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第108話 魔齧歯類
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「ねぇユウ。ちょっと問題があるんだけど聞いてもらえる?」
「ん? なんだミヨシ」
「ウエモンの作ってるちょこれいと、のことなんだけど」
「うん、それがどうかした?」
「砂糖を使いすぎるのよ、あの子」
ウエモンが作っているちょこれいとは、その成分のうち約40%が砂糖である。もちろん、ビターにするほど砂糖比率は下がって行くが、作っているのは子供のウエモンだ。
子供ほど甘いものを欲しがるものだから、きっともっとたくさん入れていることだろう。味覚は俺も同じだけどほっといて。
「砂糖ってそんなに高いのか?」
「うん。値段も高いけど、それよりもたくさんは手に入らないものなのよ」
「砂糖ってそんな稀少なものだったのか。ウエモンはめったやたらと使ってたな。でも、砂糖なんて他に使い道があるのか?」
「それはいくらでもあるわよ。砂糖は料理にも必須だもの。砂糖がなかったらユウの好きな櫃まぶしのタレだって作れなくなるよ。それともタレなしでうなぎを食べたい?」
「どわぁぁぁ。それは一大事だ! ウエモン! ウエモーン!」
「なんだ、どうしたユウ」
「ちょこれいと作りなのだが、砂糖を使いすぎだそうだ。もうちょっと控えて」
「うん、無理」
「控えて……」
「うん、無理。砂糖がなかったらもう作れないよ?」
それは分かっている。分かっているのだが。チラっとミヨシを見る。笑顔が怖い。チラっとウエモンを見る。不機嫌を隠し切れていない。てか隠す気なんかさらさらないようだ。これもそれなりに怖い。
間に挟まれて右往左往……するような俺ではない。ここは妥協点を見いだすに限る。
「じゃあ、砂糖は最初に料理に使う分をミヨシが確保しろ。ウエモンはその残った分で開発をやってくれ」
「うん、それなら良いわ」 とミヨシは言うが。
「えぇ?! それじゃ足りないんだけど」 ウエモンは言う。
ですよね?
「しかし、砂糖が手に入らない現状ではなんともしようが……そうだ、いっそ砂糖を作ってしまうか?!」
は? こいつはなにを言っているのだ、という顔をされた。砂糖を作るんだよという顔をしてお返した。相手がいつもと違うが久しぶりの予定調和。
「前から考えてはいたんだ。あの工場の奥にはカカオが自生している。カカオは本来熱帯の植物だ。カカオが自生するぐらいなのだから、あの場所は熱帯に近い気候のはずだろ?」
「そういえば、いつも暑いわね、あそこは」
「過剰に作った電気エネルギーをそこで消費しているために、期せずしてそうなってしまったようでな。それならそこで、南方系の植物であるサトウキビだって作れるんじゃないかと思うのだが」
「砂糖って、そんな簡単にできるものなの?」
「サトウキビの栽培自体はそう難しくはないと思う。問題はその後だが」
そのとき、横から声がした。モナカである。
「サトウキビから砂糖を作るのは大変ですよ」
「おや、モナカは砂糖のこと詳しいのか?」
「やったことはありませんが、本で読みましたからひと通りは知っています」
そうだった。砂糖なんて生産量が少ないだけで、この世界に普通にあるものだ。それなら砂糖を作るための本があってもおかしくはない。だが、本は大変高価だと聞いているが。
「モナカはどこでそんな本を読んだ?」
「私が通っていた大学の図書館です」
図書館があるだと!? あれ? 大学もあるのか。今頃気づいたけどモナカは大卒だったんだな。才媛じゃないか。
「図書館があるのか? それはどこにある? この辺にもあるのか?」
「国立図書館は日本に4つだけです。そのうちのひとつが私の実家の目の前にあったもので毎日のように通ってました。ミノやオワリにはありませんね」
ないのかぁ。がっかりだよ。しかし、モナカはどんだけ便利なとこで生まれとんねん。うらやましいぞ。
「それにしたって、どうしてそんな本まで読んだのか不思議だ。女の子なら読むのは恋愛もの小説とかが普通だろう」
「子供の頃に図書館にある小説やエッセイのたぐいは読み尽くしてしまったので、大学に通う頃にはノウハウ本とか技術書ぐらいしか読むものがなくなっていたのです」
どんだけ便利な頭しとんねん。どえらい読書量だな。俺の比じゃないぞそれ。
「一体どれだけの蔵書があったんだ、そこは」
「エチ図書館は120万冊だと聞いてます」
(えぇぇぇ?! ちょうど?!)
