もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

文字の大きさ
42 / 116
第一部

41

しおりを挟む
メリシャに仲睦まじく接するエイサ伯爵令嬢の噂は瞬く間に学園中を駆け巡った。
伯爵令嬢を知る人が聞くと当然だと肯定する者も居れば、伯爵令嬢を知らない人が聞くと意外だという者も居た。

サルウシャ伯爵家を知る一部の者は伯爵令嬢の行動の裏を使い魔で探ろうとしたことを察知したネリに排除された。
サルウシャ伯爵から抗議文を突きつけられ、即座に裏を探る者は減っていった。

そんな人々の中にはエイサ伯爵令嬢を見守るという名目で遠目から様子を窺っている集団も学園に居たが、彼ら彼女らは彼女の行動そのものを肯定していて、そこに疑念や懐疑を抱く者はいない。


様々な噂が広がっている反面、メリシャを糾弾しようとして失敗したことをきっかけに関わらないことを選択を誓い合ったグループは再び集会を開こうとしていた。

とある夜の遅い時間帯。
寮長を賄賂で抱き込み、寮から離れた生徒たちは密会のできる小部屋へと集まる。
全員が夜に行動できるような黒いフード付きローブを目深く被り、小部屋に入った後もフードを脱ぐ様子はない。
集まった面々がお互いを目だけで確認して、全員が同志だと再確認を済ませると、一人の男が声を上げた。

「諸君。こうして再び集まってくれた事に、まず感謝する。」

「「「………」」」

「前回は何処から情報が漏れたのか未だ不明だが、実行班が壊滅し、学園を去る始末となってしまった。だが、お陰で我々を陰から排除しようとしている何者かが存在している事が判明した。」

「「「………」」」

「できれば今回も同様に妨害しようという意見があった。だが以前、情報が何処から漏れたのか分からない現状で、それは難しいとは判断した。よって此度は情報収集のみに注力し、対象に関わらない行動を厳とする。」

「「………」」「おぉう!」

「さて、今度のには働いてもらおうか。以前は見抜けなかったが、偽情報が役に立ったな。そこの男を拘束しろ!」

「「「はっ!」」」

翌日には、学園側による調査に加担していた男子生徒が学園から姿を消したのだが誰に気付かれることなく、内々に中退したという報せが、その男子生徒が通うクラスと知人に告げられたのみであった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

義妹が聖女を引き継ぎましたが無理だと思います

成行任世
恋愛
稀少な聖属性を持つ義妹が聖女の役も婚約者も引き継ぐ(奪う)というので聖女の祈りを義妹に託したら王都が壊滅の危機だそうですが、私はもう聖女ではないので知りません。

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

最初からここに私の居場所はなかった

kana
恋愛
死なないために媚びても駄目だった。 死なないために努力しても認められなかった。 死なないためにどんなに辛くても笑顔でいても無駄だった。 死なないために何をされても怒らなかったのに⋯⋯ だったら⋯⋯もう誰にも媚びる必要も、気を使う必要もないでしょう? だから虚しい希望は捨てて生きるための準備を始めた。 二度目は、自分らしく生きると決めた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ いつも稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。 私ごとですが、この度レジーナブックス様より『後悔している言われても⋯⋯ねえ?今さらですよ?』が1月31日頃に書籍化されることになりました~ これも読んでくださった皆様のおかげです。m(_ _)m これからも皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします(>人<;)

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!? 元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

婚約者を寝取った妹にざまあしてみた

秋津冴
恋愛
 一週間後に挙式を迎えるというある日。  聖女アナベルは夫になる予定の貴族令息レビルの不貞現場を目撃してしまう。  妹のエマとレビルが、一つのベットにいたところを見てしまったのだ。  アナベルはその拳を握りしめた――

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。

和泉鷹央
恋愛
 聖女は十年しか生きられない。  この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。  それは期間満了後に始まる約束だったけど――  一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。  二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。  ライラはこの契約を承諾する。  十年後。  あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。  そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。  こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。  そう思い、ライラは聖女をやめることにした。  他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...