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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~
戦勝祝い
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~『フロンテイラ』市街・長屋の一室~
ガチャッ!
「ノア君、お昼持ってきたっちゃよ。(ミダレ)」
にゃーご。(ニャーゴ)
「お帰りですぞ。
ノア殿は先程再び寝に入られました。
何分熱に浮かされて碌に寝られていませんでしたからな。(クリストフ)」
とある長屋の一室に入ると、ノアの愛猫ニャーゴと、クリストフが出迎えてくれた。
先程まではヴァンディットも居たらしいが、商人見習いのミリアの所に補充様の薬品と包帯を買いに出掛けたとか。
ピトッ。(寝入るノアの頬に触れる)
「…とは言え、右腕の大火傷の他に左鎖骨辺りや右足にも火傷を負っている為か体温調節が上手くいかず、体温が高いのは相変わらずですがね。(クリストフ)」
「ニャーゴちゃん大活躍だね。(ミダレ)」
にゃんご。(ニャーゴ)
眠るノアの右肩辺りには、まるで日光浴でもするかの様にネコクラゲのニャーゴが横たわり、汗腺が焼けて体温調節が上手くいかないノアの身体から熱を吸収する事で、一応ノアはスヤスヤと眠る事が出来ていた。
と
《…でもご主人様、契約者様凄く魘されてるよ。
今度は『山火事』の夢見てる。》
「んー…それじゃあ、夢の中に入って助けに行ってあげようか。
『ガシッ!』…へぇ?(ミダレ)」
使い魔のイスクリードがノアが魘されているのを見るや、ミダレが夢に介入して解消してあげようと提案するが、ミダレは突然腕を掴まれ
ムギュッ!モニ…
「ひゃ!?あ、ノアく」
「ん~ニャーゴ、君はひんやりしてて気持ちいいなぁ…ムニャムニャ…」
「あ、あン、ノ、ノア君寝ぼけて…
あ、あっちはニャーゴちゃんじゃないっちゃ…(ミダレ)」
んにゃ?(ニャーゴ)
熱に魘され、その上寝ぼけたノアに捕まりミダレは強引に身動き1つ取れない状態で羽交い締めにされてしまった。
スンスン…
「んんん~?今日のニャーゴは果物みたいな香りがするにゃぁ…
食べちゃいたい位だよ…」
「あ、あ、ノア君、ご飯は持ってきてあげたから…ね?起きて、た、食べよ?
と、というか、クリストフさん、イスクリード、見てないで助けて…(ミダレ)」
「《え?助けて良いの?》ですかな?(クリストフ)」
「……。(照)」
未だ寝ぼけ続けるノア。
使い魔のイスクリードとクリストフは助ける事無く傍観していた。
と、そこに
コンコン。ガチャ。
「療養中の所申し訳ありませんノア様。
御加減の方は如何に…はっ!?(ミミカ)」
〈体調の方は大丈夫なのだーわ…さ…?〉
「あ!いや、あの、これはっ…!?(ミダレ)」
「どうしたのですミミk…
あっ!いけませんミミカ!ステラさん!ノア様はお取り込み中の様です!
何て間の悪い…オホホ、失礼致しました、ごゆるりと…(ミミルナ)」
「ぃや!あの!違うんです!
ノア君寝ぼけて『ホニ』ひゃぅん!?(ミダレ)」
「ぅ~ん…ニャーゴー…」
ノアの様子を見に来たミミカ、その母ミミルナ、ステラの3人がノアとミダレの情事(勘違い)を目撃。
ミダレは訳を説明しようとするが、寝ぼけたノアは腰や脇に手を回して離そうとしない。
「ミミカ、この長屋には人の立ち入りを禁ずる様兵に伝達なさい。(ミミルナ)」
「は、はわわ…は、はい!(ミミカ)」
〈ハーピー族に言って長屋の周りに<遮音>を掛けた貰うのだーわさー。〉
「では私は水を汲んでおきましょう。(悪ノリクリストフ)」
《この長屋に近付く人が居たら寝かせれば良いんだね。(悪ノリイスクリード)》
「き、気遣いは結構です!
