純粋な初恋(シリーズあり)

橋本衣

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弱ってる姿を見ると母性本能くすぐられるって本当なんだな

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「よし、完成。フユさん、起きてったかな」

拝啓、天国のママ、パパ、咲夜さきや兄さん、雅陽みやび姉さん夫婦、雅之まさゆき兄さん夫婦、お元気ですか?俺は超元気です。

祖父母宅での挨拶が終わって数日が経った今日この頃。朝ご飯を作り終わって、フユさんが書斎から出てくるのを待つ。因みに2日前から仕事で書斎に篭りっぱなしなので、お風呂を食事以外での生存確認はあまりしていない。まぁ、洗濯物が出てるから生きてらのは分かる。

「今日ぐらいには仕事終わる予定だって、三村みむらさん言ってたしなぁ、」

ガチャッ

「おはよう」

俺はエプロンを外しながら独り言を呟いていると書斎の扉が開いて、フユさんが出て来た。目の下にはクマがあり、一目で寝不足だと言う事が分かる姿だった。そして左脇にはお気に入りウサギぬいぐるみ・田中勇五郎さんを装備している。

「おはよう、フユさん。朝ご飯出来てるよ、」

「あぁ、食べる」

「仕事は?終わったのか?」

「あぁ、さっき最終原稿を終わらせた。あとは渡すだけだ」

「そっか、それなら良かった。今日はちゃんと寝るんだよ、体調管理大事なんだから」

「分かっている」

フユさんはそう淡々と話しながら、椅子に座る。俺はその姿に少し、いやだいぶ違和感を感じてしまう。いつもだったらもう少し声に覇気があるし雰囲気が少し暗い。少し体の動きも遅い気がするし、、、、大丈夫か?

「そう言ってぶっ倒れたら、元も子もないんだからな。体調崩されたら俺もだけど色んな人が心配さんだからな」

「、朔羅さくら心配してくれるのか?」

「当たり前だろ!恋人心配すんのは普通だっての!、で、なんか体調の変化とかねーの?

「笑、、そうか。嬉しいよ、、そうだな、少し喉が痛いな、体の倦怠感もある」

「ぇ、それ大丈夫?健康優良児のフユさんに珍しい症状じゃん、」

「大丈夫だ、寝れば治る、、」

何て言いながら、お味噌汁を啜っているフユさん。平然と言ってるがな、昔の俺だったらそんな事言ったら、「朔、無理は禁物、無理は禁止だぞ」、、ってマコさんに言われてたわ。

「、、、治らなかったら病院な。嫌でも連れて行くからな、、俺と同じ所で良いか」

「、、、、夏人なつとが居るじゃないか」

「寧ろ弟が居んだから良いだろ。兄としてちゃんと顔見せなよ」

「分かっている。ただ会う時間があるのであれば朔羅に時間を使いたいんだ」

「///// 今、それ言われても嬉しくねーよ、あんま!早くご飯食べろよ」

「あぁ、分かった」

それから、俺達は朝ご飯を食べ進める。ご飯の途中で咳き込んだりしてるし、風邪かな?大丈夫か、普段フユさん体調なんて崩さないし、寝不足とかでいい書斎で倒れ込んでる姿を見る事はあるけど、それとは違うっぽいし、まぁでも寝不足っぽいけど。
















