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第3章:始まるは学院対抗戦
第62話:熱血的なファン
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──コツコツコツ
いつもの足音に加えて、セシリアの少し高めのヒールが鳴らす、シューファとライルの足から鳴る音よりも高い音が耳に刻まれる。
「一応そろそろ約束の時間になるはずなんだが……まだ来ていないよな」
カフェから歩き、待ち合わせをする予定の場所に戻ってきていた。
だがまだ四人とも来ていない様子で……シューファ達三人は噴水近くのベンチに腰を掛けて待つ。
「あ、あれ。サラさん達じゃないですか?」
ラルトは、遠くに薄く見える黒い豆粒のような、4つの点を指さしながらシューファに向かって話しかける。
「いや……全く見えないんだが……ラルトにはあれが何か見えるのか?」
「見えるも何も……普通に見えるじゃないですか」
さも当たり前かのようにラルトはパッと口にする。
……いや、普通は見えないよな?
いくらここが開けているとは言ってもな……服の色すら見えないほど遠くにいるのに見えるわけがない。
「……ラルトは野生動物かなんかなのか?」
思わず、シューファはそんなことを口にしていた。
これが見えるなんて、野生動物かどこかの民族のほか考えられないだろう。
「はは……シューファさんも冗談を言うんですね。普通の人間ですよ」
「別に冗談を言ったつもりはなかったんだが……」
それに聖級魔導師の時点で、普通の人間ではないんだよな……。
まぁ、今はそういうことにしておこう。
段々と大きくなってくるその黒い点の方に視線を向けながら、シューファはそう結論付けた──。
♢♢♢
「すみません、少し遅れてしまいました」
「いいよいいよ、数分だけだし」
きっと集合するときに誰かが少し遅れてしまっただけだろう。
さすがにそんなことで怒るほど、俺は短気ではない。
そう思っていた途中、サラは「あら」と物珍しいものを見た時の様子で、セシリアの方に視線を向ける。
「あなたは……セシリアさんですよね?」
「は、はい」
この状況だけを見れば、サラがセシリアを一方的に知っているように見えるだろう。
ただ、この二人は昔に会ったことがある。セシリアが俺の家に住んでいたころに。
セシリアはその当時まだ小さかったから、サラのことを覚えていないのか……
「サラさん……?」
いや覚えてたんかい。
さっきセシリアが覚えていないことを考えこんだのに……全く意味がなかった。
「やっぱり、サラさんですよね!?」
その瞬間、なぜかはわからないがセシリアの目は、そこで星が光っているように思うほど輝いていた。
「はい……そうですが……」
サラがその問いに首を縦に振ると、セシリアは「やっぱり!!」と口にした後、サラの両手をガシッと掴んでペラペラと話し始めた。
要約するとセシリアはサラの大ファンだったようだが……あまりにも話が速かったため、今回は割愛させてもらおう。決して話が長すぎて、途中から聞いていなかったわけではないからな……?
♢♢♢
「すみません……はしゃぎすぎてしまいました」
「いいですよ。そんなに熱血的なファンの方に会ったことな……くはないですが、久しぶりだったので嬉しかったですし」
「うぅ……」と恥ずかしそうに下を向くセシリアに、サラはそう言葉を放つ。
その言葉を聞いて安心したのか、セシリアは何かを思い出したかのように、サラ達四人の方に体を向け、口を開く。
「私……恥ずかしながらメンバーの方達とはぐれてしまって……できれば学院対抗戦の会場まで一緒に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
セシリアは話し終わるよりも先に頭を下げ始めていた。
それに対して四人は
『いいですよ』
と快く受け入れた。
♢
あれから少し時は経ち、俺らは会場へと歩き始めていた。
年が近いこともあってか、セシリアはすぐにガイル学院の三人と打ち解け、仲良く話しながら歩き進めている。
「そういえばシューファさん、暇つぶしがてらに少し話しませんか?」
「珍しいな、急に。まぁいいが……」
「世間話と言っても、先程の話の続きなんですが……」
さっきの話……あぁ、フェンの戦いの話のことか?
