ボファッ!』』』(突沸)
『龍神邪火』は霧散し、姿は無くなったものの熱は直ぐには下がっておらず、周囲の温度は未だ数百度。
ヴァンディット製″上級マナポーション″は瞬時に沸騰し、蒸気となってこれも霧散してしまったのだった。
とは言え
『『『キュゥウウン…』』』(僅かに魔力を回復)
「くっ、回復出来ないよりかはマシ…と考えよう…」
(『だな。』)
蒸気となったものの、上級マナポーションのミストを体に浴びた事で幾分は魔力が回復し、持ち堪える事が出来た。
だが状況は最悪である。
切り札と考えていた『龍神邪火』は既に『竜征趙』には効かず、制空権を奪う事も出来ず、数度転移を行えるだけの魔力しか残っていない。
(…腹を…括ろう…
『鬼神』、策を説明する。)
(『あいよ。』)
グルルル…。
『『バヂヂッ!』』『『『バヂバヂィッ!』』』(『竜征趙』の全身に紫電が走る)
「【一神同体】発動!『鬼神』!″俺をぶん投げろ″!」
『『『ズズズ…』』』(『鬼神』ノアと分離)
『そぅ、らっ!』
ボッ!(ノア投擲)
『竜征趙』が再び雷撃発射準備に入るまさにその瞬間、ノアは【一神同体】を発動して『鬼神』と分離。
即座にノアの防具を掴んでぶん投げ、真っ直ぐ『竜征趙』を目指す。
グ…『『『バギュゥウウウンッ!』』』
虚を突かれた『竜征趙』は思わず雷撃を放つも、狙いはバッチリノアに向いていた。
だが
『『『バヂュィンッ!』』』『『ギュィインッ!』』(雷撃迎撃&吸収)
「オォオオオオオオオオオッ!」
突き進みながらも荒鬼神ノ化身を掲げたノアは、雷撃を迎撃しつつ尚も直進。
グォオ…『『バヂバヂィッ…』』
『『ゴッ!』』『『『ドカァアンッ!』』』(超高速の荒鬼神ノ化身、『竜征趙』に直撃)
ゴァアッ!?
2射目の雷撃を放とうとした『竜征趙』の胸の辺りに荒鬼神ノ化身が超高速で衝突。
それは『竜征趙』の体躯が大きく揺らぎ、雷撃の発射を中断する程であった。
これは『鬼神』が放ったモノで、ノアでは出せない程の膂力だからこそ成せる芸当である。
バシュッ!(転移)
『ッラァッ!』
ズバァアアアアッ!(胸の辺りを斬り開く)
ゴァアアアアアッ!
胸の辺りに突き刺した荒鬼神ノ化身に転移してきたのは『鬼神』で、そのまま柄を力一杯押し下げて『竜征趙』の胸を大きく斬り開いた。
堪らず『竜征趙』は咆哮の様な悲鳴を上げた。
『『『ギギギギギギッ!』』』(拳を握る『鬼神』)
『シッ!』ボッ!
グルルルルルアァッ!!『『バッサァッ!』』
胸を斬り開いた直後、荒鬼神ノ化身を手離した『鬼神』は拳を握り、胸の辺りに向かって繰り出す。
だが寸での所で翼を羽ばたかせた『竜征趙』は僅かに後退、『鬼神』の拳を回避した事になる。
だが
シュバッ!(転移)
グ…
「合わせろ『鬼神』っ!」
ガッ『『バガァアアアンッ!』』
グォオオオオオッ!?
手離した荒鬼神ノ化身、つまりは『鬼神』の拳の先に、全身を【鬼鎧殻】で覆ったノアが転移、その手にはもう1本の荒鬼神ノ化身が握られていた。
振り抜かれる寸前の『鬼神』の拳はノアの足裏を捉え、恐るべき威力を伴って『竜征趙』の胸に叩き込まれたのであった。
『『『ギュィイイイイイイイイインッ!』』』(魔力吸収)
「ぐ、おぉおおおおおおおおおおっ!」
ガァアアアアアアアアアアアアッ!
