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33 根回しは大事です
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始まりはしたものの、当然盛り上がるはずがない。責任を感じた王様があれやこれやと話題を振るのだが、ことごとくダダ滑りし、ついには心折れて消沈してしまう。
これじゃあ単なる拷問じゃねえか。この食事会、誰得なんだよ……
間違いなく断言できる。全員うんざりしていた。
いい料理なんだろうが、まったく味がわからない。紙と砂を食うと、こんな感じだろうか。
そして、最初に耐えられなくなったのは、最年少のマリエールだった。ある意味、順当な結果だった。
「ああっ、もう、何なのよ、このクソ空気は!?」
…あなた一応一国の王女様ですよね。もうちょっと言葉使いを…あ、王女以前に女の子としてどうなんだ、か。
「大体、何で今になって結婚なんて話になるのよ!?」
「相手ができたから……」
「揉めるに決まってるじゃない」
「何で?」
「姉様が結婚したら、その相手が王位継承権一位になるのよ。これまで時間をかけて進めてきた話を土壇場でひっくり返すなんて、揉めないわけがないでしょ」
吐き捨てるようなマリエールの言葉に、他の三人が頷く。
何だ、そんなことか……
脱力してしまう。
軽く手を挙げて、口を挟む。
「俺にもシルヴィアにもそのつもりはないですよ。何なら継承権を放棄する誓約書でも書きましょうか?」
「え?」
四人の口がポカンと開く。
「そ、そうなの?」
「はい。継承権のことも知りませんでした」
顔を見合わせて俺の言ったことを吟味する四人。ややあって、マリエールが恐る恐るといった様子で口を開く。
「じゃあ、どうしてシルヴィア姉様と……?」
言葉にされなかった裏の意味を考えると嫌な気分になるが、本当のシルヴィアを知らないおまえら不幸だな、と思うことにする。
「どうしてって、惚れた以外の理由なんて必要ないでしょ」
「コ、コータロー……」
こらこらシルヴィア、おまえがびっくりしてどうするんだ。
「ほ、本当に……?」
「ええ。俺はシルヴィアに惚れたから一緒になりたいーーそれだけですよ」
これで一気に張りつめていた空気が緩んだ。
どうやら本当にお家騒動を懸念していただけらしいとわかって、内心ほっとした。
ってか、これって王様の根回しひとつでどうにでもできたんじゃねえのか? 少なくとも、こんな要らんテンション、まるっきりバカみたいだ。
そう思って王様を睨むと、すまん、と目で謝られてしまった。
「ふっ、君が自分の身の程を知っているようでよかったよ」
何の脈絡もなく、ウェインがぶっこんできた。ナチュラルな上から目線がかなりうざい。
「形の上では君が義兄上だが、王になるのはこの僕だ。国のため、僕のため、頑張ってくれたまえ」
何だ、こいつ?
割と本気でウェインが得体の知れない生き物のように見えた。
他の皆も驚いている。婚約者にまで呆れたような顔されちゃダメだろ。
「僕が王になったあかつきには、君にはしっかりと働いてもらうからね。よろしく頼むよ」
俺の方はこれっぽっちも思わなかったが、毒気を抜かれてしまったようで、よろしく、なんて答えてしまった……
「さあ、食事を続けよう」
いささか無理矢理だったが、王様の言葉で皆の意識がそちらへ移った。
助かった……
これじゃあ単なる拷問じゃねえか。この食事会、誰得なんだよ……
間違いなく断言できる。全員うんざりしていた。
いい料理なんだろうが、まったく味がわからない。紙と砂を食うと、こんな感じだろうか。
そして、最初に耐えられなくなったのは、最年少のマリエールだった。ある意味、順当な結果だった。
「ああっ、もう、何なのよ、このクソ空気は!?」
…あなた一応一国の王女様ですよね。もうちょっと言葉使いを…あ、王女以前に女の子としてどうなんだ、か。
「大体、何で今になって結婚なんて話になるのよ!?」
「相手ができたから……」
「揉めるに決まってるじゃない」
「何で?」
「姉様が結婚したら、その相手が王位継承権一位になるのよ。これまで時間をかけて進めてきた話を土壇場でひっくり返すなんて、揉めないわけがないでしょ」
吐き捨てるようなマリエールの言葉に、他の三人が頷く。
何だ、そんなことか……
脱力してしまう。
軽く手を挙げて、口を挟む。
「俺にもシルヴィアにもそのつもりはないですよ。何なら継承権を放棄する誓約書でも書きましょうか?」
「え?」
四人の口がポカンと開く。
「そ、そうなの?」
「はい。継承権のことも知りませんでした」
顔を見合わせて俺の言ったことを吟味する四人。ややあって、マリエールが恐る恐るといった様子で口を開く。
「じゃあ、どうしてシルヴィア姉様と……?」
言葉にされなかった裏の意味を考えると嫌な気分になるが、本当のシルヴィアを知らないおまえら不幸だな、と思うことにする。
「どうしてって、惚れた以外の理由なんて必要ないでしょ」
「コ、コータロー……」
こらこらシルヴィア、おまえがびっくりしてどうするんだ。
「ほ、本当に……?」
「ええ。俺はシルヴィアに惚れたから一緒になりたいーーそれだけですよ」
これで一気に張りつめていた空気が緩んだ。
どうやら本当にお家騒動を懸念していただけらしいとわかって、内心ほっとした。
ってか、これって王様の根回しひとつでどうにでもできたんじゃねえのか? 少なくとも、こんな要らんテンション、まるっきりバカみたいだ。
そう思って王様を睨むと、すまん、と目で謝られてしまった。
「ふっ、君が自分の身の程を知っているようでよかったよ」
何の脈絡もなく、ウェインがぶっこんできた。ナチュラルな上から目線がかなりうざい。
「形の上では君が義兄上だが、王になるのはこの僕だ。国のため、僕のため、頑張ってくれたまえ」
何だ、こいつ?
割と本気でウェインが得体の知れない生き物のように見えた。
他の皆も驚いている。婚約者にまで呆れたような顔されちゃダメだろ。
「僕が王になったあかつきには、君にはしっかりと働いてもらうからね。よろしく頼むよ」
俺の方はこれっぽっちも思わなかったが、毒気を抜かれてしまったようで、よろしく、なんて答えてしまった……
「さあ、食事を続けよう」
いささか無理矢理だったが、王様の言葉で皆の意識がそちらへ移った。
助かった……
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