45 / 336
第45話 婚約破棄?!
しおりを挟む
「それではこれで、じゃかすか包丁を作ることにします」
鋳型が完成した。わずか45分と20秒であった。どうしてこうなったのかと言えば、鋳物はタケウチ工房にとってありふれたものであったからである。つまり、包丁の形になるように作って終わりであった。
あとは溶けた鉄(ステンレス)をじゃかすか流し込めばいいのだ。
ということで、ヤッサンの弟子のふたり(いつ紹介すんねん)は、じゃかすかとステンレス包丁作りに精を出しているわけである。
……まあ、こういうこともあるさね。
「じゃあ、あとはよろしく頼む。ということで、お前らの紹介はいずれまた今度ということで」
「「えええっ!! 楽しみにしていた人もいたかもしれないのに、酷いっすよ!」」
大丈夫。誰も楽しみになんかしていないから。そもそも、こんなことを簡単にやってのけたおまいらが悪い。それにこういうことは、多少ひっぱったほうがおもろいねんで。
そこへ。
「ユウ!!!!」
「あぁびっくりしたぁ。どうした、ここんとこぜんぜん出番のなかったハルミさん」
「悪かったわね。ユウがミヨシばっかり依怙贔屓するからよ。ミヨシには専用の包丁を作っておいて、私との約束はどうなったのよ! もうあと2週間しかないのよ!」
「あと2週間だと?! それはそれは、おめでとうございます」
「だ、だ、誰が出産予定日の話をしてるんだあぁぁ! 剣技大会だ、剣技大会!」
ちょっとからかっただけなのに、面白い子。
「はぁはぁ。もうそろそろ作ってもらわないと、剣技大会に間に合わないではないか。私は片刃の剣は使ったことがないのだ。練習だって必要だろ」
「分かった分かった。ちょうど錆びない包丁の量産目処はついたし、ミヨシ専用の魔包丁もできたしな。これからはハルミの刀制作に注力するよ、まずは練習用から作らないといけないか」
「そうか、それは良かった。忘れられたのかと思って、私はもう心配……ぐずずっ、で心配で……」
泣くほどのことかよ! まずは金の算段がついてから取りかかると最初に……ん? ハルミ? 目が乾いてんぞ?
「あれ、バレちゃった。てへぺろ」
やかましいわ! ミヨシがいらん智恵をつけやがったな。ヘタな演技しなくてもいいから練習をしてろ。
「練習しようにも、いまの私にはこれしかないのだ」
と言って愛用のレイピアを見せられた。
「そうなのか、これ1本だけしか持っていないのか」
「私の年でそう何本も持てるはずはないだろ。これだけだよ」
「そういうものか、ところでなんかさ」
「なに?」
「最初に見たときより、ちょっと細くなっているような?」
「ああ、それは毎日手入れをしているからな」
「なんで手入れすると細くなるんだよ!」
「削るからに決まっているだろが!!」
「どうして削るんだよ!!!」
「切れなくなったからに決まってるだろ!!!!」
「どうして切れなくなるんだよ!!!!!」
「使って鈍(なま)ったからに決まっているだろ!!!!!!」
ちょっとタンマ。キリがないからこの辺でやめておこう。!の数が多いほうが勝ちとか、そんな判定基準はないんだぞ。
「そのレイピアで毎日なにを切ってるんだ?」
「そこいらに生えてる木を適当に」
「それは、燃料にするためにってことか?」
「馬鹿な。切ったばかりの木が燃料になるものか。あれは落ちて乾いた小枝や倒木を拾ってくるものだ」
「そりゃそうだよな。ゆるキャンでもそんなようなこと言っていた。じゃあ、なんで?」
「そこに、木があるから?」
「そんな名言っぽいが言い古されたセリフを、よくサラッと言えるもんだな。そんなんで森の木を切るなよ。自然破壊か!」
「剣技の練習だ!!」
分かった。分かったから!を増やすな。そうでなくても、この作者は!が多すぎると苦情がでてるんだから。
(それにしては、減らすつもりはないようなノだ?)
