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《ニルヴァーナ》との戦い
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ブランの方々が全員戦死され、研究所員全員がその葬儀に参列した。
誰もが悲しんでいたが、石神さんが最期にブランの方々の希望を叶えてくれたことは分かっている。
僕たちの思い出の地である、旧蓮花研究所でブランの方々は戦って亡くなった。
そして葬儀もそこで執り行われた。
ブランの方々の遺体は出来るだけ丁寧に集められた。
《シャンゴ》を使って自爆された方々などの遺体は無かったが、事前に髪を切って残されていたものが見つかった。
ご自分の最期を覚悟してのことだったのだろう。
全員の遺髪が残されていたのだ。
そしてブランの方々が残した遺書も見つかった。
遺書というか、みんなへの感謝の手紙であり、それぞれの宛名の人物へ渡された。
僕の分まであった。
最期の日々でそういうものを残しながら過ごしていたのだと分かった。
それを知って、また全員が泣いた。
石神さんの意向でここに墓所が作られることになった。
みんな、一番いい場所だと言っていた。
僕もそ思う。
ここには数々の思い出がある。
みんなで必死になって研究をし、ブランの方々も命懸けでここを護っていた。
そして楽しい思い出が多い。
みんなで毎日一緒に食事をし、楽しく話した。
時にはピクニックにも出掛け、また映画鑑賞や宴会もした。
蓮花さんがみんなを楽しませようとしていた。
僕は後から研究所に加えて頂いたが、そんな僕をみなさんが気にかけて大事にして下さった。
ブランの方々ともすぐに仲良くなり、訓練を見学させてもらったりしたことを思い出す。
あの人たちはもういないのだ。
ブランの方々は一年前から徐々に体調を崩して行き、蓮花さんが悲しそうだった。
石神さんに、静かに終わらせてやりたいと頼んでいたのも知っている。
でもブランの方々は戦場での死を望んだ。
蓮花さんは戦死の報を聞き、何日も部屋から出て来なかった。
みんなで心配していた。
ジェシカさんが何度も蓮花さんのお部屋へ行ったが、食事もせずにやつれるばかりだった。
石神さんが来て、何とか蓮花さんも立ち直った。
でも、葬儀の最中に何度も泣き崩れ、みんなでまた心配した。
ジェシカさんとシャドウさんがずっと蓮花さんの傍にいて慰めていた。
本当に悲しい葬儀だった。
葬儀を終え、みんなで以前のように大食堂に集まって食事をした。
石神さんがギターを弾き、ブランたちを送っていた。
みんながブランたちの思い出を話していた。
僕にももちろんある。
石神さんに呼ばれ、話をした。
まだ若い僕がショックを受けているかと心配して下さったのだろう。
そういう方だった。
消沈している蓮花さんもいた。
「稔、大丈夫か?」
「はい。悲しいですが、ブランのみなさんの希望が叶って良かったと思っています」
「そうだな。だけどな、悲しいよなぁ!」
石神さんがそう叫んで、涙を流された。
その通りだ。
みんな分かっている。
悲しくてしょうがないのだ。
「石神さん、ブランのみなさんのお陰で、《ニルヴァーナ》のワクチンが早く完成しました」
僕はあの日のことを思い出して言った。
「そうだったな。あいつらがポルトガルまで行って、必死に感染者を集めてくれた。まだどういうウイルスかも分からず、感染の可能性もあったのにな」
「そうです。デュールゲリエだけではダメでした。ミユキさんたちが重要な情報を送って下さったお陰です」
「そうだな。あいつらは世界を救った。もう十分にやってくれたのにな」
「石神さん、ブランのみなさんは立派です」
「ああ、そうだ。あんなに純粋で立派な奴らはいない」
石神さんの隣で蓮花さんがまた大声で泣いていた。
誰も蓮花さんの悲しみは埋められない。
それが辛かった。
だから僕はブランの方々が立派だった話を石神さんとした。
それしか出来なかった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「ポルトガルの港町でバイオノイド多数侵攻! 未知の感染症が拡大!」
その報告に、研究所員全員が緊張した。
ついに《ニルヴァーナ》が使われたのだ。
情報は続々と集まって来た。
「虎」の軍の全てが最優先で《ニルヴァーナ》の情報を集め、解析し、対処を進めていた。
石神さんも研究所に来られ、蓮花さんと一緒に対策を指示していた。
第一陣の感染者が運ばれてくる。
完全密封のコンテナで最下層の「ウイルス研究施設」に運ばれる。
もちろん何重にも何度も除菌処理がされている。
まずはデュールゲリエの研究員が解析をしていく。
まだ人間は入らない。
「他の地域では!」
「現在のところ確認されていません。《ウラノス》《アイオーン》他全ての超量子コンピューターが現状を解析」
「すぐに隔離処理を! 急げ!」
「デュールゲリエ500000体で封鎖作戦展開中」
「足りねぇ! もっと動員しろ! 感染箇所は拡大してるんだぞ!」
「タイガー、冷静になれ! 他の都市もバイオノイドを送り込まれる可能性もある! デュールゲリエは温存しておくべきだ!」
「統合本部」のターナー大将が映像回線で進言する。
蓮花さんが次々と研究所内の指示を出していく。
僕は急いでウイルスの解析の準備を整えた。
この日のために、様々な測定・解析機器を用意していた。
霊素を解析する特殊な顕微鏡まで作った。
《ニルヴァーナ》には必ず妖魔が混入されているだろうからだ。
だけどとにかく急がなければならない。
現状では感染したら治す方法は無いのだ。
犠牲者が拡大する前に、早くワクチンを開発しなければならない。
