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06 気にしている
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私はようやく隣に居たレックスを真っ直ぐに見たので、やっとこっちを向いたと思ったのか、彼は嬉しそうににかっと笑った。
……心臓に悪い。
だって、前世の記憶を取り戻すまでレックスのことを本当に好きだった訳だし、私には好きだという記憶が残っている。
けど、冷静に考えて、どんなに大好きな人でも、絶対に叶わない恋ならば、未練なく身を引きたかった。
レックスは金髪碧眼で凜々しく精悍な顔で、逞しく鍛えられた冒険者らしい身体を持ち、誰もが勇者と聞いて想像するようなTHEヒーローと言える外見を持っている。
まあ……控えめに言っても格好良いし性格良いし、世界救っちゃうくらい意志だって強いし、女の子にモテない訳がないよね。
レックスのことは嫌いでないから、厄介なのだ。彼の傍から離れないと、すぐにより好きになってしまいそうで。
「いや、それなら良いけど。最近、俺らの狩り場で魔物がよく倒されててさ……なんか、変なんだよなー」
レックスは頭をかきながら、話題を変えた。
「え。それって、良い事じゃない。魔物が減った方が旅に出る人だって襲われる心配はないし」
「良いのかな……いや、良くないよ! 俺らそれで儲けてんのに」
レックスは口を尖らせて、いかにも気に入らないといった様子だった。
今はレックスは冒険者をしつつランクを上げている状態だから、そういう時には魔物を倒した戦績が重要になる。だから、彼らには強い魔物がいる方が良いし、効率的に強くなって冒険者としてのランクも上げられてしまう。
「……冒険者には、そうかもね。私は採取に安全に行けるし、平和な方が嬉しいし……」
私は近付いて来たレックスから、距離を取った。止めて止めて。女の子に対してそういう無意識に懐に入ろうとしようとするの、止めてよ。
私に……好きになられて、どうするの。私以外にも、これからいっぱいそういう人が出て来るんだから、そっちと幸せになってよね。
「……なー。デルフィーヌ。俺が、なんか悪いことした?」
最近レックスや幼馴染みの集まりには、私は参加していない。レックスは皆で楽しく仲良くしよう! と、真顔で言っちゃうような真の陽キャだから、一人はぐれたようになっている私が気になっているようだ。
私はもうはぐれてて良いのよ。将来的に誰にでも優しい男を好きになって、不幸になりたいなんて、思わないもの。
「……してないわよ。レックス。私だって、いつまでも貴方の後ろに付いてまわる訳でもないし」
「それって、グスタフっていう男に何か関係ある?」
やけに、グスタフのことを気にしている?
……いいえ。自分のことを好きで好きで堪らなくて、いつも纏わり付いていたデルフィーヌが居なくなって、少しさみしいのかしらね。
冒険の旅に出たなら、いくらでも慰めてくれる可愛い子にいっぱい出会えるから、安心してね。
「グスタフが? 何のことなの? ううん。あの子とは、そういう関係じゃないわ」
「……あの子? あの男は、そんなに幼いようには見えないが」
私たちは今十七歳で、来年には成人になる。グスタフだって、魔族だけど同じ世代に見える。そして、数ヶ月後にはレックスだって、もうすぐ冒険の旅に出る。
そうしたら、私たちは年に何度かしか会えなくなるんだから、何を気にしているんだろうと思う。
……私のことは、幼馴染みで妹みたいな大事な存在なんでしょう。女性として好きでもないはずのに、放っておいてよ。
「事情があるのよ。レックスには関係ないでしょ」
「ふーん。そうか……」
レックスは何故か偶然会って帰るだけの私を家まで送って、戸締まりについて何度も注意してから帰って行った。
……変なの。
旅に出れば、すぐに忘れてしまう幼馴染みの一人私のことなんて、放っておけば良いのに。
……心臓に悪い。
だって、前世の記憶を取り戻すまでレックスのことを本当に好きだった訳だし、私には好きだという記憶が残っている。
けど、冷静に考えて、どんなに大好きな人でも、絶対に叶わない恋ならば、未練なく身を引きたかった。
レックスは金髪碧眼で凜々しく精悍な顔で、逞しく鍛えられた冒険者らしい身体を持ち、誰もが勇者と聞いて想像するようなTHEヒーローと言える外見を持っている。
まあ……控えめに言っても格好良いし性格良いし、世界救っちゃうくらい意志だって強いし、女の子にモテない訳がないよね。
レックスのことは嫌いでないから、厄介なのだ。彼の傍から離れないと、すぐにより好きになってしまいそうで。
「いや、それなら良いけど。最近、俺らの狩り場で魔物がよく倒されててさ……なんか、変なんだよなー」
レックスは頭をかきながら、話題を変えた。
「え。それって、良い事じゃない。魔物が減った方が旅に出る人だって襲われる心配はないし」
「良いのかな……いや、良くないよ! 俺らそれで儲けてんのに」
レックスは口を尖らせて、いかにも気に入らないといった様子だった。
今はレックスは冒険者をしつつランクを上げている状態だから、そういう時には魔物を倒した戦績が重要になる。だから、彼らには強い魔物がいる方が良いし、効率的に強くなって冒険者としてのランクも上げられてしまう。
「……冒険者には、そうかもね。私は採取に安全に行けるし、平和な方が嬉しいし……」
私は近付いて来たレックスから、距離を取った。止めて止めて。女の子に対してそういう無意識に懐に入ろうとしようとするの、止めてよ。
私に……好きになられて、どうするの。私以外にも、これからいっぱいそういう人が出て来るんだから、そっちと幸せになってよね。
「……なー。デルフィーヌ。俺が、なんか悪いことした?」
最近レックスや幼馴染みの集まりには、私は参加していない。レックスは皆で楽しく仲良くしよう! と、真顔で言っちゃうような真の陽キャだから、一人はぐれたようになっている私が気になっているようだ。
私はもうはぐれてて良いのよ。将来的に誰にでも優しい男を好きになって、不幸になりたいなんて、思わないもの。
「……してないわよ。レックス。私だって、いつまでも貴方の後ろに付いてまわる訳でもないし」
「それって、グスタフっていう男に何か関係ある?」
やけに、グスタフのことを気にしている?
……いいえ。自分のことを好きで好きで堪らなくて、いつも纏わり付いていたデルフィーヌが居なくなって、少しさみしいのかしらね。
冒険の旅に出たなら、いくらでも慰めてくれる可愛い子にいっぱい出会えるから、安心してね。
「グスタフが? 何のことなの? ううん。あの子とは、そういう関係じゃないわ」
「……あの子? あの男は、そんなに幼いようには見えないが」
私たちは今十七歳で、来年には成人になる。グスタフだって、魔族だけど同じ世代に見える。そして、数ヶ月後にはレックスだって、もうすぐ冒険の旅に出る。
そうしたら、私たちは年に何度かしか会えなくなるんだから、何を気にしているんだろうと思う。
……私のことは、幼馴染みで妹みたいな大事な存在なんでしょう。女性として好きでもないはずのに、放っておいてよ。
「事情があるのよ。レックスには関係ないでしょ」
「ふーん。そうか……」
レックスは何故か偶然会って帰るだけの私を家まで送って、戸締まりについて何度も注意してから帰って行った。
……変なの。
旅に出れば、すぐに忘れてしまう幼馴染みの一人私のことなんて、放っておけば良いのに。
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