異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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41 ピロートーク?

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 事後、心地好い気怠さに包まれながら密着しているこの時間が結構好きだ。腕の中の温かさと柔らかさをダイレクトに感じていると、文字通り全身で幸せを感じる。

 ぴったりと寄り添ってくれているシルヴィアの、少し疲れた、それでいて満ち足りた表情を見ると、言葉にせずとも同じ気持ちでいてくれるのが伝わってくる。

「愛してるよ」

 言いながら、シルヴィアの唇を啄む。

「わたしも、愛してる」

 キスに応えながら、ぎゅっとしがみついてくる。

 幸せを噛みしめながら、しばしイチャイチャする。

「そう言えば、あのドレスってーー」

「イリスが持ってきてくれたの。コータロー様が狙ってるドレスが売れてしまいそうでしたので取り急ぎ確保してきました、って言ってたわ」

「それなら俺に渡してくれればいいのに」

「サプライズ、だって」

「……」

 ちょっと悔しい。そのサプライズは大成功だよ、イリスさん。

「あれ?   でも何でイリスさんは俺があのドレス狙ってるって知ってたんだ?   俺、誰にも言ってないぞ」

「皆知ってたみたいよ。何度もお店の前で見てればバレバレだって」

 シルヴィアは可笑しそうに笑う。

 そう言えばジャックも事情をわかってるような口ぶりだったな。ヤツには計画の一部は明かしてあったが、ドレスの件は知らないはずだよな。

 待てよ。ジャックへ情報が流れてるってことは、その逆も間違いなくあるよな……

 なんてこった……

「…もしかして、シルヴィアも知ってた?」

 だとしたらいたたまれない。バレてるサプライズを張りきって準備する姿って……

「今日イリスから聞いただけ」

「…どこまで聞いた?」

「他には何も」

 その返事に胸を撫で下ろしかけたのだがーー

「聞いてないけど、このドレスを見れば想像はつくよ」

「…ごもっとも」

 はあー、何やってんだろ、俺……

「そんな顔しないで。わたし、本当に嬉しかったから。ありがとう、コータロー」

 チュッ

「!?」

 奥手なシルヴィアからキスをしてくれるのは非常に珍しい。ので、それだけで舞い上がり、他のことはどうでもよくなった。

 よし、こうなったら、いくところまでいこう。

「ちょっと待ってて」

 帰りにジャックから受け取った品を持ってくる。

「これをして欲しいんだ」

 包みを開けて見せる。

「指輪?」

 出来上がりは俺も初めて見たが、ガンテスさんの作だけあって、素晴らしい指輪だった。っていうか、メビウスの輪ってこうやって作れる物なのか?

 つくづくあの人の技術はすげえと思う。

「俺が元いた世界の風習なんだけど、結婚した夫婦がお揃いの指輪をつけるんだ。こっちでいう懐剣みたいなものだけど、これなら常に身につけてられるだろ」

「素敵ね」

 シルヴィアの笑顔が輝く。

「懐剣作った職人さんに頼んどいたんだ。それが今日届いたんだよ。本当はドレスと一緒にサプライズにしようと思ってたんだけどな」

 これに関しては苦笑するしかない。シルヴィアが喜んでくれたことでよしとしておこう。

「左手貸して」

「?」

 素直に差し出された手を取る。

「結婚指輪は左手の薬指にはめるんだ」

 言いながら、シルヴィアの指に指輪をはめる。さすがガンテスさんで、指輪はジャストフィットした。

「じゃあわたしも」

 今度はシルヴィアが俺に指輪をはめてくれた。

「うふふ」

 ご機嫌な様子でシルヴィアは指輪を見つめている。喜んでくれたようで何よりだ。

「ありがとうね、コータロー」

「これからもよろしくな」

「こちらこそ」

 抱擁を交わし、二人してもう一度ベッドに潜り込んだ。
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