あれをやると簡単に文字数が増えてやかましいよ。
「剣技大会って、確かこの街を挙げてやるお祭りの一大イベントって言ってたな?」
「ああ、年に1度の収穫祭があってな。そこで幼少組、少年組、青年組に別れて剣技を披露するんだ。私は今年から少年組だ。気合いがバンバンに入ってんだよ」
収穫祭。いままで季節には触れてこなかったが、どうやら俺がここに来たとき、季節は夏の終わりごろであったらしい。
いま不意に思いついたから書いている、というわけではないのだ。決して忘れていたわけでもないのだ。設定は小出しにするという、原理原則に従ってだな。
(その言い訳はまだ長くなるノか?)
はい、すみません。考えていませんでした。思いつきで書いてまーす。
ということで、収穫祭である。ここは港町なのであまり実感はわかないが、コメや野菜を作る農家さんも少なからずいる。その人たちにとっては、収穫も終わってやっと一息ついてのびのびとできる、そんなうれし恥ずかしお祭りなのである。
(うれしは分かるが、なんで恥ずかしなノか?)
(人間にはいろいろあるんだよ)
「その剣技大会ってのは、具体的にはなにをするんだ?」
「特に決まったものはない。個人個人が考えて、この1年間で学んだことや身につけた技術を観客の前で披露するんだ。剣技大会という名前にはなっているが、別に剣技には限らない。名前は戦乱の時代の名残だ」
「ハルミは、当然剣技を見せるんだよな? いったいなにをするつもりだ?」
「そ、それなんだが。それも相談に乗ってくれ。まだ決めていないんだ」
「去年はなにをした?」
「去年は木を切った」
「ほほぉ。どんな風に?」
「ステージの真ん中に直径10cmぐらいの木を立てて、それをスパッと」
「切ったのか」
「切れずに10mぐらいすっ飛んで行った……」
「お、おう……」
「剣は思い切り曲がった……」
「おぉ……」
「去年の剣技の中では、一番受けたと大評判に……」
「お……」
「だ、だから! だから今年は絶対にリベンジするのだ! 私は燃えているのだ!」
「分かったから落ち着け。お前のレイピアは、材質はなんだ?」
「鉄」
「えっと、鋼(ハガネ)じゃなくて?」
「鋼は高いから買ってもらえなかった。ただの鉄だ。だけどヤッサンが最終仕上げをしてくれたので、刃はとても良く切れるのだ」
「なるほど。だからマグロは切れるわけだ。だけど、強度がないからある程度の硬さのあるものになると、まるで歯が立たないと」
「そ、その通りだ。ユウ、なんとかしてくれるんだろ? あのダマク・ラカスで私の剣を作ってくれるんだろ?」
「それはダメだ、ハルミ」
「な、なんでダメなのよ!! ミヨシには作ってあげたくせに、私には作れないというのか! どうしてよ。胸のサイズなら同じだぞ。尻は私のほうが大きいぞ。私が婚約者持ちだからか。私がひゃにゃにょにゃにゃ」
ぐに~んと、指を口に入れて広げてやった。これでもうしゃべれまい。そんなやかましエロいことを言うのはこの口か。
「いひゃいでふ」
「落ち着けってのに。ミヨシのは包丁だ。だから硬ければいいんだよ。それでも限度ってものはあるが、もろいということをそれほど考える必要がないのが包丁だ。分かるか」
「わかひひゃふ」
「だから、硬くするためにダマス……ええいもう、ダマク・ラカス綱を使ったんだ。それはうまくいった。だが、ハルミのは刀だ。もし刀をあれで作って去年と同じことしたら」
「おなひことをひひゃら?」」
「刀が粉々に砕け散る」
「ひょぇぇぇ」
(もういい加減に手を離してやって良いのではないノか)
こうすると落ち着いて話を聞いてくれるものだから、つい長引かせてしまった。
「以前にもちょっとだけ言ったが、良く切れる刀を作るためには、切る部分の硬さと、それを支える部分の柔軟性の両方が必要なんだよ」
「うぅん、聞いただけでもとても難しそうだ。だけど、ユウはそれができるんだろ?」
作ったことはないし作り方もろくに知らないから、とても断言はできないが。
「まあ、まかせときな」
……なんで断言してるんですかね俺?
女の子の前で格好つけたがる癖というのは、男の業病のようなものである。そして、失敗してはあとでこっぴどく振られるところまでがワンセットである。
まあ、今回は相手がハルミだから振られるもなにもない。ただ、少し苦情という風当たりが強くなるぐらいのことで大変危険じゃねぇか!?
