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第123話 エルフの3姉妹
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「それで? 私たちになにを聞きたいの、ぼ・う・や」
「えへへ、お姉さんたち。その前にこのお菓子をどうぞ召し上がれ」
「なにこれ? 少し焦げたおせんべいかしら?」
「おせんべいにしては軽いわね。見たことないけど、本当に食べ物なの?」
クラークの居城から持ってきたポテチの残りである。本来なら俺のおやつになるはずだったのだが、このバッグの情報には代えられない。決死の思いで差し出したのだ。
(大げさなのだヨポリポリ)
(お前が食ってんじゃねぇよ)
「まあ、一口食べていただければ分かりますよ」
そぉ? と言いながら半信半疑でポテチを手に取るエルフ姉さんたち。
ユウコ「くんくん、あらこれもいい匂いがするわね、ぽり……ああっ。おいしい!!」
アクビ「え? ほんと? じゃあ私も」
エツコ「それなら私も」
ミノウ「じゃあ、我もぽりぽりぽり」
「ごらぁ! ミノウまで混ざるな!!」
「「「…………………!!!」」」
「ほらみろ、こうなっちゃうだろ?」
「どもーヨ」
「なんだその軽い挨拶は。どこかの漫才師か」
「「「ミノウ様?!」」」
「なんだ、みんな知ってるの?」
エツコ「お会いするのは初めてですけど、ミノウ様は私たちの恩人なのです。先祖代々ミノウ様のお姿は石像になって受け継がれています。だからひと目見て分かりました」
ユウコ「私たちは毎日拝んでいますよ。でもどうしてここにミノウ様がいらっしゃるのですか?」
ミノウ「うむ、よんどころない事情によってな。ところでお主らはこの里のものかヨ?」
アクビ「はいそうです。ミノウ様の発電所のおかげで、いまでは凍死したり餓死したりするエルフはいなくなりました」
昔はエルフが凍死したり餓死してたんか?!
「ミノウは、ここにも発電所を作っていたのか」
「そうなのだヨ。ずっと前にここの長老に依頼されたヨ」
ユウコ「あの、ミノウ様と君はいったいどんな関係で?」
アクビ「ちょっとミノウ様に対してその口の利き方は不遜ですわよ」
怒られちゃった。もう12才のフリはやめだ。12才だけど。
「もうぶっちゃけちゃうけど、ミノウは俺の眷属だ」
「「「…………………!!!」」」
「また、コピペ使ったヨ?」
「このぐらいいいだろ」
ユウコ「け、眷属? ミノウ様が? どうして? それはなにかのボランティアですか?」
アクビ「逆でしょ? ミノウ様がこの子を」
「いや、我が選んでこやつの眷属になったのだヨ。それは間違いがないヨ」
うそよね? 私たち担がれているんだわ。ぽりぽりぽり。ミノウ様って人をからかうのが好きだったっけ? これおいしいねぽり。なにか弱みをもたれたのかしら。魔王の弱みっていったい? ぽりぽりぽり。信じられないわね。
ひとりだけ食欲が勝っているやつがいるようだけど。
「いろいろ事情があってこういうことになったんだ。ちなみに、オウミって魔王は知ってるか?」
ユウコ「それはもちろんよポリポリ」
食いしんぼはお前か!
「そのオウミも、俺の眷属だ」
「「「…………………!!!」」」
「またやったのだヨ?」
「黙ってろって」
「ということで、お話の続きなのだけど」
ユウコ「その前に確認させて!!」
「ほいヨ」
ユウコ「ほんとに君……あなたはミノウ様を眷属にしたのね?」
「ユウって呼んでくれ。その通り」
ユウコ「で、ユウさんはミノウ様にどんな代償を?」
(それはこのアホがカカオの実に捕まっていたから。ってのは言っちゃダメだよな?)
