異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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80 故郷の味

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 街に出ると、皆あっという間にバラバラに散っていった。

 ガンテスさんは、この国のレベルを知りたいと職人街へ向かった。

 旅の間にすっかり仲良くなったカズサさんとツブラは、ツブラの女子力アップのためにと服やアクセサリーを見に行った。

 ユキノさんとリョウさんは、異国グルメを堪能しに行った。一緒に行こうかとも思ったのだが、この二人は食べ始めると必ずフードバトルになって落ち着いて食べれないので、別行動とることにした。

 そんなわけで、今はシルヴィアと二人、オルタナの王都を散策している。

「あたりまえだけど、レジーナとは全然雰囲気が違うね」

「そうだな。こっちの方が勢いがあるって言うか、賑やかだよな」

「こっちまでウキウキしてきちゃう」

 そう言って、シルヴィアは俺の手を取った。

「えへへ、デートだね」

 か、可愛過ぎる……

 まったく初々しさが失われないシルヴィア。これはある意味奇跡だと思うんだが。

 なかなか二人きりになれずにいて、シルヴィア成分が不足してたところだ。このデートできっちり充電させてもらおう。

「まずは腹ごしらえするか。さっきからあの屋台の匂いが気になってしょうがねえんだ」

「実はわたしも」

 悪戯っぽい笑みを浮かべるシルヴィアとB級グルメツアーを堪能することにして、先程から魅惑の芳香で嗅覚を刺激してくる屋台へ向かった。

 肉を焼く香ばしい匂いと…この匂い…まさか、醤油!?

 多分この匂いは間違いない。

 こっちに来てから、醤油と味噌の味に飢えていたのだ。片方とは言え、その飢えが満たされるのであれば、これ以上のことはない。

 早速焼きたての肉串を買い込む。

 滴り落ちる脂が視覚を、醤油の香りが嗅覚を刺激し、期待感を高めていく。

 かぶりつく。

 想像していたより遥かに柔らかい。

 肉汁と脂が口の中に広がる。肉の味自体もいいが、俺的にはこの醤油ベースの味付けがどストライクだ。

「美味い!」

 これならいくらでも食える。

「不思議な味……でも、美味しい」

 シルヴィアも気に入ったようだ。

「故郷の味ってやっぱりいいな」

 久しぶりの醤油味を堪能し尽して、テンションとこの国に対する好感度がかなり上がった。

 やっぱ飯は大事だよな、うん。

 街をブラブラしているうちに、冒険者ギルドを見つけた。デートの最中ではあるのだが、寄ってみることにした。

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