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第一部
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メリシャと神官が笑い合う光景に背を向けた枢機卿は顔を引き締めて、教会の外へと足を向けた。それに歩幅を合わせて神官も追随する。
辿り着いた先では、学園生や入学生が教材を購買する商会が見えていき、その惨状が露わとなった。
商会周囲には異臭を放つゴミが散らかり、先日まで清潔を保っていた商会とは全く違う光景が広がっている。商会前では従業員と思われる男女が掃除を行い、その中には教材を買いに行った際に立ち会った者も作業をしていた。
立ち往生する周辺の住民から話を聞くべく、近寄っていくと、聞かずとも震える声で聞こえてくる。
「…騒がしいと思ったら、野良犬がゴミを置いてくのを見たぜ!」
「俺も見たよ。何かの前兆かね…」
「…私は鳥がゴミを落としていったのを見たよ。普段は大人しいのに、何であんな事を…」
「早く片付かないかね。店を開けたいんだども。教会の人に頼まないのかね?」
様々な会話が途切れ途切れで聞こえるが、どれも要領を得られず、問題が増えてしまった。だが先日の神獣ネリの行動から察するに、行動する何かが商会側にあったと分かっているため、近付くこともせず遠目に眺めるのみに留めた。
追随していた神官はそんな枢機卿と同じく、その光景の前で動じなかった。教会側では、今回の件に関係ある商会に枢機卿が立ち寄っていた事が明らかになっているため、その関係だろうと予測されていた。
「今回の件は彼ら自身が招いた結果だろう。」
「ですね。教会側でこの件に関する依頼は受けない方向で調整いたしましょう。少なくとも彼らに救いが生まれることを願いましょう。」
その後、商会周辺は空き家が増えたり、悪い噂を聞くことが増えていった。そして後日、枢機卿がネリに伺いを立てると、メリシャから離れた場所で白状した。
教材を買いに行った際に、受付が男爵と知って質の悪い教材を荷物に混ぜていたらしい。その事に苛つき、直接手を下せない代わりに、周辺で暮らす生き物に悪戯を仕掛けたと聞かされ、枢機卿としては複雑な想いを抱えた。
見当違いであるが、先に気付きたかったという想いに駆られる枢機卿。
それから二日後、社交界参加への招待状が届けられた。王族からの手紙とあって、拒否権のないメリシャと枢機卿は準備を急ぐ事となった。
辿り着いた先では、学園生や入学生が教材を購買する商会が見えていき、その惨状が露わとなった。
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立ち往生する周辺の住民から話を聞くべく、近寄っていくと、聞かずとも震える声で聞こえてくる。
「…騒がしいと思ったら、野良犬がゴミを置いてくのを見たぜ!」
「俺も見たよ。何かの前兆かね…」
「…私は鳥がゴミを落としていったのを見たよ。普段は大人しいのに、何であんな事を…」
「早く片付かないかね。店を開けたいんだども。教会の人に頼まないのかね?」
様々な会話が途切れ途切れで聞こえるが、どれも要領を得られず、問題が増えてしまった。だが先日の神獣ネリの行動から察するに、行動する何かが商会側にあったと分かっているため、近付くこともせず遠目に眺めるのみに留めた。
追随していた神官はそんな枢機卿と同じく、その光景の前で動じなかった。教会側では、今回の件に関係ある商会に枢機卿が立ち寄っていた事が明らかになっているため、その関係だろうと予測されていた。
「今回の件は彼ら自身が招いた結果だろう。」
「ですね。教会側でこの件に関する依頼は受けない方向で調整いたしましょう。少なくとも彼らに救いが生まれることを願いましょう。」
その後、商会周辺は空き家が増えたり、悪い噂を聞くことが増えていった。そして後日、枢機卿がネリに伺いを立てると、メリシャから離れた場所で白状した。
教材を買いに行った際に、受付が男爵と知って質の悪い教材を荷物に混ぜていたらしい。その事に苛つき、直接手を下せない代わりに、周辺で暮らす生き物に悪戯を仕掛けたと聞かされ、枢機卿としては複雑な想いを抱えた。
見当違いであるが、先に気付きたかったという想いに駆られる枢機卿。
それから二日後、社交界参加への招待状が届けられた。王族からの手紙とあって、拒否権のないメリシャと枢機卿は準備を急ぐ事となった。
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