ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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天空大陸~終わりの始まり

小人(大体お爺ちゃん、ペットはトナカイ)

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~『ハルモニア』・市街~


zzZZZッ!(クソデカイビキ)


【どういう状況?】

「う、うむ…
ステラさんからウェルカムドリンクがてらに強い酒を戴いてな、お互い酔いが回ってしまっなのだが…(ホロ酔いルルイエ)」

〈カルルちゃんだけ潰れちゃったのだわさ…〉


腕の火傷が完治し、湖エリアから市街に戻ってきたノアが見たものは、自身の背丈程しかないとある小人の家屋に凭れ掛かり酔い潰れて大イビキをかいているカルルの姿であった。


『『ゆさゆさ。』』

【ほら、カルルさん起きて下さい。
小人さんが困るでしょう?】

「ふご…ぅぅ~ん…ムニャムニャ…(酔い潰れカルル)」

【全くもぅ…】


スッ…(右手を掲げる)


「え?え?ノア殿?(ホロ酔いルルイエ)」

〈ぼ、暴力はダメなのだわさ?〉

【ご安心を。
暴力は振るいませんの、で!】


ベチィッ!(激痛しっぺ)


「ぁ痛ァッ!?(カルル)」


酔い潰れていたカルルは、5秒間息をするのも忘れて悶絶した後、完全に目を覚ますのだった。





ジンジン…(くっきり指の形にミミズ腫れ)

【良いですかカルルさん?
天空大陸のハルモニアに来た目的を思い出して下さいね?
ステラさんや他のケット・シーやクー・シー、来訪して来る龍種何かも居るんです。
友好関係を築く前に醜態を晒してどうするんですか…?】クドクド…

「べ、弁明のしようもありません…(カルル)」


ミミズ腫れが出来た右手首を擦りながらクドクドと説教を食らうカルル。

ステラはウェルカムドリンクとして酒を勧めたのだが、自分で飲むのだから許容量は分かっているハズである。

にも関わらずグビグビと飲んでしまった結果潰れてしまった訳だ。

今後父親のルルイエと共に貴族の社交界にお呼ばれする機会は増えるハズなので、そこら辺もう少し弁えて欲しいものである。


〈それではそろそろ私の屋敷に招待するのだわさ。そこで少しお話ししつつ仲の良いお隣さんとして調印等を済ませたいのだわさ。〉

【そういう訳です、ルルイエさんとカルルさんは共に屋敷にお呼ばれして下さい。】

「え?ノア君は行かないのか?(カルル)」

【今後近所付き合いするのはルルイエさんとカルルさん両名。
僕は本来冒険者で、何れはまた何処かに流れていく存在故、2人とは同じ並びに立たない方が良いでしょう。】

「弁える所は弁え、引く所はしっかり線引きするか。ノア殿なりの心遣いなのだな。(ルルイエ)」


ステラはハルモニアの代表として、ルルイエはヴァリエンテ領の代表として、カルルは新興された街フロンテイラの代表としてこの場に来ている。

仲を取り持ったのはノアであるが、これから行われるのは各所の代表が集まる大事な話し合いの場である。

広い括りで言えば一冒険者のノアが同席するのは如何なものか?という事でノアなりに考えて同席しない様にしたらしい。


【まぁ皆さんが話してる間、のんびり街を散策していますよ。】

〈それでしたら気兼ね無く散策して欲しいのだわさ。
近くにはハーピー族も居るでしょうから何かあれば申し付けて下さいなのだわさ。〉





ダワサ~。(手を振るステラ)