それよりも、た、助けてっちゃね!(ミダレ)」
「…ムニャ?」
その後何とか目を覚ましたノアは、大慌てでミダレを解放。
存外悪い気はしなかったミダレがちょっと残念そうにしていたのは、ミミカだけ気付いていなかったのだった。
「…よい、しょっと…」ギシッ…
「あの、休んでいなくて大丈夫ですか…?(ミミルナ)」
「この3日間寝っ放しでしたので大体疲れは取れました。
火傷の方も治療のお陰で炎症も治まって比較的軽くなったので、そろそろ体を慣らさないと。
それに…」
「「「〈それに?〉」」」
「…これ以上寝込んでたら、また事故を起こし兼ねないから…」
ミダレが持ってきてくれたお昼を頂き、少しした後、ノアが重い腰を上げて外に出ようとする。
ノアは現在防具を身に付けておらず、麻のシャツとズボンというラフな格好である。
右腕と右足、左鎖骨辺りや身体の各所に包帯を巻き、火傷を覆っているが端々から火傷の跡が見え隠れしているので中々痛々しい。
右手で物を取る事は出来るが、まだその都度痛みが走るらしい。
「それに協力してくれた人にお礼を言いたいしね。」
「ではお供しますぞ。(クリストフ)」
「あ、あっちも…(ミダレ)」
〈だわさー。〉
街へと向かうノアに、サポートとしてクリストフとミダレ、ステラが着いていく事となった。
~『フロンテイラ』~
ガチャッ。
「やぁノア、もう起きても大丈夫なのか?(レドリック)」
「あ。」
「もう少しゆっくりしてても良いのよ?(アミスティア)」
「もう大丈夫だよ。
…といっても、火傷自体はまだまだだけどね。」
外に出るとまず始めに両親と出会す。
柔和な笑みを浮かべて息子の体を案じるが
「その様ね。
ノアちゃん昔から本当にしんどいとピクリとも動かず寝入るけど、余裕が出来てくると人に襲い掛かるものね。(アミスティア)」
「大丈夫かい?
息子酷い事されなかったかい?(レドリック)」
「いや、あの…えへへ…(ミダレ)」
「人聞きの悪い事を言うなぁっ!
それとミダレさん否定するなら直ぐに否定して!」
両親はいつも通りの両親であった。
~2組目・美幸と悠~
「あ!ノア君!もう起きて大丈夫なの!?(美幸)」
「えぇ、まぁお陰様で。」
「獣人国の時もそうだったけど、やっぱりノア君は凄いや。
最後のアレ何だったの?龍みたいな姿になったり尻尾生えてたり…
○化みたいだったよ…?(悠)」
「虚○?」
「ああいや、何でもない…(悠)」
両親の次に出会したのは美幸と悠で、不安と安堵半分な表情で出迎えてくれた。
「でもまぁ元気そうだし安心したわ。
…いや、でも元気過ぎ、って言うか…ノア君、顔に似合わず″旺盛″なのね…(美幸)」
「え?」
「いや、盗み聞きするつもりは無かったんだけど、襲ってる音とか衣擦れの音とか生々しい音が響いてて…(悠)」
「いや、あの…えへへ…(ミダレ)」
「誤解です!誤解なんですっ!」
美幸と悠もノアとミダレの情事(勘違い)を耳にしており、白昼の大胆な行いに、お互い目を背けて頬を赤らめていた。
ノアは必死に説明したのだが、信じてくれたかどうかは定かでは無い。
~3組目・クラン『エイペス』『筋肉達磨』~
「え?アリッサさん達(王都大学院生達)帰っちゃったんですか?」
「あぁ。
確か来月闘技大会があるとかで、王都の【諜報】から告げられて息つく暇も無く昨日の昼頃にここを発っていったぜ。(ゴーラ)」
「どうやらあの3人は大会の出場者だったらしく、その内のゼーヴィスって男は蘇生薬を使わなければならない程の傷を負ったのだから、国に戻って精密検査をするのだろう。(バルク)」
