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02 これが噂の婚約破棄②
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……もうっ……! もうっ……なんなの! はっ……恥ずかしいー!! 嘘でしょう。
これまで、着たこともないから、知らなかった。貴族令嬢の着ているドレスって、重くて驚くほど動きにくい。
床スレスレまで長さのあるスカートなんて、これでまでに一度も履いたことないから、見事に内側にある裾を踏んでしまった。
高いヒールにも慣れていないし、こうした服を着ている時の足さばきなんてわかるはずがない。
ついさっきまで完全体の貴族令嬢だったんだから、体が覚えていないものなの?
不幸な要因が重なり転んでしまって、沢山の貴族たちが集まった断罪の場で、どんな顔をして起き上がれば良いか、床に伏せたまま暫し悩んだ。
どんなに悪事を重ねた悪役令嬢だとしても、断罪として婚約破棄された直後に、みっともなく転んでしまうなんて、あまりにも可哀想すぎる。
ええ。それって、まぎれもなく、この私のことなんだけどね。泣きっ面に蜂で、全異世界が涙するしかない。
そんな私の現状を思えば無理もないけど、すぐに助け起こしてくれる人もおらず、その場に居る誰もが反応を迷っているようだ。
さっきまでの断罪シーンの緊張感は何処へやら、貴族が集まる大広間は、くすくすと密やかな笑い声が重なり合って聞こえてくるだけだった。
早く立ち上がらないと……私は全方位にモテるヒロインではない憎まれ役の悪役で、誰にも助けてなんて貰えないんだから。
起きあがろうと力を込めた私の身体は、唐突に力強い腕にふわりと抱えられた。
「……リアム殿下。久しぶりの登城時に、このような場に立ち会うことになり、非常に残念です」
「お前。どうして、ここに居るんだ……?」
「幼い頃から婚約をしていたか弱い女性に対し、貴族を集めた夜会でわざわざ婚約破棄を宣言するとは……信じ難い。僕の爵位に付された権限を持って、厳重に抗議します」
整った顔がっ……! 顔が近いー! 凛とした声で放たれた言葉は、耳には入るものの、頭には入ってこない。
誰っ……誰、この人。顔が好み過ぎて、視線が吸い付いて離れない。とても間近にある、美しい金目。黒い髪を持つ彼は、逞しく長身だ。力強い腕で、私のことを横抱きにしている。
というか……この人、私が婚約破棄されたことを、怒っているの? もしかしたら、悪役令嬢ではあるけど、実は全ては濡れ衣パターンなのかな……?
完全な悪役だとしたら、こんな男性の助け舟は入らないはずだもの。
私の身体は貴族令嬢らしく細いとは言っても、数え切れないほどに薄い生地を重ねたドレスは、それなりの重さになるはずだ。
けど、危なげない動作で、彼は横抱きにしていた。そして、婚約破棄した王子様と同じくらい素敵な男性だった。
え……誰?
一生懸命記憶を探ったところで、貴族として育った記憶は全くないから、わかるはずもないんだけど。
あ、もしかして……ここは、乙女ゲーム世界な感じです……? それならば、納得する。わかる。だとすると、登場人物の顔面偏差値の高さに、理解しか示さない。
王子様もこの騎士っぽい男性も、現実に居るには格好良過ぎて、もし、私が現代に居て彼らが乙女ゲーム攻略対象者なら、スチルコンプの上、満足するまで何周でもする自信ある。
え……私ってリアム殿下に断罪されたから、この人と恋に落ちるってこと?
……わっ……悪くなくない? むしろ、伏して婚約破棄後のお相手をお願いしたいんですけど……!
これまで、着たこともないから、知らなかった。貴族令嬢の着ているドレスって、重くて驚くほど動きにくい。
床スレスレまで長さのあるスカートなんて、これでまでに一度も履いたことないから、見事に内側にある裾を踏んでしまった。
高いヒールにも慣れていないし、こうした服を着ている時の足さばきなんてわかるはずがない。
ついさっきまで完全体の貴族令嬢だったんだから、体が覚えていないものなの?
不幸な要因が重なり転んでしまって、沢山の貴族たちが集まった断罪の場で、どんな顔をして起き上がれば良いか、床に伏せたまま暫し悩んだ。
どんなに悪事を重ねた悪役令嬢だとしても、断罪として婚約破棄された直後に、みっともなく転んでしまうなんて、あまりにも可哀想すぎる。
ええ。それって、まぎれもなく、この私のことなんだけどね。泣きっ面に蜂で、全異世界が涙するしかない。
そんな私の現状を思えば無理もないけど、すぐに助け起こしてくれる人もおらず、その場に居る誰もが反応を迷っているようだ。
さっきまでの断罪シーンの緊張感は何処へやら、貴族が集まる大広間は、くすくすと密やかな笑い声が重なり合って聞こえてくるだけだった。
早く立ち上がらないと……私は全方位にモテるヒロインではない憎まれ役の悪役で、誰にも助けてなんて貰えないんだから。
起きあがろうと力を込めた私の身体は、唐突に力強い腕にふわりと抱えられた。
「……リアム殿下。久しぶりの登城時に、このような場に立ち会うことになり、非常に残念です」
「お前。どうして、ここに居るんだ……?」
「幼い頃から婚約をしていたか弱い女性に対し、貴族を集めた夜会でわざわざ婚約破棄を宣言するとは……信じ難い。僕の爵位に付された権限を持って、厳重に抗議します」
整った顔がっ……! 顔が近いー! 凛とした声で放たれた言葉は、耳には入るものの、頭には入ってこない。
誰っ……誰、この人。顔が好み過ぎて、視線が吸い付いて離れない。とても間近にある、美しい金目。黒い髪を持つ彼は、逞しく長身だ。力強い腕で、私のことを横抱きにしている。
というか……この人、私が婚約破棄されたことを、怒っているの? もしかしたら、悪役令嬢ではあるけど、実は全ては濡れ衣パターンなのかな……?
完全な悪役だとしたら、こんな男性の助け舟は入らないはずだもの。
私の身体は貴族令嬢らしく細いとは言っても、数え切れないほどに薄い生地を重ねたドレスは、それなりの重さになるはずだ。
けど、危なげない動作で、彼は横抱きにしていた。そして、婚約破棄した王子様と同じくらい素敵な男性だった。
え……誰?
一生懸命記憶を探ったところで、貴族として育った記憶は全くないから、わかるはずもないんだけど。
あ、もしかして……ここは、乙女ゲーム世界な感じです……? それならば、納得する。わかる。だとすると、登場人物の顔面偏差値の高さに、理解しか示さない。
王子様もこの騎士っぽい男性も、現実に居るには格好良過ぎて、もし、私が現代に居て彼らが乙女ゲーム攻略対象者なら、スチルコンプの上、満足するまで何周でもする自信ある。
え……私ってリアム殿下に断罪されたから、この人と恋に落ちるってこと?
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