モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?

待鳥園子

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08 放課後の波紋①

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 どこまでも、気分がふわふわしてる。

 綿菓子の雲みたいな、そういうものに包まれているような。ふかふかの毛皮の絨毯の上を歩いているような。

 とっても、形容し辛い不思議な気分。

「おーい、澪! 澪!」

「……わっ、寧々ちゃん、どうしたの?」

 椅子から体を無理な体勢で捻って、寧々ちゃんは顔を顰めた。

「いや、まだ帰らないの? 何度言っても、空返事で上の空なんだから……まあわからなくてもないけど? 朝、あんなことがあったらねえ?」

 にやにやとして笑う顔に、次は私が顔をしかめた。

「寧々ちゃん!」

「ごめんごめん。ちょっとからかっただけだよ。帰る? それとも彼氏の部活終わってから帰る?」

「彼氏じゃないってば」

 付き合ってないし。断じて、彼氏彼女なんかではない。

「なんなの、じゃあ」

「……友達?」

「え、友達? 誰の事?」

 いきなり声が聞こえて、椅子に座ったままの私と寧々ちゃんは声の主を見上げた。昨日からかけ始めた黒縁眼鏡がまず目に入り、見上げる程の長身。

 私がふわふわしている原因っていうか元凶の、鷹羽くんだ。

「あれ、鷹羽くん、部活は?」

 寧々ちゃんは、彼のことを話していたことなんてなかったかのように鷹羽くんに問い返した。

 部活に入っている子は、ホームルームが終わり次第バタバタと廊下に飛び出して行ってる。

 体育会系の部活の子は、先輩が来る前に準備を終わらせたりしないといけないだろうから、二年生の彼は普通だと急ぐはずだ。

「昨日と今日は、部活休み」

 肩をすくめながら、寧々ちゃんの疑問に対して鷹羽くんは答えた。バスケ部、今日も休みなんだ。私はほっと安心して、息をついた。

「へえー、そうなんだ。私は用事があるんで先に帰るんだけど、良かったら二人で帰ったら? 友達、なんでしょ?」

 寧々ちゃんは、私にウインクしながら鞄を持って立ち上がった。さっきまで、一緒に帰る流れだったよね!?

「え! 寧々ちゃん!?」

「じゃあね~! また何かあったら、気軽に連絡してね」

 素早い動きの寧々ちゃんは、鞄を手にして手を振り教室を出ていく。


 そして、呆気に取られたまま残される私と鷹羽くん。

 私は何も言えずに長身の彼を見上げると、鷹羽くんは苦笑しながら言った。

「もし、有馬が良かったら、俺と一緒に帰る?」

「……うん」

 まさか鷹羽くんと帰ることになると思っていなかった私は、戸惑いながら頷いた。
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