異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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27 幸せな朝食

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 雨の音で目が覚めた。起きて、窓から外を眺めると、滅多にお目にかかれないレベルの土砂降りだった。

「よし、今日は休み」

 即決して、もう一度布団に潜り込もうかと思ったのだが、思い直した。

「今日はシルヴィアといちゃいちゃしよう」

 最近、冒険者としての仕事を頑張っていたせいで、シルヴィアとの時間が取れていなかった。こんな日くらいシルヴィアとずっと一緒にいるのもいいよな。

 さっそくシルヴィアの部屋に行ったのだが、ノックしても返事がない。

「どこ行っちまったんだ?」

 まだ結構早い時間だから、外へ出たってことはないと思うんだけど……

 うろうろしてたらイリスさんと行き合った。

「おはようございます。コータロー様」

「おはようございます。シルヴィアどこにいるか知ってます?」

「ちょうど今お呼びしようと思っていたところです。こちらへどうぞ」

 イリスさんに連れていかれた先は食堂だった、ここは離れ専用の施設で、普段からシルヴィアもここで食事をしている。この辺にも悪意を感じるのだが、当のシルヴィアはこの方が気楽なようで、特に苦にした様子もないのだが。

「おはよう、コータロー」

 花が咲いたような満面の笑顔で迎えてくれるシルヴィア。今日も可憐だ。

「おはよう、シルヴィア。今日も最高に綺麗だね」

「皆の前で何を言ってるのよ」

 ふむ、いつもより赤みが濃いのは皆が見ているせいか。

「照れてる姫様って可愛い」

「っていうか、最近姫様が別人に見える気がするんだけど」

「あなたも?   実はあたしもそう思ってた」

 侍女たちのひそひそ話が聞こえてきた。やっと皆の目が覚めたのかな。

「もしかして…コータロー様の暗示かしら」

「それあるかも。毎日可愛い、綺麗って言われ続けて、ホントに綺麗になってきたとか?」

 いやいや君たち、シルヴィアは元々綺麗だからね。

 でも、本当に俺の言葉にそんな効果があったら嬉しいな。もっともっと可愛い、綺麗を連呼してやる。

「あの、ね、コータロー、今日の朝ごはん、わたしが作ってみたんだけど、食べてみてくれる?」

「いただきます!」

 光の早さで食卓に着いた。

 スクランブルエッグにカリカリベーコン、サラダにパン。定番と言えば定番だが、これを作ってくれたのがシルヴィアだという一点で、定番が至高となる。

「うおー、うまそーっ!」

「お口に合うといいんだけど」

「合わないわけないだろ。合わなくても口を合わせる」

「まずかったらホントに無理しないでね」

「余計な心配はしなくていいのーーいただきまーす」

 まずはサラダを。ドレッシングを一回ししていただく。

 新鮮な野菜のシャキシャキ感にほどよい酸味がマッチして、食欲を刺激する。

「このドレッシングもお手製?   すげえ美味いんだけど」

「よかったぁ」

「綺麗なだけじゃなくて料理も上手いなんて、シルヴィア最強だな」

「そ、そんなこと……」

「うん、スクランブルエッグも美味い。柔らかさが絶妙。そこにベーコンのカリっと感が絡まると、どんな褒め言葉も陳腐になるな」

 一度口の中のものを全部呑み込んだ。

「結論ーーシルヴィア、天才」

「も、もう、褒めすぎだよ……」

「いや、全然足りない。俺は今自分の語彙の貧弱さを呪ってるところだ」

「…バカ……」

 ああ、幸せだなあ……
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