「そんな…一声掛けてくれても良かったのに。」
「「いやいやいやいや。」」
「自分達以上にボロボロの奴を起こしてまで挨拶しに来るのは中々にハードル高いですぞ。(スクワ)」
3組目に出会ったのは、何故か全員丸太を担いだ類人猿クラン『エイペス』と『筋肉達磨』の皆さん。
丸太の件は置いといて、竜征趙討伐の打開策を打ち出してくれたアリッサに礼を言おうと思っていたノアだが、王都で開かれると言う闘技大会を来月に控えていると言う事もあってかノアが目覚める前にこの地を発ったという。
「…まぁまた何処かで会えた時にでもお礼を言っておこう…
それよりも皆さん何で丸太持ってるんです?」
「『フロンテイラ』新興に伴って冒険者ギルドを新しく建てるんですと。
10年置きに大氾濫が発生する事からも必要だとの判断でカルル領主殿が建設指示を出したそうです。(パンプ)」
「ほー…」
(『しっかり領主やってんな。』)
~4組目・ある母親~
「…にしても人通り少ないね。」
「今は昼ですからな。
シンプソン殿が炊き出しを行っている広場が反対側に御座いますので、皆そちらに出払っているのでしょう。(クリストフ)」
「なる程、確かに食材の殆んどがモンスターのドロップ品とは思えない位美味しかったからね、そりゃ人がそっちに行っちゃう訳だ。」
大氾濫や何やらで碌に街を歩いていなかったノアは取り敢えず道なりに街を散策していた。
現在昼頃なので街の人間の殆んどは炊き出し場に行っていて人通りが少ないらしい。
時折巡回中の兵士や大氾濫に参加してくれた冒険者達と出会すが、皆気さくに手を振る程度に留めていた。
と
「あ、あの!【鬼神】さんですよね?(母)」
「あ、はい。」
「私は戦闘職の夫を持つ元奴隷の村人です。
貴方のお陰で奴隷堕ちせずに家族共々この地で3人過ごせています。(母)」
「あ、いえ…そんな…
正直こんな大規模な氾濫になると思わなくて、何て危険な所に呼んでしまったのだろうと反省しています…」
ある一家の母親がノアを呼び止め、手短に感謝を述べてきた。
彼女は【勇者】軍に追われて命からがら逃げ延びたものの、盗み等野盗の真似事をしなければ生きる事が出来ず、方々で捕らえられ奴隷堕ちしてしまった者であり、この街『フロンテイラ』の住人の殆んどがそういった者達ばかりである。
それを不憫に思ったノアが奴隷商に働き掛けてこの地に呼び寄せたのである。
今回の大氾濫が無事終結し、各地の村々が復興すれば、奴隷と言う枷を取り払い、この地に残るも良し、産まれ育った村に戻るも良しとの判断を降したのであった。
だがいざ大氾濫が開始されてからというもの、ノアの中でこの判断は間違いだったのでは、と思っていた。
数日間死と隣合わせとなり、いつ莫大な量のモンスターに蹂躙されてもおかしくない死地に呼び寄せてしまったのだろう、と心の何処かでいつも考えていた。
「確かにこの数日間恐怖に怯えて心休まる時がありませんでした。
でも1番辛いであろう最前線で1歩も退く事もせずに戦う貴方の姿に勇気付けられました。
…家族を、私達の未来を救って戴き、ありがとうございました。(母)」
「…っ。」
全うに感謝を述べられたノアはどう反応して良いか分からず、その場に立ち尽くしてしまった。
「ふふ、それでは【鬼神】さんが目覚めた事を皆に伝えてきますね。
″大氾濫の主役が寝込んでいるのに戦勝祝いが出来ない″と皆口々に申していたので今夜はお祭りになるでしょうね。(母)」
「え?」
~その日の夜~
「それではーっ!