朝ご飯を食べ終わって、俺は食器を持ってキッチンに向かいながらフユさんに話しかける。

「ご馳走様でした。フユさん、お皿洗うから早く寝なよ」

「あぁ、そうさせて、貰う、、おやす、m」 ガタンッ

突然明日から立ち上がろうとするフユさんの言葉が遮る様に鋭く物に当たる音が部屋に響いた。俺は気になって後ろを振り向くと、そこには、、、、

「ハァ ハァ ハァ ハァ ゲホッ ゲホゲホッ 」

「!フユさん!」

机に手を置いて片膝を床に置いて座り込んで、息が荒く酷く咳き込んでいるフユさんが居た。俺はビックリして目を見開きながらも、すぐにフユさんの元に駆け寄る。

「フユさん、大丈夫?!、、いや、大丈夫ではないか」

「ゴホゴホッ ゲホゲホッ だ、大丈夫だ、少し立ちくらみが、、した、だけで、ゲホゲホッ 」

「それは、大丈夫だとは言わないんだy、、って、熱!フユさんの体超熱いんだけど」

まだ咳き込むフユさんの背中を摩ろうと背中を触るとその熱さに驚いて手を離してしまった。俺は瞬時に只事じゃない事だと認識して、スマホを取り出す。

「フユさん、とりあえず病院行くよ。車、成太せいた君にお願いして出して貰うから」

「俺が、運転した方が、早 ゴホゴホッ ゲホゲホッ」

「病人は安静にしろって!って、その前に体温測らねーと、体温計体温計」

俺はそう言って、立ち上がって2番目の棚から体温計を取り出した瞬間、背後から

ゴトッ

何かが床に落ちた音が耳に入って来た。俺はすぐに後ろを振り向くと、

「ハァ ハァ、、んっ、 ハァ ゴホゴホッ ゲホゲホッ、、、、」

「!フユさん!」

床に倒れ込んで目を閉じ意識が薄れているフユさんを見て俺は血の気が引いた。顔面蒼白になりながらもすぐにフユさんの元に駆け寄って、なるべく体を動かさない様にフユさんに触りながら声をかける。

「フユさん、フユさん、!」

「ぅ、、ッ、、、、、」

「ダメだ、意識失ってる。とりあえず、救急車、いや、それよりも、、、、!」

ママ、パパ、天罰とお願いしたけどここまでとは言ってない!!


















「本当に助かりました、ありがとうございます!夏人さん!」

「感謝される様な事してないから、頭下げないでよ。朔君」

「いや、だって休みの日だったのにすぐに来てくれて、車出して運んでくれて感謝してもしきれませんよ!」

「運んだのは俺で、実際に診てるのは他の先生だから」

病院に着いて急遽用意して貰った病室のベッドで点滴を付けて寝ているフユさんを横目に俺は夏人さんに感謝の気持ちを伝える。

「でも、まさか兄様が風邪引くとはなぁ。インフルじゃなかったのは良かったけど、、珍しいな、ほんと」

「珍しい、って事は、風邪にはなった事あるんですか?」

「うん、一応ね。って言っても最後は小学生ぐらいだったし、そこから本当に健康優良児って感じだったからね」

「健康優良児なのはめっちゃ納得出来ます。なんか、いつも元気って言うか寝不足以外は至って健康だから倒れた時、心臓一瞬止まりましたよ」

「俺も冬人ふゆと兄様が倒れたって電話で聞いた時は今日は4月1日だったかな?って思っちゃった」

「俺もそれ電話で聞いたら、エイプリルフールかな?って疑う自信あります笑」

「て言うか、朔君今日お仕事大丈夫なの?」

「大丈夫です!撮影延期になったので今日明日は仕事休みになりました。夏人さんの方こそせっかくのお休み、時間使って貰ってすみません」

「良いの、良いの。朔君に頼って貰って嬉しいし、こう言う機会じゃないと冬人兄様と会う事ないしね。朔君に頼って貰って俺は超幸せだし、会えたのも超幸せ」

「夏人さん、、、、」

フユさんを診断してくれた先生が言うには酷い風邪だそうだ。インフルエンザじゃなかったから良かった。最初に体温を測ったらまさかの39.6℃だった時は驚愕した。因みに、フユさんを診断してくれた先生は村瀬むらせ家御用達の病院の先生でフユさんの幼少期からの担当医だった。

それから、点滴を暫くして貰ったから、夏人さんにまたまた頼んで寝ているフユさんを家まで運んで貰って寝室に寝かせてからコーヒーを入れる。

「どうぞ、ミルクと砂糖ここに置いて置きますね」

「うん、ありがとう。朔君」

「にしてもまだ起きないってどんだけ徹夜して寝不足状態だったんだか」

「仕事詰め込んでましたからね、、たまに無理したりするから、仕事大好きなんだなとは思いますけど、ちゃんと寝て欲しいとは思うんですけどね、俺は」

「医者としても弟としても言うけど、極端に寝不足状態での風邪って最悪だし、心配だよね笑、、ってそうだ、他の兄様達には連絡したの?」

「ぁー、いえ、まだ。楓斗ふうとさんの方は小川こがわさん情報だと仕事がちょっと立て込んでるらしいですし、秋人あきとさんの方は確か出張してるって聞いたし、、一応L○NEしておきます」

