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1 落とし穴?
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残り一周の鐘が鳴り、先頭集団の緊張感が高まる。
どのタイミングでスパートすれば他の連中を出し抜けるのか、駆け引きが本格的に始まった。
早過ぎるスパートは、相手を利するだけ。かといって格上の相手のタイミングでスパートされてしまったら、逃げ切られてしまう。頭の使いどころだ。
そして、考えるのは相手のことだけではない。自分の足の状態も把握しなければならない。
前を上手く風避けに使えていたので、足は十分に溜められている。今日は勝負できる。
そう判断した瞬間、動きがあった。
すぐ前にいた三番手の選手がスピードを上げたのだ。
すかさず後ろに着いていく。
着いていきながら状況分析。こいつは優勝候補筆頭。力はある。でもこいつの勝ちパターンはラスト百メートルのダッシュだったはず。ということは、これは本気のスパートではなく、振るい落としのための揺さぶりだろう。更に言えば、ラスト百メートルの時点でこいつの後ろにいたらダメだということ。
よし、決まった。
優勝候補筆頭は、先頭にたった時点でスピードを元に戻した。ヤツにしてみればこれで集団をコントロールしやすくなったってところだろう。
でも、そこがこっちの狙い目だ。
スピードを落とすことなくヤツの横をすり抜け、トップに躍り出る。
後はひたすら全力ダッシュ。残り三百メートル。届くかどうか微妙な距離。
後先は考えない。今日は勝負すると決めたのだ。
足。
肺。
心臓。
限界までブン回す。
幸い、意表は衝けたらしい。想定していたより足音は遠い。
あまり得意ではないコーナーの走りも、びっくりするくらい上手くいった。
最後の直線。後ろが迫って来るのがわかる。経験したことのない凄まじいプレッシャー。
気にしたら敗け!
無理矢理意識を前に切り替える。
苦しい。
ひたすら苦しい。
自分が何をしているのかわからなくなる。
それでも身体は動いた。
狭窄した視野にゴールラインが入った。
勝った。
そう思った瞬間ーー
足下から地面が消えた。
一瞬で視界が真っ暗になり、落下感覚に包まれる。
知覚できたのはそこまでだった。
…………
どのタイミングでスパートすれば他の連中を出し抜けるのか、駆け引きが本格的に始まった。
早過ぎるスパートは、相手を利するだけ。かといって格上の相手のタイミングでスパートされてしまったら、逃げ切られてしまう。頭の使いどころだ。
そして、考えるのは相手のことだけではない。自分の足の状態も把握しなければならない。
前を上手く風避けに使えていたので、足は十分に溜められている。今日は勝負できる。
そう判断した瞬間、動きがあった。
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すかさず後ろに着いていく。
着いていきながら状況分析。こいつは優勝候補筆頭。力はある。でもこいつの勝ちパターンはラスト百メートルのダッシュだったはず。ということは、これは本気のスパートではなく、振るい落としのための揺さぶりだろう。更に言えば、ラスト百メートルの時点でこいつの後ろにいたらダメだということ。
よし、決まった。
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でも、そこがこっちの狙い目だ。
スピードを落とすことなくヤツの横をすり抜け、トップに躍り出る。
後はひたすら全力ダッシュ。残り三百メートル。届くかどうか微妙な距離。
後先は考えない。今日は勝負すると決めたのだ。
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肺。
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幸い、意表は衝けたらしい。想定していたより足音は遠い。
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気にしたら敗け!
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苦しい。
ひたすら苦しい。
自分が何をしているのかわからなくなる。
それでも身体は動いた。
狭窄した視野にゴールラインが入った。
勝った。
そう思った瞬間ーー
足下から地面が消えた。
一瞬で視界が真っ暗になり、落下感覚に包まれる。
知覚できたのはそこまでだった。
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