違うかもしれないが……
「狼と龍の話のことです」
まるで俺の心を読むかのように、ラルトはニコッと笑いながら話す。
「あの戦いで興味深いものを見つけたんですが、本能的にこれをむやみに扱えば何か起こると感じていて、どう処理しようか迷っていて……」
そういいながらラルトはポケットに手を突っ込んで、そのモノを俺に差し出す。
「これは……魔石、なのか?」
ラルトが差し出してきたものとは、これまで見たこともないほどに進化が進んだ、深紅に染まった魔石だった──────
いつもの足音に加えて、セシリアの少し高めのヒールが鳴らす、シューファとライルの足から鳴る音よりも高い音が耳に刻まれる。
「一応そろそろ約束の時間になるはずなんだが……まだ来ていないよな」
カフェから歩き、待ち合わせをする予定の場所に戻ってきていた。
だがまだ四人とも来ていない様子で……シューファ達三人は噴水近くのベンチに腰を掛けて待つ。
「あ、あれ。サラさん達じゃないですか?」
ラルトは、遠くに薄く見える黒い豆粒のような、4つの点を指さしながらシューファに向かって話しかける。
「いや……全く見えないんだが……ラルトにはあれが何か見えるのか?」
「見えるも何も……普通に見えるじゃないですか」
さも当たり前かのようにラルトはパッと口にする。
……いや、普通は見えないよな?
いくらここが開けているとは言ってもな……服の色すら見えないほど遠くにいるのに見えるわけがない。
「……ラルトは野生動物かなんかなのか?」
思わず、シューファはそんなことを口にしていた。
これが見えるなんて、野生動物かどこかの民族のほか考えられないだろう。
「はは……シューファさんも冗談を言うんですね。普通の人間ですよ」
「別に冗談を言ったつもりはなかったんだが……」
それに聖級魔導師の時点で、普通の人間ではないんだよな……。
まぁ、今はそういうことにしておこう。
段々と大きくなってくるその黒い点の方に視線を向けながら、シューファはそう結論付けた──。
♢♢♢
「すみません、少し遅れてしまいました」
「いいよいいよ、数分だけだし」
きっと集合するときに誰かが少し遅れてしまっただけだろう。
さすがにそんなことで怒るほど、俺は短気ではない。
そう思っていた途中、サラは「あら」と物珍しいものを見た時の様子で、セシリアの方に視線を向ける。
「あなたは……セシリアさんですよね?」
「は、はい」
この状況だけを見れば、サラがセシリアを一方的に知っているように見えるだろう。
ただ、この二人は昔に会ったことがある。セシリアが俺の家に住んでいたころに。
セシリアはその当時まだ小さかったから、サラのことを覚えていないのか……
「サラさん……?」
いや覚えてたんかい。
さっきセシリアが覚えていないことを考えこんだのに……全く意味がなかった。
「やっぱり、サラさんですよね!?」
その瞬間、なぜかはわからないがセシリアの目は、そこで星が光っているように思うほど輝いていた。
「はい……そうですが……」
サラがその問いに首を縦に振ると、セシリアは「やっぱり!!」と口にした後、サラの両手をガシッと掴んでペラペラと話し始めた。
要約するとセシリアはサラの大ファンだったようだが……あまりにも話が速かったため、今回は割愛させてもらおう。決して話が長すぎて、途中から聞いていなかったわけではないからな……?
♢♢♢
「すみません……はしゃぎすぎてしまいました」
「いいですよ。そんなに熱血的なファンの方に会ったことな……くはないですが、久しぶりだったので嬉しかったですし」
「うぅ……」と恥ずかしそうに下を向くセシリアに、サラはそう言葉を放つ。
その言葉を聞いて安心したのか、セシリアは何かを思い出したかのように、サラ達四人の方に体を向け、口を開く。
「私……恥ずかしながらメンバーの方達とはぐれてしまって……できれば学院対抗戦の会場まで一緒に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
セシリアは話し終わるよりも先に頭を下げ始めていた。
それに対して四人は
『いいですよ』
と快く受け入れた。
♢
あれから少し時は経ち、俺らは会場へと歩き始めていた。
年が近いこともあってか、セシリアはすぐにガイル学院の三人と打ち解け、仲良く話しながら歩き進めている。
「そういえばシューファさん、暇つぶしがてらに少し話しませんか?」
「珍しいな、急に。まぁいいが……」
「世間話と言っても、先程の話の続きなんですが……」
さっきの話……あぁ、フェンの戦いの話のことか?
違うかもしれないが……
「狼と龍の話のことです」
まるで俺の心を読むかのように、ラルトはニコッと笑いながら話す。
「あの戦いで興味深いものを見つけたんですが、本能的にこれをむやみに扱えば何か起こると感じていて、どう処理しようか迷っていて……」
そういいながらラルトはポケットに手を突っ込んで、そのモノを俺に差し出す。
「これは……魔石、なのか?」
ラルトが差し出してきたものとは、これまで見たこともないほどに進化が進んだ、深紅に染まった魔石だった──────
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