自身が1本の槍となって叩き込まれた先には『竜征趙』の核でもあり、攻勢の源と言える巨大な魔石があり、ノアが手にしていた荒鬼神ノ化身が深々と突き刺さり、それを通じて凄まじい勢いで魔石の魔力を吸収していた。
ダラン…(あり得ない形に曲がる右足)
「よ…くやった、『鬼神』…
このままコイツの魔力を吸い尽くす…
足が思う様に動かせないから手を貸してくれ!」
『俺がぶん殴ったんだからそりゃそうだろうよ!全く!主の策は毎度の事ながら無茶が過ぎるぜ!』
『『『ズズズ…』』』(【一神同体】解除)
現在『竜征趙』の核である魔石に取り付き、強制的に魔力を吸い上げ続けているノアの右足は、【鬼鎧殻】を装着しているにも関わらず大きくひしゃげ、ダラリと垂れ下がっていた。
元々【鬼鎧殻】は『鬼神』の力の一端である為、流石の『鬼神』の力には敵わないのだろう。
『鬼神』は主であるノアに愚痴を言いつつ、ノアの体に戻り破壊した体の修復に専念する。
『『『ズズズ…』』』(赤黒い腕を生成)
ガッ!『『ガッ!』』ガシッ!
「離さねぇぞ!死ぬまで吸い尽くしてやるぜ!」
ゴァアアアアアッ!
ノアは全身から赤黒いオーラを立ち昇らせつつ腕を生成し、『竜征趙』の身体を掴んでしがみつく。
逆に『竜征趙』はノアを引き剥がそうと必死の抵抗を見せる。
『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』『ポ』(ノアの周囲に光球発生)
『『『『『『『ビゴォッ!』』』』』』』(レーザー状の雷撃発射)
『『『『ゴガガガガガガガッ!』』』』
「ぐ…おぉおおおおおおおおおおっ…!
【鬼鎧殻】の上からでもかなりの衝撃が届いてきやがる…!」
(『主!【鬼鎧殻】を展開している以上魔力は消費し続けている!
持って数分って所だが奴の魔力はどうだ!?』)
「凄い勢いで吸収しているが、底が尽きる気がしない…!
数分所か数時間必要な気がするぜ!」
『竜征趙』の核である巨魔石に荒鬼神ノ化身を突き刺してまだ間も無いが、既に『龍神邪火』を再召喚するには十分の魔力を吸収している。
にも関わらず巨魔石に変化は見られず、吸収量も依然として変わりない。
だがノア自身に残された魔力量は残り僅で、【鬼鎧殻】を解除して事にあたりたい所ではあるが、『竜征趙』の雷撃が断続的に放たれている為解除も難しい。
と
『『『『キィイインッ!』』』』(荒鬼神ノ化身が発光)
「っ!何だ!?」
(『荒鬼神ノ化身に最大まで魔力が充填された合図の様だ!』)
魔石に突き刺していた荒鬼神ノ化身、腰に差していた他の荒鬼神ノ化身合わせて4本が殆んど同時に発光。
どうやら剣に蓄積させられるだけの魔力量に到達したらしい。
「なる程な!
ならばこのまま『龍神邪火』を召喚して…」ピタッ
と、ノアが策を講じようとした所で動きを止めた。
(良いのか…?
さっき『龍神邪火』を召喚してもダメージを与えられなかったのに…?
もしかしたら『龍神邪火』から攻撃を受ける度に強化されていってるんじゃないのか…?
同じ手はもう通じないんじゃないか…?
このままコイツに取り付いてた方が効果的なんじゃないか…?)