(だいたいだわ、ヨ)
ツッコみ乙。
「そ、それを全部読んだのか、すごいなお前」
「流し読みしただけのもの多いですけどね。ぱらぱらめくるだけで、だいたいの内容は分かるし、一度読めば内容はほとんど覚えてしまうし」
速読ができてイメージ記憶もできるのか。こいつ底抜けにすごいやつだな。
「それじゃ、砂糖作りはモナカにまかせることにしようか」
「その前に、砂糖を作るための問題をクリアする必要があります」
「え? どんな問題?」
「サトウキビからは、その重さの10%ぐらいしか砂糖は獲れません。1本が高さ3mぐらいになるサトウキビですが、そこから砂糖はせいぜい200gです」
「ふむ、そんなものだろうな。それがなにか問題か?」
「いまのお話ですと、栽培場所は屋内のようですが、そこはそんな広いのですか?」
ああっ! そうだった。獲れれば良いというものではなかった。量が必要なのだ。そのためには広い栽培面積がいるのか。
「1ヘクタール(100m×100m)のサトウキビ畑から獲れる砂糖は、約80トンです。サトウキビを植えてから収穫できるまで1年半かかります。それで間に合うような量でしょうか」
こいつすげーーー!! 記憶力よりもそういう計算が瞬時にできるのがすげーー。こいつは役に立つやつだ。ちゃんと数字で話をするということを知っている。
「いや、そもそも1ヘクタールが無理だ。あそこには、もっとカカオを増やそうと思っていたぐらいだからな。それでもせいぜい50m×50mあるかどうかだ。多少の拡張は可能かもしれないが」
「面積は1/4ですね。それでは年に20トン獲れるかどうかですね。しかもカカオを植えるならとてもそんなスペースは取れそうにありません。それにもっと問題があります」
「もうお腹いっぱいだけど、一応聞いておく、なに?」
「サトウキビには日照量が必要なのですよ。人には強烈すぎるほどの陽射しを使って砂糖を蓄積させる植物なのですから」
「そうか。電灯じゃとても無理ってことだな。分かった。あそこでサトウキビの栽培はできない。諦めよう」
「え?」
「え? ってなんだよ。そもそもお前が言ったことだろ」
「え、ええ。そうなのです。でも、私の意見を真剣に聞いてくれる人なんかいままでいなかったもので、ちょっと驚いてしまって」
「なんだそれ。お前の言ったことは正しい。きちんと数字を出して説明したじゃないか。それが分からんのなら、そいつがボンクラだからだろ」
「うっ、うぅぅぅ。ぐすっ、はい、そうですね。そうで、ずずずずず」
なんでここで泣く!? おい止せよ(コウラク風)。俺が泣かせたみたいな絵になってんじゃないか。こんなところをミヨシに見られたら……ずっとそこにいましたっけ?
「はい。最初からずっといますけど、なにか?」
「なんでもないです。で、この子なんで泣いてるの?」
(分からんのかヨ?!)
(え? ミノウには分かるのか?)
「ユウのことだから、そう言うとは思ったわ。モナカさん、落ち着いて。ここにはあたなの理解者がいる、ということだけ分かってもらえれば良いわ。これからは思う存分働けるわよ」
「は、はい、ミヨシさん。私、頑張ります」
「あのモナカさん。私のほうが年下なのだから、ミヨシでいいわよ」
「あ、そうか。そうよね。よろしくね、ミヨシ」
「うん」
あのぉ、俺の質問が宙に浮いたままなんですけど、それは……どうでもいいか、それよりもだ。
(そうくると思ったヨ)
「モナカに質問がふたつある」
「はい、なんでしょうか」
「前から気になってはいたのだが、その肩に乗ってるのはなんだ?」
「ああ、ユウさんにはこれが見えるのですね。これは私の眷属であるホンドリスの魔物で名をヌコといいますす」
誰だ、おかしな言葉を教えやがったやつは?