ここでワクチンが出来なければ、人類は滅びる。
「虎」の軍の最大の戦いだった。
僕たちは全力で取り組んだ。
誰もが悲しんでいたが、石神さんが最期にブランの方々の希望を叶えてくれたことは分かっている。
僕たちの思い出の地である、旧蓮花研究所でブランの方々は戦って亡くなった。
そして葬儀もそこで執り行われた。
ブランの方々の遺体は出来るだけ丁寧に集められた。
《シャンゴ》を使って自爆された方々などの遺体は無かったが、事前に髪を切って残されていたものが見つかった。
ご自分の最期を覚悟してのことだったのだろう。
全員の遺髪が残されていたのだ。
そしてブランの方々が残した遺書も見つかった。
遺書というか、みんなへの感謝の手紙であり、それぞれの宛名の人物へ渡された。
僕の分まであった。
最期の日々でそういうものを残しながら過ごしていたのだと分かった。
それを知って、また全員が泣いた。
石神さんの意向でここに墓所が作られることになった。
みんな、一番いい場所だと言っていた。
僕もそ思う。
ここには数々の思い出がある。
みんなで必死になって研究をし、ブランの方々も命懸けでここを護っていた。
そして楽しい思い出が多い。
みんなで毎日一緒に食事をし、楽しく話した。
時にはピクニックにも出掛け、また映画鑑賞や宴会もした。
蓮花さんがみんなを楽しませようとしていた。
僕は後から研究所に加えて頂いたが、そんな僕をみなさんが気にかけて大事にして下さった。
ブランの方々ともすぐに仲良くなり、訓練を見学させてもらったりしたことを思い出す。
あの人たちはもういないのだ。
ブランの方々は一年前から徐々に体調を崩して行き、蓮花さんが悲しそうだった。
石神さんに、静かに終わらせてやりたいと頼んでいたのも知っている。
でもブランの方々は戦場での死を望んだ。
蓮花さんは戦死の報を聞き、何日も部屋から出て来なかった。
みんなで心配していた。
ジェシカさんが何度も蓮花さんのお部屋へ行ったが、食事もせずにやつれるばかりだった。
石神さんが来て、何とか蓮花さんも立ち直った。
でも、葬儀の最中に何度も泣き崩れ、みんなでまた心配した。
ジェシカさんとシャドウさんがずっと蓮花さんの傍にいて慰めていた。
本当に悲しい葬儀だった。
葬儀を終え、みんなで以前のように大食堂に集まって食事をした。
石神さんがギターを弾き、ブランたちを送っていた。
みんながブランたちの思い出を話していた。
僕にももちろんある。
石神さんに呼ばれ、話をした。
まだ若い僕がショックを受けているかと心配して下さったのだろう。
そういう方だった。
消沈している蓮花さんもいた。
「稔、大丈夫か?」
「はい。悲しいですが、ブランのみなさんの希望が叶って良かったと思っています」
「そうだな。だけどな、悲しいよなぁ!」
石神さんがそう叫んで、涙を流された。
その通りだ。
みんな分かっている。
悲しくてしょうがないのだ。
「石神さん、ブランのみなさんのお陰で、《ニルヴァーナ》のワクチンが早く完成しました」
僕はあの日のことを思い出して言った。
「そうだったな。あいつらがポルトガルまで行って、必死に感染者を集めてくれた。まだどういうウイルスかも分からず、感染の可能性もあったのにな」
「そうです。デュールゲリエだけではダメでした。ミユキさんたちが重要な情報を送って下さったお陰です」
「そうだな。あいつらは世界を救った。もう十分にやってくれたのにな」
「石神さん、ブランのみなさんは立派です」
「ああ、そうだ。あんなに純粋で立派な奴らはいない」
石神さんの隣で蓮花さんがまた大声で泣いていた。
誰も蓮花さんの悲しみは埋められない。
それが辛かった。
だから僕はブランの方々が立派だった話を石神さんとした。
それしか出来なかった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「ポルトガルの港町でバイオノイド多数侵攻! 未知の感染症が拡大!」
その報告に、研究所員全員が緊張した。
ついに《ニルヴァーナ》が使われたのだ。
情報は続々と集まって来た。
「虎」の軍の全てが最優先で《ニルヴァーナ》の情報を集め、解析し、対処を進めていた。
石神さんも研究所に来られ、蓮花さんと一緒に対策を指示していた。
第一陣の感染者が運ばれてくる。
完全密封のコンテナで最下層の「ウイルス研究施設」に運ばれる。
もちろん何重にも何度も除菌処理がされている。
まずはデュールゲリエの研究員が解析をしていく。
まだ人間は入らない。
「他の地域では!」
「現在のところ確認されていません。《ウラノス》《アイオーン》他全ての超量子コンピューターが現状を解析」
「すぐに隔離処理を! 急げ!」
「デュールゲリエ500000体で封鎖作戦展開中」
「足りねぇ! もっと動員しろ! 感染箇所は拡大してるんだぞ!」
「タイガー、冷静になれ! 他の都市もバイオノイドを送り込まれる可能性もある! デュールゲリエは温存しておくべきだ!」
「統合本部」のターナー大将が映像回線で進言する。
蓮花さんが次々と研究所内の指示を出していく。
僕は急いでウイルスの解析の準備を整えた。
この日のために、様々な測定・解析機器を用意していた。
霊素を解析する特殊な顕微鏡まで作った。
《ニルヴァーナ》には必ず妖魔が混入されているだろうからだ。
だけどとにかく急がなければならない。
現状では感染したら治す方法は無いのだ。
犠牲者が拡大する前に、早くワクチンを開発しなければならない。
ここでワクチンが出来なければ、人類は滅びる。
「虎」の軍の最大の戦いだった。
僕たちは全力で取り組んだ。
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