大氾濫終結の立役者である【鬼神】が目覚めたので!諸々含めてお疲れ様でしたーっ!
カンパーイッ!!(カルル)」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「カンパーイッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「カ、カンパーイ。」
最奥の山に掛かる日差しが橙から青紫色に変わる頃、街の至る所に酒樽が置かれ、街に居る全ての者達が杯を手にしていた。(※子供はジュース)
『フロンテイラ』の新領主となったカルルの音頭の下、乾杯の合図を告げられると、皆一斉に杯を呷っていた。
~旧イグレージャ・オシデンタル 現【魔王】占領区域~
【…遠くの方から賑やかな声が聞こえるな。
あの少年が言っていた大氾濫が終息し、戦勝祝いでもやっているのだろう。
…私も元の世界線で仲間と共に勝鬨を上げたかったな…】
「…【魔王】様…(アリス)」
【ふふ、湿っぽくなってしまって済まないな。
さ、始めようか。この日の為に兵(兵隊蟻)を増やし、膨大な魔力を確保したのだからな。】
「そうですね…(アリス)」
【今までは俺とアリス、それと兵隊蟻だけの″にわか【魔王】軍″であったが、これからは違う。
この世界での『新【魔王】軍』を造り出そう。】
現【魔王】占領区域の何処か、地面には幾何学模様の魔法陣が描かれ、それを補佐する様にまた別の魔法陣が二重三重に描かれていた。
【ヒュマノの連中は陣の意味を知らず、ただ単に贄を用意し、偶々俺をこの世界に喚び出してしまった。
全く、不快極まりない。】
陣の前で不満げな表情の【魔王】アクロスであったが、一度嘆息した後言葉を紡ぐ。
『『『『『コォオオオオオ…』』』』』(目映い光)
【だが俺は陣の意味を理解している。
元の世界では費用対効果に合わなかったが、今は是非も無い。
さぁ″異世界召喚″を開始しよう。】
ガチャッ!
「ノア君、お昼持ってきたっちゃよ。(ミダレ)」
にゃーご。(ニャーゴ)
「お帰りですぞ。
ノア殿は先程再び寝に入られました。
何分熱に浮かされて碌に寝られていませんでしたからな。(クリストフ)」
とある長屋の一室に入ると、ノアの愛猫ニャーゴと、クリストフが出迎えてくれた。
先程まではヴァンディットも居たらしいが、商人見習いのミリアの所に補充様の薬品と包帯を買いに出掛けたとか。
ピトッ。(寝入るノアの頬に触れる)
「…とは言え、右腕の大火傷の他に左鎖骨辺りや右足にも火傷を負っている為か体温調節が上手くいかず、体温が高いのは相変わらずですがね。(クリストフ)」
「ニャーゴちゃん大活躍だね。(ミダレ)」
にゃんご。(ニャーゴ)
眠るノアの右肩辺りには、まるで日光浴でもするかの様にネコクラゲのニャーゴが横たわり、汗腺が焼けて体温調節が上手くいかないノアの身体から熱を吸収する事で、一応ノアはスヤスヤと眠る事が出来ていた。
と
《…でもご主人様、契約者様凄く魘されてるよ。
今度は『山火事』の夢見てる。》
「んー…それじゃあ、夢の中に入って助けに行ってあげようか。
『ガシッ!』…へぇ?(ミダレ)」
使い魔のイスクリードがノアが魘されているのを見るや、ミダレが夢に介入して解消してあげようと提案するが、ミダレは突然腕を掴まれ
ムギュッ!モニ…
「ひゃ!?あ、ノアく」
「ん~ニャーゴ、君はひんやりしてて気持ちいいなぁ…ムニャムニャ…」
「あ、あン、ノ、ノア君寝ぼけて…
あ、あっちはニャーゴちゃんじゃないっちゃ…(ミダレ)」
んにゃ?(ニャーゴ)
熱に魘され、その上寝ぼけたノアに捕まりミダレは強引に身動き1つ取れない状態で羽交い締めにされてしまった。
スンスン…
「んんん~?今日のニャーゴは果物みたいな香りがするにゃぁ…
食べちゃいたい位だよ…」
「あ、あ、ノア君、ご飯は持ってきてあげたから…ね?起きて、た、食べよ?
