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104 ミネルヴァ、思いの丈
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拍手をしながら、年齢的にミネルヴァと釣り合いそうな若手の貴族たちが演壇に近づいてくる。恐らく、話が終わると同時にアプローチをかけようという魂胆だろう。
ところが、続くブライト王子の言葉が、そんな思惑を問答無用でぶった切った。
「併せて発表したいーーミネルヴァの婚約が整った」
「……」
「……」
「……」
何とも言えない静寂。
若手貴族たちはお互いの顔を見合わせて、今自分が耳にしたことが本当かどうかを確認しあった。
「…ど、どういうことだよ……」
「一体誰が……」
「先日、ミネルヴァは呪いを解いてくれた男ーータカスギ・コータローと婚姻の約定を交わした。一月の告知期間の後、婚姻が成立する」
「告知期間、って何だ?」
初めて聞く言葉が出てきた。
「この婚約に異議のある者は、告知期間の間に申し立てるように。異議が出ないようなら告知期間終了後に婚礼を執り行うこととする」
ちょっと待て、おい。何の話だ!? 告知期間だとか何とかなんて聞いてねえぞ。
「異議あり!」
早速声が上がった。
「そのコータローとやらは一体誰なんだ? そんな見たことも聞いたこともないような者がミネルヴァ様と釣り合うのか?」
「そうだ! ミネルヴァ様には我ら高貴な者でなければ釣り合いがとれん」
和やかな空気から一変、怒号も飛び交う、殺伐とした空気になってしまった。
…どいつもこいつも好き勝手言ってやがんな。
で、どうして誰もミネルヴァが悲しそうな顔をしていることに気づかないんだ。
壇上に上がった時の輝く笑顔がすっかり曇ってしまっている。
ダメだろう。女の子にあんな顔させちゃあ。
段々腹が立ってきた。
「ーーいいかげんにしろ!」
気づいたら壇上で怒鳴っていた。
「ミネルヴァにこんな顔させて、何とも思わねえのか、てめえらは!」
「何だ、貴様は」
「俺が、高杉孝太郎だ。文句があるなら一人ずつじっくり聞いてやるから、表ぇ出ろ!!」
会場が怒気で沸騰した。
「平民風情が!」
「何様のつもりだ」
「無礼者が、思い知らせてくれるぞ」
一触即発の空気が醸成された時、ミネルヴァが俺の右腕を押さえた。
「待って。わたしがーー」
「え?」
進み出たミネルヴァの姿に、狂騒が鎮まる。
場内を一瞥して、ミネルヴァは話し始めた。
「ーーわたしは、なぜ今までご縁に恵まれなかったのでしょうか?」
答えがわかってる問いをあえて発しているみたいだ。
「縁談がなかったわけではありません。ですが、残念なことに、ことごとくお断りをいただく結果になってしまいました」
ミネルヴァの言葉に、気まずそうに顔を反らす貴族多数。
「容姿の件があったので、仕方ないことだとあきらめていました。ずっと独りで生きていくんだと思っていました」
誰もが神妙な表情でミネルヴァの話を聞いている。
「…夢も希望も持てない、モノトーンの毎日でした。生きていてもしょうがないと思ったこともありました」
淡々とした口調が、ミネルヴァの苦悩をリアルに想像させ、胸が苦しくなった。
「そんな時でした。コータローがわたしの前に現れてくれたんです」
ところが、続くブライト王子の言葉が、そんな思惑を問答無用でぶった切った。
「併せて発表したいーーミネルヴァの婚約が整った」
「……」
「……」
「……」
何とも言えない静寂。
若手貴族たちはお互いの顔を見合わせて、今自分が耳にしたことが本当かどうかを確認しあった。
「…ど、どういうことだよ……」
「一体誰が……」
「先日、ミネルヴァは呪いを解いてくれた男ーータカスギ・コータローと婚姻の約定を交わした。一月の告知期間の後、婚姻が成立する」
「告知期間、って何だ?」
初めて聞く言葉が出てきた。
「この婚約に異議のある者は、告知期間の間に申し立てるように。異議が出ないようなら告知期間終了後に婚礼を執り行うこととする」
ちょっと待て、おい。何の話だ!? 告知期間だとか何とかなんて聞いてねえぞ。
「異議あり!」
早速声が上がった。
「そのコータローとやらは一体誰なんだ? そんな見たことも聞いたこともないような者がミネルヴァ様と釣り合うのか?」
「そうだ! ミネルヴァ様には我ら高貴な者でなければ釣り合いがとれん」
和やかな空気から一変、怒号も飛び交う、殺伐とした空気になってしまった。
…どいつもこいつも好き勝手言ってやがんな。
で、どうして誰もミネルヴァが悲しそうな顔をしていることに気づかないんだ。
壇上に上がった時の輝く笑顔がすっかり曇ってしまっている。
ダメだろう。女の子にあんな顔させちゃあ。
段々腹が立ってきた。
「ーーいいかげんにしろ!」
気づいたら壇上で怒鳴っていた。
「ミネルヴァにこんな顔させて、何とも思わねえのか、てめえらは!」
「何だ、貴様は」
「俺が、高杉孝太郎だ。文句があるなら一人ずつじっくり聞いてやるから、表ぇ出ろ!!」
会場が怒気で沸騰した。
「平民風情が!」
「何様のつもりだ」
「無礼者が、思い知らせてくれるぞ」
一触即発の空気が醸成された時、ミネルヴァが俺の右腕を押さえた。
「待って。わたしがーー」
「え?」
進み出たミネルヴァの姿に、狂騒が鎮まる。
場内を一瞥して、ミネルヴァは話し始めた。
「ーーわたしは、なぜ今までご縁に恵まれなかったのでしょうか?」
答えがわかってる問いをあえて発しているみたいだ。
「縁談がなかったわけではありません。ですが、残念なことに、ことごとくお断りをいただく結果になってしまいました」
ミネルヴァの言葉に、気まずそうに顔を反らす貴族多数。
「容姿の件があったので、仕方ないことだとあきらめていました。ずっと独りで生きていくんだと思っていました」
誰もが神妙な表情でミネルヴァの話を聞いている。
「…夢も希望も持てない、モノトーンの毎日でした。生きていてもしょうがないと思ったこともありました」
淡々とした口調が、ミネルヴァの苦悩をリアルに想像させ、胸が苦しくなった。
「そんな時でした。コータローがわたしの前に現れてくれたんです」
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