(も、も、もちろんなのだ。そんなこといったら我の貫禄が丸つぶれなのだヨ)
(貫禄はつぶれねぇよ。それを言うなら面目だ。そもそもお前に貫禄なんかないだろが)
(そうだったヨ。面目な、面目)
(じゃあ、アレを見せてやってくれ。そうすれば納得してくれるだろう)
(分かったのだヨ)
「みんな、これを見るが良いヨ」
そういってミノウが取り出したのは、例のニホン刀である。
エツコ「わぁキレイ。純金製なのね。でも刀ぐらいなら、ミノウ様が作れと命令すればいくらでも入手できますよね?」
「これは金めっきだヨ。それにただの刀ではないのだ。まあ見ているが良いよヨ
え? あれがめっき? それで切ったりしたらめっきが剥がれちゃうんじゃ。それはもったいないわ! そんなキレイなめっきが剥がれたら……あれ?
ミノウがその小さな刀をぶんっと振ると。
ポテチを入れていたお皿が、スパコンとキレイにまっぷたつになった。
「ちょっ! お前。よりによって皿を切るやつがあるか! ポテチがこぼれちまったじゃないか!!
「す、す、すまんのだ。ちょうどいいところあったのでついヨ」
「つい、じゃねぇよもう。モナカ、代わりの皿はあるか?」
「はい、いまお持ちします」
ユウコ「ミノウ様が叱られている……。いまのふたりの会話だけでもう充分理解できた気がする……」
アクビ「すごい、当たっていないのに陶器のお皿が切れてる! こんなすごいものが作れる人なら、ミノウ様を眷属にしたのも頷けるね」
エツコ「じゃあ私も」
ミノウ「じゃあ、我もきゅぅぅぅ」
「お前はどうしてそっちに混ざりたがるんだよ! こっちに来い」
ミノウ「きゅぅぅぅ」
「ということで、ミノウは俺の眷属だ。そこでみんなに頼みたいことがあるんだが」
「「「なんなりとおっしゃってください」」」
態度豹変した?!
「そのバッグのことについて教えてもらいたいんだ」
ユウコ「あ、これ? もちろん良いわ。ミノウ様のご主人なら信頼できるから、なんでも聞いてください」
「「うんうんぱりぱり」」
こんどはそっちのふたりが食べてんのか。
ユウコ「それで、これのなにが知りたいの……ですか?」
「普通にため口でしゃべっていいぞ。その材質はなんだ?」
「じゃ、そうするね。材質は私たちの里で獲れるネコヤナギよ」
「ああ、あのもふもふの(弾丸形の)実がなるやつか」
「そう、そのもふもふの(猫形の)実がなるやつよ」
伏線?
「それは高級品なのか?」
「いえ、そんなことないわよ。材料はいくらでもあるし、作るのも簡単だしね」
「もし、それでこのぐらい(A4サイズぐらいの大きさ)の袋を作ってもらったら、1枚いくらぐらいになる?」
「え? これを買おうって話なの? そうね。50円ぐらいかしら?」
「それは高いな。10円以下にならないか?」
「それは無理よ。いったいなにを入れるつもりなの?」
「さっきユウコも食べたあのお菓子だ」
「ああ、それならこんな丈夫なものでなくても良いでしょ?」
「ああ、かまわないが……あ、そうか。他にも繊維の取れる種類があるんだな、もっと適したものがあるのか?」
「エロネコグサから作った繊維でどうかな。とても安いわよ」
「エロネコグサ?」
エノコログサ、ではないらしい。
「どこかのゲームみたいで草ヨ」
「お前は黙ってなさい」
「猫じゃらしじゃないのか?」
「あ、そうとも言うわね。あれは強度はそんなにないけど、薄くできるから軽くて安いわよ。このぐらいのものを入れるなら、ちょうど良いと思うわ。それなら1枚5円はしないわよ」
「おおっ。そうか!! そのエロネコ。1万枚買うといったらどのくらいかかる?」
「「「ええええっ!?」」」
驚くようなことだろか? 合計でたかが5万円だが。それとも数が多すぎたか。
「いいいいいいいの? そそそそそんなにたくさん。ごごご合計で5万もかかるのよ?」
どもってんぞ。しかし5万も、ときたか。やはり金銭感覚がちょっと違うな。
「分かってる。で、納期はどのくらいでできる?」
「ちょっと待って、帰って相談してみる。そんなたくさん作ったことないもの。急ぐのなら里の人を総動員しなきゃいけないし」
「そこまでは急がない。来年の春まででいい」
「ああ、それなら大丈夫。この冬の手仕事になってありがたいわ」
「おそらくその後もずっと発注することになると思う。最大でどのくらいまで生産可能があとで教えてくれ」
「分かった。帰ったらすぐ長老と相談するね」
「あ、そうだ。それと、その袋を閉じる方法なんだが」
「いろんな方法があるけど、ユウは接着魔法は使えないの?」
「あ、俺は魔法は使えないんだ」
「魔王を眷属にしているのに?!!」
「そうだけど? ミノウは使えるか?」
「そりゃもちろん、そんなの初級魔法だヨ。アチラでもゼンシンでも使えるであろう」
「ゼンシンって魔法を使えたっけ?」
「教えれば使えるのだ。やつには才能があるのだヨ」
あらら、知らんかった。帰ったらさっそく教えてもらおう。しかしこのエルフという人たちは、人間とはまた違った知識や技能を持っているようだな。お友達になっておきたいな。
「ところで、お菓子は気に入ってもら……えたようで幸いだ」
もう全部食べ尽くしたんかい!