「そうしな。そろそろ冬人兄様起きると思うから、朔君様子見に行ってあげて、何かあったら俺に言ってくれれば良いから」

「はい!夏人先生。そうだ、熱さまシートと水、冷蔵庫から取り出しておこう」

俺はそれから冷蔵庫から冷やした熱さまシートと水の入ったペットボトルを取り出してコップ、そして処方して貰ったお薬をおぼんに置いてから、2階の寝室に入る。すると、、、、


***


「ゴホゴホッ、、此処は?、寝室、?」

体の熱さと身体の倦怠感を感じながら目を覚ますと、軽い頭痛で視界がボヤつきながら辺りの状況に調べる。

「俺、、確か、倒れて、、ゴホゴホッ ゲホゲホッ」

微かに喉の痛みと痰の絡みを感じながら。体をベッドから起き上がろうとするが、上手く力が入らず呆気なくベッドに倒れ込んでしまう。

「あの時、、目の前が暗くなったと、ゴホゴホッ 思ったら、」

俺は倒れる前のことを思い出しながら、深呼吸をする。

「うぅ、、ゴホゴホッ そうだ、朔羅、は」

ガチャッ

俺は小さく呟くと寝室の扉を開く音が聞こえて、俺はそこに意識を向ける。扉を開けたのは、、、、


***


「、、、、!、フユさん、起きたの!?」

「ゴホゴホッ、、あぁ、」

部屋に入ると、意識が戻っているフユさんが視界に入って俺は驚きながらもすぐに、フユさんの元に駆け寄る。ベッドの横におぼんを置く。

「フユさん、大丈夫?、ではないか」

「ちょっと、喉が痛いのと、ゴホゴホッ 頭痛があるぐらいだ、、安心、しろ」

「いや、安心出来ないっての。倒れられた時、俺ビックリしたんだから」

「それは、ごめんな。急に倒れて、、そうだ。朔羅、仕事は?」

「今日は休みになった。共演者さんが急遽体調不良になったのと他の仕事も色々機材の不調とかで今日明日お休みになったよ」

俺は起き上がろうとしているフユさんを支える様に背中に手を置き押し上げる。目に見えて体調が悪いのが分かるのと、咳が酷いのを見て心配になってしまう。

「そうだ、後で夏人さん来ると思うけど、お礼言っとくんだよ。病院まで車出してくれたの夏人さんなんだから」

「!、夏人呼んだのか、ゴホゴホッ わざわざ」

「成太君達は仕事あるし、今日お休みなの、夏人さんだったし、それとも何、楓斗さん呼ばれたかった?」

「、、、、夏人にしてくれて助かった」

「よし、、」

「診察してくれたのは誰なんだ?朔羅の担当医とかか?」

古村こむら先生は今旅行中。それで、フユさんの昔からの担当医さんに診て貰ったよ」

「!、、、あの人、か」

「何その反応笑、とりあえず薬と水、熱さまシート置いておくね。と言うか、飲め、今」

「あぁ、、、、ゴクゴクッ、、、、ゲホゲホッ」

「大丈夫かぁ、」 ナデナデ

薬を飲んだ後、咳き込むフユさんの背中を撫でながらそう言う。こりゃあ、結構重症だな。病人の看病とかを実際にすること、あんまりないから少し何をすれば良いか分からなくて、焦る。

「昼ご飯、雑炊で良い?何か入れて欲しいとかある?」

「なら、ゴホゴホッ、、卵が良い」

「了解。俺が来るまでまた寝て起きなさい。寝るのも治す1つなんだからな!」

「あぁ、分かって、いる、、ゴホゴホッ」

「それでよし」

俺はそう言って寝室を後にする。







































































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