と、というか、クリストフさん、イスクリード、見てないで助けて…(ミダレ)」
「《え?助けて良いの?》ですかな?(クリストフ)」
「……。(照)」
未だ寝ぼけ続けるノア。
使い魔のイスクリードとクリストフは助ける事無く傍観していた。
と、そこに
コンコン。ガチャ。
「療養中の所申し訳ありませんノア様。
御加減の方は如何に…はっ!?(ミミカ)」
〈体調の方は大丈夫なのだーわ…さ…?〉
「あ!いや、あの、これはっ…!?(ミダレ)」
「どうしたのですミミk…
あっ!いけませんミミカ!ステラさん!ノア様はお取り込み中の様です!
何て間の悪い…オホホ、失礼致しました、ごゆるりと…(ミミルナ)」
「ぃや!あの!違うんです!
ノア君寝ぼけて『ホニ』ひゃぅん!?(ミダレ)」
「ぅ~ん…ニャーゴー…」
ノアの様子を見に来たミミカ、その母ミミルナ、ステラの3人がノアとミダレの情事(勘違い)を目撃。
ミダレは訳を説明しようとするが、寝ぼけたノアは腰や脇に手を回して離そうとしない。
「ミミカ、この長屋には人の立ち入りを禁ずる様兵に伝達なさい。(ミミルナ)」
「は、はわわ…は、はい!(ミミカ)」
〈ハーピー族に言って長屋の周りに<遮音>を掛けた貰うのだーわさー。〉
「では私は水を汲んでおきましょう。(悪ノリクリストフ)」
《この長屋に近付く人が居たら寝かせれば良いんだね。(悪ノリイスクリード)》
「き、気遣いは結構です!
それよりも、た、助けてっちゃね!(ミダレ)」
「…ムニャ?」
その後何とか目を覚ましたノアは、大慌てでミダレを解放。
存外悪い気はしなかったミダレがちょっと残念そうにしていたのは、ミミカだけ気付いていなかったのだった。
「…よい、しょっと…」ギシッ…
「あの、休んでいなくて大丈夫ですか…?(ミミルナ)」
「この3日間寝っ放しでしたので大体疲れは取れました。
火傷の方も治療のお陰で炎症も治まって比較的軽くなったので、そろそろ体を慣らさないと。
それに…」
「「「〈それに?〉」」」
「…これ以上寝込んでたら、また事故を起こし兼ねないから…」
ミダレが持ってきてくれたお昼を頂き、少しした後、ノアが重い腰を上げて外に出ようとする。
ノアは現在防具を身に付けておらず、麻のシャツとズボンというラフな格好である。
右腕と右足、左鎖骨辺りや身体の各所に包帯を巻き、火傷を覆っているが端々から火傷の跡が見え隠れしているので中々痛々しい。
右手で物を取る事は出来るが、まだその都度痛みが走るらしい。
「それに協力してくれた人にお礼を言いたいしね。」
「ではお供しますぞ。(クリストフ)」
「あ、あっちも…(ミダレ)」
〈だわさー。〉
街へと向かうノアに、サポートとしてクリストフとミダレ、ステラが着いていく事となった。
~『フロンテイラ』~
ガチャッ。
「やぁノア、もう起きても大丈夫なのか?(レドリック)」
「あ。」
「もう少しゆっくりしてても良いのよ?(アミスティア)」
「もう大丈夫だよ。
…といっても、火傷自体はまだまだだけどね。」
外に出るとまず始めに両親と出会す。
柔和な笑みを浮かべて息子の体を案じるが
「その様ね。
ノアちゃん昔から本当にしんどいとピクリとも動かず寝入るけど、余裕が出来てくると人に襲い掛かるものね。(アミスティア)」
「大丈夫かい?
