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第一部
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本来であれば傭兵など腕に自信がある者を動員する手筈だったが、そこで教会が名乗りを上げた。教会の意向で神獣の側を警護できる名誉に肖るため、枢機卿に嘆願が届けられた。始めは不真面目そうで、かつメリシャを侮る態度にルーが異を唱えたことで断念するに至った。そこで名案とばかりにメリシャから助言されたルーが、聖騎士の中から数名を指名したことで、教会の嘆願が通った一面だった。
教会関係者の中で研鑽を続ける神官の一部は相手を見分けることができるため、メリシャの側にいた子犬と小鳥を一目で神獣だと気付く者が数名いた。その日中に教会を預かる高位神官へ伝えられたため、今回の珍妙な事が起きた。
そして高位神官とその側近以外に箝口令が敷かれているために、上位神官より下と聖騎士たちはメリシャが聖女だと報されていなかった故に起きた事でもある。半ばメリシャを侮る態度を取られた際に威圧して飛び掛かりそうなルーを必死に宥める行為に、神官たちも聖騎士たちも躍起になった。
結果、教会内では三つに分裂するキッカケが生まれた。神獣を怒らせたとして蔑ろにされる団体。神獣を宥めたメリシャを陰から崇める団体。どちらでもなく、ただメリシャに感謝して王家に漏れないように立ち回る高位神官ら少数の団体。
聖女と王子
王妃主催の茶会当日。
枢機卿は普段着慣れない服装を逐一、目で確認する行動を繰り返していた。男爵位より上位の貴族が来る前に出席する必要性から会場へ入ったのだが、既に多数の貴族がグループを作って会話が始まっている。男爵となった枢機卿は貴族社会に溶け込む気は起きないが、誰と話すべきか分からず、メリシャを伴って壁際へと移動する。
緊張のあまり枢機卿は警戒が緩んでいたが、会場入りした時から枢機卿とメリシャは貴族たちから見られ、観察されていた。誰も声は掛けようとしないが、かと言って関わろうとも思っていない。ただ新顔の下級貴族を値踏みしているだけに過ぎない。
メリシャの肩にはネリが止まり、メリシャの髪に隠れるような体勢で控えている。ルーは子犬姿で枢機卿の肩で気怠げに乗っている。神獣であるため彼らに貴族たちの目を惹くのも仕方のない事だ。
会場がある時を境に静まり返ると、上階から少年が階段で一人下りて来るところだった。少年を見たメリシャは例の少年だと理解して、不安が甦る。
「ギェリブだ。此度は集まってくれて感謝する。さて母からの招待であるが、此度は私の婚約者を発表しようと思い、茶会を開かせていただいた。」
教会関係者の中で研鑽を続ける神官の一部は相手を見分けることができるため、メリシャの側にいた子犬と小鳥を一目で神獣だと気付く者が数名いた。その日中に教会を預かる高位神官へ伝えられたため、今回の珍妙な事が起きた。
そして高位神官とその側近以外に箝口令が敷かれているために、上位神官より下と聖騎士たちはメリシャが聖女だと報されていなかった故に起きた事でもある。半ばメリシャを侮る態度を取られた際に威圧して飛び掛かりそうなルーを必死に宥める行為に、神官たちも聖騎士たちも躍起になった。
結果、教会内では三つに分裂するキッカケが生まれた。神獣を怒らせたとして蔑ろにされる団体。神獣を宥めたメリシャを陰から崇める団体。どちらでもなく、ただメリシャに感謝して王家に漏れないように立ち回る高位神官ら少数の団体。
聖女と王子
王妃主催の茶会当日。
枢機卿は普段着慣れない服装を逐一、目で確認する行動を繰り返していた。男爵位より上位の貴族が来る前に出席する必要性から会場へ入ったのだが、既に多数の貴族がグループを作って会話が始まっている。男爵となった枢機卿は貴族社会に溶け込む気は起きないが、誰と話すべきか分からず、メリシャを伴って壁際へと移動する。
緊張のあまり枢機卿は警戒が緩んでいたが、会場入りした時から枢機卿とメリシャは貴族たちから見られ、観察されていた。誰も声は掛けようとしないが、かと言って関わろうとも思っていない。ただ新顔の下級貴族を値踏みしているだけに過ぎない。
メリシャの肩にはネリが止まり、メリシャの髪に隠れるような体勢で控えている。ルーは子犬姿で枢機卿の肩で気怠げに乗っている。神獣であるため彼らに貴族たちの目を惹くのも仕方のない事だ。
会場がある時を境に静まり返ると、上階から少年が階段で一人下りて来るところだった。少年を見たメリシャは例の少年だと理解して、不安が甦る。
「ギェリブだ。此度は集まってくれて感謝する。さて母からの招待であるが、此度は私の婚約者を発表しようと思い、茶会を開かせていただいた。」
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