慰めるのはソウの役割だからなんとかしてもらえるとは思うが、俺は黙ってそれを横で見ているだけでこんちくしお。
(ひとり言が多いノだ)
(俺はひとり言で打線が組めるレベルだからな)
「私、願掛けをしているのよ」
「願掛けってどんな風に?」
「うん。今年、もし剣技で失敗したら、ソウとの婚約を取り消すって」
おいおい。それはあかん、ソウが可哀想すぎるだろ。ハルミの一方的な都合(感情?)でそんな決心をされたとソウが知ったら……。
「どうしたの? 急にキョロキョロして?」
「嫌な予感がするんだ。こういうときは、きっとやつがいる」
「誰よやつって?」
|柱|ω・`)ノ ヤァ
「ヤァじゃねぇよ! やっぱりいたか、ミヨシ、いつからそこにいた?!」
「じゃかすか作る、辺りからかな」
それ、ハルミがこの部屋に入ってくる前じゃねぇか。ってかこのページの一番最初じゃねぇか。そんな前から潜んでいたとか、お前は忍者か、匂わない屁か。
「おかげで面白いことが聞けちゃった、えへ」
「えへ、じゃないっての。このことは誰にも話すんじゃないぞ」
「もちろんよ。私はそんなに口の軽い女じゃないわよ」
「そ、そうか。それならいいが。あのシオさん事件以来、俺はちょっと女性不信気味でな」
「私は大丈夫だけど」
「私 は?」
「さっきから、そこで青くなって聞いてるソウはどうなのかしら?」
お前もいたんかーーい。いたのなら、ハルミをなだめろ。婚約者としての矜持というか責任というか義務があるだろ。ただ青くなっているのが仕事じゃないだろ。
ふたりが婚約破棄することは別にどうでもいいけど、俺に余計なプレッシャーがかかるのは嫌なのだ。
(ずっと思っていたが、お主の本音はすがすがしいまでにクズなノだ)
鋳型が完成した。わずか45分と20秒であった。どうしてこうなったのかと言えば、鋳物はタケウチ工房にとってありふれたものであったからである。つまり、包丁の形になるように作って終わりであった。
あとは溶けた鉄(ステンレス)をじゃかすか流し込めばいいのだ。
ということで、ヤッサンの弟子のふたり(いつ紹介すんねん)は、じゃかすかとステンレス包丁作りに精を出しているわけである。
……まあ、こういうこともあるさね。
「じゃあ、あとはよろしく頼む。ということで、お前らの紹介はいずれまた今度ということで」
「「えええっ!! 楽しみにしていた人もいたかもしれないのに、酷いっすよ!」」
大丈夫。誰も楽しみになんかしていないから。そもそも、こんなことを簡単にやってのけたおまいらが悪い。それにこういうことは、多少ひっぱったほうがおもろいねんで。
そこへ。
「ユウ!!!!」
「あぁびっくりしたぁ。どうした、ここんとこぜんぜん出番のなかったハルミさん」
「悪かったわね。ユウがミヨシばっかり依怙贔屓するからよ。ミヨシには専用の包丁を作っておいて、私との約束はどうなったのよ! もうあと2週間しかないのよ!」
「あと2週間だと?! それはそれは、おめでとうございます」
「だ、だ、誰が出産予定日の話をしてるんだあぁぁ! 剣技大会だ、剣技大会!」
ちょっとからかっただけなのに、面白い子。
「はぁはぁ。もうそろそろ作ってもらわないと、剣技大会に間に合わないではないか。私は片刃の剣は使ったことがないのだ。練習だって必要だろ」
「分かった分かった。ちょうど錆びない包丁の量産目処はついたし、ミヨシ専用の魔包丁もできたしな。これからはハルミの刀制作に注力するよ、まずは練習用から作らないといけないか」
「そうか、それは良かった。忘れられたのかと思って、私はもう心配……ぐずずっ、で心配で……」
泣くほどのことかよ! まずは金の算段がついてから取りかかると最初に……ん? ハルミ? 目が乾いてんぞ?
