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42 親の想い
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式を挙げることを決め、準備に取りかかったはいいのだが、これがまた予想を遥かに超えて大変だった。
どこで式を挙げるか。
誰を招待するか。
披露宴をどうするか。
大雑把にはこの三点だが、付随して考えなければならないことが山ほど出てきた。
シルヴィアとは、とにかく身の丈に合ったことをしようと話している。お世話になった人たちにこれまでのお礼と、これからもよろしくの挨拶を主眼に、できる限りのおもてなしをさせていただくつもりでいる。
金がない分知恵を使わなければならないわけで、周りの人たちの助けを受けながら準備を進めていたのだがーー
ある日、イリスさんが一組の夫婦を連れてきた。
「お父様、お母様!?」
「元気でやっているようだな」
王様にしては珍しく、どこか遠慮がちに話しかけている。
「はい。毎日楽しいです。コータローは優しいですし、友達もできました」
「よかった。あなたは、あなたにふさわしい居場所を見つけることができたのですね」
王妃様は目を潤ませている。
ひとしきり近況報告をした後、王様が居ずまいを正した。合わせて俺も背筋を伸ばす。
「今日はコータロー殿に頼みたいことがあって、無理を言ってイリスに案内してもらったんだ」
「どういったことでしょうか?」
「二人が結婚式を挙げると聞いてな。協力させてもらえないかと思ったんだ」
「それは……」
その申し出は予想できた。式の話を聞いたらそう言ってくるだろうな、と思っていた。
そして、実際に申し出があったら、それは断ろうと決めていた。王様の援助なんて受けてしまったら、身の丈とは程遠いことになってしまうから。
そう告げると、王様はあからさまにがっかりした。
「コータロー様、大変申し訳ございませんが、差し出口を挟ませていただきます」
堅い口調で言ったのはイリスさんだった。
「自分たちの力でできる範囲でというのは立派な心がけだと思います。ですが、コータロー様はひとつ大切なことを見落としていらっしゃいます」
「大切なこと?」
「親の想いです」
「親の、想い……」
「もしお二人に子供ができて、それが女の子だったとします。その娘がお嫁に行くと決まったら、どうします?」
「どうするもこうするも、できる限り最高の準備をして送り出すさ」
「ですよね」
我が意を得たり、とイリスさんはにっこり笑った。
「…言いたいことはわかったよ」
そこは確かにイリスさんの言う通りだ。俺たちは自分たちの力だけでというところにこだわり過ぎていたようだ。
「すみませんでした。それから、ありがとうございます。お話、ありがたく受けさせていただきます」
王様、王妃様がほっとした笑顔を見せる。
こうして、俺たちの結婚式は転舵することになった。
どこで式を挙げるか。
誰を招待するか。
披露宴をどうするか。
大雑把にはこの三点だが、付随して考えなければならないことが山ほど出てきた。
シルヴィアとは、とにかく身の丈に合ったことをしようと話している。お世話になった人たちにこれまでのお礼と、これからもよろしくの挨拶を主眼に、できる限りのおもてなしをさせていただくつもりでいる。
金がない分知恵を使わなければならないわけで、周りの人たちの助けを受けながら準備を進めていたのだがーー
ある日、イリスさんが一組の夫婦を連れてきた。
「お父様、お母様!?」
「元気でやっているようだな」
王様にしては珍しく、どこか遠慮がちに話しかけている。
「はい。毎日楽しいです。コータローは優しいですし、友達もできました」
「よかった。あなたは、あなたにふさわしい居場所を見つけることができたのですね」
王妃様は目を潤ませている。
ひとしきり近況報告をした後、王様が居ずまいを正した。合わせて俺も背筋を伸ばす。
「今日はコータロー殿に頼みたいことがあって、無理を言ってイリスに案内してもらったんだ」
「どういったことでしょうか?」
「二人が結婚式を挙げると聞いてな。協力させてもらえないかと思ったんだ」
「それは……」
その申し出は予想できた。式の話を聞いたらそう言ってくるだろうな、と思っていた。
そして、実際に申し出があったら、それは断ろうと決めていた。王様の援助なんて受けてしまったら、身の丈とは程遠いことになってしまうから。
そう告げると、王様はあからさまにがっかりした。
「コータロー様、大変申し訳ございませんが、差し出口を挟ませていただきます」
堅い口調で言ったのはイリスさんだった。
「自分たちの力でできる範囲でというのは立派な心がけだと思います。ですが、コータロー様はひとつ大切なことを見落としていらっしゃいます」
「大切なこと?」
「親の想いです」
「親の、想い……」
「もしお二人に子供ができて、それが女の子だったとします。その娘がお嫁に行くと決まったら、どうします?」
「どうするもこうするも、できる限り最高の準備をして送り出すさ」
「ですよね」
我が意を得たり、とイリスさんはにっこり笑った。
「…言いたいことはわかったよ」
そこは確かにイリスさんの言う通りだ。俺たちは自分たちの力だけでというところにこだわり過ぎていたようだ。
「すみませんでした。それから、ありがとうございます。お話、ありがたく受けさせていただきます」
王様、王妃様がほっとした笑顔を見せる。
こうして、俺たちの結婚式は転舵することになった。
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○○○
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