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21 嫉妬
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「わかりました。そう思わせてしまった私がすべて悪いです。本当に申し訳ございません。お許しください。ギャレット様」
彼の婚約者を演じる期間が残っている私は、それ以外に何か言い訳するような言葉も浮かばずに、顔を俯かせてそう言った。
ギャレット様は何度か自分を落ち着かせるように、大きく息をして俯いていた私の顔を覗き込んだ。
「悪かった。俺も君が悪いと考えている訳ではないのだが……ああ。そうだ。嫉妬しているんだと思う。君にあいつが近寄ると思うと、本当に気分が悪い。かと言って、君の立場で話しかけてくる人間を無視することも出来ないだろう。悪いのは俺だ。すまない」
その時、ギャレット様の青い目を見て私は後悔した。本当にまっすぐで素直で、私の言葉に裏があることなんて、何も疑いもしてなくて……本当に美しくて。
胸が高鳴り、動悸が速まった。
こんなにも純粋な人を騙すなんて、私はなんという罪を犯しているのかしら。
「っ……申し訳ありません。今夜はこれで下がらせて頂きます」
私は耐えきれなくて、ギャレット様に背を向けて歩き出した。名前を呼ばれた気もするけど、ドレスの裾を両手で持ち上げて立ち止まらずに早足で進んだ。
彼に対する罪悪感なんて、捨てたはずだった。家族を守るために、私に出来ることならなんでもすると誓ったのに。
騙す人が良い人過ぎて……罪の意識を感じて辛くなるなんて。いつまでも、世間知らずのご令嬢のままだ。
私は急ぎ自分の宮にまで辿り着き、侍女より弟のクインから手紙が届いていると聞いて、またお父様が借金でもしたのかと慌てて封を開き白い便せんを読んだ。
悪いことというものは、重なるものだったことを忘れていた。
私はクインからの手紙を持ったままで、ふらふらと庭園へと向かった。
私付きの侍女も一声掛けたのだけど、彼女も何か悪い知らせが届いたようだと察したのか、そのまま一人にしてくれた。
この庭園は王族専用と言えど、王太子とその妃に用意されたものだ。誰も来ない。泣いているところは見られたくないし、出来るだけ今は一人で居たかった。
自分が……本当に情けない。人を騙してまでも、手に入れたはずの報酬の前金だって、騙し取られてしまうなんて。
クインの手紙は簡潔だった。領地での事業の話は嘘で、領地を代理で治める代官が調べたところ、すべて偽装されていたものだったと。
人を騙したら、いつか誰かに騙されるのかもしれない。私はそれが早かっただけ? 本当に笑えない。
「別にっ……それですべてが上手く行くと、期待していたわけじゃないわ……でも……っ」
自分が情けなくて、涙が止まらなくなった。
もしかしたら、あの人をもう騙さなくても良くなると思ったのに……いいえ。王妃様にも、前金だって貰っているのに……こんなことを考えているなんて、いけない。
池のほとりに辿り着き、いつものように蹲ろうとした時、後ろから抱きしめられて突然驚いた。
反射的に悲鳴をあげようとした時、彼が口に手を当てて焦ったように耳元で私の名前を呼んだ。
彼の婚約者を演じる期間が残っている私は、それ以外に何か言い訳するような言葉も浮かばずに、顔を俯かせてそう言った。
ギャレット様は何度か自分を落ち着かせるように、大きく息をして俯いていた私の顔を覗き込んだ。
「悪かった。俺も君が悪いと考えている訳ではないのだが……ああ。そうだ。嫉妬しているんだと思う。君にあいつが近寄ると思うと、本当に気分が悪い。かと言って、君の立場で話しかけてくる人間を無視することも出来ないだろう。悪いのは俺だ。すまない」
その時、ギャレット様の青い目を見て私は後悔した。本当にまっすぐで素直で、私の言葉に裏があることなんて、何も疑いもしてなくて……本当に美しくて。
胸が高鳴り、動悸が速まった。
こんなにも純粋な人を騙すなんて、私はなんという罪を犯しているのかしら。
「っ……申し訳ありません。今夜はこれで下がらせて頂きます」
私は耐えきれなくて、ギャレット様に背を向けて歩き出した。名前を呼ばれた気もするけど、ドレスの裾を両手で持ち上げて立ち止まらずに早足で進んだ。
彼に対する罪悪感なんて、捨てたはずだった。家族を守るために、私に出来ることならなんでもすると誓ったのに。
騙す人が良い人過ぎて……罪の意識を感じて辛くなるなんて。いつまでも、世間知らずのご令嬢のままだ。
私は急ぎ自分の宮にまで辿り着き、侍女より弟のクインから手紙が届いていると聞いて、またお父様が借金でもしたのかと慌てて封を開き白い便せんを読んだ。
悪いことというものは、重なるものだったことを忘れていた。
私はクインからの手紙を持ったままで、ふらふらと庭園へと向かった。
私付きの侍女も一声掛けたのだけど、彼女も何か悪い知らせが届いたようだと察したのか、そのまま一人にしてくれた。
この庭園は王族専用と言えど、王太子とその妃に用意されたものだ。誰も来ない。泣いているところは見られたくないし、出来るだけ今は一人で居たかった。
自分が……本当に情けない。人を騙してまでも、手に入れたはずの報酬の前金だって、騙し取られてしまうなんて。
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人を騙したら、いつか誰かに騙されるのかもしれない。私はそれが早かっただけ? 本当に笑えない。
「別にっ……それですべてが上手く行くと、期待していたわけじゃないわ……でも……っ」
自分が情けなくて、涙が止まらなくなった。
もしかしたら、あの人をもう騙さなくても良くなると思ったのに……いいえ。王妃様にも、前金だって貰っているのに……こんなことを考えているなんて、いけない。
池のほとりに辿り着き、いつものように蹲ろうとした時、後ろから抱きしめられて突然驚いた。
反射的に悲鳴をあげようとした時、彼が口に手を当てて焦ったように耳元で私の名前を呼んだ。
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