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27 緊張
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「ごめんごめん。困っているローレンが、あんまり可愛かったから」
可愛いと思ったら、キスってするものなんだ……勉強になります。いえいえ。そういうことでもなくて!
「ギャレット様。ここは外なので……! 恥ずかしいです」
いきなり昼日中の外でキスをされた私の涙目の抗議を聞いて、彼はなるほどと納得して言った。
「わかった。外であれば、確かに誰かに見られるかもしれない。外でなければ良いんだな?」
「そ……そうですね。あと、いきなりのキスは、駄目です」
「では、俺がキスをしたくなったら、どうしたら良いんだ」
「え? 私に……して良いか、聞いてください」
「……わかった。出来るだけ、ローレンの希望に添うようにしたい……キスしても良いか?」
「だっ……! 駄目ですよ! もう。何を言っているんですか!」
私が立ち上がると、彼も同じように立ち上がった。
「なんだ。残念。では、またの機会を楽しみにしよう」
そろそろ戻らなければならない時間なのか、常に彼の影のように寄り添う護衛騎士が現れて、ギャレット様に合図をした。
「あのっ……日傘、可愛いです。ありがとうございます」
小さくて軽くて……宝石が散りばめられているような豪華なものではないけれど、センス良く可愛らしい日傘だった。
「それでは、戻るよ。ローレンまたね」
と言って、ギャレット様は私の片手を取り、手の甲にキスをした。
流石は、生まれついての王族。流れるような上品な所作に、不自然なところなんて何一つ見えない。
彼らの姿が見えなくなるまで見送り、私はがっくりとしてベンチへと尻餅をつくように座った。
これが、もしかして半年続くのかしら……嘘でしょう。あれをなんでもない顔で拒否し続けねばならないなんて、対応が難し過ぎる。
「……驚いた。少し見ない間に、こんなにもあの王太子と仲良くなっているのか。ローレン」
「まさか。イーサン? 貴方。どうやって、ここへまで入りこんだの?」
振り向くと見えたのは私を将来娶るはずの男、大富豪イーサンだった。爽やかなグレーの貴族服を着こなし、当然のようにそこに立って居た。
けれど、ここは王族専用の庭園のはずだ。
「それは、とても愚かな質問だな。俺たちの飼い主がお呼びだ。行こう」
ということは、先ほど手紙を送ってきた王妃さまが、急ぎで私へ何か付け加えたいことがあったのかもしれない。
私はイーサンに案内されて進み、豪華な天蓋で日差しを遮る東屋で座る人物へとカーテシーをした。
彼女を目の前にすると、緊張する。料理をされる前の獣は、こんな気持ちなのかもれない。
彼女の鋭い光の緑の目で睨まれれば、今にも調味料を掛けられて食べられてしまいそうだもの。
黒い絹糸のような髪に緑色の目。紫色の体にそうドレスに、色気のある赤い唇。美しいけれど、妖艶な雰囲気を持つ女性。
現王妃アニータ様。崖に落ち縁に必死にぶら下がる私に、命綱を投げた人。
「お久しぶりです……アニータ様」
可愛いと思ったら、キスってするものなんだ……勉強になります。いえいえ。そういうことでもなくて!
「ギャレット様。ここは外なので……! 恥ずかしいです」
いきなり昼日中の外でキスをされた私の涙目の抗議を聞いて、彼はなるほどと納得して言った。
「わかった。外であれば、確かに誰かに見られるかもしれない。外でなければ良いんだな?」
「そ……そうですね。あと、いきなりのキスは、駄目です」
「では、俺がキスをしたくなったら、どうしたら良いんだ」
「え? 私に……して良いか、聞いてください」
「……わかった。出来るだけ、ローレンの希望に添うようにしたい……キスしても良いか?」
「だっ……! 駄目ですよ! もう。何を言っているんですか!」
私が立ち上がると、彼も同じように立ち上がった。
「なんだ。残念。では、またの機会を楽しみにしよう」
そろそろ戻らなければならない時間なのか、常に彼の影のように寄り添う護衛騎士が現れて、ギャレット様に合図をした。
「あのっ……日傘、可愛いです。ありがとうございます」
小さくて軽くて……宝石が散りばめられているような豪華なものではないけれど、センス良く可愛らしい日傘だった。
「それでは、戻るよ。ローレンまたね」
と言って、ギャレット様は私の片手を取り、手の甲にキスをした。
流石は、生まれついての王族。流れるような上品な所作に、不自然なところなんて何一つ見えない。
彼らの姿が見えなくなるまで見送り、私はがっくりとしてベンチへと尻餅をつくように座った。
これが、もしかして半年続くのかしら……嘘でしょう。あれをなんでもない顔で拒否し続けねばならないなんて、対応が難し過ぎる。
「……驚いた。少し見ない間に、こんなにもあの王太子と仲良くなっているのか。ローレン」
「まさか。イーサン? 貴方。どうやって、ここへまで入りこんだの?」
振り向くと見えたのは私を将来娶るはずの男、大富豪イーサンだった。爽やかなグレーの貴族服を着こなし、当然のようにそこに立って居た。
けれど、ここは王族専用の庭園のはずだ。
「それは、とても愚かな質問だな。俺たちの飼い主がお呼びだ。行こう」
ということは、先ほど手紙を送ってきた王妃さまが、急ぎで私へ何か付け加えたいことがあったのかもしれない。
私はイーサンに案内されて進み、豪華な天蓋で日差しを遮る東屋で座る人物へとカーテシーをした。
彼女を目の前にすると、緊張する。料理をされる前の獣は、こんな気持ちなのかもれない。
彼女の鋭い光の緑の目で睨まれれば、今にも調味料を掛けられて食べられてしまいそうだもの。
黒い絹糸のような髪に緑色の目。紫色の体にそうドレスに、色気のある赤い唇。美しいけれど、妖艶な雰囲気を持つ女性。
現王妃アニータ様。崖に落ち縁に必死にぶら下がる私に、命綱を投げた人。
「お久しぶりです……アニータ様」
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