(ぴゅ~ヨ)
(またお前かよ! いい加減にあっちのネット用語を流行らせるのは止せ!」
「ほーいヨ)
「種族は魔齧歯類のホンドリスです。大学入学したときに、親からもらい受けました。私は魔法は使えませんので親の眷属を引き継いだのです」
「へぇ、そういうこともできるのか」
「ええ。眷属は3人――魔物、元の主人、新しい主人――の同意があれば移動ができます。この子は私が小さいときからずっと懐いていたので簡単でした」
「もっとリスっぽい名前だってあっただろうに」
「ずっと名前は付けていなかったのですが、ここにきたら急にそんな名前が脳裏に浮かんで……どうしてでしょうね。でも可愛いから気に入ってます。この子も気に入ってくれているみたいですよ。ねーヌコ」
(ミノウ?!)
(ぴゅ~ヨ)
ややこしい名前を付けさせるなよ。ところでなんだ魔齧歯類って?
「一応魔物なのか。ペットのようなものか」
「〇×△◇×〇〇」
「なんかうなったぞ、いま?」
「失礼な。我は霊長類・魔齧歯類科リス族の王であるぞ、以後そう心得よ、と言ってます」
「もうちょっと短かったような気がするが。えええ?! 霊長類ってマジか?!」
「あ、霊長類というのは人の眷属になったのでそういう分類になるだけです。本来は魔齧歯類ですよ」
それでも魔齧歯類なんてのがあるんだなぁ。ということは、ミノウも霊長類なのか?
(失礼な。我は魔王だぞ。霊長類なんていう低級な種族と一緒にするでないヨ)
(悪かったな低級で。もうくすぐって遊んでやらないぞ)
(いや、それは。ちょっとなんだ。人にも多少まともなものもいるヨ?)
(フォローになってねぇよ!)
「それで、もうひとつはなんですか?」
「そうそう、そっちが本題だ。砂糖の生産についてだが、お前の知識の中になにか代案はないか?」
「代案ですか。砂糖を作るための……うーん」
そう言った後少し考えた。ってことはあるのか?
「あ、そうだ! あります」
まじでか?!
「ただ、ここの気候では無理です」
「それはそうだろうな。それは俺も理解している。しかしサトウキビを作るのにふさわしい気候となれば、それはもう本土を離れて沖縄辺りまで……」
「それは、ホッカイ国です」
はぁぁ?!
「ん? なんだミヨシ」
「ウエモンの作ってるちょこれいと、のことなんだけど」
「うん、それがどうかした?」
「砂糖を使いすぎるのよ、あの子」
ウエモンが作っているちょこれいとは、その成分のうち約40%が砂糖である。もちろん、ビターにするほど砂糖比率は下がって行くが、作っているのは子供のウエモンだ。
子供ほど甘いものを欲しがるものだから、きっともっとたくさん入れていることだろう。味覚は俺も同じだけどほっといて。
「砂糖ってそんなに高いのか?」
「うん。値段も高いけど、それよりもたくさんは手に入らないものなのよ」
「砂糖ってそんな稀少なものだったのか。ウエモンはめったやたらと使ってたな。でも、砂糖なんて他に使い道があるのか?」
「それはいくらでもあるわよ。砂糖は料理にも必須だもの。砂糖がなかったらユウの好きな櫃まぶしのタレだって作れなくなるよ。それともタレなしでうなぎを食べたい?」
「どわぁぁぁ。それは一大事だ! ウエモン! ウエモーン!」
「なんだ、どうしたユウ」
「ちょこれいと作りなのだが、砂糖を使いすぎだそうだ。もうちょっと控えて」
「うん、無理」
「控えて……」
「うん、無理。砂糖がなかったらもう作れないよ?」
それは分かっている。分かっているのだが。チラっとミヨシを見る。笑顔が怖い。チラっとウエモンを見る。不機嫌を隠し切れていない。てか隠す気なんかさらさらないようだ。これもそれなりに怖い。
間に挟まれて右往左往……するような俺ではない。ここは妥協点を見いだすに限る。
「じゃあ、砂糖は最初に料理に使う分をミヨシが確保しろ。ウエモンはその残った分で開発をやってくれ」
「うん、それなら良いわ」 とミヨシは言うが。
「えぇ?! それじゃ足りないんだけど」 ウエモンは言う。
ですよね?