「あれ、バレちゃった。てへぺろ」
やかましいわ! ミヨシがいらん智恵をつけやがったな。ヘタな演技しなくてもいいから練習をしてろ。
「練習しようにも、いまの私にはこれしかないのだ」
と言って愛用のレイピアを見せられた。
「そうなのか、これ1本だけしか持っていないのか」
「私の年でそう何本も持てるはずはないだろ。これだけだよ」
「そういうものか、ところでなんかさ」
「なに?」
「最初に見たときより、ちょっと細くなっているような?」
「ああ、それは毎日手入れをしているからな」
「なんで手入れすると細くなるんだよ!」
「削るからに決まっているだろが!!」
「どうして削るんだよ!!!」
「切れなくなったからに決まってるだろ!!!!」
「どうして切れなくなるんだよ!!!!!」
「使って鈍(なま)ったからに決まっているだろ!!!!!!」
ちょっとタンマ。キリがないからこの辺でやめておこう。!の数が多いほうが勝ちとか、そんな判定基準はないんだぞ。
「そのレイピアで毎日なにを切ってるんだ?」
「そこいらに生えてる木を適当に」
「それは、燃料にするためにってことか?」
「馬鹿な。切ったばかりの木が燃料になるものか。あれは落ちて乾いた小枝や倒木を拾ってくるものだ」
「そりゃそうだよな。ゆるキャンでもそんなようなこと言っていた。じゃあ、なんで?」
「そこに、木があるから?」
「そんな名言っぽいが言い古されたセリフを、よくサラッと言えるもんだな。そんなんで森の木を切るなよ。自然破壊か!」
「剣技の練習だ!!」
分かった。分かったから!を増やすな。そうでなくても、この作者は!が多すぎると苦情がでてるんだから。
(それにしては、減らすつもりはないようなノだ?)
あれをやると簡単に文字数が増えてやかましいよ。
「剣技大会って、確かこの街を挙げてやるお祭りの一大イベントって言ってたな?」
「ああ、年に1度の収穫祭があってな。そこで幼少組、少年組、青年組に別れて剣技を披露するんだ。私は今年から少年組だ。気合いがバンバンに入ってんだよ」
収穫祭。いままで季節には触れてこなかったが、どうやら俺がここに来たとき、季節は夏の終わりごろであったらしい。
いま不意に思いついたから書いている、というわけではないのだ。決して忘れていたわけでもないのだ。設定は小出しにするという、原理原則に従ってだな。
(その言い訳はまだ長くなるノか?)
はい、すみません。考えていませんでした。思いつきで書いてまーす。
ということで、収穫祭である。ここは港町なのであまり実感はわかないが、コメや野菜を作る農家さんも少なからずいる。その人たちにとっては、収穫も終わってやっと一息ついてのびのびとできる、そんなうれし恥ずかしお祭りなのである。
(うれしは分かるが、なんで恥ずかしなノか?)
(人間にはいろいろあるんだよ)
「その剣技大会ってのは、具体的にはなにをするんだ?」
「特に決まったものはない。個人個人が考えて、この1年間で学んだことや身につけた技術を観客の前で披露するんだ。剣技大会という名前にはなっているが、別に剣技には限らない。名前は戦乱の時代の名残だ」
「ハルミは、当然剣技を見せるんだよな? いったいなにをするつもりだ?」
「そ、それなんだが。それも相談に乗ってくれ。まだ決めていないんだ」
「去年はなにをした?」
「去年は木を切った」
「ほほぉ。どんな風に?」
「ステージの真ん中に直径10cmぐらいの木を立てて、それをスパッと」
「切ったのか」
「切れずに10mぐらいすっ飛んで行った……」
「お、おう……」
「剣は思い切り曲がった……」
「おぉ……」
「去年の剣技の中では、一番受けたと大評判に……」
「お……」
「だ、だから! だから今年は絶対にリベンジするのだ! 私は燃えているのだ!」
「分かったから落ち着け。お前のレイピアは、材質はなんだ?」
「鉄」
「えっと、鋼(ハガネ)じゃなくて?」
「鋼は高いから買ってもらえなかった。ただの鉄だ。だけどヤッサンが最終仕上げをしてくれたので、刃はとても良く切れるのだ」
「なるほど。だからマグロは切れるわけだ。だけど、強度がないからある程度の硬さのあるものになると、まるで歯が立たないと」
「そ、その通りだ。ユウ、なんとかしてくれるんだろ? あのダマク・ラカスで私の剣を作ってくれるんだろ?」
「それはダメだ、ハルミ」
