異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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43 この話、どこまででかくなっちまうんだ!?

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 …何だろう、この落ち着かない感じは……

 結婚式の準備は進み始めた。

 それはいい。

 それはいいんだが……



 この話、どこまででかくなっちまうんだ!?



 まず、王様からの援助が決まった時点で、身の丈というコンセプトは消えた。

 次に、実行委員長にイリスさんが就任した時点で自主性が消えた。

 今日聞いた話では、祭りの中のイベントのひとつとして俺たちの結婚式は行われるらしい。らしい、というのが少し悲しい。

「よう、幸せモン」

 話が暴走している根源の一人ーージャックがやって来た。イリスさんとタッグを組んで、色々と画策しているらしい。

 この男、俺たちの結婚式を自分の商会の名を上げるチャンスだと捉えている節がある。大きなイベントを成功させて、オランド商会ここにあり、とアピールする気満々なのだ。

 それはそれでいい。ジャックに商才があるのは確かだし、商会が大きくなればこちらにも色々とメリットがあるので、是非頑張って欲しい。

 ただ、そこに俺たちの結婚式を巻き込むのはやめて欲しい。

「そりゃ無理だ。そここそが肝になるんだから」

「はあ?」

 言ってる意味がわからない。俺たちの結婚式を肝にするってどういうことだ?

「おまえたちの異世界風結婚式を誰もが憧れるようなものにプロデュースするだろ。そしたら、同じような式を挙げたいってカップルが絶対に現れると思うんだ。その時に、ウチがそのノウハウを持ってればすごいことになるじゃないか」

 いっそ清々しいまでにジャックは言い切った。

「そのノウハウの出処は俺だよな。俺がよそに情報流したらどうなるんだ?」

 それに、俺の他にも召喚勇者はいるぞ。

「そのへんにぬかりはないさ。女性の召喚勇者とアドバイザー契約を結んであるから、例えおまえが情報を流したとしても、それを上回るものを提供すればいいだけの話だ」

 ドヤ顔で言われると、なんか腹たつな。

「まあ心配すんな。全身全霊を込めて、最高の結婚式にするから」

 俺もジャックが手を抜くとはこれっぽっちも思っていない。全力を尽くしてくれるのは間違いないだろう。

 ただ、だからこそ怖いのだ。

 ジャックが全力を尽くした結果、話がどこまで大きくなるかが想像できないのだ。今でさえ手に余るような状態なのに、これ以上になったら自分の結婚式だと思えなくなってしまいそうで怖い。

「ありがたい話なんだろうけど、ほどほどに頼むな」

 そう言った俺の表情に何かを感じてくれたのか、むやみやたらと広げることはしないと約束してくれた。

 頼むぜ、マジで。
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