息子酷い事されなかったかい?(レドリック)」
「いや、あの…えへへ…(ミダレ)」
「人聞きの悪い事を言うなぁっ!
それとミダレさん否定するなら直ぐに否定して!」
両親はいつも通りの両親であった。
~2組目・美幸と悠~
「あ!ノア君!もう起きて大丈夫なの!?(美幸)」
「えぇ、まぁお陰様で。」
「獣人国の時もそうだったけど、やっぱりノア君は凄いや。
最後のアレ何だったの?龍みたいな姿になったり尻尾生えてたり…
○化みたいだったよ…?(悠)」
「虚○?」
「ああいや、何でもない…(悠)」
両親の次に出会したのは美幸と悠で、不安と安堵半分な表情で出迎えてくれた。
「でもまぁ元気そうだし安心したわ。
…いや、でも元気過ぎ、って言うか…ノア君、顔に似合わず″旺盛″なのね…(美幸)」
「え?」
「いや、盗み聞きするつもりは無かったんだけど、襲ってる音とか衣擦れの音とか生々しい音が響いてて…(悠)」
「いや、あの…えへへ…(ミダレ)」
「誤解です!誤解なんですっ!」
美幸と悠もノアとミダレの情事(勘違い)を耳にしており、白昼の大胆な行いに、お互い目を背けて頬を赤らめていた。
ノアは必死に説明したのだが、信じてくれたかどうかは定かでは無い。
~3組目・クラン『エイペス』『筋肉達磨』~
「え?アリッサさん達(王都大学院生達)帰っちゃったんですか?」
「あぁ。
確か来月闘技大会があるとかで、王都の【諜報】から告げられて息つく暇も無く昨日の昼頃にここを発っていったぜ。(ゴーラ)」
「どうやらあの3人は大会の出場者だったらしく、その内のゼーヴィスって男は蘇生薬を使わなければならない程の傷を負ったのだから、国に戻って精密検査をするのだろう。(バルク)」
「そんな…一声掛けてくれても良かったのに。」
「「いやいやいやいや。」」
「自分達以上にボロボロの奴を起こしてまで挨拶しに来るのは中々にハードル高いですぞ。(スクワ)」
3組目に出会ったのは、何故か全員丸太を担いだ類人猿クラン『エイペス』と『筋肉達磨』の皆さん。
丸太の件は置いといて、竜征趙討伐の打開策を打ち出してくれたアリッサに礼を言おうと思っていたノアだが、王都で開かれると言う闘技大会を来月に控えていると言う事もあってかノアが目覚める前にこの地を発ったという。
「…まぁまた何処かで会えた時にでもお礼を言っておこう…
それよりも皆さん何で丸太持ってるんです?」
「『フロンテイラ』新興に伴って冒険者ギルドを新しく建てるんですと。
10年置きに大氾濫が発生する事からも必要だとの判断でカルル領主殿が建設指示を出したそうです。(パンプ)」
「ほー…」
(『しっかり領主やってんな。』)
~4組目・ある母親~
「…にしても人通り少ないね。」
「今は昼ですからな。
シンプソン殿が炊き出しを行っている広場が反対側に御座いますので、皆そちらに出払っているのでしょう。(クリストフ)」
「なる程、確かに食材の殆んどがモンスターのドロップ品とは思えない位美味しかったからね、そりゃ人がそっちに行っちゃう訳だ。」
大氾濫や何やらで碌に街を歩いていなかったノアは取り敢えず道なりに街を散策していた。
現在昼頃なので街の人間の殆んどは炊き出し場に行っていて人通りが少ないらしい。
時折巡回中の兵士や大氾濫に参加してくれた冒険者達と出会すが、皆気さくに手を振る程度に留めていた。
と
「あ、あの!【鬼神】さんですよね?(母)」
「あ、はい。」
「私は戦闘職の夫を持つ元奴隷の村人です。
貴方のお陰で奴隷堕ちせずに家族共々この地で3人過ごせています。(母)」
「あ、いえ…そんな…
正直こんな大規模な氾濫になると思わなくて、何て危険な所に呼んでしまったのだろうと反省しています…」
ある一家の母親がノアを呼び止め、手短に感謝を述べてきた。
