富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

文字の大きさ
1,892 / 3,215

「紅六花ビル」宴

しおりを挟む
 「弱肉強食」に5時過ぎに戻った。
 もう1階では小鉄が他の従業員と戦争のような忙しさだった。
 子どもたちが急いで着替えて厨房に入って手伝う。
 俺は六花と一緒に響子を起こして、一緒に風呂に入った。
 
 「響子のオッパイは段々大きくなりましたね」
 「そうだなー」
 「エヘヘヘヘ」

 もう亜紀ちゃんや双子を抜いている。

 「こないだよ、柳のオッパイが大きくなったって大騒ぎでな」
 「またですか」

 六花が笑った。

 「俺がいい加減にしろってまた怒ってな。そうしたら「ちっぱい同盟」は解散するんだってよ」
 「ああ、ありましたね」
 「みんなで『仰げば尊し』を歌った」
 「アハハハハハハ!」

 六花が爆笑した。
 俺は響子に、日本の学校の卒業式で歌う歌だと説明し、響子も笑った。

 「俺まで一緒に歌わされてさ。なんかよく分かんねぇよなぁ」
 「響子も卒業だな」
 「うん!」

 六花と『仰げば尊し』を歌ってやった。
 響子が喜んだ。

 風呂から上がり、着替えて1階に降りた。
 もう大体のメンバーが集まっていて、配膳などを始めている。
 「暁園」からのマイクロバスも2台到着した。
 子どもたちが入って来て、「紅六花」の連中が大歓迎する。
 子どもたちが案内されて席に着いて行った。

 俺は竹流を連れて、外の駐車場のベンチに行った。
 二人でギターを抱えている。

 「どうだ、緊張してるか?」
 「はい! でも嬉しいです!」
 「そうか」

 今日は余興で何曲か二人で弾く予定だった。
 ほんの一握りの人間しか知らない。
 よしこと「暁園」のスタッフの数人だ。
 竹流がギターを持って来たのは多くの人間が見ている。
 だから竹流が弾くのかもしれないと思っている人間もいるだろう。
 
 竹流にはクラシックギターの他、エレキギターも渡していた。
 今日の演奏のためにだ。
 「暁園」ではエレキは練習出来ず、よしこが別な場所を用意していた。
 だから誰も聴いていない。
 二人でちょっと音を合わせた。

 「おい、いい感じだな!」
 「そうですか!」

 竹流が喜んだ。
 
 「お前が失敗しても、俺が必ずカバーするからな。思い切りやれ」
 「はい!」

 俺たちはギターを仕舞って中へ入った。
 よしこが俺の所へ来て、そろそろ始めると言った。

 六花が簡単な挨拶をし、よしこが「暁園」の子どもたちにたくさん食べてくれと言った。
 俺が乾杯の音頭を取った。

 「今日も「紅六花」と「弱肉強食」の人たちが豪華で美味い食事を用意してくれた。まずはお礼と拍手を!」

 みんなが「ありがとうございます」と言い、拍手をした。
 小鉄が懸命に頭を下げていた。

 「じゃあ、今日は大いに飲み食いしよう! 乾杯!」
 『乾杯!』

 宴が始まり、「紅六花」の連中があちこちに料理を運んで行く。
 既にテーブルにも大量の料理があり、みんなが銘々に食べ始める。
 「暁園」の子どもたちは「紅六花」のメンバーと一緒に座っている。
 うちの子どもたちも各テーブルに散って盛り上げている。

 俺のテーブルは響子と六花と吹雪、よしことタケと亜蘭だ。
 六花が大量の唐揚げに大喜びだった。
 吹雪は先に済ませているので、少し興味を持ったものを口に入れてやる。
 ロボも俺の後ろで唸りながら食べていた。
 ステーキの他、ホタテやマグロなど、ロボの好物が満載だ。

 連れて来た夏音は竹流と一緒に座らせた。
 二人とも久し振りの再会で、喜んでいた。

 みんな料理を堪能し、一段落した。
 うちの子どもたちが大量のステーキを食べ始める。
 小鉄たちが一生懸命に焼いてくれた。
 みんなが喰いっぷりに喜んでいる。

 「皇紀さんは残念でしたね」
 「まーなー。俺もここまで長引くとは思ってなかったぜぇ」
 「そうなんですか」

 よしこが会いたがっていた。

 「いろいろこの辺や「暁園」にも防衛システムを組んでもらって。ちゃんとお礼を言いたかったんですけど」
 「まあ、また機会はあるさ。今はフィリピンで頑張ってるよ」
 「あの、お一人なんですか?」
 「いや、あっちで千万組の真岡って男と他にも数人。あとは一応護衛兼秘書で二人付けてる」
 「そうなんですか」
 
 まあ、護衛兼秘書はデュールゲリエの戦闘アンドロイドだが。

 「アジアで最初の「虎」の軍の拠点を作るからな。まあ、初めてのことなんでいろいろとなぁ」
 「大変ですね」
 「でも、あいつはやるよ。毎日電話で話してるけどな。あいつなら安心だ」
 「そうですか!」

 よしこも少し安心した。
 俺はスマホを取り出した。

 「あっちで舐められねぇようにな。俺と桜で男を上げてやった」
 「はい?」
 「髪を金髪の鬼剃りリーゼントにしてよ。スーツも靴もバッチリだぜぇ」
 「はい?」

 俺はスマホで撮った写真をみんなに見せてやった。
 みんな爆笑する。
 響子がスープを吹いた。
 六花が笑って口元を拭いてやる。

 「な、スゲェだろ!」
 「これ! 皇紀くんですか!」
 「そうだよー。風花にも写真を送ったら、やっぱ爆笑だった」
 「アハハハハハ!」

 みんなで笑う。

 「毎日電話でさ。最初に聞くのが「リーゼントにしてるだろうな!」ってな。「してますよ!」ってあいつが言うんだよ」
 「でも、向こうで通じますかね?」
 「まあ、とにかく「普通じゃねぇ」ってことは伝わるだろうよ!」
 「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」

 キャッツアイのサングラスや、髑髏のスゴイ指輪などもある。
 みんなで爆笑した。

 「千万組の桜と一緒にノリノリでやったんだ」
 「向こうでは何をやってるんです?」
 「まあ、あちこちの土地を回ってるよ」
 「じゃあ、不動産関係の人間と」
 「いや、大統領が最初」
 「「「「エェー!!!!」」」」
 「だって「虎」の軍の軍事基地だぞ? 勝手にやれねぇだろうよ」
 「じゃあ、皇紀君はこの格好で!」
 「そうだよ?」

 またみんなで爆笑した。

 「皇紀から聞いたけどさ。とにかく大統領と側近たちがぶったまげたって。報告を聴きながら、俺も笑いを押さえるのが大変だったぜ」
 「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」

 響子が笑い過ぎて苦しそうにしていた。



 そろそろいい時間になった。
 俺は竹流を呼んで、ちょっと外で音を合わせた。
 中へ入ると、よしこが俺たちの椅子を用意してくれていた。

 よしこが俺たちを紹介してくれる。

 「今日は特別に虎の旦那と竹流とでギターのライブをやって下さる! みんな拍手を!」

 盛大な拍手が湧いた。
 隣の竹流を見ると、笑って手を振っていた。
 ヘンな緊張は無いようだ。
 俺たちは一曲目、バッハのヴァイオリン・パルティータ第二番『シャコンヌ』を弾いた。
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

付喪神狩

やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。 容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。 自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

処理中です...