ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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天空大陸~終わりの始まり

天空大陸の話はここまでで、次から地上に戻ります

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【今年1年良い子で…ですか?】

〔そうじゃ。
儂らは子供に会ったら一応聞いておるんじゃ。
良い子であったかどうかをな。
そして儂らが見た感じ良い子であったなら、その子に贈り物か願い事を叶えてあげる事にしとるんじゃ。(タクロー)〕

【はぁ…】 


小人のお爺ちゃんタクローから突然良い子であったかどうか聞かれたノアは思わず困惑。

だがノアは特段考える間も無く


【良い子…では無かったですね…】


〔ほぅ?そりゃまた何故かのぅ?(タクロー)〕


【僕、今年の春から冒険者になったんです。
【適正】の影響で1人で行動するのが常だと思ってたんですが、僕の周りには今沢山の仲間が居ます。
皆僕には勿体無い様な者達ばかりで…】


〔ほぅほぅ、それは日頃からの良い行いの賜物なのでは無いのかな?(タクロー)〕


【ですが僕、この半年で数え切れない位の厄介事に首を突っ込んでて、その何れでも大怪我を負って皆をいつも心配させてるんです…
気を付けてはいるつもりなのですが、最終的にはボロボロに…】


〔…まぁそうじゃなぁ。
今日ここへ来たのも傷を癒すのが目的だったみたいだしのぅ…(タクロー)〕


【心配させるだけ心配させてボロボロになっては治して、また何処かでボロボロになって…
春から使い始めた雑巾ですら、もうちょっと綺麗なハズですよ…?】


〔ぉぉぉ…それはあまりにも自分を卑下し過ぎでは無いかのぅ…?(タクロー)〕


雑巾を比較対象にしているノアに、物腰柔らかな小人のタクローすら引き気味である。


【なので…僕は良い子とは程遠いですかね…】


〔ふーむー…そうか…
少年は正直者な良い子じゃな。
うん、何か欲しい物や願い事はあるかのぅ?(タクロー)〕


【え?】


〔人と言う生き物は本来欲深き生き物じゃ。
他者に自分の評価をする場合、どうしても良い情報を相手に伝えたがるが、お主はそうしなかった。
それだけで良い子であると思うぞ。(タクロー)〕


【いや、でもさっき…】


〔さっきも言ったが、最終的に儂らが見て良い子か判断するでな、本人の思いはそんなに反映されん。(タクロー)〕


【…何か結構強引ですね…】


〔良い子は皆謙遜が過ぎるものじゃからな。
これ位強引じゃないと儂らの仕事が成り立たんのじゃ。
ほれ、何か欲しい物とか願い事を言うてみぃ。(タクロー)〕


【え、えぇ…?う、うーんと、そうですねぇ…】


ノアとしては良い子とは真逆な事を言ったにも関わらず、小人族のタクローから半ば強引に良い子判定を受けた様で、結果欲しい物や願い事の要望を問われたのであった。

とはいえ、小人族でも叶えられない物はある様で



・『死者を甦らせて欲しい』等の自然の摂理に反する事。

・『お金持ちになりたい』『神の力が欲しい』等の非現実的な事。

は叶える事は出来ないとの事。(当たり前だ)



とはいえ、ノアは初対面の小人族に欲しい物や願い事を叶える力は無いと思っているで、当たり障りの無い『○○だと良いなぁ』位の願い事を伝えるのだった。





~約10分後~


〔ほぅ?そんな事でええのか?(タクロー)〕


【そんな事て…
その地の事は詳しく無いですが、最低1年位は外界と隔絶されるらしいって言ってましたよ?】


〔ホッホッホ、その位任せておけぃ。(小人2)〕
〔何処ぞの王女様とかで無いのなら大丈夫じゃわい。(小人3)〕

〈ねーお爺ちゃん、『エルフの森』って何処の事ー?(クー・シー)〉

〔えー?じゃあ地上に居た可愛らしい娘はその内の1人って事?
君、その歳で中々手広くやってるのねぇ。(ハーピー族のヤンチャラット)〕


《この者は短い期間で各地を点々としているらしいからな、巡り会う事が多い故出会いも多いのだろう。(通りすがりの四季龍インヴェルノ)》


ノアが旅の始まりからこれまでの経緯を小人族のタクローに説明しつつお願い事について案を挙げていると、いつの間にか他の小人族が集まり、クー・シー、ハーピー族のヤンチャラット、通りすがりの四季龍インヴェルノまで話を聞いていた。

彼等は普段聞かない地上の話に興味があったらしく、その上稀有な体験ばかりなノアの話は非常にウケが良かった。

最初は小人族のタクローから願い事・欲しい物の要望を問われていたのだが、いつの間にかノアの語りを聞く集まりとなっていた。

不思議とノアも口が回り、余った時間で街を散策するつもりであったが、すっかり話し込んでしまい、あっという間に2時間位経過するのであった。





~ステラの屋敷~


ガチャ。

〔てな訳で今後もヨロシクなのだわさ。〕

「こちらこそよろしくお願いします。
良き隣人となれる様精進します。(カルル)」

「無論私も協力を惜しまんぞ。(ルルイエ)」


2時間程後、ステラ、カルル、ルルイエの3人ふ会談を終えて屋敷の外に出てきた。
どの様な取り決めがあったか知らないが、3人の表情や口調からして良い結果になったのは明白であろう。




「…お?
…ふふ、彼らしいな。(ルルイエ)」

〈あらー、仲の良い事で。〉

「私も何れ、あの様に種族関係無く和気藹々と話せる間柄になりたいモノです。(カルル)」


3人の視界には、街の広場で輪を作り、小人族、ケット・シーやクー・シー、ハーピー族に龍族らと肩を並べて語りを行っているノアの姿が映っていた。





『ケット・シー印の温泉まんじゅう』×6包み
『クー・シー手製の骨型ビスケット』×5箱
『雪だるま型のチケット』1枚
『暴風雪避けの羽根飾り』×20枚
『朱・蒼・翠・橙・他色の龍鱗』各色×10枚
『ハルモニア名産ウイスカ(ウィスキー)樽』×10樽



【いやいや…お土産とはいえこんなには…】


〈"街を散策するつもりだったのに話し込んで足を止めてしまったお詫び"って皆言ってたのだわさ。〉

〔ホッホッホ、面白い話を聞かせて貰った。
ちなみにその『チケット』が証明代わりじゃ。
真冬の24日~25日は手元に置いとくのじゃぞ?(タクロー)〕

〈〈〈また地上のお話し聞かせてねー。〉〉〉

〔済まない…加護の効かない君に私達から贈れるのはこの程度…
もしくはその羽根飾りに語り掛けてくれたら手助けに向かえるやも知れん…(ヤンチャラット)〕


「"お土産"の範疇に収まらない代物が混じってる様な…(カルル)」

「ノア殿だからこそ、だな…(ルルイエ)」


会談を終え、地上に戻る事になった一行。
ノアは山の様なお土産と共に帰路に着くのだった。
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