「はい、おいしかったです。でもこれ、喉が渇きますね」
「はい、それでは温かいお茶をどうぞ」
さすがモナカである。
エツコ「おいしかった。これだけのものをいただいて、バッグひとつでは申し訳ないわね。仕事までもらっちゃったし」
アクビ「そうね。私たちなりのお礼をしないといけないと思う」
私たちなりのお礼?
ユウコ「え? ちょっと待ってよ。それってまさか」
アクビ「ユウさん、このお礼に私たち姉妹のうちの誰かひとりを置いて行くから、好きに使っていいわよ」
エツコ「そうね。そのぐらいが適正よね。炊事洗濯ご飯炊きから夜のお伽まで、なにに使ってもいいわよ?」
「はい? 君たちって3姉妹だったの?」
「驚くとこそっちかヨ」
ユウコ「もう、結局そうなるのかぁ。分かったわよ。じゃあ、誰にするのか、ユウが選んでよ」
みんな身長は150cmぐらいで、ほぼ差はない。体重も似たようなものだろう。耳が長いのも同じだ。
ユウコは末っ子で、愛嬌のある細い目が特徴のお話し好き。肩まである黒髪に青い目。そしてまん丸の顔。3人の中では一番幼く見えるが笑うととても可愛い。フィギュアにするならねんどろいどが似合うだろう。
アクビはもうすこし面長で長いブロンズ髪。お笑い好きでボケタイプの次女。ちょっとケバい……大人びた外観の美人さんだ。フィギュアにするならfigmaかな?
エツコは大きな目が特徴の長女だ。ボブカットにしたベージュ色の髪ですっきりとした卵形の顔。和風美人と言っていい。一番のしっかりものだそうだ。フィギュアというよりガレキが似合うかな。
「俺が選んでいいのか?」
「そうして。それなら公平だからね」
公平って言葉の意味が違ってないだろうか。しかし、夜の伽とかすごいことを言われた。ということはだ。もにもにも自由にして良いってことだよな? じゃあ決まりだ!
