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18 なんでもない振り
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「なんていうか……私が可愛いねって言ったら、可愛いねって返してくれるみたいな。予定調和ですかね。自分たちが本当に思って居るとか、それには関係ないんです。お互いに心地良くて傷つけない関係であることが一番に大事なことだから。あと、深い話もしないのは、スクショされて熱く語るきもい奴って周知されたら、絶対嫌だから。だから、ひろーっくあさーっく、たくさん名前だけ知っていたり、顔見知りだったりは居ます。けど……会えないなら寂しい人なんて、私には誰も居ないんです」
今の時代を生きる私たちは、絶対周囲から浮きたくないし、目立ちたくない。大人から告げられる自分を持て個性を持てなんて、ただの罠で綺麗事だ。
それをして、しんどそうな人はたくさん見てきた。
だから、私たちは同じような考えをして、同じような会話をしていることが最善の処世術。それが楽しいとかは、別に大事なことでもない。
楽しそうな振り、皆と同じ考えの振り。
だって、集団の中に居る異分子だと思われたら、爪弾きにされるじゃん。絶対そんなの嫌だよ。
良くないなって思うことでも、無関係で見ない振り。だって、それを指摘したら次は自分がどんな目に遭わされるか。
一番大事なのは周囲の皆と同じ画一的な存在であり、強い主張なんて持たずに適当にへらへらしてて、心からの胸の内なんて誰にも見せる訳ない。
本音を偽り合う関係性が、一番安心出来るから。
「ああ……聖女様は本音を言い合える相手が居なくて、寂しかったんですか」
「そんなことはっ……」
ないと言いかけて、片目からぽろっとこぼれ落ちた涙に自分が一番驚いた。
友達? たくさん居るよ。
けど、表面的なことしか言えない。
家に帰っても誰もいない家庭が寂しくてしんどいとか、そんなことを言い出したら空気が盛り下がる駄目な奴に成り下がっちゃう。嫌だよ。ノリ良くて良い感じにするから、一人になんてなりたくない。
明るい振り楽しい振り、なんでもない振り。
そうだよ。今だって十何年もやって来れたことなんだから……これから一生続けるなんて、訳ないよ。
ずっと、私はそう思ってて……つらくて。
「……すみません」
思ったより近くに来て居たジュリアスは、私の顎を持ち上げて背をかがめると自然な動きでキスをした。
今までは単なる事故だったり、そっと触れるだけだったりしたけど……これは普通のキスだった。
慰めるためにキスをしたことを、今謝られたの……?
わからない。けど、角度を何度か変えたキスに夢中になっていたのは、他でもない私の方だった。
「……ジュリアス」
「泣き止みましたね」
ジュリアスには思った通りになったのか、にっこりと微笑んだ。まんまと思うがままになった私は……彼のことが本当に好きなんだと思った。
「ジュリアス。好き……」
いつも真面目で優しくあの馬鹿王子だってちゃんと叱って目の前の人を大事にしてくれる彼のことが、本当に好き……元の世界の私と、正反対のような存在。
「……聖女様。それが元の世界から逃げたいだけの理由であれば、僕はお受け出来ません」
ベッドに座ったままだった私は背の高い彼のはっきりとした言葉に、はっと上を向いた。
ジュリアスの目は真剣だったし、私は彼の言葉をすぐに否定も出来ない。
元の世界に帰りたくないと思ったのは確かだし、普通に生きていれば出会える訳もない素敵な騎士ジュリアスを好きになったのも……確か。
けど、私を見つめるジュリアスの目は真剣で生半可な理由では、ここは切り抜けられなさそうだった。
今の時代を生きる私たちは、絶対周囲から浮きたくないし、目立ちたくない。大人から告げられる自分を持て個性を持てなんて、ただの罠で綺麗事だ。
それをして、しんどそうな人はたくさん見てきた。
だから、私たちは同じような考えをして、同じような会話をしていることが最善の処世術。それが楽しいとかは、別に大事なことでもない。
楽しそうな振り、皆と同じ考えの振り。
だって、集団の中に居る異分子だと思われたら、爪弾きにされるじゃん。絶対そんなの嫌だよ。
良くないなって思うことでも、無関係で見ない振り。だって、それを指摘したら次は自分がどんな目に遭わされるか。
一番大事なのは周囲の皆と同じ画一的な存在であり、強い主張なんて持たずに適当にへらへらしてて、心からの胸の内なんて誰にも見せる訳ない。
本音を偽り合う関係性が、一番安心出来るから。
「ああ……聖女様は本音を言い合える相手が居なくて、寂しかったんですか」
「そんなことはっ……」
ないと言いかけて、片目からぽろっとこぼれ落ちた涙に自分が一番驚いた。
友達? たくさん居るよ。
けど、表面的なことしか言えない。
家に帰っても誰もいない家庭が寂しくてしんどいとか、そんなことを言い出したら空気が盛り下がる駄目な奴に成り下がっちゃう。嫌だよ。ノリ良くて良い感じにするから、一人になんてなりたくない。
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そうだよ。今だって十何年もやって来れたことなんだから……これから一生続けるなんて、訳ないよ。
ずっと、私はそう思ってて……つらくて。
「……すみません」
思ったより近くに来て居たジュリアスは、私の顎を持ち上げて背をかがめると自然な動きでキスをした。
今までは単なる事故だったり、そっと触れるだけだったりしたけど……これは普通のキスだった。
慰めるためにキスをしたことを、今謝られたの……?
わからない。けど、角度を何度か変えたキスに夢中になっていたのは、他でもない私の方だった。
「……ジュリアス」
「泣き止みましたね」
ジュリアスには思った通りになったのか、にっこりと微笑んだ。まんまと思うがままになった私は……彼のことが本当に好きなんだと思った。
「ジュリアス。好き……」
いつも真面目で優しくあの馬鹿王子だってちゃんと叱って目の前の人を大事にしてくれる彼のことが、本当に好き……元の世界の私と、正反対のような存在。
「……聖女様。それが元の世界から逃げたいだけの理由であれば、僕はお受け出来ません」
ベッドに座ったままだった私は背の高い彼のはっきりとした言葉に、はっと上を向いた。
ジュリアスの目は真剣だったし、私は彼の言葉をすぐに否定も出来ない。
元の世界に帰りたくないと思ったのは確かだし、普通に生きていれば出会える訳もない素敵な騎士ジュリアスを好きになったのも……確か。
けど、私を見つめるジュリアスの目は真剣で生半可な理由では、ここは切り抜けられなさそうだった。
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