「しかし、砂糖が手に入らない現状ではなんともしようが……そうだ、いっそ砂糖を作ってしまうか?!」
は? こいつはなにを言っているのだ、という顔をされた。砂糖を作るんだよという顔をしてお返した。相手がいつもと違うが久しぶりの予定調和。
「前から考えてはいたんだ。あの工場の奥にはカカオが自生している。カカオは本来熱帯の植物だ。カカオが自生するぐらいなのだから、あの場所は熱帯に近い気候のはずだろ?」
「そういえば、いつも暑いわね、あそこは」
「過剰に作った電気エネルギーをそこで消費しているために、期せずしてそうなってしまったようでな。それならそこで、南方系の植物であるサトウキビだって作れるんじゃないかと思うのだが」
「砂糖って、そんな簡単にできるものなの?」
「サトウキビの栽培自体はそう難しくはないと思う。問題はその後だが」
そのとき、横から声がした。モナカである。
「サトウキビから砂糖を作るのは大変ですよ」
「おや、モナカは砂糖のこと詳しいのか?」
「やったことはありませんが、本で読みましたからひと通りは知っています」
そうだった。砂糖なんて生産量が少ないだけで、この世界に普通にあるものだ。それなら砂糖を作るための本があってもおかしくはない。だが、本は大変高価だと聞いているが。
「モナカはどこでそんな本を読んだ?」
「私が通っていた大学の図書館です」
図書館があるだと!? あれ? 大学もあるのか。今頃気づいたけどモナカは大卒だったんだな。才媛じゃないか。
「図書館があるのか? それはどこにある? この辺にもあるのか?」
「国立図書館は日本に4つだけです。そのうちのひとつが私の実家の目の前にあったもので毎日のように通ってました。ミノやオワリにはありませんね」
ないのかぁ。がっかりだよ。しかし、モナカはどんだけ便利なとこで生まれとんねん。うらやましいぞ。
「それにしたって、どうしてそんな本まで読んだのか不思議だ。女の子なら読むのは恋愛もの小説とかが普通だろう」
「子供の頃に図書館にある小説やエッセイのたぐいは読み尽くしてしまったので、大学に通う頃にはノウハウ本とか技術書ぐらいしか読むものがなくなっていたのです」
どんだけ便利な頭しとんねん。どえらい読書量だな。俺の比じゃないぞそれ。
「一体どれだけの蔵書があったんだ、そこは」
「エチ図書館は120万冊だと聞いてます」
(えぇぇぇ?! ちょうど?!)
(だいたいだわ、ヨ)
ツッコみ乙。
「そ、それを全部読んだのか、すごいなお前」
「流し読みしただけのもの多いですけどね。ぱらぱらめくるだけで、だいたいの内容は分かるし、一度読めば内容はほとんど覚えてしまうし」
速読ができてイメージ記憶もできるのか。こいつ底抜けにすごいやつだな。
「それじゃ、砂糖作りはモナカにまかせることにしようか」
「その前に、砂糖を作るための問題をクリアする必要があります」
「え? どんな問題?」
「サトウキビからは、その重さの10%ぐらいしか砂糖は獲れません。1本が高さ3mぐらいになるサトウキビですが、そこから砂糖はせいぜい200gです」
「ふむ、そんなものだろうな。それがなにか問題か?」
「いまのお話ですと、栽培場所は屋内のようですが、そこはそんな広いのですか?」
ああっ! そうだった。獲れれば良いというものではなかった。量が必要なのだ。そのためには広い栽培面積がいるのか。
「1ヘクタール(100m×100m)のサトウキビ畑から獲れる砂糖は、約80トンです。サトウキビを植えてから収穫できるまで1年半かかります。それで間に合うような量でしょうか」
こいつすげーーー!! 記憶力よりもそういう計算が瞬時にできるのがすげーー。こいつは役に立つやつだ。ちゃんと数字で話をするということを知っている。
「いや、そもそも1ヘクタールが無理だ。あそこには、もっとカカオを増やそうと思っていたぐらいだからな。それでもせいぜい50m×50mあるかどうかだ。多少の拡張は可能かもしれないが」
「面積は1/4ですね。それでは年に20トン獲れるかどうかですね。しかもカカオを植えるならとてもそんなスペースは取れそうにありません。それにもっと問題があります」
「もうお腹いっぱいだけど、一応聞いておく、なに?」
「サトウキビには日照量が必要なのですよ。人には強烈すぎるほどの陽射しを使って砂糖を蓄積させる植物なのですから」
「そうか。電灯じゃとても無理ってことだな。分かった。あそこでサトウキビの栽培はできない。諦めよう」
「え?」
「え? ってなんだよ。そもそもお前が言ったことだろ」
「え、ええ。そうなのです。でも、私の意見を真剣に聞いてくれる人なんかいままでいなかったもので、ちょっと驚いてしまって」
「なんだそれ。お前の言ったことは正しい。きちんと数字を出して説明したじゃないか。それが分からんのなら、そいつがボンクラだからだろ」
「うっ、うぅぅぅ。ぐすっ、はい、そうですね。そうで、ずずずずず」
なんでここで泣く!? おい止せよ(コウラク風)。俺が泣かせたみたいな絵になってんじゃないか。こんなところをミヨシに見られたら……ずっとそこにいましたっけ?