彼女は【勇者】軍に追われて命からがら逃げ延びたものの、盗み等野盗の真似事をしなければ生きる事が出来ず、方々で捕らえられ奴隷堕ちしてしまった者であり、この街『フロンテイラ』の住人の殆んどがそういった者達ばかりである。
それを不憫に思ったノアが奴隷商に働き掛けてこの地に呼び寄せたのである。
今回の大氾濫が無事終結し、各地の村々が復興すれば、奴隷と言う枷を取り払い、この地に残るも良し、産まれ育った村に戻るも良しとの判断を降したのであった。
だがいざ大氾濫が開始されてからというもの、ノアの中でこの判断は間違いだったのでは、と思っていた。
数日間死と隣合わせとなり、いつ莫大な量のモンスターに蹂躙されてもおかしくない死地に呼び寄せてしまったのだろう、と心の何処かでいつも考えていた。
「確かにこの数日間恐怖に怯えて心休まる時がありませんでした。
でも1番辛いであろう最前線で1歩も退く事もせずに戦う貴方の姿に勇気付けられました。
…家族を、私達の未来を救って戴き、ありがとうございました。(母)」
「…っ。」
全うに感謝を述べられたノアはどう反応して良いか分からず、その場に立ち尽くしてしまった。
「ふふ、それでは【鬼神】さんが目覚めた事を皆に伝えてきますね。
″大氾濫の主役が寝込んでいるのに戦勝祝いが出来ない″と皆口々に申していたので今夜はお祭りになるでしょうね。(母)」
「え?」
~その日の夜~
「それではーっ!
大氾濫終結の立役者である【鬼神】が目覚めたので!諸々含めてお疲れ様でしたーっ!
カンパーイッ!!(カルル)」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「カンパーイッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「カ、カンパーイ。」
最奥の山に掛かる日差しが橙から青紫色に変わる頃、街の至る所に酒樽が置かれ、街に居る全ての者達が杯を手にしていた。(※子供はジュース)
『フロンテイラ』の新領主となったカルルの音頭の下、乾杯の合図を告げられると、皆一斉に杯を呷っていた。
~旧イグレージャ・オシデンタル 現【魔王】占領区域~
【…遠くの方から賑やかな声が聞こえるな。
あの少年が言っていた大氾濫が終息し、戦勝祝いでもやっているのだろう。
…私も元の世界線で仲間と共に勝鬨を上げたかったな…】
「…【魔王】様…(アリス)」
【ふふ、湿っぽくなってしまって済まないな。
さ、始めようか。この日の為に兵(兵隊蟻)を増やし、膨大な魔力を確保したのだからな。】
「そうですね…(アリス)」
【今までは俺とアリス、それと兵隊蟻だけの″にわか【魔王】軍″であったが、これからは違う。
この世界での『新【魔王】軍』を造り出そう。】
現【魔王】占領区域の何処か、地面には幾何学模様の魔法陣が描かれ、それを補佐する様にまた別の魔法陣が二重三重に描かれていた。
【ヒュマノの連中は陣の意味を知らず、ただ単に贄を用意し、偶々俺をこの世界に喚び出してしまった。
全く、不快極まりない。】
陣の前で不満げな表情の【魔王】アクロスであったが、一度嘆息した後言葉を紡ぐ。
『『『『『コォオオオオオ…』』』』』(目映い光)
【だが俺は陣の意味を理解している。
元の世界では費用対効果に合わなかったが、今は是非も無い。
さぁ″異世界召喚″を開始しよう。】
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「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
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