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28 だらだらと……
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幸せな朝食を終えた後はシルヴィアの部屋にお邪魔した。
「コータローとゆっくりできるのって久しぶりだね」
「ごめんな。バタバタしちまってて」
「ううん、いいの。頑張ってるっていうのは聞いてるから」
「聞いてる?」
「ギルドの受付嬢のルミさんっていますよね。あの人、イリスのお友達なんです。そこからいろいろと情報が」
…ルミさん、余計なこと話してねえだろうな……
後ろめたいことがあるわけではないが、自分の知らないところでどんな話がされているのかと思うと、ちょっと怖い。
「…モンスター狩りの依頼とか、受けるようになるんですか?」
…やっぱりそこか……
実は最近カズサさんのパーティーに混ぜてもらって狩りに出ることが多かった。
韋駄天を活かした配達業でも稼げないことはないのだが、狩りは実入りが全然違った。具体的には十倍以上違う。
とある理由で金を必要としている俺にとってはありがたい話だったので、誘いがあれば喜んで同行させてもらっていた。
カズサさんのパーティーは、召喚勇者の中でも上位に位置する腕利き揃いで、かなりレベルの高い狩りをしている。
おかげで稼ぎも経験値もソロとは桁違いになっているのだが、今のところ俺が一方的に恩恵を受けている形なので、少々心苦しい。
カズサさんが言うには、今構想しているものを実現する時に力を貸してもらうから、その前払いだと思って欲しいとのことなので、お言葉に甘えさせてもらっている。
この辺りの話はシルヴィアには話していなかった。心配させるといけないと思って言わずにいたのだが、他の人から聞かされるんなら自分で話しておいた方がよかったと少し後悔した。
「まだ先のことはわからないけど、せっかく機会があるんだから、自分の巾を広げたいなと思ったんだ。内緒にしてたのは悪かった。心配させたくなかったんだ」
「わかってる。怒ったりしてるわけじゃないの。ただ、ちょっと心配なことがあって……」
「心配?」
そんなことを言われたら、当たり前だが気になる。
「何かあったの?」
「まだ先の話です。それに、起こるかどうかもわかりません。でも……」
「いいよ、話して」
シルヴィアは話しづらそうにしている。
改めて促すと、ようやく重い口を開いた。
「…もし、ですよ。もし、わたしが王女じゃなくても、コータローはわたしを娶ってくれますか?」
「はい?」
質問が予想外過ぎて、間抜け面をさらした。
何を言い出すんだ、こいつは?
シルヴィアはこれまで見たことがないくらい真剣な顔でこちらを見つめてくる。
小さく嘆息して、シルヴィアの頬に手を伸ばす。
摘まんで、引っ張った。
「ひ、ひたひでふ……」
笑えるくらいよく伸びた。
「くだらんこと言ってるからだ。つきあい始めに訊かれるならともかく、今更訊くことじゃねえだろが」
肩書きに惚れたわけじゃねえ。
そう言うと、シルヴィアは胸を撫で下ろした。
「そういう話が出たの?」
「いえ、出てはいません。ただ、いろいろな状況を考えた時に、そこも想定しておいた方がいいかと思ったんです」
「なるほどね。まあ、実際にそうなったとしても心配すんな。シルヴィアが王女でも平民でも俺は変わらんから」
「よかった。そう言ってくれるとは思ってたけど、ちょっとは心配だったの……」
「じゃあもう大丈夫だな」
「はい」
「よし、あと今日はイチャイチャするぞ」
「え? イチャイチャって…あ、きゃあっ!?」
で、そういうことになった。
「コータローとゆっくりできるのって久しぶりだね」
「ごめんな。バタバタしちまってて」
「ううん、いいの。頑張ってるっていうのは聞いてるから」
「聞いてる?」
「ギルドの受付嬢のルミさんっていますよね。あの人、イリスのお友達なんです。そこからいろいろと情報が」
…ルミさん、余計なこと話してねえだろうな……
後ろめたいことがあるわけではないが、自分の知らないところでどんな話がされているのかと思うと、ちょっと怖い。
「…モンスター狩りの依頼とか、受けるようになるんですか?」
…やっぱりそこか……
実は最近カズサさんのパーティーに混ぜてもらって狩りに出ることが多かった。
韋駄天を活かした配達業でも稼げないことはないのだが、狩りは実入りが全然違った。具体的には十倍以上違う。
とある理由で金を必要としている俺にとってはありがたい話だったので、誘いがあれば喜んで同行させてもらっていた。
カズサさんのパーティーは、召喚勇者の中でも上位に位置する腕利き揃いで、かなりレベルの高い狩りをしている。
おかげで稼ぎも経験値もソロとは桁違いになっているのだが、今のところ俺が一方的に恩恵を受けている形なので、少々心苦しい。
カズサさんが言うには、今構想しているものを実現する時に力を貸してもらうから、その前払いだと思って欲しいとのことなので、お言葉に甘えさせてもらっている。
この辺りの話はシルヴィアには話していなかった。心配させるといけないと思って言わずにいたのだが、他の人から聞かされるんなら自分で話しておいた方がよかったと少し後悔した。
「まだ先のことはわからないけど、せっかく機会があるんだから、自分の巾を広げたいなと思ったんだ。内緒にしてたのは悪かった。心配させたくなかったんだ」
「わかってる。怒ったりしてるわけじゃないの。ただ、ちょっと心配なことがあって……」
「心配?」
そんなことを言われたら、当たり前だが気になる。
「何かあったの?」
「まだ先の話です。それに、起こるかどうかもわかりません。でも……」
「いいよ、話して」
シルヴィアは話しづらそうにしている。
改めて促すと、ようやく重い口を開いた。
「…もし、ですよ。もし、わたしが王女じゃなくても、コータローはわたしを娶ってくれますか?」
「はい?」
質問が予想外過ぎて、間抜け面をさらした。
何を言い出すんだ、こいつは?
シルヴィアはこれまで見たことがないくらい真剣な顔でこちらを見つめてくる。
小さく嘆息して、シルヴィアの頬に手を伸ばす。
摘まんで、引っ張った。
「ひ、ひたひでふ……」
笑えるくらいよく伸びた。
「くだらんこと言ってるからだ。つきあい始めに訊かれるならともかく、今更訊くことじゃねえだろが」
肩書きに惚れたわけじゃねえ。
そう言うと、シルヴィアは胸を撫で下ろした。
「そういう話が出たの?」
「いえ、出てはいません。ただ、いろいろな状況を考えた時に、そこも想定しておいた方がいいかと思ったんです」
「なるほどね。まあ、実際にそうなったとしても心配すんな。シルヴィアが王女でも平民でも俺は変わらんから」
「よかった。そう言ってくれるとは思ってたけど、ちょっとは心配だったの……」
「じゃあもう大丈夫だな」
「はい」
「よし、あと今日はイチャイチャするぞ」
「え? イチャイチャって…あ、きゃあっ!?」
で、そういうことになった。
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