異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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10 冒険者

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「冒険者登録する」

 そう言うと、シルヴィアは驚いたようだった。

「どうして?」

「働かなきゃ稼げないだろ?」

「何か欲しい物があるの?   それならお父様に言えばーー」

「いやいや、人からもらったお金でシルヴィアへのプレゼント買うのはアウトでしょ」

「え?   じゃあわたしのために?」

「それだけじゃないけどな。せっかく異世界に来たんだから、いろいろやってみたいし、見聞広げたいからな」

「そう……」

「そんな顔しないでくれ。今のままじゃ単なるヒモだからな、俺。自信持ってシルヴィアの隣に立てる男になりたいんだ」

「…うーん……」

 何か言いたそうにしていたシルヴィアだったが、何とか納得してくれた。



 そして、冒険者ギルドへやって来てーー

 登録自体は拍子抜けするくらいあっさり完了した。受付嬢さんの前に置かれた大ぶりの水晶球に利き手をかざし、ステータスをギルドカードに転写して終了だった。

「これで登録完了です。システムの説明は必要ですか?」

「レベル以上の依頼は受けられない、依頼が達成できない場合はペナルティが発生するってところを押さえとけば大丈夫ですかね?」

 受付嬢さんはニッコリ笑った。ショートカットが似合う、可愛らしい顔立ちのお姉さんだ。

「それで問題ありません。細かくはやりながら覚えていただければよいかと」

「ありがとうございます」

「それから、大事なことをひとつだけ」

「何だい?」

「デキる受付嬢を馴染みにしておくと、何かといいことがありますよ」

 悪戯っぽく笑って言った。

「それは売り込み?」

「はい。自分で言うのも何ですが、あたしは使えますよ」

「受付嬢さんにもメリットのある話なの?」

「はい。例えばAランクの冒険者さんに担当者指名してもらえれば、手当が増えます」

 なるほど、わかりやすいな。

「でも俺、駆け出しのEランクだぜ」

「そんなの名前が売れてからアプローチしたって軽くあしらわれるに決まってるじゃないですか。有望そうな人には早めに声をかけるんですよ」

 受付嬢さんーー名札によるとルミさんというらしいーーは、顔立ちは可愛らしいが、なかなかにたくましいようだった。

「わかった。おぼえとくよ」

 苦笑混じりに言った時ーー

「ルミちゃん、助けてくれ!」

 男がひとりギルドに駆け込んで来た。
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