「じゃあ、ユウコでお願いしよう」
「はい、選んでくれてありがとうね、ユウ」
「あ、いや、それほどでも、でへへへ」
おっぱいが一番大きいのを選んだというのは内緒だゾ。
「それじゃあ、アクビ、エツコ。長老への報告はお願いね」
「「了解。ユウコもしっかりな」」
「できたら、2,3枚でいいのでサンプルを持ってきてもらえないか?」
アクビ「分かった。明日にも持って行くね。どこに届ければいい?」
「早くて助かるよ。モナカ、場所を教えてやってくれ」
「はい。私たちはいまホッカイ大学でお世話になっていて、それこうなってこうでここよ」
「そこなら知ってます。了解です」
ってなわけで交渉成立である。しかし、なんかエラいものを手に入れてしまった気がする。この世界の常識がまだ分からないが、12才の少年が愛人? とか持っていいものだろうか。
「所長。ミヨシさんのこと忘れてませんよね?」
「え?」
クギ刺された。
「えへへ、お姉さんたち。その前にこのお菓子をどうぞ召し上がれ」
「なにこれ? 少し焦げたおせんべいかしら?」
「おせんべいにしては軽いわね。見たことないけど、本当に食べ物なの?」
クラークの居城から持ってきたポテチの残りである。本来なら俺のおやつになるはずだったのだが、このバッグの情報には代えられない。決死の思いで差し出したのだ。
(大げさなのだヨポリポリ)
(お前が食ってんじゃねぇよ)
「まあ、一口食べていただければ分かりますよ」
そぉ? と言いながら半信半疑でポテチを手に取るエルフ姉さんたち。
ユウコ「くんくん、あらこれもいい匂いがするわね、ぽり……ああっ。おいしい!!」
アクビ「え? ほんと? じゃあ私も」
エツコ「それなら私も」
ミノウ「じゃあ、我もぽりぽりぽり」
「ごらぁ! ミノウまで混ざるな!!」
「「「…………………!!!」」」
「ほらみろ、こうなっちゃうだろ?」
「どもーヨ」
「なんだその軽い挨拶は。どこかの漫才師か」
「「「ミノウ様?!」」」
「なんだ、みんな知ってるの?」
エツコ「お会いするのは初めてですけど、ミノウ様は私たちの恩人なのです。先祖代々ミノウ様のお姿は石像になって受け継がれています。だからひと目見て分かりました」
ユウコ「私たちは毎日拝んでいますよ。でもどうしてここにミノウ様がいらっしゃるのですか?」
ミノウ「うむ、よんどころない事情によってな。ところでお主らはこの里のものかヨ?」
アクビ「はいそうです。ミノウ様の発電所のおかげで、いまでは凍死したり餓死したりするエルフはいなくなりました」
昔はエルフが凍死したり餓死してたんか?!
「ミノウは、ここにも発電所を作っていたのか」
「そうなのだヨ。ずっと前にここの長老に依頼されたヨ」
ユウコ「あの、ミノウ様と君はいったいどんな関係で?」
アクビ「ちょっとミノウ様に対してその口の利き方は不遜ですわよ」
怒られちゃった。もう12才のフリはやめだ。12才だけど。
「もうぶっちゃけちゃうけど、ミノウは俺の眷属だ」
「「「…………………!!!」」」
「また、コピペ使ったヨ?」
「このぐらいいいだろ」
ユウコ「け、眷属? ミノウ様が? どうして? それはなにかのボランティアですか?」
アクビ「逆でしょ? ミノウ様がこの子を」
「いや、我が選んでこやつの眷属になったのだヨ。それは間違いがないヨ」
うそよね? 私たち担がれているんだわ。ぽりぽりぽり。ミノウ様って人をからかうのが好きだったっけ? これおいしいねぽり。なにか弱みをもたれたのかしら。魔王の弱みっていったい? ぽりぽりぽり。信じられないわね。
ひとりだけ食欲が勝っているやつがいるようだけど。
「いろいろ事情があってこういうことになったんだ。ちなみに、オウミって魔王は知ってるか?」
ユウコ「それはもちろんよポリポリ」
食いしんぼはお前か!
「そのオウミも、俺の眷属だ」
「「「…………………!!!」」」
「またやったのだヨ?」
「黙ってろって」
「ということで、お話の続きなのだけど」
ユウコ「その前に確認させて!!」
「ほいヨ」
ユウコ「ほんとに君……あなたはミノウ様を眷属にしたのね?」
「ユウって呼んでくれ。その通り」
ユウコ「で、ユウさんはミノウ様にどんな代償を?」
(それはこのアホがカカオの実に捕まっていたから。ってのは言っちゃダメだよな?)
