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偽聖女なので、聖女じゃありません 1
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4歳になると、地位に関係なく教会によって祝福を受けることは義務付けられている。その日、ミーリア・ファブル公爵令嬢は教会で祝福を受けていた。
「御令嬢、授かったギフトは何でしょうか?」
「すみません。伝えるべきか、考えさせていただけませんでしょうか。」
「ええ。構いませんとも。後程知らせていただければ結構ですので。」
「感謝いたします。」
貴族家に生まれ、祝福を受ける者は自身の授かったギフトを隠したい者が多いため、訪ねていた神父も無理強いはしなかった。
どこで生まれても重病を患っていなければ、教会へ赴き、神父から祝福を受ける習わしがあった。
ミーリアは祝福を受けるために瞼を閉じた後、自分が自分でないかのような感覚に襲われた。
それは公爵家に生まれるよりも、ずっと前の記憶だった。
白い空間の中、目の前の女性は暇だからという理由で転生してくれるという。そして何かなりたいものはあるかと聞いてきた。
『そこはどういう世界なんですか?』
『神である私に質問しようって言うの?』
『えっ。』
『まぁいいわ。分かりやすく大雑把に言えば、剣と魔法の世界かしらー?幼い内に祝福を受けさせて、その人間がどんなギフトを所有しているのか自覚させるっていう思惑なんだけどねー。』
『じゃあ聖女ってなれますか?』
『ふーん、異世界人て同じようなこと言うのね』
『え?それってーー』
『んじゃ、バイバイ!』
気付けばミーリアという令嬢として、4歳児に転生していた。
思い出したのは一瞬の出来事だったが、神父に別れを告げて迎えの馬車に乗り込んだ。
道中は付いてきた侍女に微笑み話をギフトから遠ざける事に必死になった。
帰宅後は迎えてくれた執事に疲れた旨を告げていると、公爵である父に見つかってしまった。
後日教えることを叫び、後ろから父と執事が付いてきている足音が聞こえてくるのを無視して、ミーリアは早歩きで寝室へと急いで向かった。
父や執事が扉の前の通路から去ったことを確認したミーリアは、自身のギフトを確認することにした。
授かったギフトは自身のみの確認が可能で他人が見ることは叶わない。
そのためギフトを知るためには、直接相手に聴くか、真実の瞳という能力のギフトを持つ教会の最高権力者が明かす方法しか存在していない。
だがギフトを確認する前に、紙切れが足元に落ちてきた。
拾うと、神と名乗った女性からのメッセージだった。
要約すると、『聖女になりたいって言っていたけれど、世界で聖女は一人だけって決まっているの。それに貴女、傲慢すぎるから似たようなギフトを授けるわね。感謝して頂戴。』という内容が記されていた。
紙は存在そのものが無かったかのように黒く変色し、朽ちていった。
「御令嬢、授かったギフトは何でしょうか?」
「すみません。伝えるべきか、考えさせていただけませんでしょうか。」
「ええ。構いませんとも。後程知らせていただければ結構ですので。」
「感謝いたします。」
貴族家に生まれ、祝福を受ける者は自身の授かったギフトを隠したい者が多いため、訪ねていた神父も無理強いはしなかった。
どこで生まれても重病を患っていなければ、教会へ赴き、神父から祝福を受ける習わしがあった。
ミーリアは祝福を受けるために瞼を閉じた後、自分が自分でないかのような感覚に襲われた。
それは公爵家に生まれるよりも、ずっと前の記憶だった。
白い空間の中、目の前の女性は暇だからという理由で転生してくれるという。そして何かなりたいものはあるかと聞いてきた。
『そこはどういう世界なんですか?』
『神である私に質問しようって言うの?』
『えっ。』
『まぁいいわ。分かりやすく大雑把に言えば、剣と魔法の世界かしらー?幼い内に祝福を受けさせて、その人間がどんなギフトを所有しているのか自覚させるっていう思惑なんだけどねー。』
『じゃあ聖女ってなれますか?』
『ふーん、異世界人て同じようなこと言うのね』
『え?それってーー』
『んじゃ、バイバイ!』
気付けばミーリアという令嬢として、4歳児に転生していた。
思い出したのは一瞬の出来事だったが、神父に別れを告げて迎えの馬車に乗り込んだ。
道中は付いてきた侍女に微笑み話をギフトから遠ざける事に必死になった。
帰宅後は迎えてくれた執事に疲れた旨を告げていると、公爵である父に見つかってしまった。
後日教えることを叫び、後ろから父と執事が付いてきている足音が聞こえてくるのを無視して、ミーリアは早歩きで寝室へと急いで向かった。
父や執事が扉の前の通路から去ったことを確認したミーリアは、自身のギフトを確認することにした。
授かったギフトは自身のみの確認が可能で他人が見ることは叶わない。
そのためギフトを知るためには、直接相手に聴くか、真実の瞳という能力のギフトを持つ教会の最高権力者が明かす方法しか存在していない。
だがギフトを確認する前に、紙切れが足元に落ちてきた。
拾うと、神と名乗った女性からのメッセージだった。
要約すると、『聖女になりたいって言っていたけれど、世界で聖女は一人だけって決まっているの。それに貴女、傲慢すぎるから似たようなギフトを授けるわね。感謝して頂戴。』という内容が記されていた。
紙は存在そのものが無かったかのように黒く変色し、朽ちていった。
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