「な、なんでダメなのよ!! ミヨシには作ってあげたくせに、私には作れないというのか! どうしてよ。胸のサイズなら同じだぞ。尻は私のほうが大きいぞ。私が婚約者持ちだからか。私がひゃにゃにょにゃにゃ」
ぐに~んと、指を口に入れて広げてやった。これでもうしゃべれまい。そんなやかましエロいことを言うのはこの口か。
「いひゃいでふ」
「落ち着けってのに。ミヨシのは包丁だ。だから硬ければいいんだよ。それでも限度ってものはあるが、もろいということをそれほど考える必要がないのが包丁だ。分かるか」
「わかひひゃふ」
「だから、硬くするためにダマス……ええいもう、ダマク・ラカス綱を使ったんだ。それはうまくいった。だが、ハルミのは刀だ。もし刀をあれで作って去年と同じことしたら」
「おなひことをひひゃら?」」
「刀が粉々に砕け散る」
「ひょぇぇぇ」
(もういい加減に手を離してやって良いのではないノか)
こうすると落ち着いて話を聞いてくれるものだから、つい長引かせてしまった。
「以前にもちょっとだけ言ったが、良く切れる刀を作るためには、切る部分の硬さと、それを支える部分の柔軟性の両方が必要なんだよ」
「うぅん、聞いただけでもとても難しそうだ。だけど、ユウはそれができるんだろ?」
作ったことはないし作り方もろくに知らないから、とても断言はできないが。
「まあ、まかせときな」
……なんで断言してるんですかね俺?
女の子の前で格好つけたがる癖というのは、男の業病のようなものである。そして、失敗してはあとでこっぴどく振られるところまでがワンセットである。
まあ、今回は相手がハルミだから振られるもなにもない。ただ、少し苦情という風当たりが強くなるぐらいのことで大変危険じゃねぇか!?
慰めるのはソウの役割だからなんとかしてもらえるとは思うが、俺は黙ってそれを横で見ているだけでこんちくしお。
(ひとり言が多いノだ)
(俺はひとり言で打線が組めるレベルだからな)
「私、願掛けをしているのよ」
「願掛けってどんな風に?」
「うん。今年、もし剣技で失敗したら、ソウとの婚約を取り消すって」
おいおい。それはあかん、ソウが可哀想すぎるだろ。ハルミの一方的な都合(感情?)でそんな決心をされたとソウが知ったら……。
「どうしたの? 急にキョロキョロして?」
「嫌な予感がするんだ。こういうときは、きっとやつがいる」
「誰よやつって?」
|柱|ω・`)ノ ヤァ
「ヤァじゃねぇよ! やっぱりいたか、ミヨシ、いつからそこにいた?!」
「じゃかすか作る、辺りからかな」
それ、ハルミがこの部屋に入ってくる前じゃねぇか。ってかこのページの一番最初じゃねぇか。そんな前から潜んでいたとか、お前は忍者か、匂わない屁か。
「おかげで面白いことが聞けちゃった、えへ」
「えへ、じゃないっての。このことは誰にも話すんじゃないぞ」
「もちろんよ。私はそんなに口の軽い女じゃないわよ」
「そ、そうか。それならいいが。あのシオさん事件以来、俺はちょっと女性不信気味でな」
「私は大丈夫だけど」
「私 は?」
「さっきから、そこで青くなって聞いてるソウはどうなのかしら?」
お前もいたんかーーい。いたのなら、ハルミをなだめろ。婚約者としての矜持というか責任というか義務があるだろ。ただ青くなっているのが仕事じゃないだろ。
ふたりが婚約破棄することは別にどうでもいいけど、俺に余計なプレッシャーがかかるのは嫌なのだ。
(ずっと思っていたが、お主の本音はすがすがしいまでにクズなノだ)
11
あなたにおすすめの小説
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
鬼死回生~酒呑童子の異世界転生冒険記~
今田勝手
ファンタジー
平安時代の日本で魑魅魍魎を束ねた最強の鬼「酒呑童子」。
大江山で討伐されたその鬼は、死の間際「人に生まれ変わりたい」と願った。
目が覚めた彼が見たのは、平安京とは全く異なる世界で……。
これは、鬼が人間を目指す更生の物語である、のかもしれない。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ネオページ」でも同時連載中です。
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる