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第269話 ナニのアレ再び
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「ハルミが起きたら適当に相手してやってくれ」
と言った俺の言葉が、こんな事態を招いたようである。
「オラオラオラオラオラ!! えぇぇぇやぁぁぁ!!」
オラついているハルミの斬撃が飛ぶ。そのたびに魔物が数体消えて行く。
「いまのは7ポイントもあったぞ、ユウ、わははははは」
そして次の魔物を目指してまた走って行く。
「ふぁぁ?」
俺はずっとこの調子で、ハルミに背負われている。極めて寝心地の悪いベッドであるかちこちかち。ああトゥルースリーパーが欲しい。
ここはホシミヤのダンジョンである。ヤサカで寝ていたはずの俺が、どうしてこんなところにいるのかと言えば。
「すやすやすぴー」
と気持ち良く寝ていたところに、騒がしい魔人がやってきたのだ。斬鉄のエロエロ剣士・ハルミである。
「だだ、誰がエロ剣士だ!! 起きろユウ! すぐにホシミヤというダンジョンに向かうぞ!」
「エロ剣士とは言ってない。エロエロ剣士と言ったのふぁぁ?」
「やかましいわ! どっちも言うな。そんなことより、すぐにでかけるぞユウ。すぐに準備をしろ」
「ふぁ?」
「ええいもういい。私が背負って行く。ハチマン、道案内ありがとう、ここまででいいぞ。アシナ。それにミノウ様とオウミ様。すぐに向かいましょう」
「はい!」
「「お、おう! なノだヨ」」
魔王たちのわちゃわちゃな説明を聞いて、スクナたちが魔物退治に行ったと思い切り勘違いをしたハルミは、ダンジョンの魔物がいなくならないうちに自分も参加しないといけないと直感した。でないと自分の経験値が取れないではないか!
そんな欲望丸出しの感情が、ハルミを慌てさせた動機である。そしてイリヒメへの挨拶もそこそこに、ゲートをくぐって神社の境内に着き、アレをぶん殴って中に入った。
「殴っても入れるの!?」
「なんか刺激を与えれば良いようだヨ?」
それなら私はどうしてあんなことを……わぁぁぁぁ、もう嫌あぁぁっ。とスクナがひとり真っ赤になって地団駄踏むのは、上記のことを教えらた後のことである。
ハルミたちが中に入ると、そこは魔物の宝庫であった。1匹1匹は弱いが、ハルミは斬撃を飛ばすというスキルがある。一振りで4匹5匹を屠れるのである。そしてそれなりに経験値を持っていたのである。
こ、これはおいしいダンジョンだ。ハルミは舌なめずりした。ともかく数が多いのである。そして逃げるばかりで向かって来る魔物はいなかった。
いくら素早くても、ハルミの斬撃速度にかなうものはいない。魔物は――中にはイッコウもいたが――次々と退治されていった。
それに夢中になったハルミは、俺をおんぶしたまま、斬撃&ダッシュを繰り返している。アシナもそれに続いている。まだ事情が飲み込めてない魔王どもも、なんとなくそれに従っている。
「ええっと、どうしてこういうことになったノだっけ?」
「ハルミが目を覚ましたから、我らが説明をしたヨな」
「『ハルミが起きたら適当に相手してやってくれ』という伝言を我らは伝えただけなノだ」
「そうそう。そう言った途端に、ハルミは跳ね起きてスクナと我らを連れてヤサカに向かったヨ」
「「適当に相手をしろ、とはいったいなんだったノだヨ?」」
それはハルミの認知バイアスと言うべきものである。適当に相手をしろという不確実な命令に対して、ハルミは「起きたらすぐに追いかけてこい」という意味に取ったのである。どこにそんな要素が?!
