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22 余計なこと
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「ローレン。俺だ」
「え……? ギャレット様……どうして」
薄暗い中に居る彼は夜会が開かれている、城の大広間に居るはずだ。
だって、王族主催の夜会だもの。彼は父たる王がその場を辞するまで居なければいけないはず。
「……こんなところで、一人で泣かなくても良い。何があったか教えてくれ。俺にも助けられることがあるだろう」
「なんでもありません……私はっ……もうっ、一人で大丈夫なので、もう行ってください」
そんな訳はないということは、それを口にしている私だってわかっていた。
「こんな君を放って行ける訳がないだろう。俺が、あの商人と話していることを詰ったからか? すまない……俺の婚約者なのにと思ったら、どうしても我慢が出来なくて……」
「……え?」
あ。ギャレット様は誤解しているんだ……違うんですっ……弟からの手紙が、手紙に……。
泣いていて興奮していたり、思わぬ彼の登場や誤解、それに抱きしめられているこの状況に驚き過ぎて良くわからなかったりで、私は何も言えずはくはくと口を動かすだけになってしまったんだけど、ギャレット様からは強い悲しみに感情が昂ぶっているように見えたかもしれない。
「ごめん」
唇に熱くて柔らかいものが押し当てられたと感じ、やけに冷静な頭の中の私は「これはもしベルセフォネ嬢に知られれば、ただでは済まされない」と思っていたりした。
何度か角度を変えて唇は重ねられ、時間の感覚がわからなくなった。彼とキスをしていたのは五秒だったかもしれないし、五分だったかもしれない。
けれど、離れた瞬間もキスをしている自分を信じられない私は、ずっと目を開けたままで居た。
「……ごめん」
それって、何の謝罪です? イーサンに嫉妬したこと? それとも、何も言わずに私にキスをしたこと?
「あのっ……これは、好きな人とするべきことなのでは」
「……俺も君が好きなので、何の問題もないだろう」
ギャレット様からの好意は隠しきれないものではあった。けれど、こんな風に好きだと言ってくれたのは、これが初めてだった。
「えっ……? そうです。そうですね。私もギャレット様が好きだから……その通りです」
両想いの婚約者同士のキスを阻める者は?
……居ないと思う。親だってキスくらいならと思うだろし。ミスヴェア王国で、男女のキスは禁止する法律はないもの。
「どうしたら、笑ってくれるんだ? ローレンの気持ちは、俺にはわからない。何か喜ばせようとしても、君は困った顔をするばかりだ」
「よっ……喜んでいますよっ……だって、私、ギャレット様のことが好きなのでっ……んっ」
口は災いの元とは、良く言ったもの。
けれど、私はその後長い間、口を塞がれることになったので、良かったのかもしれない。
これ以上、余計なことを何も言わずに済んで。
「え……? ギャレット様……どうして」
薄暗い中に居る彼は夜会が開かれている、城の大広間に居るはずだ。
だって、王族主催の夜会だもの。彼は父たる王がその場を辞するまで居なければいけないはず。
「……こんなところで、一人で泣かなくても良い。何があったか教えてくれ。俺にも助けられることがあるだろう」
「なんでもありません……私はっ……もうっ、一人で大丈夫なので、もう行ってください」
そんな訳はないということは、それを口にしている私だってわかっていた。
「こんな君を放って行ける訳がないだろう。俺が、あの商人と話していることを詰ったからか? すまない……俺の婚約者なのにと思ったら、どうしても我慢が出来なくて……」
「……え?」
あ。ギャレット様は誤解しているんだ……違うんですっ……弟からの手紙が、手紙に……。
泣いていて興奮していたり、思わぬ彼の登場や誤解、それに抱きしめられているこの状況に驚き過ぎて良くわからなかったりで、私は何も言えずはくはくと口を動かすだけになってしまったんだけど、ギャレット様からは強い悲しみに感情が昂ぶっているように見えたかもしれない。
「ごめん」
唇に熱くて柔らかいものが押し当てられたと感じ、やけに冷静な頭の中の私は「これはもしベルセフォネ嬢に知られれば、ただでは済まされない」と思っていたりした。
何度か角度を変えて唇は重ねられ、時間の感覚がわからなくなった。彼とキスをしていたのは五秒だったかもしれないし、五分だったかもしれない。
けれど、離れた瞬間もキスをしている自分を信じられない私は、ずっと目を開けたままで居た。
「……ごめん」
それって、何の謝罪です? イーサンに嫉妬したこと? それとも、何も言わずに私にキスをしたこと?
「あのっ……これは、好きな人とするべきことなのでは」
「……俺も君が好きなので、何の問題もないだろう」
ギャレット様からの好意は隠しきれないものではあった。けれど、こんな風に好きだと言ってくれたのは、これが初めてだった。
「えっ……? そうです。そうですね。私もギャレット様が好きだから……その通りです」
両想いの婚約者同士のキスを阻める者は?
……居ないと思う。親だってキスくらいならと思うだろし。ミスヴェア王国で、男女のキスは禁止する法律はないもの。
「どうしたら、笑ってくれるんだ? ローレンの気持ちは、俺にはわからない。何か喜ばせようとしても、君は困った顔をするばかりだ」
「よっ……喜んでいますよっ……だって、私、ギャレット様のことが好きなのでっ……んっ」
口は災いの元とは、良く言ったもの。
けれど、私はその後長い間、口を塞がれることになったので、良かったのかもしれない。
これ以上、余計なことを何も言わずに済んで。
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