先程と同じ策で挑もうとしたノアの脳裏に、思わずさっきの光景が甦る。
『龍神邪火』を召喚して容赦無く焼いた。
勝った!今度こそ焼き尽くしてやった!これで何もかもが終わる。
そう思っていた矢先、全くの無傷な『竜征趙』から尻尾の叩き付けを食らった光景がフラッシュバックした。
そしたら、手が止まってしまった。
「………。」
(『おい!主!』)
「え?」
~ステータス異常:″『魔力切れ』″~
『『『ガクンッ!』』』(強烈な目眩、脱力感)
『『バツンッ!』』(【鬼鎧殻】強制解除)
『『『バヂィインッ!』』』ッブッ!?」
ノアが数瞬思考を停止していた時だった。
恐れていた事が現実となった。
ノアは完全に″魔力切れ″を起こし、それに伴う状態異常を併発。【鬼鎧殻】が強制的に解除。
直後、断続的に放たれていた雷撃がノアに直撃し、『竜征趙』と距離が離れてしまったのだった。
ズッ…(巨魔石に突き刺さっていた荒鬼神ノ化身が抜け落ちる)
(戻…)スカッ…
『竜征趙』の核とも言える巨魔石から剣が抜け、慌てて転移して戻ろうとしたノアだが、いつもの様に転移はせず、空振る感覚のみでそれ以外何も起こらなかった。
『『『シュゥウウ…』』』
「ガフッ!『ぎ、ぎじ…』もご…れ…(『き、鬼神…』戻…れ…)」
(『…駄目だ。
戻れる事は出来るが、今の強制解除で主は深手を負ったし、戻れたとしても魔力切れで気絶寸前の状態ではリスクの方がデカい。
ここは一時退却して体勢を整えようや。』)
魔力切れによって【鬼鎧殻】が強制解除された影響で『竜征趙』の雷撃が左鎖骨辺りに命中。
左肩~左頬付近から白煙が立つ程焼け爛れ、話す事すら儘ならない状態であった。
なので『鬼神』は中から外に出ようとはせず、身体回復を最優先事項としたのだった。
「…ごべ…、おぁじ手が通じぁいんじゃぁいあって考え、ら手あ止ま…
(…ごめん…、同じ手が通じないんじゃないかって考えたら手が止ま…)」
(『まぁ″アレ″は今まで必殺技みたいなモンだったからな、気にすんな。』)
「…かっ…ゲフッ!……」(気絶)
息を吸うのですら辛い状態だが、『鬼神』に対して謝罪するノア。
『鬼神』は気にするなと返答した直後、ノアは魔力切れの影響で気絶してしまった。
ゴォオオオオオオオオオッ!!
『『『『バヂバヂバヂバヂバヂッ!』』』』(雷撃発射準備)
(『チッ、追撃か…正解だよチクショウめ。
仕方無い、俺が体を乗っ取って回避を…』)
自身の体から離れていったノアに対し、『竜征趙』は追撃の雷撃を放とうとしている。
それに対して『鬼神』は、ノアの体を借りて迎撃しようと画策するが、『鬼神』の目に″ある物″が目に入る。
『『『ズズズ…』』』(赤黒い腕が伸びる)
パシッ!(抜け落ちた荒鬼神ノ化身を回収)
(『そういや、奴の核から最大量の魔力を吸収したんだったよな…
なら″最後の悪足掻き″として″コイツ″を繰り出してやろうじゃねぇか。』)
徐にノアの体から赤黒いオーラを発生させ、巨魔石から抜け落ち、共に落下していた荒鬼神ノ化身を手に取る。
剣の能力で最大まで魔力を吸収した状態であった為、『鬼神』は″最後の悪足掻き″を発動する事にしたのだった。
(『出て来い″【召喚獣:四刀】『偽神闇鬼(ギシンアンキ)』″。
大層な紹介文の割に大した事なかったらぶっ殺すからな?』)
【召喚獣:四刀】『偽神闇鬼(ギシンアンキ)』…吸収した魔力で形作られた鬼神の成り損ない。故に偽神。
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