【行ってらっしゃーい。】フリフリ…


ハルモニアで一際大きな建物(と言ってもケット・シーやクー・シー基準である為、人間からすれば長屋の様な建物)へと向かう親子とステラ。

手を振って見送ったノアは、お話しが終わるまでの間街を散策する事に。

すると


〔ホッホッホ、さっきはありがとぅのぅ人族の少年よ。(小人1)〕

【あ、さっきの小人さん。】


足元の方からお爺ちゃんの声が聞こえたので下を向くと、そこには赤白の帽子と服を着た掌サイズのお爺ちゃんが立っていた。

ノアは先程このお爺ちゃんの姿を見ており、酔い潰れていたカルルが凭れ掛かっていた家屋の主がこのお爺ちゃんであった。


【先程はすいません。
知り合いが酔い潰れて家に入れなくしてしまって…】

〔ホッホッホ、良い良い。
この島で造られた酒は強いからのぅ、慣れとらんと酔い潰れてしまうのも無理無いわい。(小人1)〕


赤白衣装のお爺ちゃんは意外にも怒ってはおらず、柔和な態度を変える事無くノアに接していた。


(…にしても、変わった服だな…
ケット・シーやクー・シー達が着ている物とは違う印象だし、気持ち厚手に作られてるから北国育ちの人(?)みたいだ…)

(『顔の半分以上が髭で覆われてるが、ちゃんと前見えてんのかあの爺さん。』)


ノアの足元に居るお爺ちゃんが着ている服や帽子は赤白に統一され、まるで防寒着の様に厚手である。

ハルモニアには加護が散りばめられている為、気温は(ノア以外)適温に保たれている。
だから防寒着を着ていても暑くは無いだろうが、小人とケット・シーやクー・シーとで服飾が違うのは種族の差なのだろうか。

と、ノアと鬼神が考えていると


〔ホッホッホ。
派手じゃろう?この服や帽子は、儂らの仕事着なんじゃ。(小人1)〕

【あれ!?声に出てましたか!?】

〔ホッホッホ、顔に書いてあったでのぅ。(小人1)〕


まるで心の中での会話が聞こえていたかの様に小人のお爺ちゃんには筒抜けで、赤白の帽子と服は仕事着であると説明があった。


〔儂らはこの島の住人では無くての、夏の間だけここで休暇を過ごしとる。
秋口から準備を始めて真冬の数日間だけ仕事で飛び回っとるんじゃ。(小人1)〕

【仕事で飛び回る…
どんなお仕事なんですか…?】

〔『良い子に贈り物や願い事を叶えてあげるお仕事』じゃ。
時には視界が真っ白の猛吹雪の中をマッハで飛ぶ時もあるでな、これ位派手でないと気付かずにぶつかってしまうやも知れんでな。(小人1)〕

【へー…】

(マッハ?)
(『マッハ…?』)


他にも赤白衣装のお爺ちゃんはハルモニアの住人では無い事、お仕事の内容、服の派手さの理由を教えてくれた。

とそこに


『『『チリンリンッ♪』』』(沢山の鈴の音)

〔おーいタクロー。
こん子の食事から戻ってきたぞー。(小人2)〕


〔おーぅ。たーんと食わせてやったかー?(小人1こと"タクロー")〕


〔勿論じゃ。
たんと食わんと吹雪の中を飛べんからな。(小人2)〕

【うわー、ちっちゃなトナカイだ。可愛いー!】


小人1こと"タクロー"の仲間であろう2人目の赤白衣装のお爺ちゃんが沢山のトナカイを引き連れてやって来た。

このトナカイもお爺ちゃん同様掌サイズしか無い為とても小さく可愛らしい。


〔あのトナカイ、と言う精霊に儂らが乗ったソリを引いて貰って世界中を飛び回っとるんじゃよ。(タクロー)〕

【え?あの小さな体で!?】
(『体は小さいが、スケールの大きい話だな。』)


タクローこと小人はどうやら真冬の数日間だけ世界中の良い子に贈り物や願い事を叶えてあげるお仕事をしているらしい。
変わった種族である。

と、小人ことタクローから仕事の内容を説明して貰った所で


〔所で少年よ、君は今年1年良い子であったかな?(タクロー)〕

【え?】



トナカイ…語源は『一"戸"建ての"中"で"飼"える』から来ていると言われている。
地上にもトナカイは居るが、この個体とは全くの別種。

ケット・シーやクー・シー、小人等と同様精霊が変化した存在と言われている。

存在は確認されているものの、小人しか育てれないと言われ生態その他諸々まるで分かっていない。  
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