モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?

待鳥園子

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02 モブな私と主役級の彼について②

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「ねえねえ。澪って、どんな人が理想なの?」

 ある時、前の席で仲良しクラスメイト寧々ちゃんに、休み時間何気なく聞かれて私は同じように何気なく答えた。

「眼鏡掛けてる人って、良いよね……頭良さそうだし」

 昨日読んだ漫画のヒーローは眼鏡を掛けて居て素敵だったと、思い出しながら私は適当に答えた。

「えー! 眼鏡男子! 他には?」

 とは言っても、平々凡々な私は彼氏が出来る兆候もなければ、現実的な好きな人が居る訳でもない。良いなって思う人は居るには居るけど格好良い人は、大体釣り合うような可愛い子と付き合うものだ。

 なので、理想の相手など居るようで居ない私は、何も考えずに今の切実な思いを口にした。

「数学が得意で、教えてくれる人が良いな……ほんと、補習嫌だもん」

「それって、もはや好きなタイプ関係なくない? 家庭教師で良くない? でも、確かに数学出来ると、格好良く見えるよね。理数クラスなんて、私。絶対行きたくないもん」

 大学付属の私立中学校に通う私たちは、大学受験などの関係で三年生から理数系のクラスと文系に別れる。

 私たちは文系でも一応出来る方のA組。理数系は、男の子ばっかりで近づき難い。

 寧々ちゃんはくすくす笑って、持っていた雑誌を私の方へと開いて見せた。何人かのイケメンが、こちらを見て微笑んでいる。

「ねえ、澪……どういう髪型の人が好き?」

 そう聞かれて、私は何も考えずに好感度が高そうな短髪の人を指さした。

「んー、この人かな。すっきりしてて、見た目爽やかなんだもん」

「澪って、短い髪が好きなんだね」

 へえーと納得したようにして、寧々ちゃんは頷く。

「寧々ちゃんは、どうなの?」

「私は、絶対こっちの人! そもそも、顔が格好良くない?」

 寧々ちゃんはそのイケメン達の中でも一際目立つ人を指さした。女性雑誌に特集を組まれるようなアイドルとして載っているんだから当たり前なんだけど、彼は本当に綺麗な顔をしている。

「髪型なんて関係なくない? ただ、この人の顔が好きなだけでしょ。私にはわかる」

 絶対そうだと頷いた私に、寧々ちゃんは頬を膨らませた。

「顔だけじゃないよ~。全体的に? この子はとっても良い子なんだからね! という訳で、この子だったらどんな髪型でも良く思えると思うだけで~」

 アイドル好きな寧々ちゃんが推しの美点を語り出すのを、うんうんと聞き流しながら私は頬杖をついて笑った。

 そんな良くある出来事の日常の一コマ。それがまさか、あんな風にして彼と縁が繋がっていくなんて……本当に、想像もしていなかった。
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