(も、も、もちろんなのだ。そんなこといったら我の貫禄が丸つぶれなのだヨ)
(貫禄はつぶれねぇよ。それを言うなら面目だ。そもそもお前に貫禄なんかないだろが)
(そうだったヨ。面目な、面目)
(じゃあ、アレを見せてやってくれ。そうすれば納得してくれるだろう)
(分かったのだヨ)
「みんな、これを見るが良いヨ」
そういってミノウが取り出したのは、例のニホン刀である。
エツコ「わぁキレイ。純金製なのね。でも刀ぐらいなら、ミノウ様が作れと命令すればいくらでも入手できますよね?」
「これは金めっきだヨ。それにただの刀ではないのだ。まあ見ているが良いよヨ
え? あれがめっき? それで切ったりしたらめっきが剥がれちゃうんじゃ。それはもったいないわ! そんなキレイなめっきが剥がれたら……あれ?
ミノウがその小さな刀をぶんっと振ると。
ポテチを入れていたお皿が、スパコンとキレイにまっぷたつになった。
「ちょっ! お前。よりによって皿を切るやつがあるか! ポテチがこぼれちまったじゃないか!!
「す、す、すまんのだ。ちょうどいいところあったのでついヨ」
「つい、じゃねぇよもう。モナカ、代わりの皿はあるか?」
「はい、いまお持ちします」
ユウコ「ミノウ様が叱られている……。いまのふたりの会話だけでもう充分理解できた気がする……」
アクビ「すごい、当たっていないのに陶器のお皿が切れてる! こんなすごいものが作れる人なら、ミノウ様を眷属にしたのも頷けるね」
エツコ「じゃあ私も」
ミノウ「じゃあ、我もきゅぅぅぅ」
「お前はどうしてそっちに混ざりたがるんだよ! こっちに来い」
ミノウ「きゅぅぅぅ」
「ということで、ミノウは俺の眷属だ。そこでみんなに頼みたいことがあるんだが」
「「「なんなりとおっしゃってください」」」
態度豹変した?!
「そのバッグのことについて教えてもらいたいんだ」
ユウコ「あ、これ? もちろん良いわ。ミノウ様のご主人なら信頼できるから、なんでも聞いてください」
「「うんうんぱりぱり」」
こんどはそっちのふたりが食べてんのか。
ユウコ「それで、これのなにが知りたいの……ですか?」
「普通にため口でしゃべっていいぞ。その材質はなんだ?」
「じゃ、そうするね。材質は私たちの里で獲れるネコヤナギよ」
「ああ、あのもふもふの(弾丸形の)実がなるやつか」
「そう、そのもふもふの(猫形の)実がなるやつよ」
伏線?
「それは高級品なのか?」
「いえ、そんなことないわよ。材料はいくらでもあるし、作るのも簡単だしね」
「もし、それでこのぐらい(A4サイズぐらいの大きさ)の袋を作ってもらったら、1枚いくらぐらいになる?」
「え? これを買おうって話なの? そうね。50円ぐらいかしら?」
「それは高いな。10円以下にならないか?」
「それは無理よ。いったいなにを入れるつもりなの?」
「さっきユウコも食べたあのお菓子だ」
「ああ、それならこんな丈夫なものでなくても良いでしょ?」
「ああ、かまわないが……あ、そうか。他にも繊維の取れる種類があるんだな、もっと適したものがあるのか?」
「エロネコグサから作った繊維でどうかな。とても安いわよ」
「エロネコグサ?」
エノコログサ、ではないらしい。
「どこかのゲームみたいで草ヨ」
「お前は黙ってなさい」
「猫じゃらしじゃないのか?」
「あ、そうとも言うわね。あれは強度はそんなにないけど、薄くできるから軽くて安いわよ。このぐらいのものを入れるなら、ちょうど良いと思うわ。それなら1枚5円はしないわよ」
「おおっ。そうか!! そのエロネコ。1万枚買うといったらどのくらいかかる?」
「「「ええええっ!?」」」
驚くようなことだろか? 合計でたかが5万円だが。それとも数が多すぎたか。
「いいいいいいいの? そそそそそんなにたくさん。ごごご合計で5万もかかるのよ?」
どもってんぞ。しかし5万も、ときたか。やはり金銭感覚がちょっと違うな。
「分かってる。で、納期はどのくらいでできる?」
「ちょっと待って、帰って相談してみる。そんなたくさん作ったことないもの。急ぐのなら里の人を総動員しなきゃいけないし」
「そこまでは急がない。来年の春まででいい」
「ああ、それなら大丈夫。この冬の手仕事になってありがたいわ」
「おそらくその後もずっと発注することになると思う。最大でどのくらいまで生産可能があとで教えてくれ」
「分かった。帰ったらすぐ長老と相談するね」
「あ、そうだ。それと、その袋を閉じる方法なんだが」
「いろんな方法があるけど、ユウは接着魔法は使えないの?」
「あ、俺は魔法は使えないんだ」
「魔王を眷属にしているのに?!!」
「そうだけど? ミノウは使えるか?」
「そりゃもちろん、そんなの初級魔法だヨ。アチラでもゼンシンでも使えるであろう」
「ゼンシンって魔法を使えたっけ?」
「教えれば使えるのだ。やつには才能があるのだヨ」
あらら、知らんかった。帰ったらさっそく教えてもらおう。しかしこのエルフという人たちは、人間とはまた違った知識や技能を持っているようだな。お友達になっておきたいな。
「ところで、お菓子は気に入ってもら……えたようで幸いだ」
もう全部食べ尽くしたんかい!