「はい。最初からずっといますけど、なにか?」
「なんでもないです。で、この子なんで泣いてるの?」
(分からんのかヨ?!)
(え? ミノウには分かるのか?)
「ユウのことだから、そう言うとは思ったわ。モナカさん、落ち着いて。ここにはあたなの理解者がいる、ということだけ分かってもらえれば良いわ。これからは思う存分働けるわよ」
「は、はい、ミヨシさん。私、頑張ります」
「あのモナカさん。私のほうが年下なのだから、ミヨシでいいわよ」
「あ、そうか。そうよね。よろしくね、ミヨシ」
「うん」
あのぉ、俺の質問が宙に浮いたままなんですけど、それは……どうでもいいか、それよりもだ。
(そうくると思ったヨ)
「モナカに質問がふたつある」
「はい、なんでしょうか」
「前から気になってはいたのだが、その肩に乗ってるのはなんだ?」
「ああ、ユウさんにはこれが見えるのですね。これは私の眷属であるホンドリスの魔物で名をヌコといいますす」
誰だ、おかしな言葉を教えやがったやつは?
(ぴゅ~ヨ)
(またお前かよ! いい加減にあっちのネット用語を流行らせるのは止せ!」
「ほーいヨ)
「種族は魔齧歯類のホンドリスです。大学入学したときに、親からもらい受けました。私は魔法は使えませんので親の眷属を引き継いだのです」
「へぇ、そういうこともできるのか」
「ええ。眷属は3人――魔物、元の主人、新しい主人――の同意があれば移動ができます。この子は私が小さいときからずっと懐いていたので簡単でした」
「もっとリスっぽい名前だってあっただろうに」
「ずっと名前は付けていなかったのですが、ここにきたら急にそんな名前が脳裏に浮かんで……どうしてでしょうね。でも可愛いから気に入ってます。この子も気に入ってくれているみたいですよ。ねーヌコ」
(ミノウ?!)
(ぴゅ~ヨ)
ややこしい名前を付けさせるなよ。ところでなんだ魔齧歯類って?
「一応魔物なのか。ペットのようなものか」
「〇×△◇×〇〇」
「なんかうなったぞ、いま?」
「失礼な。我は霊長類・魔齧歯類科リス族の王であるぞ、以後そう心得よ、と言ってます」
「もうちょっと短かったような気がするが。えええ?! 霊長類ってマジか?!」
「あ、霊長類というのは人の眷属になったのでそういう分類になるだけです。本来は魔齧歯類ですよ」
それでも魔齧歯類なんてのがあるんだなぁ。ということは、ミノウも霊長類なのか?
(失礼な。我は魔王だぞ。霊長類なんていう低級な種族と一緒にするでないヨ)
(悪かったな低級で。もうくすぐって遊んでやらないぞ)
(いや、それは。ちょっとなんだ。人にも多少まともなものもいるヨ?)
(フォローになってねぇよ!)
「それで、もうひとつはなんですか?」
「そうそう、そっちが本題だ。砂糖の生産についてだが、お前の知識の中になにか代案はないか?」
「代案ですか。砂糖を作るための……うーん」
そう言った後少し考えた。ってことはあるのか?
「あ、そうだ! あります」
まじでか?!
「ただ、ここの気候では無理です」
「それはそうだろうな。それは俺も理解している。しかしサトウキビを作るのにふさわしい気候となれば、それはもう本土を離れて沖縄辺りまで……」
「それは、ホッカイ国です」
はぁぁ?!
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