そして猛ダッシュでかつて自分が世話になったヤサカに着いた。そこでスクナたちがユウを置いて、ホシミヤというダンジョンに向かったと聞いた。
しかもそこにはサルトラヘビという恐ろしい(つまり経験値をたくさん持つ)魔物がいることも聞いたのだ。
その途端、矢も立ってもいられずに、ユウを担ぎ上げでここにやってきたのである。
どうして足手まといでしかないユウを連れてこなければならないのか、それは誰にも説明ができない。おそらくはハルミの脊髄反射であろう。
一方、裏庭では。
「あぁもう、またアレをやらないといけないのぉ。ナガタキ様が代わりに?」
「スクナがここにみんなを運んだのだから、スクナしか戻せないよ」
「そうなのですか? シロトリさん」
「はい、それは間違いありません」
「なんで私の言うことは信じないのよ?」
ナガタキ様うるさい。あぁもう嫌だ嫌だ。あんなもんにまた触るなんて。
「スクナ。あまりもたもたしているとネコウサの仲間が」
「あああぁ、そうだったねハタ坊。はいはい。分かりましたよ、やればいいんでしょ、やれば」
「そう、やればいいのよ。あんなもん慣れよ」
慣れたくないわっ!! ってツッコみを入れながら私は最初にここに飛ばされたときのように、アレのナニをなでなでなで……あれ? なでなでなで……反応しない?
「どうしたのかしら?」
「前とやり方が違うのでしょうね、きっと」
どんなふうにやったのかなんて、覚えていないって。
「もっといろいろやってみたらどう?」 ハタ坊
「なんとか思い出してください。あのときの状況を」 シロトリさん
「いっそ、口でくわえてみたらどう?」
ナガタキ!!!!! はぁはぁ、ぶん投げてやろうかと真剣に思った。いったいこの子はどんなふうに育てられたのかしら。
それにしてもあのとき、どんなふうにしたっけ。
「あのときはもっと乱暴に触っていたようでしたよ?」
「うんうん。どMを相手にするように乱暴にしてみたらどう?」
やかましいわ! 一国の太守の娘がどM言うな。あぁもう、分からない。混乱した私はナニのアレをばっさばっさと撫でまくった。
そしたらひゅーーいと飛ばされた。やった!! 中に入れた!
と言った俺の言葉が、こんな事態を招いたようである。
「オラオラオラオラオラ!! えぇぇぇやぁぁぁ!!」
オラついているハルミの斬撃が飛ぶ。そのたびに魔物が数体消えて行く。
「いまのは7ポイントもあったぞ、ユウ、わははははは」
そして次の魔物を目指してまた走って行く。
「ふぁぁ?」
俺はずっとこの調子で、ハルミに背負われている。極めて寝心地の悪いベッドであるかちこちかち。ああトゥルースリーパーが欲しい。
ここはホシミヤのダンジョンである。ヤサカで寝ていたはずの俺が、どうしてこんなところにいるのかと言えば。
「すやすやすぴー」
と気持ち良く寝ていたところに、騒がしい魔人がやってきたのだ。斬鉄のエロエロ剣士・ハルミである。
「だだ、誰がエロ剣士だ!! 起きろユウ! すぐにホシミヤというダンジョンに向かうぞ!」
「エロ剣士とは言ってない。エロエロ剣士と言ったのふぁぁ?」
「やかましいわ! どっちも言うな。そんなことより、すぐにでかけるぞユウ。すぐに準備をしろ」
「ふぁ?」
「ええいもういい。私が背負って行く。ハチマン、道案内ありがとう、ここまででいいぞ。アシナ。それにミノウ様とオウミ様。すぐに向かいましょう」
「はい!」
「「お、おう! なノだヨ」」
魔王たちのわちゃわちゃな説明を聞いて、スクナたちが魔物退治に行ったと思い切り勘違いをしたハルミは、ダンジョンの魔物がいなくならないうちに自分も参加しないといけないと直感した。でないと自分の経験値が取れないではないか!
そんな欲望丸出しの感情が、ハルミを慌てさせた動機である。そしてイリヒメへの挨拶もそこそこに、ゲートをくぐって神社の境内に着き、アレをぶん殴って中に入った。
「殴っても入れるの!?」
「なんか刺激を与えれば良いようだヨ?」
それなら私はどうしてあんなことを……わぁぁぁぁ、もう嫌あぁぁっ。とスクナがひとり真っ赤になって地団駄踏むのは、上記のことを教えらた後のことである。
ハルミたちが中に入ると、そこは魔物の宝庫であった。1匹1匹は弱いが、ハルミは斬撃を飛ばすというスキルがある。一振りで4匹5匹を屠れるのである。そしてそれなりに経験値を持っていたのである。
こ、これはおいしいダンジョンだ。ハルミは舌なめずりした。ともかく数が多いのである。そして逃げるばかりで向かって来る魔物はいなかった。
いくら素早くても、ハルミの斬撃速度にかなうものはいない。魔物は――中にはイッコウもいたが――次々と退治されていった。
それに夢中になったハルミは、俺をおんぶしたまま、斬撃&ダッシュを繰り返している。アシナもそれに続いている。まだ事情が飲み込めてない魔王どもも、なんとなくそれに従っている。
「ええっと、どうしてこういうことになったノだっけ?」
「ハルミが目を覚ましたから、我らが説明をしたヨな」
「『ハルミが起きたら適当に相手してやってくれ』という伝言を我らは伝えただけなノだ」
「そうそう。そう言った途端に、ハルミは跳ね起きてスクナと我らを連れてヤサカに向かったヨ」
「「適当に相手をしろ、とはいったいなんだったノだヨ?」」
それはハルミの認知バイアスと言うべきものである。適当に相手をしろという不確実な命令に対して、ハルミは「起きたらすぐに追いかけてこい」という意味に取ったのである。どこにそんな要素が?!
そして猛ダッシュでかつて自分が世話になったヤサカに着いた。そこでスクナたちがユウを置いて、ホシミヤというダンジョンに向かったと聞いた。
しかもそこにはサルトラヘビという恐ろしい(つまり経験値をたくさん持つ)魔物がいることも聞いたのだ。
その途端、矢も立ってもいられずに、ユウを担ぎ上げでここにやってきたのである。
どうして足手まといでしかないユウを連れてこなければならないのか、それは誰にも説明ができない。おそらくはハルミの脊髄反射であろう。
一方、裏庭では。
「あぁもう、またアレをやらないといけないのぉ。ナガタキ様が代わりに?」
「スクナがここにみんなを運んだのだから、スクナしか戻せないよ」
「そうなのですか? シロトリさん」
「はい、それは間違いありません」
「なんで私の言うことは信じないのよ?」
ナガタキ様うるさい。あぁもう嫌だ嫌だ。あんなもんにまた触るなんて。
「スクナ。あまりもたもたしているとネコウサの仲間が」
「あああぁ、そうだったねハタ坊。はいはい。分かりましたよ、やればいいんでしょ、やれば」
「そう、やればいいのよ。あんなもん慣れよ」
慣れたくないわっ!! ってツッコみを入れながら私は最初にここに飛ばされたときのように、アレのナニをなでなでなで……あれ? なでなでなで……反応しない?
「どうしたのかしら?」
「前とやり方が違うのでしょうね、きっと」
どんなふうにやったのかなんて、覚えていないって。
「もっといろいろやってみたらどう?」 ハタ坊
「なんとか思い出してください。あのときの状況を」 シロトリさん
「いっそ、口でくわえてみたらどう?」
ナガタキ!!!!! はぁはぁ、ぶん投げてやろうかと真剣に思った。いったいこの子はどんなふうに育てられたのかしら。
それにしてもあのとき、どんなふうにしたっけ。
「あのときはもっと乱暴に触っていたようでしたよ?」
「うんうん。どMを相手にするように乱暴にしてみたらどう?」
やかましいわ! 一国の太守の娘がどM言うな。あぁもう、分からない。混乱した私はナニのアレをばっさばっさと撫でまくった。
そしたらひゅーーいと飛ばされた。やった!! 中に入れた!
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