「はい、おいしかったです。でもこれ、喉が渇きますね」
「はい、それでは温かいお茶をどうぞ」
さすがモナカである。
エツコ「おいしかった。これだけのものをいただいて、バッグひとつでは申し訳ないわね。仕事までもらっちゃったし」
アクビ「そうね。私たちなりのお礼をしないといけないと思う」
私たちなりのお礼?
ユウコ「え? ちょっと待ってよ。それってまさか」
アクビ「ユウさん、このお礼に私たち姉妹のうちの誰かひとりを置いて行くから、好きに使っていいわよ」
エツコ「そうね。そのぐらいが適正よね。炊事洗濯ご飯炊きから夜のお伽まで、なにに使ってもいいわよ?」
「はい? 君たちって3姉妹だったの?」
「驚くとこそっちかヨ」
ユウコ「もう、結局そうなるのかぁ。分かったわよ。じゃあ、誰にするのか、ユウが選んでよ」
みんな身長は150cmぐらいで、ほぼ差はない。体重も似たようなものだろう。耳が長いのも同じだ。
ユウコは末っ子で、愛嬌のある細い目が特徴のお話し好き。肩まである黒髪に青い目。そしてまん丸の顔。3人の中では一番幼く見えるが笑うととても可愛い。フィギュアにするならねんどろいどが似合うだろう。
アクビはもうすこし面長で長いブロンズ髪。お笑い好きでボケタイプの次女。ちょっとケバい……大人びた外観の美人さんだ。フィギュアにするならfigmaかな?
エツコは大きな目が特徴の長女だ。ボブカットにしたベージュ色の髪ですっきりとした卵形の顔。和風美人と言っていい。一番のしっかりものだそうだ。フィギュアというよりガレキが似合うかな。
「俺が選んでいいのか?」
「そうして。それなら公平だからね」
公平って言葉の意味が違ってないだろうか。しかし、夜の伽とかすごいことを言われた。ということはだ。もにもにも自由にして良いってことだよな? じゃあ決まりだ!
「じゃあ、ユウコでお願いしよう」
「はい、選んでくれてありがとうね、ユウ」
「あ、いや、それほどでも、でへへへ」
おっぱいが一番大きいのを選んだというのは内緒だゾ。
「それじゃあ、アクビ、エツコ。長老への報告はお願いね」
「「了解。ユウコもしっかりな」」
「できたら、2,3枚でいいのでサンプルを持ってきてもらえないか?」
アクビ「分かった。明日にも持って行くね。どこに届ければいい?」
「早くて助かるよ。モナカ、場所を教えてやってくれ」
「はい。私たちはいまホッカイ大学でお世話になっていて、それこうなってこうでここよ」
「そこなら知ってます。了解です」
ってなわけで交渉成立である。しかし、なんかエラいものを手に入れてしまった気がする。この世界の常識がまだ分からないが、12才の少年が愛人? とか持っていいものだろうか。
「所長。ミヨシさんのこと忘れてませんよね?」
「え?」
クギ刺された。
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