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26 冷徹な料理人
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「……思い込みで、何かを言わない方がよろしいのでは? もうすぐご自分に訪れる近い未来については殿下ご自身が、一番知っているのではないですか」
ジュリアスはエセルバードを見る目を細めて、冷たくそう言い放った。
彼とは対照的に熱くなっている様子のエセルバードはジュリアスが若返った団長だということを、以前から疑っていたのかも知れない。
そうよ……よくよく考えて見ればそれを変に思わない方が、おかしかったのかも。
いきなり居なくなった団長に、代理としてやって来た息子……それに、私の祝福の力。団長が居なくなっても騎士団の結束が変わりないのは、副団長で現在団長代理のハミルトンさんが細かく説明したからだ。
昔から右腕だったハミルトンさんが、互いに信頼している団長のことで嘘をつくはずがないと……それに、息子として現れた若いジュリアスの強さは、群を抜いていた。
団長の息子なら強いだろう=では、これからの旅も問題ない=別にその他に考える必要ない。そんな結論になってしまっても、それは仕方ないと言える。
「黙れ! ……お前が、ジュリアス本人なんだろう。俺は騙されないぞ。何故、聖女の祝福の能力が知れたのなら俺に言わないんだ? 取られるのが怖いのか?」
「お見苦しい。これほどにまで否定されていても、話を聞き入れないのですか」
何を言っても引きそうにないエセルバードを前に、ジュリアスは諦めの気持ちを込めてか大きく息をついた。隣に居る私も何かしなきゃと思ってはいるんだけど、口を挟む隙間も何処にも見当たらないの!
「何が息子だ。お前は絶対にジュリアス本人だ! それとて、うるさいジュリアスそのままの言葉ではないか」
いつも叱られているから、説教の言葉をわかっているんだ……なんだか、もの悲しい。
「いいえ。違いますと言っているのが、これだけ言っても理解できないのですか」
「うるさい! 黙れ黙れ! お前のやりたい事は、もうわかっているぞ! 俺がその世にも珍しい能力を持つ聖女を奪うと思ったんだろう。人が若返る祝福など、これまでに聞いたことがない! ……誰もが欲しがるさ。お前や俺以外にも世界中の人間がな!」
もしかしたらだけど……能力を知ったジュリアスがこうなることを予見して、先んじてこんな風に聖女の祝福を利用しようとするエセルバードから、私を守ってくれたのかもしれない。
自分が怪我をしたから、唇を許せって言って来る人は……もしかしたら、居るかも知れないけど、騎士団の皆さんは皆優しい。
私が嫌だと言えば、きっと無理強いはしないはずだ。
「失礼ですが、エセルバード殿下。聖女様が断られれば、そのご要望は受け入れられません。何もかも規則で定められているはずです……異世界から喚んだ聖女の今後は、彼女の選択によると。残って貰うことは、誰も強制出来ぬのだと」
「はっ……何か無理強い出来ぬだ。お前のように色仕掛けをすれば良いではないか。その聖女様はお前恋しさに、この世界に残る……だとすれば、お前には得しかないな?」
嫌みっぽく言ったエセルバードに、ジュリアスは絶対零度の氷の視線を向けた。この馬鹿な生き物をどう調理してやろうかという、冷徹な料理人にも見える。
ジュリアスはエセルバードを見る目を細めて、冷たくそう言い放った。
彼とは対照的に熱くなっている様子のエセルバードはジュリアスが若返った団長だということを、以前から疑っていたのかも知れない。
そうよ……よくよく考えて見ればそれを変に思わない方が、おかしかったのかも。
いきなり居なくなった団長に、代理としてやって来た息子……それに、私の祝福の力。団長が居なくなっても騎士団の結束が変わりないのは、副団長で現在団長代理のハミルトンさんが細かく説明したからだ。
昔から右腕だったハミルトンさんが、互いに信頼している団長のことで嘘をつくはずがないと……それに、息子として現れた若いジュリアスの強さは、群を抜いていた。
団長の息子なら強いだろう=では、これからの旅も問題ない=別にその他に考える必要ない。そんな結論になってしまっても、それは仕方ないと言える。
「黙れ! ……お前が、ジュリアス本人なんだろう。俺は騙されないぞ。何故、聖女の祝福の能力が知れたのなら俺に言わないんだ? 取られるのが怖いのか?」
「お見苦しい。これほどにまで否定されていても、話を聞き入れないのですか」
何を言っても引きそうにないエセルバードを前に、ジュリアスは諦めの気持ちを込めてか大きく息をついた。隣に居る私も何かしなきゃと思ってはいるんだけど、口を挟む隙間も何処にも見当たらないの!
「何が息子だ。お前は絶対にジュリアス本人だ! それとて、うるさいジュリアスそのままの言葉ではないか」
いつも叱られているから、説教の言葉をわかっているんだ……なんだか、もの悲しい。
「いいえ。違いますと言っているのが、これだけ言っても理解できないのですか」
「うるさい! 黙れ黙れ! お前のやりたい事は、もうわかっているぞ! 俺がその世にも珍しい能力を持つ聖女を奪うと思ったんだろう。人が若返る祝福など、これまでに聞いたことがない! ……誰もが欲しがるさ。お前や俺以外にも世界中の人間がな!」
もしかしたらだけど……能力を知ったジュリアスがこうなることを予見して、先んじてこんな風に聖女の祝福を利用しようとするエセルバードから、私を守ってくれたのかもしれない。
自分が怪我をしたから、唇を許せって言って来る人は……もしかしたら、居るかも知れないけど、騎士団の皆さんは皆優しい。
私が嫌だと言えば、きっと無理強いはしないはずだ。
「失礼ですが、エセルバード殿下。聖女様が断られれば、そのご要望は受け入れられません。何もかも規則で定められているはずです……異世界から喚んだ聖女の今後は、彼女の選択によると。残って貰うことは、誰も強制出来ぬのだと」
「はっ……何か無理強い出来ぬだ。お前のように色仕掛けをすれば良いではないか。その聖女様はお前恋しさに、この世界に残る……だとすれば、お前には得しかないな?」
嫌みっぽく言ったエセルバードに、ジュリアスは絶対零度の氷の視線を向けた。この馬鹿な生き物をどう調理してやろうかという、冷徹な料理人にも見える。
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